概要
第二次世界大戦中、ナチスの虐殺から多くのユダヤ人を救ったドイツ人実業家オスカー・シンドラーの実話を映画化。
シンドラー・ユダヤ人・ナチスを一面的ではなく、人間ドラマに厚みを持たせて描いた。この映画に登場するシンドラーは、スピルバーグの恩人で一時ワーナーブラザーズ経営者だったスティーブ・ロスをモデルにしている。
スピルバーグ自身もユダヤ系の出身であり、「血に染まった金はもらえない」と言って今作の監督料を受け取らなかった。
映像としては、当時を再現した劇中の大部分がモノクロで、強調したい部分と現代のシーンをカラーで表現するパートカラーを採用した。
モノクロなのは、当時の記録フィルムがそうであるため、そちらのほうがリアリティが出るという判断による。これに加えて、手持ちカメラを使いドキュメンタリータッチに仕上げた。
カラーなのは、冒頭とエンディングの現代、現代と当時をつなぐロウソクの火、そしてモノクロの視界に登場する赤い服を着た少女である。
この効果は結果的にスピルバーグが敬愛する黒澤明監督の『天国と地獄』へのオマージュにもなっている。
pixivでは、映画と無関係な絵にこのタグがつけられていることもあるが、それは視覚効果が今作を連想させるためである。タグとしては黒と赤(赤と黒)などがある。
あらすじ
1939年9月、ポーランドはドイツの占領下に置かれ、クラクフでもユダヤ人の強制移住が始まっていた。
ドイツ人実業家でありナチス党員でもあるオスカー・シンドラーは、戦況から需要の変化を予測し、潰れた工場を買い取って、新たに容器工場を開業する。その際、低賃金で使えるユダヤ人たちを雇用したことで、結果的にゲットーの魔手から救っていた。
戦争の激化とともにユダヤ人への締め付けは強くなる一方だった。クラフクに赴任したSS将校のアーモン・ゲート少尉は、息を吸うようにユダヤ人を殺していく。
シンドラーの工場は、やがてユダヤ人たちの駆け込み寺になっていた。当初は疎んでいたシンドラーだったが、次第に心境を変化させていく。そして、ある日街で見かけた赤い服の少女と再会したとき、その変化は決定的なものとなった。
キャスト
役名 | 配役 | 日本語吹き替え |
---|---|---|
オスカー・シンドラー | リーアム・ニーソン | 堀勝之祐 |
イザック・シュターン | ベン・キングズレー | 上田敏也 |
アーモン・ゲート | レイフ・ファインズ | 田中秀幸 |
エミリエ・シンドラー | キャロライン・グッドール | 弘中くみ子 |
ポルデク・ペファーベルグ | ジョナサン・セガール | 梅津秀行 |
ヘレン・ヒルシュ | エンベス・デイヴィッツ | 佐久間レイ |
スタッフ
製作 - スティーブン・スピルバーグ / ジェラルド・R・モーレン / ブランコ・ラスティグ
製作総指揮 - キャスリーン・ケネディ
原作 - トーマス・キニーリー
脚本 - スティーブン・ザイリアン
音楽 - ジョン・ウィリアムズ
バイオリン・ソロ - イツァーク・パールマン
撮影監督 - ヤヌス・カミンスキー
視覚効果 - インダストリアル・ライト&マジック
編集 - マイケル・カーン
製作会社 - アンブリン・エンターテインメント
配給 - ユニバーサル・ピクチャーズ(アメリカ) / UIP(日本)
データ
公開 - 1993年12月17日(アメリカ) / 1994年2月26日(日本)
上映時間 - 195分
製作国 - アメリカ合衆国
関連タグ
映画 / 洋画 / アメリカ映画 / 戦争映画 / 映画の一覧