概要
1912年、カール・レムリが九つの中小企業を合併させて創立。現存するアメリカ映画会社では、パラマウント映画に次いで二番目に古い歴史を持つ。
創業者のレムリはスターシステムの基を作った人物でもある。
ハリウッドに越してきたころ、レムリはユニバーサル・シティ・スタジオを建造。これを観光客に見学させたことが、後のユニバーサルスタジオにつながっている。
ハリウッド黄金期といわれる1930-40年代は、『魔人ドラキュラ』(1931年)、『フランケンシュタイン』(1931年)、『ミイラ再生』(1932年)といったホラー映画が好調で、これらモンスターのイメージを定着させた。
だがそれ以外の成績は思わしくなく、企業の規模はやや小さめ、コロンビア映画と並ぶ《リトル2》だった。
その後、ハリウッドは苦境時代に突入する。60年代、ユニバーサルはミュージック・コーポレーション・オブ・アメリカ(MCA)に買収され、メジャー会社に成長。アメリカ三大ネットワークの一つNBCと提携し、テレビ向け映画の制作を始める。
70年代にはスティーブン・スピルバーグが現れ、数々のヒット作で屋台骨を作った。
90年には松下電器(現・Panasonic)の傘下に入ったがうまくいかず、2000年にフランスの複合企業であるヴィヴェンディの傘下に入ったものの、僅か2年で急激に経営悪化となる羽目になり、2004年にNBCと合併、現在はNBCユニバーサルの映画部門として落ち着いている。
アニメに関しては1927年、ウォルト・ディズニーに『しあわせウサギのオズワルド』を作らせたが、契約のトラブルで決裂。オズワルドの権利はユニバーサルが保持していたが、後にディズニーはオズワルドの分身とでも言うべきミッキーマウスで世界的人気を確立。ユニバーサルは金の卵を逃すことになった。オズワルドの権利は2006年、ディズニーに返還された。
他、1940年にウォルター・ランツによって生み出され、ユニバーサルのマスコット的存在として人気を博したウッディー・ウッドペッカーや、仲間のウィニー・ウッドペッカー、チリー・ウィリーらがいる。
日本法人が設立されているが2009年にジェネオンと合併、「ジェネオンユニバーサル」になり2014年には現在の「NBCユニバーサル」(日本法人の正式名称はNBCユニバーサルエンターテイメントジャパン)に社名が改められた。ユニバーサルの映画はもちろんアニメやアニソンも手掛けている(日本法人についてはNBCユニバーサルを参照)。
ちなみに、映画作品の配給は初期はUIP、現在は東宝傘下の東宝東和によって行われている。
ロゴ
地球を周回する「UNIVERSAL」の文字が印象的。
- 初代
地球の周りを飛行機が循環する。飛行機の通過と共に「A UNIVERSAL PICTURE」のフォントが出現。
- 2代目
地球の周りをやや大型の文字が回るという非常に派手な演出になっている。音楽もかなり明るくなり、このロゴからカラー化された。
- 3代目
2代目から一転して一枚絵の地味なロゴに。地球に「A UNIVERSAL PICTURE」の文字が出現。
- 4代目
2代目同様地味だが地球が回っているため一枚絵ではなくなった。このロゴのみ「Universal Intertational」表記になっている。
- 5代目(1961〜1990)
地球をバックに「A UNIVERSAL RELEASE」の文字が出現。このロゴから「UNIVERSAL」のフォントが大型化するようになり今のロゴに少し近づいた。およそ30年間と長い期間使用された。
- 6代目(1990〜1997)
75周年を記念して作成。フォントの流れ方や、表記が「UNIVERSAL」のみになるなど今のロゴの基礎になった。この代のロゴまでは作品によってはファンファーレの代わりに劇中の曲が流れることがあった。
- 7代目(1997〜2012)
6代目から僅か7年で変更。ロゴの流れ方は6代目と同様だが、地球のグラフィックが大幅に改善され、流れてくる「UNIVERSAL」のフォントもより立体的になった。ファンファーレも壮大になり、現在でも使われているものに変更された。
ちなみに先述の2009年に合併したジェネオンユニバーサル(当時)については専用のものになっている。
- 8代目(2012年以降)
100周年を記念して作成。地球のグラフィックがよりリアルになり、ファンファーレもより壮大にアレンジされている。「UNIVERSAL」のフォントも一直線ではなく弧を描くような配置になっている。
作品
映画
キングコング(2005年)
スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団
ドラマ
ユニバーサル・モンスターズ
関連タグ
東宝:提携先。ユニバーサル・ピクチャーズの映画の配給は東宝東和が行う。
スティーブン・スピルバーグ:ユニバーサル・ピクチャーズにおける代表的な映画人。