概要
大昔に地球に来た『古のもの』が創造した生命体。奴隷として狂気山脈などの建築に駆り出されていた。水陸両生。
俗に言うスライムのような不定形の体をしており、その外見通り姿形を自由自在に変えることができる。牙の覗く口や目玉が至るところに付いている姿がよく描かれる。
自身の身体にどのような器官も自由に形成できる。このため主人が望めばいかなる形でのコミュニケーションも問題なく行うことが出来る。他の生物と同じように身体を作り替えることも出来る。
テレパシーや呪文などを使えば操ることも出来るが、知能は低い為、必ずしも従順に従う事は無く、基本的に危険な生物である事に変わりは無い。
また、このショゴスの細胞を元に、人類を始めとする様々な動植物が地球上に誕生する事になったとされている。
およそ十億年前、生まれたばかりの時は不定形の姿で知能も非常に低かったが、脳を自ら固定化する事で知能が進化していく事になる。
やがて「ショゴス・ロード」と呼ばれる上位種族も生まれるようになった。
このショゴス・ロードは、物を製作する事が出来る等、現代の人類に引けをとらない非常に高い知能を誇っていたが、古のもの達に奴隷として飼われている事を自覚していくようにもなり、古のもの達が旧支配者であるクトゥルフと激戦を繰り広げた後、その知能故に自らの扱いに不満を持って反逆を起こした。
結果的に古のものを駆逐することに成功したものの、自分達も封印されてしまい、現在は地底奥深くや狂気山脈に蠢いているという。
ただし、全ての個体が同じ選択をしたわけではなく、作られた奉仕種族として本能的に主人を求めるものもいたらしく、現在でも何かしらの種族に奉仕していることが多い。
作中の台詞で軽く触れられているのみだが、『インスマスを覆う影』にて深きものどもはショゴスの細胞を村に持ち込みアメリカ大陸の侵略に使用しようとしていたことがわかる。
さらに、地球上の生物はすべて、このショゴスの原型細胞から進化し発展したことがわかっている。すなわち人間も含めて全生物の最も古い祖先である。
このため、現在にも生き残る知能を持ったショゴスたちはいかなる生物にも自由に擬態できる。そもそも、地球上の全ての生物はショゴスの変化したものだとも言い換えられるため、遺伝子レベルで差異もなく、これを擬態と呼ぶのが適切かはわからない。
狂えるアブドゥル・アルハザードは必死になってこの事実を否定している。それだけこの存在が恐ろしかったようである。
「テケリ・リ!」という独特の声を発する。これは主人である「古のもの」が発していた言語を真似ているもの。古のものの会話も人間には「テケリ・リ」と聞こえていたため、知性を持っているショゴスは内容のある言葉を話している可能性がある。
ラヴクラフトの執筆当時、細胞や遺伝子の概念が発見され世間の話題になっていた。生物の原初、最も単純な生物はどのようなものかとラヴクラフトが想像したことで創作されたと言われている。
ちなみに、ファンタジー作品で扱われる「スライム」はこのショゴスをモデルに定着していった。
関係性
- 古のもの(エルダーシング)
創造主。地球での労働力のため奴隷としてつくられた。後に反抗し、滅ぼす。現代に残った僅かな生き残りはショゴスを恐れている描写が見られる。
地球上の全ての生命の源となる原形質を生み出した。ショゴスはこの外なる神の身体の組織からつくられたようだ。
- 深きもの
ショゴスは現在でも他の生物の従者となっていることが多い。深きものは直接その描写がある。ショゴスは戦闘力が高く水陸両生なので深きものにとっては侵略兵器として都合がよい。
関連タグ
ショゴス・ロード 上位種
幼生ショゴス 幼生体
トンネルズ&トロールズ:TRPG。クトゥルフ神話と関係無いが、モンスターの中にショゴスが登場する。その姿は原典と異なり、「巨大な人間型の生き物で、身体は何百ものうごめく縄状のもので覆われている。脚は象ほども太く、足元は分厚い皮に守られている。顔は見当たらない」というもの。ピッコロの音色に弱い。