概要
江戸時代の徳川幕府の幕閣における役職名のひとつ。及び時代劇・大江戸捜査網に登場する役職名のひとつ。
同じ同心でも町方同心は一般的に広く知られているのに対して、隠密同心は知る人のみしか知られていないのが現状だった。
ところが一般人に広く知られるようになったのは、上記の大江戸捜査網の存在のおかげなのは言うまでもない。
主な役割
江戸八百八町の平和を影日向から守る、時の老中である松平定信が極秘裏に創設した秘密捜査員のこと。またその隠密同心たちを指揮・束ねる上司を隠密支配と呼ばれる。
彼らは変装・潜入・囮などの様々な手段を駆使して、事件の裏にはびこる、法で全く裁けぬ江戸の巨悪(若年寄・大名・旗本・大目付・各奉行・悪徳商人・ヤクザなど)を炙り出し、成敗するのがメインなミッションとなっている。
町奉行とその役人たちは自分たちよりも身分が高い権力者には捕縛はおろか、意見のひとつすら言えず、悪行三昧をそのまま野放しにするが、隠密同心たちは敵がたとえ権力者(将軍家も含む)であっても、遠慮せず抹殺できるマーダーライセンス(殺人許可証)を老中から各々許可されている。
マーダーライセンスが許可されているからといって、善人や弱者を辻斬り紛いに抹殺することは勿論絶対に許可されてはいない。
マーダーライセンスが許可されるのは、飽くまでも法で全く裁けぬ巨悪を成敗するための不文律であり、それは《隠密同心、心得の条》にもしっかりと明記されている。