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トンネルズ&トロールズ

とんねるずあんどとろおるず

アメリカにおいて1975年発表されたTRPG。日本展開はグループSNEが行った。省略形は「T&T」。
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古典TRPG『トンネルズ&トロールズ(Tunnels & Trolls)』のこと。

通常は英語表記での正式名称である“Tunnels & Trolls”の頭文字を取って省略した言い方である、「T&T (ティー・アンド・ティー)」という表記の方が多く使われる。ただし、pixivのT&Tタグは、ほぼ全てがタッキー&翼を示す。

概要

本作は『ダンジョンズ&ドラゴンズ (Dungeones & Dragons、D&D)』と並ぶ、最古参かつ知名度の高いTRPGシステムの一つである。6面体のダイス(サイコロ)のみを大量に使う特徴的な戦闘、ソロアドベンチャー作品の多さ、シンプルで応用性の高いルール、ジョーク要素の強いデッドリーな世界観などが特徴。

日本では5版(社会思想社版)、7版(新紀元社版)を経て、現在は9版に相当する『完全版』(cosmic版、Deluxe edition)が刊行されている。その他、5.5版は2007年に再刊・修正された5版を、6版は5版後に各地で作られた「ハイパーT&T」(後述)も含む各種ハウスルールを、8版は7版刊行後にフランスで出版された版を指す。

歴史

アメリカのゲーム会社、フライング・バッファロー社(Flying Buffalo, Inc.)から1975年に発表された。元々は前年に発売された最初のRPG、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』のローカルルールだったようである。しかし元となるD&Dから様々な要素を追加、あるいは省略していった事から最終的に全く別物になってしまい、独立したルールとして発売されたという経緯を持つ。

本作は「『職業』から独立した『種族』」「能力値による一般行為判定」の概念を最初に導入したゲームとされ、その後のTRPGに与えた影響も大きいとされる。

日本での展開

日本語版の最初の販売は、社会思想社によって1987年から行われた。この展開ではルールブックやシナリオ集だけではなく、同社から発刊されていたゲームブック専門誌『ウォーロック』によって様々なサポートがなされ、読者欄などで活発にファン同士の交流も行われた。しかし、追加ルール「ハイパーT&T」の発表と、「ウォーハンマーRPG」など他のTRPGの紹介などのためサポート紙面は縮小され、その後『ウォーロック』誌は競合雑誌の発生及び同人誌化などの複数要因により1992年休刊。社会思想社自体も2002年6月に廃業している。

このため、正式なT&Tの形の日本語展開は長らく宙に浮いた形となっていた。しかしながら2006年末から新紀元社が新たに日本での展開を再開、それに呼応する形で同社から新たにゲーム専門誌『Role & Roll』が創刊、かつて『ウォーロック』誌で行われていたサポートなどが復活した。尚、『Role & Roll』誌は非常に「リプレイ記事」が多い事も特長の一つである。現在最新の完全版は、『ウォーロックマガジン』『GMウォーロック』誌(書苑新社/グループSNE)によってサポートされている。

ゲームブックとの関係

本作の特徴の一つとして、ソロアドベンチャー(ゲームブック、ソロシナリオ)が多く発表されていることが挙げられる。これらソロアドベンチャーには、世界最初のゲームブックともされる『バッファロー・キャッスル』(初版は1976年、完全版では『死の女神の口づけ』に収録)や、世界観と密接に関わる傑作『カザンの闘技場』のような作品もある。

日本における最初の販売展開は、それまで文庫で多くのファイティングファンタジーシリーズのゲームブックを翻訳出版し、ヒットさせた社会思想社によって行われた。これは本作の豊富なソロアドベンチャー群に目を付けての出版だと思われる。この流れから、『トンネルズ&トロールズ』は当時のTRPGとしては異例の書籍の形で販売」という、ゲームブックと同様の出版形態でスタートした。このため日本において先行していた『ダンジョンズ&ドラゴンズ』などに比べて安価で、ボードゲーム専門店のない地方でも一般書店で購入できるというメリットを生み出した。当時の販売価格では、D&Dはルールブックやサプリメント1冊/1セットがおおよそ3500~6000円に対し、T&Tは600~800円前後だった。

このことから本作は、プレイヤーの年齢層がどちらかというと大学生を中心とした青年層に集中していた『ダンジョンズ&ドラゴンズ』に比べ、10代の中高生を中心とした低年齢層のファンに広く浸透して行き、従来のゲームブックに慣れ親しんだファン層をそのまま獲得する事に成功した。その後は前述のように日本における販売元である社会思想社が解散した事もあり、文庫出版される廉価なTRPGの位置を『ソードワールドRPG』や『アリアンロッドRPG』といった後発に譲ったが、米フライング・バッファロー社は健在で、現在でも根強いファンが存在するシステムである。

基本システム

以下の記述は主に『完全版』のルールに基づく。本システムでは基幹となるルール以外は、各々のプレイグループで取捨選択や調整して採用することが推奨されている。

キャラクターメイク

トロールワールドのハランちゃん


職業(アーキタイプ、キャラクター・タイプ、役割、クラス)は、基本的なものが戦士(Warrior)・魔術師(Wizard)・盗賊(Rogue)の三種。加えて、選択ルールとして達人/魔法戦士(Paragon/Warrior-Wizard)、専門家(Specialist)、市民(Citizen)が存在する。聖職者に相当する職業やいわゆる僧侶魔法はハウスルール以外に存在しない。
「戦士」は能力値が満たせば全て武器・防具を扱え、慣れ親しんだ武器カテゴリの扱いにボーナスが加えられる。防御力にもボーナスが与えられるが、防具を損耗するデメリットもある。
「魔術師」は1レベルの魔法を全て習得した状態で始められ、さらに学ぶ機会と能力があれば全ての魔法を使うことが出来るが、武器の使用は大きく制限される。
「盗賊」は所謂「盗賊(Thief)」ではなく「盗賊魔術師(Rogue-Wizard、非正規な手段で魔法を習得している魔術師)」の略とされ、戦士と魔術師の中間的な能力を持ち、タレント(後述)を多く獲得できる。
7版以降に追加された「専門家」は、基本三職業のいずれかの特性に加えて特定の能力値による行為判定が有利になる職業で、能力値決定のダイスロールでゾロ目を振ることにより選択可能となる。8つある能力値に対応して「怪力」「超敏感者」「野伏せり」「格闘家」「策謀家」「専門魔法使い」「賭博師」「指導者」の8種類(プレイグループの発想次第ではそれ以上)が存在する。更に、飛び道具の使用に長けた「野伏せり」と、特定種類の魔法に長けた「専門魔法使い」には特別なルールが設定されている。
「達人」または「魔法戦士」は、能力値決定のダイスロールで凡そ1/360の確率となる高い数値を出した場合に選択可能で、戦士と同じく武器が扱え、魔術師と同じく魔法が使える特別な職業である。

種族は人間、エルフドワーフ、ホブ(ホビット)、レプラコーンフェアリーの6種。ただしGMが許可を出せば上記「善の種族」以外の、ウルク(オーク)やトロールといった「モンスター種族」を選択する事もできる。ルールにおける種族間の差異は、主に能力値の変化によって表現される。

能力値は8種類あり、キャラクター作成時にそれぞれ3D6を振って、修正を加えることで決定する。セッションで得た冒険点(経験値)を消費する事で上昇し、能力値からキャラクターのレベルが決まる。

また、ヒットポイントなど、能力と技量を統合して表現する補助能力値が無いこともルールの特徴で、ダメージは能力値の一つである耐久度が減少することで表現される。いわゆるマジックポイントは、7版以降に追加された能力値の「魔力度」が対応する。

装備品

ジャマダハルの様なもの
カリムの浪人
アフリカン投げナイフ女子高生
連射優先 『レピータクロスボウ』


当作に収録された武器は非常に多い。完全版では武器リストが整理され、かなりの部分がリストラされたのだが、それでも多い。一方で武器をカスタマイズするルールが追加されたため、実質的にバリエーションは無限である。能力値と財布の中身さえ許せば、PCにイメージ通りの武装をさせる事が出来るだろう。

「聞いた事もない武器が多い」というプレイヤーの為、巻末に簡易ながら武器に関する資料も収録されている。日本では「カタール」や「ショーテル」、「テルビューチェ」のような奇妙な武器はT&T(5版)により知られるようになったとも言われ、その最たるものが本作を象徴する武器「アフリカ投げナイフ三卍だろう。また、所謂「銃ファンタジー」のさきがけ的な存在として、本作には銃器に関するルールが存在する。を扱うルールもあり、戦闘でPCも利用できる。

行為判定

行為判定はセービング・ロールと呼ばれ、能力値に2D6を加えた値を、GMから提示された難易度と比較する事で判定する。このロールはDARO(Doubles Add and Roll Over)と呼ばれる上方無限ロールであり、運さえ良ければ極端に困難な判定でも成功できる一方、出目が悪ければ必ず失敗することもある。また、「タレント」と呼ばれるスキルシステムがあり、特定の行為判定にボーナスを得られる。

なお、7版の刊行時に「パロディ要素」を前面に出した宣伝をされていた為に誤解されがちだが、当作には『ドラゴンハーフRPG』や『MAGIUSスレイヤーズ』のような「コメディ展開を支援するシステム」は存在しない。コメディの舞台を整えるのはダンジョンの主の役目であり、時に命がけで悲喜劇を演じるのは冒険者の役目である。

戦闘ルール

本作の戦闘ルールは集団乱戦をイメージさせる、他に類を見ない特徴的なものである。それぞれのキャラクターがダイスロールと能力値から決まる修正値(戦闘修正)で攻撃力(ヒット)を算出し、陣営ごとに合計して、その差分がヒット合計の低い敗者陣営にダメージとして分配される。これを1戦闘ターンとして繰り返す。その性質上、戦闘時には大量の6面体ダイス(時には100個以上)を使用する。また、システム上「強い存在は圧倒的に強い」ため、プレイヤー側には効果的に魔法や飛び道具を使う、機転を利かせ敵を分断するなど、状況を逆転させる戦略が求められる。優勢な陣営にも「悪意ダメージ」のルールで損害が与えられ、1戦闘ターン(基本1行動)がゲーム内で標準2分間も掛かるため、状況次第ではたとえ優位でも出来るだけ早く戦闘を終わらせる必要がある。

敵対するモンスターには、戦闘力を「モンスター・レート(MR)」と呼ばれる数字1つで表現するルールがあり、扱う数値が多くなりがちな戦闘シーンの負担を軽減できる。

魔法

旧版においては体力を消費する事で魔法を使用していたが、7版以後は新設された能力値の魔力度を消費する方式に変更されている。魔法は基本的に1系統しかないが、7版以降は10の「魔術学派」に分類されている。魔術師は特定学派の魔法に精通することが可能なほか、専門魔法使いは指定した学派の魔法にのみ習熟している。

通常新たな魔法の呪文の習得には、魔術師組合に多額の金銭を納めることで習得できる。しかし「種族限定」と指定された呪文は、GMやプレイグループの判断次第だが、魔術師組合外で教えてもらう必要がある。また盗賊に魔術師組合が魔法を授けることはなく、常に欲しい魔法を教わる方法を探す必要があり、通例パーティ内の魔術師に教えてもらうことになる。

ふつくしい日本語訳

本作の重要な魅力の一つが、「けいおん!」の秋山澪にも匹敵する様な叙情豊かな言語センスである。以下にその一部を挙げる。

  • <これでもくらえ!> (Take That, You Fiend! - TTYFと略されることもある)
  • <小さいことはいいことだ> (Smaller is Smarter)
  • <シャレたヒゲだね> (That's a Natty Beard)

…念の為に言っておくと、あくまでも「一部」である。

世界観

かつての5版では背景世界は自作が前提だったが、完全版ではソロシナリオで断片的に語られるに留まっていた背景世界「トロールワールド」の歴史と地理について詳細に語られている。

ハイパーT&T

現在タグが少ないと推測されるため、6版に相当する日本独自の拡張ルール「ハイパーT&T(HTT、HT&T)」に関してもここに記述する。

HTT(社会思想社版)

このゲームはトンネルズ&トロールズ第5版を元に、日本にてT&Tの追加ルールと言う位置づけで発売された。このルールは『ウォーロック』誌にてサポートされた。尚この時点では独自の世界観は存在せず、僧侶の信仰する神のルールなどは作成されていなかった。また、追加された職業は「4レベルになった時点で選択して変更」であった。

追加点及び変更点

スキル制の導入

技能制度を導入することにより、難しい判定を簡単にすることができ、キャラクタの色付けが容易になった。類似システムの「タレント」が本家T&Tにも導入されている。

ハイパーポイント

このゲームにおいては1回のセッションにつき経験レベル回数分、判定時のさいころをひとつ多く振ることができる。この回数を「ハイパーポイント」と呼び、いわゆるヒーローポイントのシステムである。

上級職業の追加

上級職業が追加され、キャラクタごとの違いがわかりやすくなった。職業は新たに追加されたものも多く、アメリカで作られたハウスルールを発展させた僧侶や、徒手空拳で戦う「武闘家」、独自のトリックじみた魔法が使える「怪盗」、魔術師から分割された主に怪しげな魔法を使う「呪術師」等が増えている。

各種戦闘ルールの追加

戦闘時におけるオプション動作や集団戦闘用ルールが整理された。

HTT(角川書店版)

社会思想社の卓上ゲーム撤退に伴い、このゲームは角川書店に展開元を変更した。その際、ルール等をさらに見直したものを発売し、公式のワールド「ドラゴン大陸」も展開された。これは本家T&Tの「トロールワールド」を一部導入・改変した世界設定である。

変更点

社会思想社版に比べて変更の幅は大きい。大きな点は「職業は最初から選択可能に」「守備力関連の見直し」「戦闘不能時の判定」などがある。追加ルールにおいて更に3系統の魔法が追加されたこともあり、もとは1種の魔法の系統が非常に多くなった。

ヴァリアント

シンプルかつ応用の効くシステムのため、それを流用したヴァリアント・ルールが複数存在する。『クトゥルフの呼び声』風のラヴクラフト・ヴァリアント、時代劇スペースオペラ・ヴァリアントが発表されている。T&Tルール(5版)で行われたロードス島戦記リプレイもある。

関連イラスト

【T&T】うちのパーティー集合絵
T&T



外部リンク

関連タグ

TRPG RPG ゲームブック
ファンタジー トロール アフリカ投げナイフ
ダンジョン&ドラゴンズ ロードス島戦記 ソード・ワールド wizardry
ソードワールド2.0:メインデザイナーの北沢慶が角川版HT&Tに関わっていた為か、新しく増えた冒険者技能(グラップラー、コンジャラー等)にその影響が窺える。

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