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遊星からの物体X

ゆうせいからのぶったいえっくす

『遊星からの物体X』(原題:The Thing)とは、1982年に公開されたSFホラー映画。
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概要

1982年公開のSFホラー映画。
生命を捕食し擬態する未知の物体とアメリカ南極観測隊の攻防を描いている。

本作は1951年に公開されたSFホラー映画の古典『遊星よりの物体X』(原題:The Thing from Another World)を新たな切り口でリメイクした作品で、原作小説に当たるジョン・W・キャンベルの短編、『影が行く』<原題;Who Goes There?>をより忠実に再現した再映画化作品でもある。
ただ後述されるように「物体」の外見には大きなアレンジが取り入れられている。

監督はジョン・カーペンター
旧作を観て監督を志したという人物で、代表作の『ハロウィン』(1978年)には旧作版がテレビに映るシーンが挿入されている。

ストーリー

ノルウェーの観測基地から飛び立ったヘリが、1匹の犬を執拗に追いかけ回す場面から物語は始まる。
ノルウェー隊員たちは常軌を逸した状態で、銃や手榴弾まで駆使して周囲の被害も顧みず犬を殺そうとしたため、巻き込まれた第31前哨基地(Outpost 31)のアメリカ隊員たちは已む無くそのノルウェー隊員を射殺。
いったいノルウェー基地で何があったのか?
調査に向かったヘリ操縦士マクレディらが直面したのは、おぞましい惨劇の末に壊滅した基地、そして辛うじて残っていた記録フィルムだった。
そしてその夜、第31前哨基地へ戻ったマクレディ達は、犬に擬態していたおぞましい"物体(The Thing)"と遭遇する――……。

物体X

南極の地下に眠る円盤型の宇宙船に潜伏していた未知の宇宙生命体。
エイリアンなどと同じく固有の種族名が作中で登場することはなく、「それ」「けだもの」「怪物」、あるいは「物体(The Thing)」と呼称される。
他の生物に同化、捕食、擬態する能力を保有しており、通常の生物では耐えられない極低温下でも生存が可能。
細胞レベルでも死なない高い生命力と、宇宙旅行も可能な優れた知性を持つ反面、その行動は発作的というか感情的で、作中においてはあまり冷静さを感じられない。
だがもし仮に文明社会へ到達すれば、およそ2万7千時間(約3年)で全人類は同化され全滅すると推測されている。

またその最大の特徴である擬態能力は、本作における物体のおぞましさと恐怖を際立たせている。
何しろ普通に会話していた仲間が突如、怪物へと変貌することもあり得るのだ。
この恐怖は移動手段の途絶えた南極基地という密室空間において、誰が物体なのかと皆が疑心暗鬼に陥って徐々に状況が悪化していく闇の人間ドラマにつながっており、ホラー映画の新次元を開拓したとして高い評価を受けている。

原作小説での怪物はあくまで擬態能力を持つのみで、その正体は「目が三つあり、牙を剥き出し、複数の手を持ち、青い鱗に覆われ、毛のような触手が生えている」異形の人型として描写されている。
1951年の『遊星よりの物体X』では擬態に関する設定が削除され、頭髪のない隆起した頭部と鋭い爪を持つ大男として表現された(演ずるはジェームズ・アーネス)。その細胞は植物の物に近いが、動物の血液を養分とし、地球人以上の腕力と知性を有するものとされている。

一方、今作ではその正体は不定形の存在として描写されることはなく、さらに単に擬態するのみならず、


などなど様々な夢に出る異形の姿で登場する。
このインパクトあるモンスター造形は様々なメディアでパロディとして扱われているため、今作を直接視聴しなかった者でも心当たりがあるかもしれない。
このように物体の造形ひとつとっても、CGがなかった当時のハリウッド特撮の高さを知らしめている。

ちなみにこの「物体」の側から見た物語を描いた外伝作品もあり(「巨星:ピーター・ワッツ傑作選」)、それでは彼の持つ知性と価値観が明確に描写されており、彼から見てむしろ非合理的な生態および性質をしている人類に対していろいろ思う所があったことが語られている。

余談ながら『影が行く』は1969年に「ジュニア版世界のSF」シリーズ『なぞの宇宙物体X』としても翻訳されている。
この挿絵を手掛けているのは武部本一郎氏であり、氏の素晴らしいタッチによる物体Xの姿は必見である。

前日譚

2011年には、今作の前日譚に当たる『遊星からの物体X ファーストコンタクト』(原題:The Thing)が製作された。
こちらでは氷の下に眠る巨大構造体を発見したノルウェーの観測隊が、その正体を探る内に物体Xと遭遇、疑心暗鬼に駆られる中で壊滅し、やがて惨劇の場面と化した基地から逃げ出す犬を追いかけて隊員が雪原へとヘリを飛ばす……という今作の冒頭にそのまま繋がる物語となっている。

作中に登場するノルウェー基地は、本編で31観測基地の面々が訪れた基地の惨状を極めて忠実に再現しており、あの場所で何が起こったのかを追体験する事ができる。

後日譚

2003年には、本作の続編にあたるゲーム『遊星からの物体X episodeII』(現代:The Thing)が発売された。
こちらは本編の三ヶ月後に南極を訪れたアメリカ陸軍救助隊隊長として、マクレディなる人物の残した記録を頼りに、物体によって占拠された南極基地の探索を行っていく事になる。

本ゲームでも、本編で登場した31観測基地が再現されており、小道具や細かい演出など随所にオマージュが存在する。
ゲームバランス的には「仲間がいないと戦闘が困難だが、仲間もランダムに物体へ擬態されてしまう可能性があるため気が許せない」など、なかなかシビアな難易度になっている。
くわえてCGによって特撮の制約から解き放たれ、縦横無尽に動き回り襲いかかってくる物体の姿を楽しめるのは本作ならではの魅力といえる。

また本編の続編ということで映画のラストシーンでどうなったのかが明かされるため、ファンの中には解釈が違う者もおり、一部で物議を醸した。
ただし「こういう解釈の一つ」として見れば当時のゲームにしてはクオリティも高い良作なので、興味のあるゲーマーなら遊ぶ価値はあるだろう。

キャスト

R・J・マクレディ(ヘリ操縦士) - カート・ラッセル
ブレア(主任生物学者) - A・ウィルフォード・ブリムリー
ドクター・コッパー(医師) - リチャード・ダイサート
ギャリー(隊長) - ドナルド・モファット
ノールス(調理係) - T・K・カーター
パーマー(第2ヘリ操縦士/機械技師) - デイヴィッド・クレノン
チャイルズ(機械技師) - キース・デイヴィッド
ヴァンス・ノリス(地球物理学者) - チャールズ・ハラハン
ジョージ・ベニングス(気象学者) - ピーター・マローニー
クラーク(犬飼育係) - リチャード・メイサー
フュークス(生物学助手) - ジョエル・ポリス
ウィンドウズ(無線通信技師) - トーマス・G・ウェイツ

スタッフ

監督 - ジョン・カーペンター
脚本 - ビル・ランカスター
原作 - ジョン・W・キャンベル『影が行く』
製作 - デイヴィッド・フォスター / ローレンス・ターマン / スチュアート・コーエン
製作総指揮 - ウィルバー・スターク
音楽 - エンニオ・モリコーネ
撮影 - ディーン・カンディ
編集 - トッド・ラムジー
製作会社 - デヴィッド・フォスター・プロダクションズ / ターマン=フォスター・カンパニー(アメリカ) / CIC(日本)

データ

公開 - 1982年6月25日(アメリカ) / 1982年11月13日(日本)
上映時間 - 109分
製作国 - アメリカ合衆国
言語 - 英語

※冒頭でノルウェー基地の隊員が登場するが、彼らが話しているのはデタラメ言語でありノルウェー語ではない(演じた俳優がノルウェー語を知らず、演技指導などもなかったため)。
一方『ファーストコンタクト』では同じ役をノルウェー人俳優が演じており、こちらでは本物のノルウェー語を話す。

関連イラスト

オリジナル

ちょっとカッコイイ物体X
クリーチャー習作


遊星からの物体なんたらオマ(意味深)ージュ
遊星からのクリーチャー(着彩)


パロ

ゆっくり歩かせてね!!!
遊星からの物体QB


深海からの物体X
ぬぇーん



関連動画

遊星からの物体X 予告編

遊星からの物体X ファーストコンタクト 予告編

一部の名シーン(※グロ注意)


関連タグ

映画 / 洋画 / アメリカ映画 / SF映画 / ホラー映画 / 映画の一覧
物体X / 正体は不明だが何かすげえのが / 一体何の冗談だ?
髪行類 / 宇宙人
クリーチャー / エイリアン
トラウマ / みんなのトラウマ
遊星より愛をこめて
「遊星よりの弾幕X」

寄生獣

七英雄…物体Xの「取り込んだ生物に同化する」という能力と似たような効果を持つ「同化の法」という術によってモンスターと同化する事で更なる能力や知識を得ている。

富江…物体Xと同じく相手と同化して肉体を乗っ取ったり、自己増殖したりする性質を持つ。

氷雪のユウゼイクス…名前も然る事ながら南極が舞台である事が氷の能力の元ネタとなっている戦隊怪人

ゴジラ:キング・オブ・モンスターズ…ギドラを封印しているという南極にある第32前哨基地(Outpost32)は1978年に何らかの事故で第31前哨基地(Outpost31)が壊滅した後に再建された基地という設定になっている。

外部リンク

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