「幸福は義務です。市民、貴方は幸福ですか?」
Happiness is Mandatory. Citizen,are you happy?
パラノイア(PARANOIA)とは1984年、アメリカの会社『West End Games』により制作されたテーブルトークRPG(TRPG)である。
曖昧さ回避
- 『偏執病』のこと。自身は根拠なく優れた存在であると信じ込んだり、他者に常に批判されていると思いこんだりするなどの妄想に囚われている状態。現代では妄想性障害や妄想性パーソナリティ障害、統合失調症の症状の一部に分類される。
- 音楽ゲーム『Dance Dance Revolution』に登場する楽曲→PARANOiA
- つなまる(めざめP)による初音ミク楽曲→paranoia(初音ミク)
- DiGiTAL WiNGによる東方Projectアレンジ楽曲→Paranoia(原曲:ハルトマンの妖怪少女)
- 『悪魔城ドラキュラ』に登場する敵キャラクター→パラノイア(悪魔城ドラキュラ)
- 『さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち』『宇宙戦艦ヤマト2』に登場する架空の戦闘機、「迎撃戦闘機パラノイア」→ガトランティス
- ナグザットから発売された、PCエンジン用横スクロールSTG。
注意
以下の記述は公式日本語訳ルールブックが発売される以前の非公式な情報によって構成されている部分が多く、非公式情報が一般に浸透している関係上修正が困難となっています。
公式の情報、解釈を知りたい方は関連リンクに記載されている公式サイト等をご確認ください。
完璧で幸福な概要
プレイヤーは安全で完璧で幸福なシェルター都市『アルファ・コンプレックス』の市民として、
親愛なる友人にして完璧な管理者であるコンピュータ様のご命令の元、
アルファ・コンプレックスの平和を脅かす共産主義者(コミー)どもを完璧に退治していく、
とてもスリリングで例えようも無く幸福な、最高のTRPGである。
そう、コンピュータ様への奉仕は最高の幸福であり、幸福は市民の義務なのだ!
アルファ・コンプレックスの平和を守るため、あなたは一瞬の油断もしてはならない。
なぜならば、あなたの周りの市民はみな幸福そうな顔をしているが、
心の中ではコンピュータ様の管理に不満を持つ、幸福でない反逆者が存在している。
階級をわきまえない反逆者が、今日もセキュリティ・クリアランスを違反し不法に情報を得ている。
不完全な存在であり、コンピュータ様の敵となるミュータントが反逆の機会を窺っている。
コンピュータ様の管理を否定する共産主義者たちがひそかに反逆の計画を練っている。
共産主義者だけではない。ほかにも数多の秘密結社が打倒コンピュータ様を狙っている。
ミッションの協力を持ちかける市民が、隙あらばあなたを反逆者に仕立て上げようと企んでいる。
残念ながら、アルファ・コンプレックスは今日も反逆的兆候にまみれているのだ。
無論、これらの反逆的兆候を見逃すことも、また等しく反逆である。
しかし市民、心配は無用、コンピュータ様は善良な市民の味方である。
コンピュータ様はこれらの救いようの無い反逆者に対抗すべく、武器を与えてくださる。
どれも反逆者を文字通り一掃できる優れものであり、故障もしない完璧なものである。
武器だけでない。アルファ・コンプレックスのあらゆる施設はあなたのミッションの為に
最大限の力を貸してくれるだろう。無論、その安全性も完璧に保障済みである。
(なぜならば、不具合の報告は今の今まで1回たりとも報告されていない)
……もっとも、コンピュータ様のお力をお借りしない不届き者はいないと思うが……
市民。
ぜひともこの『パラノイア』で、完璧で幸福な市民としてコンピュータ様に奉仕されたし。
コンピュータ様は市民の親愛なる友人である。
コンピュータ様万歳!コンピュータ様万歳!コンピュータ様万歳!
冷静な概要
退廃的な地下都市でコンピュータから下されたミッションをこなすゲーム。但し、
- コンピュータは『自分は完璧である』と思い込んでいる
- コンピュータは『自分が管理しているおかげで全ての市民は完璧で幸福である』と思い込んでいる
- 1. 2.より、完璧でなかったり幸福でなかったりする市民はコンピュータから『反逆者』とみなされ処刑される
- しかしプレイヤーキャラはミュータント(=完璧でない人間)なのでコレがバレると処刑される
- そのうえプレイヤーはコンピュータに敵対する秘密組織(複数ある)の構成員なのでコレがバレても処刑される
- ミッションは悪意溢れるトラップや階級制度の壁に阻まれ達成はほぼ不可能である
- ミッション達成の為にプレイヤー同士が過度に協力するとコミー(共産主義者)とみなされ処刑される(コンピュータは市民(アメリカ人)をコミー(ソ連)から守っていると自負しているため)。なおコミーは前述の秘密組織の一つとして実在はするが、プレイヤーは基本的に別々の秘密組織に所属しているので全員コミーと言う事は無い。
- 当然、ミッションに失敗するような市民は完璧ではないので処刑
- そのミッション中に秘密組織からミッションほどではないものの難易度が高い結社任務を言い渡されこれも達成しないと組織に処刑される可能性がある
- そうでなくとも上位市民から何かにつけて反逆者扱いされる
- プレイヤー達はコンピュータ様への忠誠心を証明するために隙あらば他のプレイヤーに反逆者のレッテルを貼り、処刑しようとしてくる。
- ミッション終了報告時に一~二人ぐらいはミッションの不手際の責任を取らされて処刑される。かと言って(まずありえないが)何の問題も起きなかった場合は7.に従いコミーの疑いをかけられ全員処刑。どないせいっちゅーねん。
- 処刑されなくてもこの世界のアイテムはほぼ全てが暴発するデストラップ、完全に信頼できるものは何一つないが疑うそぶりを見せると反逆者として処刑
- と、こんなに酷い世界なのに幸福でない(幸福に感じない)場合は3. により反逆者とみなされて処刑
といった他のTRPGとは明らかに異質な空気を持つ。
しかし基本は『パーティーで協力(反逆)してミッションをクリアする』協力型ゲームである、
しかし協力の仕方もいくつかのルールで指定されたスタイルが存在しスタイルによってやや異なる。
プレイヤーのクローンが死ぬたびにそれを笑い飛ばす器量が要求される。
ディストピアの重苦しさを味わうもよし、ひたすら皮肉を展開するもよし。
比較的自由度の高いシステムと言える。
合言葉は『気を抜くな!誰も信用するな!レーザーガンを手放すな!(Stay Alert! Trust No One! Keep Your Laser Handy!)』
ちなみに、『処刑』という言葉が何度も出てきたが、このゲームでは残機制を採用してあり、
プレイヤーには予備クローンが5体与えられている(=6回死ぬとゲームオーバー、ただしクローンの追加購入も可能)。
これらの内容の秀逸さから、2007年には最優秀のゲームに送られる『オリジン賞』を受賞している。
またメディア展開もされており、カードゲーム・フィギュア・小説・漫画界にもその名を知らしめた。
ニコニコ動画でのパラノイア
このブッ飛んだゲーム性に影響を受けた二次創作『P@ranoia_M@ster』『こちら、幸福安心委員会です。』が登場。この作品からパラノイアを知る人も多い。
そしてその2つが合体した完璧に完全で幸福なPVがこちら↓
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ニコニコ動画における同作品のリプレイ作品
P@ranoia_M@ster CHIHA-UV-RB7-2
【ゆっくり】Fateキャラでパラノイアをやってみる(Fateシリーズの設定を取り入れている)