概要
「おはようフェルプス君」
米国で1966年から1973年まで放送されたテレビドラマシリーズ。全部で171話制作・放送されている。原題は「Mission:Impossible」。
日本では1967年から1973年にかけて、やや断続的にフジテレビ、関西テレビ、東海テレビ、テレビ西日本などで放送された。
正体不明の人物から指令を受けたリーダーが作戦に参加するメンバーを集め、各メンバーの特技を元に任務を遂行し、様々な困難を乗り越えながら任務を完了するのが大まかな話の筋である。基本は一話完結。
指令を送る「当局の者」は声以外一切登場せず、仮にリーダーやメンバーが任務中に捕えられたり死亡したりした場合においても一切のフォローは行わない事を明言している。
ラロ・シフリンが手掛けたオープニングテーマ、そして指令テープの「なお、このテープは自動的に消滅する」と言う言い回しは、後年に直接この番組を見たことのない人でもどこかで聞いたことがあると思われるほどの大きなインパクトがあった。また、指令の吹き替えを担当した大平透の好演も記憶に残る。
1988年から1990年にかけて(2代目)リーダーであるジム・フェルプス以外のメンバーを入れ替えた上で続編が制作・放送された。こちらは日本では『新スパイ大作戦』というタイトルで、1991年3月から10月にかけて、日本テレビ、読売テレビ、中京テレビ、福岡放送などで放送されている。
1996年にトム・クルーズ主演で映画化された(「ミッション・インポッシブル」)が、内容はオリジナルとは別物になっていた。テレビシリーズ出演者の中には否定的な意見も相次いだという。
指令の一例
リーダーが指定された場所(廃墟や倉庫等様々)に赴き、オープンリールのプレーヤーと作戦資料の入った封筒を見つける。
テープの声「おはようフェルプス君。(状況説明)、そこで君の使命だが、(作戦目的)、例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。成功を祈る」
再生が終わると、何らかの仕組みでテープから煙が発生して、証拠隠滅がなされる。
大平透の渋い重低音で、「例によって」の部分に極端なアクセントが掛かった言い回しを、当時の子供たちは真似し、流行語となった。
この指令を受けた後、「リーダーが作戦を立て、ミッション参加メンバーを選ぶ」「作戦会議」「作戦開始、実行」「任務完了」という流れになる。
指令の内容は国内外問わず多岐に渡る。例を挙げると、国外における独裁者の政治活動の妨害や独裁的政権樹立の阻止、不当に拘束収監され死刑囚とされた人物を救出し第三国へ脱出させる、新型核弾頭など大量破壊兵器に関して奪われた情報を奪回し回収(あるいは暴露)する、国内マフィアのボスの裏をかく形で組織を自壊に見せかけて壊滅させる等、様々である。本作の時代背景としては当時は東西冷戦の真っ只中であり、対抗勢力としていわゆる冷戦の悪党たちが登場する事が多かった。
ちなみに毎度指令を行う者は正体不明のままであり、少なくとも諜報機関(おそらくはCIA)の者であるのが有力視されている。
シリーズが進むとオープンリールデッキから光ディスクに代わり、モニタ付きの再生機器に変わっている。当然であるが、どのようなメディア機器になろうとも再生が終わると自動的にデッキごと自壊し情報は隠滅される。
オープニングテーマ
関連タグ
モンタナ・ジョーンズ : 主人公のモンタナが毎回レコードで指令を受ける・再生が終わるとレコードが燃えて消滅といったオマージュがある。こちらでは指令を送る者は判明しているのが、スパイ大作戦と違うところである。
仮面ライダーX : キングダーク出現前はGOD機関のメンバーが毎回様々な物体に仕込まれたテープレコーダーからGOD総司令の指令を受け、再生が終わるとレコーダーは煙を吹きだすなどして消滅していた。
ヤッターマン:毎回ドロンボーに指令を送ったドクロベエのテープが「なお、このテープは自動的に消滅する」と言って大爆発を起こしドロンボーを黒焦げにすると言うギャグが繰り返された。