概要
1948年に設立され、ミステリー映画『ドクター・モレル/消えた相続人』を第1作目として制作。1955年に第2作目『原子人間』を成功させたことでアメリカの配給会社からユニバーサル映画が制作した『フランケンシュタイン』のカラー版リメイクを打診され、『フランケンシュタインの逆襲』を1957年に制作。出演したピーター・カッシングとクリストファー・リーをスターにのし上げた。この作品のヒットもあって、『魔人ドラキュラ』のカラーリメイクとして『吸血鬼ドラキュラ』とそのシリーズ、ミイラ男、狼男、ゴーゴン、オペラ座の怪人、ゾンビ等、今日まで知られる古典的なテーマのホラー・ミステリー作品の映画を次々と制作した。
ホラーものばかりでなく、『恐竜100万年』のような原始時代をテーマにした映画も制作。
が、70年代になると他社制作のより刺激の強いホラー映画が氾濫してくるようになり、クラシックスタイルのハマー作品は低迷するようになり、新機軸として香港・ショウブラザーズとの合作『ドラゴンvs7人の吸血鬼』などを制作するなどしたがヒットにはつながらず本作が実質最後の作品となった。
1978年に日本の東宝との合作怪獣映画『ネッシー』なども企画するが実現には至らず、その後は映画制作から手を引いた状態となっている。(社自体は版権管理のために存在している模様)
映画『ネッシー』は東宝としても久々の合作となるはずだった作品で、特技監督として据えられるはずだった中野昭慶は映画に意気込んでいたら、ハマー側から「エリザベス女王陛下から『イギリス経済が低迷している状況で貴重な外貨を映画に使う必要があるのですか?』とダメ出しされたから」という理由で中止を伝えられ、「後々考えたら資金繰りが悪くなったから女王陛下を理由にしないとカッコ付かなかったんだろうけど、当時はエリザベス女王を恨みましたね」と述べている。
『ドラゴンvs7人の吸血鬼』は作品の評価は低かったものの、後のキョンシー映画に強い影響を与えることとなる。