CV:末柄里恵(アニメ版)
概要
絶世の美貌と、何度殺されても甦る謎の力を持つ怪人・富江と、彼女に出会ってしまったことで運命が狂っていく人々の姿を描くホラー漫画。
1987年より『月刊ハロウィン』・『ネムキ』にて短編が掲載された。
外見
左目の下の泣きぼくろと長く美しい黒髪が特徴的な美少女。(エピソードによっては髪質、髪型、髪色に若干の変化がある。)
年齢は不明だが、高校に通っているエピソードが比較的多いことから概ね10代半ばと思われる。すらりとした長身の体型でスタイルも良い。
文字通り魔性の美女で、出会う男すべてを魅了し狂わせるほどの魅力を持つ。
具体的なモデルはおらず、作者は「この世で最高に美しい女性」としてイメージして作成したという。
性格
美貌を自覚し鼻にかけた、異様に高慢な性格をしている。
かわいらしい女を見れば「私の美貌に比べれば下の下」と言い放ったり、男が自分を絵に描いて見せてくれば「私の美しさの十分の一(場合によっては百分の一とか、微塵とか)も描けていない」と激昂したりと、始末に負えないほど。
高級な食べ物やアクセサリーを強請り、男たちが自分を楽しませることができなかった時は「つまらない!!あんたたち死になさい!!」と叫んでヒステリックに騒ぎ、稚拙な態度をとることが多い。
加えて虚言癖も多く、息を吐くように見栄を張るための嘘や相手を陥れる嘘をつくため、上述した部分を含め、性格は非常に悪い。
美貌を武器に、年齢が離れた教師だろうが、彼女がいる男だろうが誘惑もする。誘惑した男と恋仲になっても、他の男をすぐに誘惑しては浮気をし、それを指摘されても逆ギレをしたり、狙う男に女がいるものなら「その程度の顔でガールフレンドしようって方がよっぽど非常識」など理不尽な暴言を平気で浴びせたりなど、ここまで来るともはや清々しいと言えるほどの、クズっぷりを見せている。
作品によっては、冷静でおしとやかな振る舞いで最初は猫をかぶっていることもあるが、だいたい後々になって本性を露わにする。
そもそも、「私は本気で男を好きになんかならないわ」等の発言から、彼女にとっては男は単なる飾りであり、自分以外には一切興味が無い。
自分を他人にどう見せるかが彼女の最大の関心であり、他人に愛されるためではなく、自分自身をより愛するための手段として、男を誘惑しているそうだ。
特徴
何度殺されても必ず甦るという、異常な再生能力を持つ。
加えて、身体の破片から再生し、増殖するという不死身にプラスアルファの強力な特徴を備え持つ。
物語の結末として多くの場合、魅了されて狂った男や、嫉妬に狂った女によって富江は惨殺されるが、何度殺されても、どんなにバラバラにされても、焼かれても、プラナリアの如く復活してしまう。
容貌の美しさだけでは説明できない、不思議な魔力を持っているのか、彼女に魅了されて精神がおかしくなってしまう男が後を絶たない。(レアケースだが、女も同じく魅了されて精神がおかしくなってしまう話もある)
稀に富江の誘惑に靡かない男が現れるが、稀である。(その回のエピソードでは富江は意固地になって、その男を必死に誘惑しては失敗し、悔しがっていた)
富江に魅了された男は、なぜか最終的には富江をバラバラに殺害したくなる衝動に駆られ、多くの物語で、彼女は最終的に惨殺される。しかし、バラバラにされた場合には肉片それぞれが富江として復活するため、富江が無限に増殖するという悪夢のような光景が繰り広げられることもある。単なる復活にとどまらない、この「無限増殖」も富江の特徴である。このバラバラにされた破片は強酸につけても溶けないことから、彼女を構成する全身の細胞や何もかもが人間離れしている。
あるエピソードでは「正体不明の肉の塊」を配って回る男が登場し、彼が滝壺にその肉を投棄したせいで池の底に無数の富江が生えてくるくだりがある。
その再生能力の高さから、医療に使えないか医者が試したが、富江の腎臓を移植された少女は日に日にその面影を無くしていき、最終的には姿かたちどころか中身まで富江になってしまった。通り魔に富江の血液を注射された赤ん坊が、成長するに連れて富江化するなどその生態は色々な意味で常軌を逸している。
歳を取る事は無いが上記の赤ん坊に血液を注射して作られた富江でのみ加齢が確認されており、『老醜』で「自分を塵芥のように扱った彼女が、自らの老いた姿に絶望する様を見たい」という理由で拘束された。曰く「一度バラバラにしてしまうとなかなか歳を取らなくなる」らしいが……?
自己中心的で自己愛が強い一方、増えた「自分」に対しては敵愾心を顕にしており(本人曰く「私は私一人で十分よ」とのこと)
誘惑した男に殺せと命じたり、個体同士で罵り合ったりしている。
解体され、再生した富江たちは記憶の共有ができるのか、その個体が知り得るはずのない記憶を有している場面が見られる。
また、再生が容易にもかかわらず(演技の可能性もあるが)毎回抵抗した上であっさり殺されているため体は案外脆く、厳密には「不死身」ではないといえる。
また富江の精神的な動揺がトリガーとなり、増殖が始まることがある。例としては他人にバケモノや病気などと罵られ、憤慨したときは、頭部から別の富江が生成される場面が見られた。必ずしも増殖の条件に、殺害や身体の解体が必須ということではないようだ。
また、富江を写真で撮影すると、必ず彼女以外の顔が映り込む心霊写真ができ上がる。その顔は、富江そっくりの白目を向いた不気味な表情で、彼女の肩や頭上など場所を選ばずに、必ずどこかしらに浮き出てくる。鏡には普通の姿が映るため、写真は、彼女が本来持つ怪人的な要素を隠さず真の姿を映してくれる、唯一の機械と言ってもいいだろう。そのせいか画家編では、写真にやたらと嫌悪を抱く描写が見られる。
登場エピソード(漫画)
- 富江
- 富江PART2 森田病院編
- 富江 地下室
- 富江 写真
- 富江 接吻
- 富江 屋敷
- 富江 復讐
- 富江 滝壺
- 富江 画家
- 富江 暗殺
- 富江 毛髪
- 富江 養女
- 富江 小指
- 富江 少年
- 富江 もろみ
- 富江 ベビーシッター
- 富江 ある集団
- 富江 通り魔
- 富江 トップモデル
- 富江 老醜
作者との関係
あとがき漫画では、何の脈絡もなく作者の前に現れ、「あなたの描く富江は私の本来の美しさの5%も描きだしてないじゃないの」と怒り狂った。さらに取り巻きに拘束させた上で伊東潤二の『黒歴史』を朗読する辱る過酷な拷問を行った。
他メディア展開
※()内は富江役の女優
テレビドラマ
- 富江・アナザフェイス(永井流奈)
実写映画
何度も映像化されており、その時々によって設定は異なり、また富江役を演じる俳優も異なる。
- 富江(菅野美穂)
- 富江replay(宝生舞)
- 富江re-birth(酒井美紀)
- 富江 最終章-禁断の果実-(安藤希)
- 富江BEGINNING(松本莉緒)
- 富江REVENGE(伴杏里)
- 富江VS富江(あびる優)
- 富江アンリミテッド(仲村みう)
アニメ
余談
- pixivでは無限増殖をしているキャラクターの絵にこのタグがつけられることがある。