🎲概要
卓上遊戯や賭博などで用いられる乱数を発生させる小道具である。
賽(さい)等という言い方をすることもある。
英語ではダイス(Dice)というが本来これは複数形であり、単数形はDie(「死ぬ」の同音異義語)である。
一般的に立方体の形をしており、転がりやすいように角は若干丸めてあり、各面にそれぞれ1~6を示す点が記されている。この時、対面の和は必ず7になる。
サイコロを振って、止まった時に上を向いている面の数字を出目として扱う。
複数のサイコロを振って全て同じ目が出ることをゾロ目といい、それが1である場合はピンゾロという。
また、用途によっては立方体以外の形を持つサイコロも用いられる場合があり、正四面体、正八面体、正十二面体、正二十面体などのサイコロが存在する。
ゲーム(ボードゲーム、TRPG等)界隈ではそれぞれ「d4」~「d20」と表記され、正六面体サイコロ2個の場合は「2d6」と表記される。
またd10として1~10が二つずつ書かれた正二十面体や「正反双五角錐(正ねじれ双五角錐)」(ねじれているのは視認性のため)を使った10面ダイスが存在する。他に旧『クトゥルフの呼び声』等に付属した正八面体の角二つを切り落とし「正方形2+台形8」とした10面ダイスも存在する。なおこういった6面体以外のダイスでは識別のし易さ等の事情から面の数字にはアラビア数字を直接記してあるケースが多い。
変わり種としてはゴルフボール状の100面ダイス(ディンプルにあたる部分に数字が書かれている)も販売されているが、値段が高い、デカい、止まらない、出目を判定し辛い等の理由で10面ダイス2個を振ってそれぞれを10の位と1の位とする場合が多い。
かつては製造業でも使われており、標本検査用の標本を選ぶ際にd10(1d20÷2)を振っていたそうな。
- 標本検査:消耗品は検査すると売り物にならなくなることから、1000個に1個とかを選び検査して合格なら残り999個を合格とする検査法。サイコロを振るのは「標本だけ品質を良くする」等を防ぐため(いわゆる抜き打ち検査)。
一般的な正六面体のサイコロは出目の確率は1/6であるが、実は目が彫られているタイプのサイコロは重心がサイコロの中心からずれている為、それぞれの目が出る確率が計算上1~6それぞれに確率が存在し、このタイプのサイコロだと計算上最も出やすい目は「5」となる。「ナニコレ珍百景」での検証実験でも、統計が取れる程の回数ではないが、明らかに5が多かった。これは6の裏の1が大きくえぐれてバランスが取れているのに対し、2と5の対は偏りがあるからだと思われる。
こういった事からイカサマなどを警戒してか現代のカジノ等で使われるサイコロ(ダイス)は目が彫られたものではなくステンシル印刷などでプリントされた物で、かつクリア素材を用いて中に何も仕掛けが無い事を証明し易い物となっている。
歴史
サイコロの歴史は古く、立方体のサイコロですら紀元前には既に登場していたとされる。大体出土するのは、アストラガルスと呼ばれる、動物の踵の骨による物(出目のパーセンテージがバラバラで、2つ一緒に投げる)。インディアンは棒状のものを使っていた。
大昔は「占い」の手段としても使われていた。「神の御言を伝えるメディア」として捉えられ、各地で神聖視されることも。また、日本の舟の一部では、サイコロを船玉様と呼ばれる船の守護神(猿田彦などが当てはめられる)のご神体として船内に収めることもあった。また中世、貴族の出産の際、巫女が産室の隣でサイコロを入れた壺を振る、という儀礼があったらしいのだが、厄除けと思われるも詳細は不明であり、後に消える。
荒俣宏『帝都物語』では、サイコロの立方体で1が赤いものは、投げて魔物をそっちへ行かせる魔除けだったのでは、という説が登場する。
サイコロを用いたゲーム
ギャンブル
補助的に利用するゲーム
その他の用途のサイコロ
- サイコロの面に数字以外のものを記述するケースもある。
- 駄菓子の箱として使用されることもある⇒サイコロキャラメル
- 易占による占い用にも使われる。擲銭法という、元々硬貨を投げて卦を得るやり方をサイコロで代用するだけだが、がま口の中で目立たずに振ることのできる利点がある。
- 他、占いに使われるものとしてはアストロダイスと一般に呼ばれる、3つで一組の12面体ダイスもある。一つには12の黄道星座、もう一つには8つの惑星および太陽・月とドラゴンヘッドとドラゴンテイル(最後の二つはともに太陽と月の軌道が交差する場所の意)、最後の一つには12の室を示す1から12の数字(つまり普通の12面ダイスと同じ)、それぞれを意味する記号が示されている。アイカツフレンズ!にて白百合さくやが使っている。
サイコロに向く多面体
以下は、全ての面の条件が同じである為、サイコロに適しているが、24面以上の乱数は需要が無い為、実用には向かない。
数 | 多面体 |
---|---|
4 | 正四面体 |
6 | 立方体 |
8 | 正八面体 |
12 | 正十二面体、菱形十二面体、三方四面体 |
20 | 正二十面体 |
24 | 凧形二十四面体、擬凧形二十四面体、三方八面体、四方立方体、五角二十四面体 |
30 | 菱形三十面体 |
48 | 二重二方十二面体 |
60 | 凧形六十面体、三方二十面体、五方十二面体、五角六十面体 |
120 | 二重二方三十面体 |
4n | 正双n角錐(正八面体はこれの一種) |
4n+2 | 正反双n角錐(立方体はこれの一種) |
別名については『カタランの立体』を参照の事。
正多面体の次に美しいと名高い半正多面体は、異なる形の面があるため、目によって出る確率に違いが出てしまいサイコロには向かない。
サイコロモチーフのキャラクター
キャラクター | 作品 |
---|---|
オモッチャマ | ヤッターマン |
サイコロン | ドラゴンクエストⅧ |
天使のサイコロ・悪魔のサイコロ | 遊戯王 |
サイコガンダム | ファミコン版SDガンダム |
サイコロ | マリオパーティ |
サイコロステーキ先輩 | 鬼滅の刃 |
ピンゾロイド | ビックリマン2000 |
ダイス | ONE PIECE |
キングダイス | Cuphead |
サイコローグ | 仮面ライダー龍騎 |
関連イラスト
文字通りサイコロを描いたイラストが多いが、サイコロを主として描いたものだけでなく、一部にサイコロが登場する・もしくは装飾として登場するイラストもある。
関連タグ
オール1…サイコロを倉庫番のように押していき、全てが1の目になればクリアと言うテレビゲーム。後述のXIよりも前の作品(ディスクシステム)である。
XI…サイコロを転がして同じ目を揃えて消していくテレビゲーム。
ライオンのごきげんよう…サイコロの出た目のお題でトークする番組。
人志松本のすべらない話…サイコロの出た目の人物がすべらない話をしていく番組。
もののあはれは彩の頃。…和風すごろく体感ADV。略称が「彩頃(サイコロ)」
ダイスサーベル…仮面ライダービーストの武器。鍔部分にサイコロが嵌め込まれていて、出目によって必殺技の威力が変わる。
千年暦…MTGのカードで、とある計算に使うカウンターを用意するよりもサイコロで数字を計算した方が早いのでは…というレベル。その計算するカンターは1000である。