概要
『週刊ビッグコミックスピリッツ』で2001年50号から2002年20号まで掲載された伊藤潤二の漫画作品。足の生えた奇妙な歩行魚に翻弄されるパニックホラー作品。
2012年にアニメ化された。
ストーリー
忠は恋人の香織と沖縄旅行に来ていたが、忠がスキューバ中に謎の生物に出くわす。その後、気分が悪くなったという香織を連れて別荘に戻るが、そこで足の生えた奇妙な魚を発見。それから間もなく大量に出現した歩行魚の大群は上陸、人々への襲撃を開始する。更に彼らは人間や動物にも感染する恐ろしい細菌ガスを撒き散らしていた。東京に逃げ帰った二人だが、後を追うかの様に歩行魚達は日本全土に大量発生。さらには香織も細菌に感染してしまい…
登場人物
忠(ただし)
主人公。恋人の香織とは何度も衝突するが、彼女が天涯孤独だという事情を知っていたことからたとえ感染しても見捨てなかった。また、原因は不明だが細菌汚染されている環境の中で傷を負っても発症しなかった。
香織(かおり)
忠の恋人。両親は離婚しており現在はどちらも音信不通となっているという。神経質かつ潔癖症で臭いに敏感なためその場所に長時間いると気分を悪くしてしまう。歩行魚の細菌に感染し奇形化してしまい自暴自棄になり、忠の説得もむなしく首を吊って自殺。その後彼女の遺体は小柳製の足に乗せられてしまう。
小柳(こやなぎ)
忠の伯父で発明家。見るからにマッドサイエンティストとしか言えないような風貌をしており、忠に見せられた歩行魚の死体を見て歩行魚に興味を持つようになる。
芳山(よしやま)
小柳の助手。小柳を尊敬しているが罪悪感からか忠に香織を改造したことを明かす。
死臭サーカス団
感染者や動物を集めて見世物にしていた怪しい集団。
アニメ版
2012年にアニメ文庫第1期作品として『百合星人ナオコサン』『みのりスクランブル!』と共にOVA化された。
監督・脚本は平尾隆之、音楽は椎名豪、制作はufotable。
当初は30分を予定していたが、完成作品は約70分にも及ぶ作品となっている。
忠と香織の立場が入れ替わっていたり、原作キャラの役割や設定を一部引き継いだオリジナルキャラクターが登場したりと内容は大幅に変わっている。
登場人物
香織
CV:片岡未来
今作の主人公。原作の忠と立場が入れ替わっており、性格もまともになっている。恋人の忠の結婚を控えている大学卒業間近の女子大生。国分寺市在住。大学の卒業旅行で友人のエリカ、アキと沖縄に来たものの歩行魚に遭遇、次の日に忠との電話中不自然に電話が途切れたため急遽単身で東京に戻る。原作の忠と立場が入れ替わった関係で細菌汚染されている環境の中で傷を負っても発症しなかった。
忠
CV:根岸拓馬
香織の恋人。お台場在住で音響関係の仕事をしている。今回の沖縄旅行には仕事の都合とカナヅチという理由で同行しなかった。原作の香織と立場が入れ替わった関係でこちらでは彼が歩行魚に襲われ感染してしまい、小柳製の新型歩行器の実験台にされてしまう。
エリカ
CV:谷口亜実
アニメオリジナルキャラの一人。原作の香織の役割を一部引き継いでいる。
香織の友人の一人で、彼氏なし。退屈だからと旅行中に出会った2人のナンパ男を別荘に連れ込んだり、鮫型歩行魚に襲われた際にアキを見捨てて一人だけ逃げようとしたりと自己中心的な一面が目立ち、アキによれば華織の男友達とも肉体関係を持っていたという。また、自分の体に自信があるようで派手な服装に化粧、面積の小さいブラとTバックという大胆な下着をつけていたりカメラ写りに拘るという一面を持つ。
鮫型歩行魚に襲われたことで感染してしまい、アキに今までの鬱憤を晴らすかのように撲殺された挙句ガスに身体を乗っ取られ、さらには足に取り込まれてしまう。
アキ
CV:佐伯まさみ
アニメオリジナルキャラの一人。原作の忠の役割を一部引き継いでいる。
香織の友人の一人で、地味で太めな体系に加え、性格も内気なため男と縁がなく心の底では自分が香織やエリカの引き立て役にしかなれないことに不満を抱いており、エリカが感染すると今までの不満をぶつける形で殺害した後精神崩壊してしまい、町を彷徨っていたところ足に取り込まれたエリカに襲われ逃げるうちに溝に転落、その中で蠢いていた大量の歩行魚の群れに飲み込まれ、最後はエリカやナンパ男達共々足に取り込まれてしまった。
白河剛(しらかわ つよし)
CV:阿部英貴
アニメオリジナルキャラの一人。原作の芳山の役割を一部引き継いでいる。
華織が東京に戻る飛行機内で出会ったフリーカメラマン。 香織の恋人である忠が小柳教授と面識があることを知って彼に接触するために華織と行動を共にする。父親が冤罪を苦に自殺し、母親もその後を追うように命を絶ったという過去を持ち、真実と正義を貫くためにカメラマンになった。
小柳
CV:岡崎宏
忠の伯父。原作とは異なり忠が助手を務めているため芳山が登場せず、歩行器に取り込まれ腐敗したために切断した片腕に義手を装着していない。
終盤に自分が発明した飛行型歩行器に取り込まれた姿で一瞬登場する。