───地球上の誰かがふと思った
『人類の数が半分になったら いくつの森が焼かれずにすむだろうか……』
───地球上の誰かがふと思った
『人間の数が100分の1になったら たれ流される毒も100分の1になるだろうか……』
───誰かが ふと思った
『生物(みんな)の未来を守らねば……………』
この物語には、恐怖と怒りと愛がある。
概要
講談社のモーニングオープン増刊とアフタヌーンで1988年から1995年にかけて連載された、岩明均のSF漫画。
1993年 第17回講談社漫画賞一般部門受賞
1996年 第27回星雲賞コミック部門受賞
ホラーサスペンス調の先が読めない展開と、緻密な残虐描写で連載当時も話題を呼んだが、独自の観点から人類の実存を問うた哲学的で深淵なストーリーは特に評価が高く、今なお衰えない人気を誇っている。
2014年と2015年に分かれた実写映画が2部作で公開した。監督は「ALWAYS 三丁目の夕日」などでお馴染みの山崎貴。
2014年10月以降、アニメ『寄生獣 セイの格率』が日本テレビ、読売テレビ、札幌テレビ、福岡放送、広島テレビ、テレビ大分をはじめとする地方の日本テレビ系列のごく一部で放送が始まった。
アニメ制作はマッドハウス。
2018年から21年にかけて太田アモレが描く番外編「寄生獣リバーシ」がコミックDAYSにて連載。広川剛志の息子を主役に置いた本編の裏話である。
2024年ではNetflix配信の韓国ドラマ版『寄生獣-ザ・グレイ-』がリリース。1シーズンで全6話、主人公は脳の一部が喰われて二重人格になった女性。よくある「舞台が変更された海外リメイク版」ではなく、韓国が受けた別集団のパラサイトによる侵略を描くアナザーストーリーであり、サブタイトルのザ・グレイは劇中の対パラサイト特殊部隊の名前。原作主人公は日本の寄生生物専門家として(最終話のゲスト扱いながらも)登場。演者は菅田将暉。
ストーリー
突如として地球に飛来した謎の生物達が、人間に寄生してその脳を奪い、人類を捕食し始めた。
平凡な高校生・泉新一も謎の生物に襲われるが、脳ではなく自分の右腕に寄生されてしまい、意志を持ち人間の言葉を学習したそれを「ミギー」と名付け、奇妙な共同生活を送ることとなった。しかし、寄生生物の「なりそこない」である新一は、やがて社会に溶け込んで人間を襲う「パラサイト」達と対立し、過酷で数奇な運命に巻き込まれていく。
登場人物
原作、アニメ版
CV:島﨑信長/演:染谷将太(映画)、菅田将暉(Netflixドラマ)
ごく普通の男子高校生だったが、右手に寄生生物(ミギー)を宿すことになる。
ある出来事をきっかけに、その心を大きく変化させていく。
『ザ・グレイ』ではザ・グレイ本部に訪れた日本人のルポライターにして寄生生物の専門家として登場。監督曰く「パラサイト出現から8年後の彼」とのこと。そのため(キャストは違うが)2014年と2015年に日本で公開された実写版との繋がりが示唆している。
由来も生態も不明の寄生生物。新一の脳を奪おうとするが失敗、右手に宿り共に生活することになる。
どこか愛嬌があり好奇心旺盛な半面、有事においてはパラサイト特有の冷酷非情な判断力を発揮する。
通常の寄生生物とは違い脳を奪わなかったため、人間を捕食する本能は無い。
新一のガールフレンド。平凡な女子高生だがカンが鋭い。
鈴木アキホ
CV:前田玲奈
アニメオリジナルキャラクター。新一と村野の同級生。
新一の高校に通う女子高校生。島田の正体に気づいてしまう。
美術部員で、兄が警察関係者(実写では単に里美の友人として登場)。
原作での呼称は単に裕子。アニメ版でフルネームがつけられた。
CV:相沢まさき
新一の父親。フリーのルポライター。
新一の母親。専業主婦。幼い頃の新一を庇い、腕に大火傷が残っている。
CV:鈴木琢磨
新一と同じく脳以外に寄生生物を宿す人物。
同志の新一を仲間として助けてくれる心優しい人物。
鼻の下から胸にかけて寄生されている。
パラサイト⇒ジョー
CV:村瀬歩
宇田の体に宿った寄生生物。ミギーとは違い、言葉づかいが少々乱暴。
始めはパラサイトと呼ばれたが、世間が寄生生物への呼び方として定着したため、後にジョーと名付けられた
CV:沢城みゆき
近所の高校に通う不良生徒。とある出来事をきっかけに新一へ急接近する。
原作では単に加奈とのみ呼ばれていたが、アニメ版では苗字が付与された。
光夫/ミツオ
CV:KENN
加奈に想いを寄せる男子。原作では光夫、アニメ版ではミツオ表記。
原作では単に倉森。アニメでフルネームがついた。
興信所の調査員(アニメ版では探偵)。田村玲子に雇われ、新一を調査した。
妻子持ち(妻の名前は陽子)。
山岸
市役所戦の現場指揮官だったが、後藤に敗れた。
平間警部補⇒平間警部
パラサイト対策特命捜査を指揮する刑事。実写では昇進の描写はない。
辻
演:山中崇
実写映画オリジナルキャラクター。平間の部下。
高い知能を持ったパラサイト。不敵かつ冷厳な女性。
人間の教師に化けて生活していたが、
やがて自身の存在と人類との関係について独自の哲学的思索を展開していく。
犬のパラサイト
CV:Velo武田
新一たちが初めて遭遇したパラサイト。原作では中型犬、アニメ版では小型犬に寄生している。
本体が人間よりも軽い犬のため、自身を翼に変えて飛行することが可能。
「B」
新一たちが初めて遭遇した、人間に寄生したパラサイト。ミギーに「引っ越し」を持ち掛けた。
原作では名称はなく、呼称はアニメ版のもの(「A」よりも先に登場する)。
「A」
田宮涼子が子供を作ったパラサイト。新一を脅威に感じて高校に襲撃してきた。
パラサイト一味のボス。「政治」という高度で複雑なシステムを扱う事が出来る。
人間を”寄生獣”と呼んだ。
新一を観察するために田村玲子が高校に送り込んだパラサイト。
草野,前澤,氷川
CV:青柳尊哉,鈴木琢磨,大本眞基子/演:岩井秀人,不明,不明
広川のグループに所属するパラサイト。田村玲子を襲撃した。
原作では草野のみ名前が登場する(前澤、氷川はアニメ版の呼称)。
新一を始末するために広川らが送り込んできたパラサイト。
ワイルドな紳士風の男。
その正体は田宮良子の「実験」によって生み出された最強のパラサイト。
大量殺人鬼。正真正銘の人間だが、ある特殊な能力を持っている。
CV:藤生聖子
山の裾に住む老婆。戦いに傷ついた泉新一を家に泊まらせて、武器となる鉈を貸す。
韓国ドラマ
チョン・スイン
演:チョン・ソニ/吹き替え:志田有彩
『ザ・グレイ』の主人公。DV父親を自ら告発し、更に新しい家族を作った母親に捨てられた女性。20代のスーパーマーケット店員、寄生されたタイミングは原作前半に相当する瀕死状態であるため、それが乗っ取り失敗の理由となる。
一部とは言え、パラサイト「ハイジ」が彼女の頭にたどり着いた為、敵パラサイトのように顔からの触手ブレードを使用できる。その代わりに身体能力強化と戦闘はハイジ人格に担当し、活動時間が15分と短いの上に、スインとの直接コミュニケーションも不可能。
ソル・ガンウ
演:ク・ギョファン/吹き替え:子安武人
組織に切り捨てられた元暴力団の下っ端、悪く言えばヘタレで臆病な男。妹、姉と友人もパラサイトに殺され、やがてスインと共に戦う勇気を身につけることになる。
男版村野というよりはミギーのコメディリリーフポジションを継承した人物で、スインもう一人のバディとも言える存在、ハイジの名付け親でもある。
チェ・ジュンギョン
演:イ・ジョンヒョン/吹き替え:佐古真弓
韓国の対パラサイト特殊部隊「ザ・グレイ」のチーム長。ある意味は女版山岸だが、その言動と手段も狂気的であり、浦上に当たる生体リーダー「猟犬」は生け捕りされたパラサイトそのもの。
夫がパラサイトに寄生され、自身の右耳が切り落とされた過去を持ち。そのためパラサイトへの憎悪が強く、スイン(ハイジ)のことも敵視するが、事件解決後は考えを改める。
クォン・ヒョクジュ
演:イ・ヒョンギュン/吹き替え:内田夕夜
生前は「セジン教会」の牧師だった人物、パラサイトグループのリーダー。一見すると原作でパラサイトをまとめていた広川の立場の人物のように見えるが、その目的は……? 原作の後藤のような強い能力はないが、ある目的のため自ら体を乗り換え続け、最終決戦ではパラサイトと分離した連携攻撃も使用する。
ソル・ギョウヒ
演:ユン・ヒョンギル/吹き替え:水野ゆみ
生前はガンウの姉だった人物。序盤の敵であり、ガンウにとっては家族と友人の仇でもあったが、終盤にてヒョクジュのパラサイトに切り捨てられた為スインとガンウ側に寝返る。
キム・チョルミン
演:クォン・ヘヒョ/吹き替え:落合弘治
初老の刑事。スインが父親を告発した事件の担当者であり、以降もスインの保護者として行動する。
一見はドラマ版における平間刑事だが、彼は信子に相当するキャラクターでもある。
カン・ウォンソク
演:キム・イングォン/吹き替え:遠藤純一
チョルミン部下の刑事、高い地位の人物に媚びる一般人。
ドラマ版におけるパラサイト側の協力者だが、前述の性格もあってただ私欲のために行動する。
pixivでのタグ利用において
pixivでは体の一部分が不自然に伸びていたり、
怪物的な口が描かれているイラストや、寄生生物を彷彿とさせる「PROTOTYPE」のイラストにもこのタグが付けられることがある。