概要
拳銃の名手にして凄腕の殺し屋であるフランシスコ・スカラマンガの愛銃。
その名の通り、余すところなく金色。一撃必殺の威力を持っており、スカラマンガの技術と合わさることで無類の強さを発揮する。
ジェームズ・ボンドが扱う小型拳銃ワルサーPPKと比べてもおもちゃのようにすら見える、かなり小さい銃。単発式で、口径は4.2mm。特注の弾丸を用いる。
小さいのも道理で、偽装のために、いくつかのパーツに分解することが出来、しかもそれぞれが純金製の小物に変形するようになっている。
- グリップ:シガレットケース
- 銃身:万年筆
- 引き金:カフスボタン
- 本体:ライター
使用するにはいちいちこれらを組み立てる必要がある。単発式である以上、激しい銃撃戦ではもちろん不利である。
武器の持込が制限されるような場所にも持ち込めるなどの、高い偽装効果を優先して作られた、暗殺に特化した拳銃。あるいはスカラマンガの趣味である決闘に特化した拳銃と言える。
そのためなのかは不明だが、外見自体はやたらとダサい。銃身に対してグリップがほぼ垂直であり、狙いにくそうなことこの上ない、実用面でも問題がありそうなデザインである。
そののっぺりしたデザイン故か、後述するゲーム版では、ローポリゴンでもかなり忠実に再現できていた。
使用弾薬
非常に純度が高く柔らかい23金(Au 265)にわずかに白銅を加えて作った4.2mmダムダム弾を使用する。金は鉛などと比べて展性が非常に大きいため、着弾後変形・破損して命中部分により大きく広大なダメージを与えるというダムダム弾の特性がさらに高められており、非常に高い殺傷力を持っている。
4.2mmという豆鉄砲同然の大きさでも一撃必殺なのはこういうわけである。
(あくまで設定上の話であり、現実での再現性は疑わしいが)
ただしもちろん特注品で、マカオのラザーという銃のハンドメーカーにしか生産できない。
原作小説版
映画の原作にあたる『黄金の銃を持つ男』にもスカラマンガの愛銃として登場。
こちらは金メッキが施されたコルトシングルアクションアーミーであり、見た目の派手さはともかく特別な機能は持っていない。
しかし、スカラマンガは同時に金メッキが施された超小型拳銃デリンジャーを隠し持っており、不意討ちでボンドに重傷を与える事に成功している。デリンジャーの弾丸には馬をも殺せるほどの毒まで仕込んであったが、治療にあたった医者が毒の存在に気付いたため、血清注射で解毒されている。
なお、デリンジャー自体は映画版にも登場している(スカラマンガの部下、ニックナックが装備しておりボンドを脅迫するのに使用した)。
『ゴールデンアイ007』
映画第17作『ゴールデンアイ』を原作としたFPSにも、隠し武器として登場。
1発ずつしか撃てない機構、防弾チョッキすら貫通する一撃必殺級の威力(通常の弾丸の100倍)、ローポリゴンっぽい妙なデザインなどの全てが忠実に再現されている。
ゲーム本編では難易度ハードでメインストーリー及びアステカ(隠しステージ1)をクリアすると出現する隠しステージ2「エジプト」で入手可能。
何故か、墓地らしき遺跡の最奥部でショーウィンドウの中に安置されており、特定のルート(完全ノーヒント)を通過しないと入手出来ない。失敗すると黄金銃は隠され、左右2丁出現する、爆弾系の武器(※)でなければ破壊不可能な自動機銃に蜂の巣にされる。
部屋に入り直せば再挑戦出来るが、素直にリスタートした方が良いだろう。
また同ステージでは映画第8作『死ぬのは奴らだ』に登場した不死身の男・サミディ(原作やwii版でのサメディ男爵)がボスキャラクターとして登場。
黄金銃を確保し、サミディを三度撃破することで、墓地を脱出しクリアとなる。
※兵士が稀に使う手榴弾を構え、且つ信管を外す前に倒すと入手可能だが、基本的に後述のお楽しみモードでオール武器引っ提げての破壊となる。
下記お楽しみモードを使うことで、エジプト以外のステージでも使用可能となる(後者は「弾無制限モード」も必要になるが)。
- 全てのステージのハードをクリアすることで追加される「黄金銃」
- エジプトのハードを規定タイム以内でクリアすることで追加される「オール武器モード」
ちなみに別のお楽しみモード限定の武器である「ゴールドPP7」は、黄金銃の威力を持つPP7という性能になっている。弾薬も他のピストルと共通。
余談だが、クリア後のサミディはちょっとしたホラー。しかし原作映画でも同じような感じで物語にオチをつけていたので、これに対するオマージュもあるかもしれない。
対戦モードでは武器系統の一つとして黄金銃がある他、「黄金銃を持つ男」ルールではステージ内に一丁のみ存在する黄金銃を取り合うこととなる。
「黄金銃を持つ男」ルール以外では所持制限が無いため、全員黄金銃でバカスカ撃ち合うことも出来る。
「リビング・デイライツ(フラッグ戦)」ルールのフラッグと異なり、キープだけして使わないことも可能。
そしてある意味一番重要なのがプレイヤーの間でしばしばネタにされるその通称。
誰が呼んだか金弾銃(どう読むかはお察しください)。確かにいろいろな意味で間違ってはいないが、ド直球にも程がある。
後続のゲーム作品『ナイトファイア』などでも対戦モード用の武器として登場している。
また続編パーフェクトダークにおいても、トレント・イーストンの使用する特注のマグナム銃「DY357-LX」が黄金銃を系譜を継ぐ、金ぴかで一撃必殺の武器となっている。
関連タグ
秘密戦隊ゴレンジャー-ガンマン仮面を倒す際に使用したゴレンジャーハリケーンはこれに変化した。
快傑ズバット-第3話に登場する金バッジ連合のボス・金仮面が「金のピストル」を使用。
孔雀王-後半に登場した敵・ジークフリードがこれに似た拳銃を武器とした。
龍が如くシリーズ-EX-HARDモードクリア、サブストーリーコンプリート等で入手、弾数無限の非常に強力な武器。
レインボーシックスシージ-期間限定の対戦ルールで黄金銃が登場。当たると一撃で相手を倒せる武器となっているが弾数が1発ずつでリロードに時間が掛かるというゴールデンアイを意識した仕様となっている。
サブウェポンもなくこのルールでは全員がこの武器一丁で戦うこととなる。(正しガジェット(フラグなど)、ナイフは使用可能)
デザートイーグル-当初は特注モデルとして金メッキモデルが存在していたが、あまりにも人気があった事から通常モデル入りしている。
M9A3-アメリカ陸軍の拳銃であるM9の近代化改修案。色はFDEだが最初期のモデルは黄金銃といった色合い。
HK416-デルタフォースの使用しているHK416 CAGのレシーバーやパーツの処理の仕上げがまっ金色であるため「デルタの黄金銃」と揶揄されている。