概要
ミギー同様、脳を奪うことに失敗したパラサイト。宿主は宇田守。
第14話から登場。
生態
宇田の顔の下半分から胸部にかけて寄生している。これは幼生時のジョーが宇田の体内へ潜り込んだ際、驚いた宇田が海へと転落してしまい、母体(=宇田)の生命を救うため、脳を奪うよりも仮死状態の宇田に呼吸させることをジョーが優先させたためである。結果として宇田もジョーも命は助かったが、ジョーは宇田の脳を奪うことができなかった。
ミギーと同じく、宿主の身体から直接養分を摂取しているため、独自の捕食活動を必要としない。そのため、脳を奪った他のパラサイトと違い、食欲を持たない。
言葉を発する時に宇田から口の主導権を奪う形でしゃべり始めることがあるが、これは「ダイナミックに喋る」ためであり、宇田に口の主導権を渡したうえで別の口を生成して喋ることもできる。
母体である宇田の身体能力が低い上に、寄生箇所の問題で戦闘時は呼吸用に口を形成する余裕が無く、また宇田の頭や首に掛かる負担が大きすぎるため、スタミナ切れを起こしやすい。しかし、母体の重要な肺や循環器の位置を直接ずらして守ることができるという、彼ならではの利点もある。
性格
ほかのパラサイトと同様、名前に頓着しない。登場した当初は宇田から単に「パラサイト」と呼ばれていたが、後にそれが劇中の世界で寄生生物に対する呼称として一般化したため、後に宇田から「ジョー(下顎)」と名づけられている。
宇田がテレビドラマや映画を好んで見ていた影響で、読書家のミギーに比べ言葉遣いはかなりくだけており、口が汚い。しかし思考は他のパラサイトと同じように極めて冷静で、泉信子の体を乗っ取ったパラサイトと戦った際には正確に状況を分析し、倒すことに成功している。
泉新一とミギーに対しては、それなりの仲間意識は持っているようだが(髪の毛の判別が話題になった際に新一の名前を出すなど)、一方で宇田ほどではないようで、倉森の一件で新一から協力を求められた際は「いい迷惑」と言い捨てている。
この一言や彼の性格が原因したかは不明だが、結局、作中では新一と宇田の協力はこれが最後となった(後藤戦で新一は一度は宇田の名前を思い浮かべたものの、協力要請を断念している。エピローグでもその後「一度だけ電話した」とあり、最終話時点ではお互いにそこまでの信頼関係を持てずに終わっている)。
同じ境遇の「仲間」でありながら、パラサイト由来の冷淡さを持ち合わせていたために、新一たちと深い縁を結べずに終わってしまったという意味では、「仲間」ではないのに最期に新一の胸の傷を埋めて死んでいった田村玲子と対比されるパラサイトでもある。
余談
宇田と同様、実写映画には登場しない。