曖昧さ回避
本項では2番目について記載する。
概要
「なぜなら、おまえは……人形だ」
星に衝突し、そのエネルギーを食らい尽くす行為を繰り返す凶悪な宇宙生物。
自分を倒せるほど強力な生物がいた場合、適度に分離しつつ怪しまれない姿に擬態し、油断させたところで生物をモンスターに変えるウィルスを植え付けて滅ぼしてしまう。
当時惑星上で繁栄していた古代人種「セトラ」に対して上記の能力で滅ぼそうとしたが、最終的に彼らによって地中深くに封印された。
なお、この時に古代種の女性に化けていたために後に神羅に発見された際、ガスト博士に古代種と勘違いされジェノバと名付けられている(メイン画像の姿がそれ)。
分離した体は本体からの指示が無い限り明確な意思を持たないが、本能的に本体のもとに帰ろうとする性質「リユニオン」を持つ。
このジェノバの細胞を植え付けられた生物は、飛躍的に身体能力が上昇し場合によっては不老となるものの、相応に強い精神力がないとジェノバに乗っ取られ「分離した体」と同じ状態になる。
ディシディアファイナルファンタジーに出演したセフィロスによれば、彼もまたジェノバの操り人形と自覚している旨の発言をする。
来歴
本編からおよそ2000年ほど昔に、隕石と共に物語の舞台となる惑星に落下(この落下地点がラストダンジョンである大空洞である)。
星のダメージの修復の手伝いをするべく数千ものセトラの民が、ノルズポル(後のアイシクルエリア)に住み着き活動していたが、彼らが後は自然治癒力に任せてノルズポルを離れる準備をしていた所に、ジェノバはセトラの女性に擬態して接触した。
擬態と幻影能力を利用してセトラを油断させ、彼らにウィルスを植え付けて次々とモンスター化させていった。
ノルズポルをほぼ全滅させた後は、世界中のセトラの部族にもウィルスをバラ撒いて暴れまわっていたが、生き残ったセトラの決死の抵抗で地中深くに封印された(星自身も対ジェノバ用生体兵器「ウェポン]を生み出していたが、セトラが先にジェノバを倒したので起動すること無く大空洞内で眠りについていた)。
本編から30年ほど前に、神羅カンパニーの研究者であるガスト博士に化石状態で発掘される。
ガスト博士はジェノバの姿が「人間の女性に擬態したもの」だと知らず、セトラだと誤解したまま研究を進めてしまう。そして神羅による古代種再生計画「ジェノバ・プロジェクト」が開始される(その関係でジェノバ細胞を埋め込んで誕生したのがセフィロスを始めとするソルジャーである)。
やがて、セトラの末裔であるイファルナとの接触で真実を知ったガストは神羅を出奔。
プロジェクトは宝条に引き継がれ、ジェノバは休眠状態のままニブルヘイム魔晄炉の最奥に安置されていたが、ニブル事変の折にセフィロスによって封印が破られる。
ジェノバは頭部のみセフィロスと共にライフストリームに落下し、星の体内に潜伏。
残る胴体は宝条に回収されてリユニオンの検証の為に神羅本社ビルに安置される(口封じも兼ねてクラウド達ニブル事変の生き残りは捕まって「セフィロス・コピー」の実験台にされた)。
宝条はすべてのジェノバ細胞が胴体部分にリユニオンすると仮定していたが、実際には頭部の方にリユニオンが起きており、胴体はセフィロスに擬態して神羅ビルを脱出。その過程でプレジデント神羅を始めに神羅兵たちを惨殺した。
そして行動を起こしたジェノバは、各地のセフィロスコピーを操り、完全復活し星そのものを吸収するべく暗躍する。
主なジェノバ
ジェノバ・BIRTH(ジェノバ・バース)
LV:25
HP:4000
MP:110
「生誕」を意味するジェノバ。運搬船内で戦う。最初に戦うこととなる。
神羅ビルに保管されていたが突如として活動を始め、セフィロスに化けて神羅社員を次々と殺害し、プレジデント神羅を正宗で仕留めた(リメイクではこの役割は、ジェノバ・BEAT(マルカート)に代わっている)。
さらに、湿地帯の大蛇「ミドガルズオルム」を惨殺、そして運搬船内部に居た乗組員を次々と殺害した。
外見は歪な樹木を思わせる形状をした醜悪な怪物で、髑髏のような顔と乳房らしき部位を持つ。
クラウドたちはこれをセフィロスと思い込んで追跡することになる。
単体攻撃の「レーザー」、「Wレーザー」や全体化攻撃の「テイルレーザー」、回避不能の単体攻撃「ガス」のほか、魔法「ストップ」も使う(MPの関係で3発のみ)。
1ターン中に「レーザー」、「Wレーザー」は最大3発まで、「テイルレーザー」は最大2発まで放つことがあり、明確なパターンや弱点が無い(一応ローテーションではあるが)ため、ジェノバの中ではある意味最強に近い。
ちなみに、ターンが回ってきても何もしない時がある。
目覚めたばかりで不安定なのだろうか。
倒されると、ジェノバの腕が残るが、すぐに消滅した。この時点では擬態についての説明がないためプレイヤーは困惑したことだろう。
リバースでは複数のセフィロス・コピーたちが腕と合体し、セフィロスの姿となり、ジェノバとは何かを語る。そして上記のモンスター化、バトルに入る。
倒されると、「騙されるなよ」とクラウドに忠告し元の姿となる。
ジェノバ・LIFE(ジェノバ・ライフ)
LV:50
HP:10000
MP:300
「生命」を意味するジェノバ。忘らるる都の水の祭壇で戦う。二番目に戦うが前回からストーリー的に結構間が空く。
最初はクラウドを操ってエアリスを殺そうとしたが、仲間たちからの呼びかけで正気に返ったため、今度はセフィロスに化け直接彼女を殺害した。(リバースではクラウドによって攻撃ははじき返される…が、ここで世界が二つに分岐。エアリスが生存する並行世界が生まれることとなる。)
エアリスファンにとっては特に憎たらしい個体のジェノバと言える。
外見はジェノバ・BIRTHの色違いで、全身が赤い体色となっている。
「青い光」、「ブルーフレーム」、「アクアブレス」を使い、魔法を受けるとカウンターで「リフレク」を使う。
地属性に弱いので、こちらもリフレク状態にしたうえでクエイガの全体デルタアタックをすれば、相手のリフレク枚数を0にしてダメージを与えることが可能。
水属性の攻撃しか持っていないため、水の指輪さえ装備すれば負ける要素はほぼ無くなる。
水の指輪自体も、直前のサンゴの谷で拾える親切設計。
逆に属性防御を怠ると、高威力の「アクアブレス」が脅威になる。
無策で戦いに挑んだ結果、バトル直前に起きたトラウマ級の悲劇との積み重ねで、より一層の泣きを見る羽目になったプレイヤーも多かったことだろう。
ジェノバ・DEATH(ジェノバ・デス)
LV:55
HP:25000
MP:800
「死」を意味するジェノバ。竜巻の迷宮で戦う。三番目に戦う。
セフィロスに化け、「黒マテリア」をセフィロス本人に届けようとした。道中で黒マントの男たち(セフィロスコピー)を次々と切り捨てジェノバ細胞を回収している。
ジェノバ・BIRTHやジェノバ・LIFEの色違いで、BIRTHの全身を暗くしたような体色。
攻撃パターンは、2~3連発で「赤い光」、「熱風」、「サイレス」。
水属性しか使わないLIFE同様、こいつも炎属性の攻撃しかしてこないので、炎の指輪や烈火の腕輪、「ぞくせい」+「ほのお」などで防御すれば楽勝。
HPだけはやたら高いので、無駄にしぶとい。
これ以降ラストダンジョンまでジェノバとの戦いはない。
ジェノバ・SYNTHESIS(ジェノバ・シンセシス)
LV:61
HP:60000
MP:600
「統合」を意味するジェノバ。ラストバトルの前哨戦として星の体内で戦う。
BGMのタイトル通り、完全なるジェノバらしい。
本体・右触手・左触手に分かれている。
本体は丸い形状の物体に女性の裸体が貼り付いたような姿をしており、丸い身体の背面には心臓らしき器官が確認できる。
左触手による通常攻撃(怒りの追加効果)、右触手による「吸収」(悲しいの追加効果)、「バイオラ」を使用(ちなみに、「吸収」は実際にHPを吸収しているわけではない。単なる無属性魔法攻撃)。
更に左触手のみ残っていると「ストップ」を、右触手のみ残っていると「ケアルガ」を使用し、
両方の触手が潰れると本体が0~2ターン後に両方とも復活させる(復活後のHPは最大値の25%)。
そして残りHPが15000を切ると、カウントダウンの後「アルテマ」を放って自滅する。
ナイツオブラウンドを使用する等、こいつとどう戦ったかによって、リバース・セフィロス及びセーファ・セフィロスのHPに補正がつく。
こちらも十分に強ければ、補正されても問題は無い。
その他用語
「ジェノバ細胞」と「リユニオン」
ジェノバ細胞は、化石化していたジェノバから採取された細胞。他者に移植することで肉体を強化できる。ただし移植された人間の体力・精神力が優れていないと、ジェノバ細胞は宿主の意識を操って都合のいいように動かそうとする。
ジェノバは細胞レベルでバラバラにしても生きており、集結して復活しようとする性質がある。これが宝条の提唱する「リユニオン」である。ただし劇中でリユニオンを起こしているのはセフィロスの意思によるものとなる。
「ソルジャー」と「セフィロス・コピー」
ソルジャーは神羅カンパニーのエリート戦闘員。しかし実際は人間にジェノバ細胞を移植し、魔晄エネルギーを大量に浴びせて完成する強化人間である。
並の人間ではジェノバ細胞と魔晄に耐えられず廃人化してしまい、最悪の場合はジェノバの操り人形と化してしまうので、ソルジャーになれるのは心身ともに優れた者だけである。
なお、セフィロス・コピーは「セフィロスのようなソルジャー」を量産するために処置を受けた人間の成れの果てである(一部を除き識別の為に手のひらに数字の刺青が彫ってある)。しかし実際は、宝条がリユニオン検証のためにニブルヘイムの生き残りにソルジャーと同等の処置を行ったというのが真相。これはセフィロスの凶行を隠蔽するための口封じも兼ねている。彼と彼もこの実験の犠牲者である。
黒マントの男たち(ニブルヘイム住民の成れの果て)は、元々が一般市民である為にソルジャーの様にはなれず、精神崩壊して各地に散っていた(もちろん神羅側は監視していた)。しかしセフィロスの意思によってリユニオンが起こり、黒マントの男たちは黒マテリア入手等セフィロス(擬態)のサポートに利用されてしまった。つまり本当の意味でセフィロスの分身(コピー)となってしまったわけである。
全部で何体いたかは不明だが、竜巻の迷宮に終結したコピーはすべてジェノバ・DEATHに処分されて細胞を回収された様である。
リメイク版では大勢のセフィロス・コピーが登場しており、かなりの人間が犠牲となったようである。また結集することでジェノバとなっている。
本編後
星の体内での戦いでジェノバは滅ぼされたかに思われたが、続編の『アドベントチルドレン』にてジェノバの情報はライフストリームの中に存在し続け、それが入り込んでしまった人間の命をやがて奪ってしまう奇病「星痕症候群」を引き起こしていた。
さらにルーファウスの命令で大空洞の調査に赴いたタークスによって、首だけの状態で発見されていたことが判明する。
ルーファウスの意識の変化や、宝条といった狂信的な科学者の不在、何より彼らの中では既にジェノバの持つ危険性は知られていたため、悪用される心配はないと思われていたが、セフィロスの思念体であるカダージュ、ヤズー、ロッズの三人がセフィロスへのリユニオンを果たすためにタークスを襲撃するという事件を起こし、最終的にリユニオンを果たす際にカダージュに取り込まれ、彼を媒体にセフィロスを蘇らせた。
そのセフィロスがクラウドに倒されると諸共に消滅したが、未だに残留思念はライフストリームの中を巡っているようだ。
REMAKE
FF7をリメイクしたPS4用のゲーム、『FINAL FANTASY VII REMAKE』にもオリジナル版に引き続きジェノバが登場する。
現時点では、基本的には原作通りの設定を踏襲しているようだ。
本作ではマルカートなど、セフィロス・コピー(黒マントの男たち)の出番が多くなっている。
神羅ビル内にある研究施設にてジェノバの体が保管されている点も同じだが、赤い血を引きずりながら移動していたオリジナル版とは異なり、黒く輝く粘液のような血を引きずりながら移動している。
プレジデント神羅を殺害した後、セフィロス・コピーと化したマルカートの体から闇のようなエネルギーが噴出し、幻覚のような形で怪物と化したジェノバが襲い掛かるというオリジナル版とは全く異なる展開を見せている。
なお、コピーの量が増えた都合で彼らの行動描写も増えている。
リユニオンのために移動する事に自我が持っていかれているため、放っておくと「橋が上がっていて移動できない」というような場合「川に身投げして下流に移動しようとする(数十mの高さがあるのでほぼ間違いなく死ぬ)」などとんでもない方法を取るが、「橋を下ろしてやるから待ってろ!」と指示すると下ろすまで、それ以降誰も身投げせず律儀に待っていたり、連れてってやる事を告げてヘリに乗せてやると素直に乗ったり、治療の為に拘束されている場合「治療された方が移動効率がいい」と判断して拘束を解こうと暴れたりしないなどある程度の判断力は残っている模様。
ただし、作中登場する人物は行なっていないが、リユニオンさせまいと「検討はずれの方向に拉致する」「妨害以外何の意味もなく拘束する」とどういった反応を見せるのかは不明である。
一応金の匂いを嗅ぎつけた人攫いが何人か攫って身代金を要求してくる事件があったが、目を離した隙にいつの間にか脱走しており、クラウドたちが助けに行った時、結構複雑な仕掛けを殆ど解いている(彼らの血痕とその光が仕掛けのヒントになっている)ため、それを考慮すると「(強い魔晄などで刺激されない限りは)通常通りの緩慢な動きで弱々しく抵抗する」「基本的に最短で進もうとするが、場合によっては遠回りも辞さない」のが正解だろう
ジェノバ・BEAT(ジェノバ・ビート)
LV:???
HP:EASY(43085)、NORMAL(78336)、HARD(113184)
MP:???
「胎動」を意味するジェノバ。神羅ビル社長室で戦う。BEAT=「胎動」とは母親の胎内の子が動くことを意味しており、言葉通り「誕生」を意味するジェノバ・BIRTHよりも前の個体であることを示す。
全体的なフォルムはジェノバ・BIRTHなどに酷似しているが、顔が人間の髑髏のようなデザインになっているほか、全身に血管が浮き出ており頭部が一部ひび割れているなど、オリジナル版に比べて相当グロテスクになっている。
腕や触手を先に倒さないと本体への攻撃が通り辛いほか、リフレクやプロテスを使って身を守るなど守りの面においては中々厄介な仕様になっている。
またストップなどの状態異常攻撃も併用してくるため、事前に装備品やアイテム編成を整えてから挑むといいだろう。
このバトルではオリジナル版のジェノバ戦で度々流されていた名曲「J-E-N-O-V-A」のアレンジ曲である、「J-E-N-O-V-A ー胎動ー」が流れる。
序盤は宇宙生物であるジェノバの恐ろしさを感じさせるようなゆっくりとした曲調だが、ジェノバのHPを削ると段々と盛り上がりを見せ、最終的には原曲さながらのアップテンポなバトル曲になる。
この演出はゲーム上の盛り上がりにも一役買っているほか、過去にオリジナル版をプレイしたファンへのサービスとも言え、多くのプレイヤーを興奮させていた。