「実に面白い! 新たなサンプルに使えるな」
CV:野沢那智(初代) 千葉繁(二代目、FFⅦ REMAKE)
※注意
このキャラクターは、その所業故にアンチが非常に多く、時折過剰なキャラヘイト表現や、「似たような人物」など本来の記事内容の趣旨からズレた書き込みが行われる事があり、それが原因となって編集合戦へと発展する事も多々あります。
原則中立性のある記事を保つ為、そして無益な編集合戦及び、演者への風評被害を防ぐ為にも、そういった悪意を含んだ書き込みは極力控えるよう、お願い致します。
概要
ミッドガルにある大会社「神羅カンパニー」の科学部門総括である科学者。
人の命すら研究材料として扱う、危険な思想を持ったマッドサイエンティスト。
笑い声は「クックック……」だが、狂気があらわになると「クァックァックァ!」という笑いに変化する。更にテンションが上がると「ヒーッヒッヒッヒッ!」になる。
セフィロスの出生に大きく関係があり、そのため『FFVII』シリーズの殆どの事件に何らかの形で関わっていると言える。
FF7DC、CCとFF7Rではデザインが若干異なる。
リメイク版ではメガネのデザインやノーネクタイになっている等細部のデザインが異なる。
DCの頃は社会人として通用したが7リメイク版では脂ぎった顔をしており、不潔感が増している。
経歴
神羅カンパニーに入社する前の経歴や故郷などは一切判明していない(FF7世界でとても珍しい漢字表記の名前のためウータイ方面出身なのでは?という考察もある)。
専門は遺伝子工学だがサイボーグを作れることから機械工学、ネットワークを使うことからネット工学にも通じていると思われる。
最初から科学部門総括だったわけではなく、昔は前科学部門総括であるガスト博士が提唱した古代種を蘇らせる「ジェノバ・プロジェクト」に、後に妻となるルクレツィアと共に参加する立場であった。プロジェクトにより生まれたS式細胞の研究を行い一定の成果を出す。
この際に、自分とルクレツィアの子供をガストのジェノバ・プロジェクトに提供した。つまりセフィロスの実の父親である。
しかし胎児のセフィロスにジェノバ細胞を移植した結果、ルクレツィアに異変が起こる。これによりジェノバは古代種ではないと発覚する。
プロジェクトの責任者のガスト博士が「とんでもないことをしてしまった」と神羅から手を切り失踪してしまったため、ホランダーと後任をめぐる争いがあった後に正式に後任として科学部門総括に就任し、ジェノバの利用方法の解明と本物の古代種の捜索も行っていた。
戦士として優れた資質を発揮したセフィロスの模倣としてジェノバ細胞と魔晄を用いて強化した人間「ソルジャー」の開発や、ジェノバ細胞のリユニオン仮説の証明のための実験体「セフィロスコピー」なども彼の研究の一環である。
複数のモンスターを造った事もあり、五年前のニブルヘイム魔晄炉では実験として人間を高密度の魔晄に漬けてモンスターに変異させ、ヴィンセント・ヴァレンタインにも改造手術を施して不老で怪物に変身する能力を与えたり、本物の古代種を確保する際にそれを止めようとしたガスト博士が死ぬ原因を作るなど、いくつかの因縁も生み出していると邪神や魔王のような所業まで行なっている。
古代種を用いた実験の意義について「この星の運命を変えることができるんですよ!」とガスト博士に熱く語っていたが、ガスト博士の死や神羅が古代種の力を用いたネオ・ミッドガルド計画を凍結したためか、
神羅の実験所から脱走した後の純血古代種(イファルナ)についての動向は知らなかったようで、ビーチで出会ったエアリスに彼女が元気にしているか訪ねている。
リメイクではイファルナを解剖し彼女をサンプルとして保存している発言をしている。
なおこの時の千葉氏の演技は、「やはり古代種は素晴らし↑ぃぃぃぃぃイ!」に代表される千葉節が混じりながらも、狂気に支配された陶酔に近い語り口でエアリスに迫る怪演となっている。悪役然とした野沢那智氏とは別ベクトルとも言えるまさにマッドサイエンティスト然とした演技は必見。
人物
一言で言ってしまえば、科学と自身の頭脳を絶対として、研究や科学の発展のためなら何をやっても構わないというとんでもない外道なマッドサイエンティストそのものである。
人の命が研究のために失われることをなんとも思わず、異種交配実験や悍ましい研究サンプルなど命を弄んでいるようにさえ見える。
しかし昔からこういう性格だったわけではないようで、ルクレツィアの胎児にジェノバの細胞を移植することについても
「反対だ!そんな人体実験をなぜ!」と激しく問い詰めるヴィンセントに
「私も、彼女も、科学者だ!!」と激しく反論する…
続編の一つであるDCFF7の回想シーンでも、自分を選んでくれたルクレツィアを温かく迎え抱擁を交わし合うなど、当時の宝条は倫理観や情緒的な問題を理解できてはいた様子で、
ヴィンセントは狂気に飲まれた現在の宝条を目の当たりにするまでは、同情的な面さえ見せていた。
曰く、「宝条…不幸な男」「科学的センスのなさ…つきまとう天才ガスト博士との比較……」
「ルクレツィアは宝条を守ろうとしてあの男を選んだ……今ならわかる……わかるが……しかし……」とのこと。
本編での本人もマッドサイエンティストとして振る舞いながらも実際は自分に科学センスがないことを自覚し、その劣等感を時折垣間見せている。
とある理由で成功作を失敗作だと思いこんでいた自分の科学的センスのなさを見せつけられた際には「自分の科学的センスのなさを痛感させられる」「自分がイヤになる」と自嘲している。その一方で元同僚のホランダーの事は二流科学者として自分に劣る存在として馬鹿にしている。
ルクレツィアが身篭った自分の子供(セフィロス)に対しては(歪んではいるが)愛情を持っていたようだが、父親として接することはなくセフィロスからは嫌われていた。
過去のセフィロスは「コンプレックスの塊のような男」とその劣等感を評し、「偉大な科学者の仕事を引き継いだ未熟な男」「こんなことをしたって、あんたはガスト博士にはかなわないのさ」と天才のガスト博士と比較して宝条を蔑んでいた。このことは宝条自身も知っており、「見下していた私が父親だと知ったらどう思うかな」と哄笑を上げている。
また、セフィロスによると「不思議な力なんて非科学的な言い方は許さん! 魔法なんて呼び方もダメだ!」という科学的でない曖昧な表現を嫌う面もあったとのこと。
一方で飄々としたところがあり、神羅ビルでの事件の後は独自にセフィロスを追うために神羅カンパニーを辞めたのだが、何故かビーチで女の子たちを侍らせて日光浴をしていた。しかも「たまにこういうのもいいものだね」と満更でもない様子。唐突なキャラ崩壊にもほどがある。
…のだが、その美女の一人が
「宝条博士のためならよろこんで実験台になっちゃう!」
と、発言している……。
リメイク版では退社せずに女性を侍らせてジョニーに接待をさせていた。
「次の実験には女性の助手が必要」と相変わらず深読みすれば物騒な発言をしている。
なお折角のフルCGリメイク版にも拘らず白衣姿でリゾートを満喫している。
明かされる真実
科学、そして科学者であることに拘り、数々の非道に手を染めて来たが、終盤で人智を超えた力を手に入れたセフィロスが成そうとしていることを前に、
「お前の前では科学は無力だ」と敗北を認め、「科学を超えてゆけ」と称して最後の手助けとして魔晄キャノンを使ってセフィロスに大量の魔晄エネルギーを送ろうとする(理由に関しては「息子が力を必要としている」「罪滅ぼしなどではなく科学者としての欲望だ」とのこと)。
しかし魔晄キャノンはダイヤウェポンを迎撃した直後であり、およそ三時間の冷却が必要だった。宝条は勝手に本体操作に切り替えエネルギー充填を開始。このままでは魔晄キャノンが耐え切れず爆発しミッドガルが消滅してしまう危険性があった。これをリーブから通信で知ったクラウドたちは、宝条を止めるべく魔晄キャノンへと乗り込む。
そしてクラウドたちと対峙した宝条は、科学者として、父親として、狂気のままに死闘を演じる。
科学者としての欲望に負けたと語り、事前にジェノバ細胞を移植しており、その力をクラウドたちで試そうとする。更に追い詰められると魔晄ジュースを服用し、人としての姿も失ったモンスターと化してクラウド達に襲い掛かるが敗北。散々重ねた非道を自らの肉体に体現した末に死亡するという末路を辿った。
この時ヴィンセントを連れていると「宝条……永遠に眠れ……」と言葉を手向けられる。
モンスターとしての宝条
宝条
LV:50
HP:13000
MP:250
プドゥレアサンプル
LV:42
HP:10000
MP:200
イビルラップサンプル
LV:34
HP:11000
MP:120
シスターレイにおいて3連戦。神羅側の関係者の中では最後に戦う相手となる。
BGMはジェノバ戦と同じく「J-E-N-O-V-A」。
マッドサイエンティストの状態では「カプセル」で2体のサンプルというモンスターを呼び出すが、行動はそれだけであり体力的にも低いため楽。
こいつらは倒してもキリがないので、宝条だけを狙うこと。なお、いずれの形態も毒が効かない。
倒せばヘレティック宝条へ進化する。
ヘレティック宝条
LV:55
HP:26000
MP:200
(右腕)
LV:55
HP:5000
MP:300
(左腕)
LV:55
HP:24000
MP:400
魔洸ジュース(ジェノバ細胞)によって人ならぬ姿と自分までモンスターと化した宝条。
右腕は切っても切っても再生する。なお、ヘレティックとは「異端」の意。
「コンフュ」を唱えるので、混乱状態には注意すること。稀に同士討ちをして敗北することもある。
HPは本体が26000、右腕が5000、左腕が24000。
実は本体を倒さずとも、両腕を潰してしまえばその時点で極限生命体宝条NA戦に移行する。
HPだけ見ると、普通に単体攻撃で本体を倒してしまえば手っ取り早いように見えるが、全体攻撃を交えつつ両腕を潰して次形態へ移行させるのも一手。
極限生命体宝条NA
LV:58
HP:30000
MP:100
ジェノバ細胞の効力で、人間(ひと)ならざる者となった宝条の最終形態。
「NA」の意味は公式には説明されていないが、「Not Available = 該当データ無し」が有力とされている。
得意技はコンボ。
内容は、1、3発目が単体物理、2、4発目が単体魔法の4連続攻撃で、
1発目は異常なしだが、2発目が毒、3発目が暗闇、4発目が睡眠の状態異常を持っている。
リボンを装備しないと危ない。
魔法で攻撃すると、サイレスでカウンターをして沈黙状態にしようとする。
マテリア「カウンター」を装備するとコンボの回数ごとに毎回カウンターで反射攻撃するため意外なほどあっさり倒せる。
余談
- 後任である千葉氏はFFシリーズではほかにケフカとサボテン車掌を演じている。シリアスなキャラクターは崩せなかったのか、さすがにアドリブは無いようだ。
- 最終決戦にヴィンセントを連れていくと彼の妻や息子に悪びれない発言を聞いてヴィンセントが怒りと決別を告げる追加演出が発生する。しかし、宝条側からの追加セリフは一切無いので宝条側からヴィンセントに何を思っているかは不明。そもそも二人の会話シーン自体が過去の人体実験について口論になっているシーンのみであり、交友関係はジェノバ・プロジェクト当時護衛であったこと以外は詳細不明。
- その最終決戦で連れていたプドゥレアサンプル及びイビルラップサンプルだが、それこそが他でもない先述の「実験台になる」旨の発言をした美女たちが、実際に宝条の人体実験を受けて変貌した成れの果てではないかという疑惑がある。
ちょうどその二種のサンプルは水棲、それも海を住処にしてそうなモンスターで、宝条が美女を侍らせていたコスタ・デル・ソルもビーチリゾート…その可能性は限りなくクロに近い。
神羅が保有していたが、ウェポンの襲撃に遭い海底に沈んだ飛行輸送船ゲルニカの内部にてこの2体のモンスターと遭遇することがある。
宝条が所持していたのはそれらをサンプルとして持ち帰った、あるいは元々生み出したのが宝条か。
真相は定かではない…
- FF7CCでは本編同様にクラウドとザックスにセフィロス・コピーの処理を施す。セフィロスが事件を起こす前は神羅カンパニー所属のため一応味方側だがマッドで外道なところが垣間見える。ザックスに強化を行ってくれるイベントもあるが、質問の答えによって強化量が変わり、セフィロスや最新科学について好意的に答えたほうがより強くしてくれる。実は20年以上も続く「セフィロスプレミアムファンクラブ」の会長。セフィロスの写真やシャンプーの商品や使用量を提供していたりと、意外と精力的に活動していたという設定であり、セフィロスへの歪んだ愛情が見える。
DCFF7
ルクレツィアの夫であり、ヴィンセントの因縁の相手ということもあり、度々回想シーンで登場する。
7本編内では自身曰く、自分の科学者としての欲求に負け、自分の肉体にジェノバ細胞を埋め込んでモンスター化し、クラウドたちの手で葬られた宝条だったが………
FF7EC
セフィロスが幼年期の頃から虐待まがいの訓練、負荷をかけて養育をしていたことが判明。
そりゃセフィロスも嫌いになるわ。
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「かっ…はっははははははははははは!」
「そうだ! 私だ!!」
「宝条だよ!!」
「はははははははははははは!!」
三年後を描いたダージュオブケルベロスにて驚くべき事実が明かされる。
実はネットワーク内で断片として精神のみ生き残っておりディープグラウンドソルジャーのボスであるヴァイスの体を乗っ取っていた(宝条曰く『新たなリユニオン』)。
クライマックスにて正体を明かしヴィンセントと対峙する。
7本編では科学者としての狂気的欲求で自身にジェノバ細胞を埋め込んでいたが、その真意はヴィンセントの最終リミットの姿『カオス』と対をなす存在にして最強のハイウェポン『オメガ』との融合を果たすことだった。
その融合のために強靭な肉体を必要とした宝条は、7本編内の魔晄キャノンでクラウドたちと対峙した際にジェノバ細胞を埋め込んで強化を試みた。しかしこれは宝条自身が自我をジェノバ細胞に食われてしまうこととなり、失敗。結局ただの醜悪なモンスターにしかならず肉体はクラウドたちの手で滅ぼされた。(実際この手段は、クラウドをはじめとしたセフィロス・コピーたちを見てわかるようにかなり危険性の高い賭けとも言えただろう)
しかしその時の保険として、セフィロスを追う一方で世界中のネットワークに自分の精神の断片をばらまいていた。
そしてネットワーク内で一つに再構築され精神のみで生き延びた宝条は、神羅の地下に隠されていたディープグラウンドソルジャー・ヴァイスの肉体に目を付け、自分がオメガの力を独占し行使するための器として彼の肉体を乗っ取ったのである。
元々この融合の理論は、ルクレツィアがかつて確立させていた『カオス』の理論をもとにしている。最初は信じていなかった宝条だったが、(時期は不明だが7本編内にて)ヴィンセントがカオスに変身したのを見て本当だったと確信し、これに目を付けた彼は自分のオメガと融合できるのではと考えたのがきっかけだった。
ヴィンセントを腐れ縁と宝条が称しているが、本編唯一の会話シーンである過去の人体実験について口論からしてDCでは「お腹の赤ん坊を……実験に使うなんて……」と気弱に質問するヴィンセントとそれを「はっ、お前が何を言いたいかしらんが、彼女も私も科学者だ」と嘲り一蹴する宝条というシーンに改変されているため、本編でどうだったかは不明。
当初はオメガの力を持ってヴィンセントを圧倒する。劣勢に追い込まれたヴィンセントは、力の制御のために埋め込まれていたエンシェントマテリアを失っていたためカオスの力を制御しきれず暴走状態となる。
しかしルクレツィアの呼びかけをきっかけに、元の姿のままカオスの力を引き出したヴィンセントの手によって宝条は敗れる。
自身の敗北を信じられず狼狽えていた矢先、手にかけたはずのネロが登場。ヴァイスの精神と合一を開始する。結果、不純物を嫌うオメガにヴァイスの肉体は拒否され消滅。巻き添えになった宝条の精神もまた命乞いの叫びを上げながら完全に消滅した。
その後、ヴィンセントは宝条が遺したオメガと最後の一戦を繰り広げる。