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キングスマン

きんぐすまん

『キングスマン』とは、イギリスのコミックを原作とした、2014年公開のスパイ映画。および劇中に登場するスパイ組織。
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『Manners maketh man.』

礼節が 人を 作るんだ

Kingsman -The secret service-


概要編集

『キングスマン』(原題:『Kingsman: The Secret Service』)とは、イギリスのコミックを原作とした映画である。2014年公開。原作はマーク・ミラーとデイヴ・ギボンズによるコミック『キングスマン:ザ・シークレット・サービス』。

監督はマシュー・ヴォーン(同じくマーク・ミラー原作の映画『Kick-Ass』でも監督を務める)。日本ではR15+指定。

エリートスパイ達がガジェットと身につけた戦闘技術で、華麗かつ縦横無尽に活躍する古き良きスパイアクション映画と思ったらところがどっこい、「お高くとまった貴族・エリート主義」「レイシズム」「キリスト教原理主義」「選民思想」などといった英米の社会問題に対して問題提起……どころか真正面から暴力と流血と皮肉でもって喧嘩を売りまくる過激極まる超絶激辛エンターテイメント作品。

あらすじ編集

17年前に軍人だった父を亡くし、無職のままロンドンで自堕落な母ミシェルと暮らす青年エグジー・アンウィン

幼い頃は文武両道の優等生として誉めそやされた彼だが、夫を失ったことで精神の均衡を欠き、自堕落になった挙句、品性下劣で暴力主義なチンピラの元締めディーン・ベイカーと付き合い始めたミシェルのせいで一気に生活環境はとめどなく悪化。以後は軽犯罪や麻薬に手をだすなど、チンケなチンピラそのものになってしまっていた。

ある日エグジーは車の窃盗と暴走行為で警察の厄介になった。しかし、父の訃報を伝えにきた男に「困った時はこのメダルの裏の番号に連絡しろ」と渡されたメダルの番号に電話すると、彼は釈放され、かつて父の訃報を告げに来た男その人に迎えに来られる。

その男、ハリー・ハートは、普段は高級テイラー「キングスマン」の仕立て職人。だが裏の顔は秘密裏に活動する国際諜報機関のスパイだった。後輩だったエグジーの父にかつて命を救われたハリーは、エグジーをキングスマンの新人候補としてスカウトする。

並みいるライバルたちの中、新スパイの座を賭けて熾烈な競争をくり広げるエグジー。

一方、ハリーは世界規模のテロ計画を進めるIT富豪、ヴァレンタインの行方を追っていた。


果たしてエグジーは、ハリーの助けを得ながら新たなスパイとなることができるのか?

そして、ハリーはヴァレンタインの恐ろしい計画を阻止することができるのか?


主な登場人物編集

キングスマンのコードネームはアーサー王伝説に登場する円卓の騎士から取られている。


ゲイリー“エグジー”・アンウィン

演:タロン・エガートン 吹き替え:木村昴

エグジー

本作の主人公。キングスマンにスカウトされたうだつの上がらない労働者階級の青年。類まれな才覚を持ちながら、全てを環境のせいにして自堕落な生活を送っていたが、ハリーに紳士としての教養を教わったことで人間的にも成長していく。


ハリー・ハート

演:コリン・ファース 吹き替え:森田順平

Kingsman

もう一人の主人公であり、キングスマンのエージェント。コードネームは「ガラハッド」。エグジーの父親・リーに命を救われた過去を持つ。絵に描いたような英国紳士で、エグジーを新人候補としてスカウトする。


リッチモンド・ヴァレンタイン

演:サミュエル・L・ジャクソン 吹き替え:玄田哲章

ヴァレガゼ

その頭脳と経営手腕でたった一代で成り上がった天才エンジニアでIT富豪。血が苦手で、少量でも見ると嘔吐してしまう。元々は地球環境保全を訴える活動家であったが、己を省みようとしない人類に絶望。地球救済と称してとんでもない事を企てている。


マーリン

演:マーク・ストロング 吹き替え:加藤亮夫

「ksm」マーリンログ

キングスマンの新人候補性を指導する教官であり、前線で活躍するエージェントを補佐する後方支援担当エージェント。スキンヘッドが特徴。常に冷静沈着だが、茶目っ気のある一面も。


チェスター・キング

演:マイケル・ケイン 吹き替え:佐々木敏

アーサー」のコードネームを持つキングスマンのリーダー。典型的な貴族・エリート主義者であり、キングスマンのエージェントは貴族出身者でなければならないという思想を持つ。しかし、中の人はThe「労働者階級出身の成り上がり者」であり、ものすごい皮肉である。


ロクサーヌ“ロキシー”・モートン

演:ソフィ・クックソン 吹き替え:下山田綾華

キングスマンの新人候補生。貴族出身の才女だが、実は高所恐怖症。労働者階級のエグジーに対しても対等に接する。最終的に彼女が試験に合格し、ランスロットのコードネームを襲名した。


チャーリー・ヘスケス

演:エドワード・ホルクロフト 吹き替え:櫻井トオル

キングスマンの新人候補生。ロキシー含めたエグジー以外の候補生と同じく貴族出身。貴族出身のエリートである事を鼻にかけており、労働者階級のエグジーを露骨に見下して取り巻きと共にちょっかいをかける。能力は高かったが、結局は利己的なバカでしかなく、キングスマンへの忠誠テストで無様に脱落。最終的にヴァレンタインに取り入るなど、紳士らしさのカケラもないゲス野郎。


ガゼル

演:ソフィア・ブテラ 吹き替え:沢城みゆき

ガゼル

ヴァレンタインの側近兼愛人。切れ味抜群の剣を仕込んだ義足を駆使して、あらゆる敵を殲滅する殺人マシーン。中の人はダンサーでもある。


ジェームズ・アーノルド教授

演:マーク・ハミル 吹き替え:あべそういち

ガイア理論を提唱する学者。冒頭で謎の一味に拉致される。


JB

Kingsman ログ3

エグジーが訓練の中で育てることになったパグ。名前の由来はもちろん……


ランスロット

演:ジャック・ダヴェンポート 吹き替え:桐本琢也

キングスマンつめ2

キングスマンのエージェント。アーノルド教授の救出任務に向かうが、任務に失敗。殉職する。エグジー達は彼のコードネームだった「ランスロット」の座を争うことになる。


パーシヴァル

演:アラスター・マッキントッシュ 吹き替え:不明

パーロキ

キングスマンのエージェント。ロキシーの推薦人。中の人は監督の友人で、他の作品にも出演している。


シリーズ編集

邦題公開日
キングスマン2015年1月29日(英) / 2015年9月11日(日)
キングスマン:ゴールデン・サークル2017年9月22日(英) / 2018年1月5日(日)
キングスマン:ファースト・エージェント2021年12月22日(米)/2021年12月24日(日)

組織として編集

kingsmanを参照。


関連イラスト編集

KINGSMANKingsman logs


関連タグ編集

キングスマン100users入り

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MARVEL / 20世紀フォックス

スパイ


表記ゆれ

kingsman Kingsman


関連リンク編集

映画『キングスマン』オフィシャルサイト

映画『キングスマン』公式ツイッター

キングスマン - Wikipedia
























以下ネタバレに注意

  • 大富豪ヴァレンタインの狂った目的

 エグジー達候補生が試験に励む中、ハリーはヴァレンタインの足取りを追ってアーノルド教授に接触。長年の友人であったランスロットが死ぬ原因を作った彼を暴力的に尋問した。

だがここで全く予測していなかった事が起こる。教授の首の手術痕が赤熱し、首から上が吹き飛んだのだ。そして雪崩れ込んでくる銃を持った暴漢。突然の事態に前後不覚になるハリーだったが、機転を効かせてライターに偽装した手榴弾を爆発させて難を逃れる事に成功する。しかしその衝撃で一ヶ月ほど昏睡状態に陥ってしまった。

 昏睡から覚めたハリーは、最終試験に落ちたエグジーに、「帰ったら話し合おう」と約束し、ヴァレンタインが関係していると思われる米ケンタッキー州のとある教会に訪れる。そこは「地獄に堕ちて業火に焼かれるべき黒人野郎、ユダヤ野郎、ホモ野郎、反キリストのクズがのさばり、堕落した政府が離婚や中絶や同性愛などの不道徳を認めているせいで、アメリカは神から見放され滅びる」という教義を掲げる「キリスト教原理主義者」で「レイシスト」のWASP(プロテスタント信者でアングロサクソン系の白人)の巣窟だった(教義が過激&下劣すぎてFBIからも監視対象認定されるレベル)。

 世界的大富豪で慈善家だが黒人であるヴァレンタインが来る筈がない、無駄足だったかとハリーは退出しようとするが、隣の中年女性に引き止められる。いい加減この集団の下劣さに辟易していたハリーは「私はカトリック教徒の男娼で、軍の中絶クリニックで働くユダヤ教徒で黒人のボーイフレンドとヤり合う仲だ。そして魔王万歳。良い午後を、マダム」と中年女性の神経を露骨に逆撫でする捨て台詞を吐いて立ち去ろうとする。案の定、ハリーに聞くに耐えない悪口雑言を放つ中年女性。次の瞬間、ハリーは懐から拳銃を抜き、女性の脳天を吹っ飛ばした。そしてそれがトリガーになったかの様に、教会の中にいたレイシスト達は殺し合いを始めた。

 卓越した戦闘術とガジェットを駆使して、襲い来るレイシスト達を一人、また一人と血祭りに上げるハリー。そして数分後、死屍累々の教会の中にはハリーだけが残されていた。自らの凶行に愕然としたハリーは大慌てで教会の外に出る。しかし、そこにはハリーの行動を先読みしていたヴァレンタインが、ガゼル達私兵と共に待ち構えていた。「俺は自らの意思で教会の中の連中を皆殺しにした。他ならぬ自分の意思でだ。どうなっている?」と問うハリーに、ヴァレンタインは種明かしをした。「自分が無料で配ったSIMカードを装填した機器は、人間の中枢神経に作用する特殊な信号を発する装置となる。その信号は人間の「爬虫類脳」のリミッターを外すと共に、抑制回路を機能不全にする」というもの……有り体に言ってしまえば、「人間の殺戮衝動と破壊衝動をオーバーフローさせ、凶暴化させる」というもので、ヴァレンタインはそれを用いて首に特殊なチップを埋め込んだ選ばれし者以外の人間を殺し合わせ、環境に負荷をかけずに人口を大幅減少させるのが目的であると。

 全てを語り終えたヴァレンタインは、ハリーの脳天を撃ち抜いた。


  • エグジー、動く

 ハリーの眼鏡から転送されてくる映像で、事の一部始終をエグジーは見ていた。無論、ハリーが撃たれたところも…… エグジーは早速キングスマンのボスであるアーサーに直訴しに行った。しかしながら喪に服しているらしき雰囲気は感じられず、あからさまに下郎とエグジーを見下していたアーサーの態度も嫌に丁寧。エグジーはアーサーの首にアーノルド教授と同じ手術痕があるのを確認。アーサーがヴァレンタインと手を組んだ事を知る。自らを毒殺しようと目論んだアーサーを労働者階級流の方法で返り討ちにすると、キングスマン本部でランスロットを襲名したロキシー、及びマーリンと合流。誰が裏切り者かわからない中、この3人でヴァレンタインの計画を阻止すべく動く事になる。

 ロキシーはヴァレンタインの計画の要の一つである人工衛星の撃墜に向かい、エグジーはヴァレンタインの隠れ家への招待状を持っていたアーサーを騙り、飛行機のパイロットに扮して後方支援に徹するマーリンと一緒に潜入する事になった。エグジーは見事に鼻持ちならぬ英国貴族に扮し、潜入に成功。会場でパソコンを使っていた政治家のオッサンを昏倒させ、ヴァレンタインのシステムにアクセスを試みる。アクセスは成功し、マーリンがシステムに介入出来る様になった。しかし、背後からナイフを片手に忍び寄る影に、エグジーは気づいていなかった……


  • 因果応報。選民思想野郎どもの末路

 パソコンを操作するエグジーに、何者かが喉笛にナイフを当てがう。そいつの正体は忠誠テストで無様を晒して見事に脱落した元候補生のチャーリー・ヘスケスだった。ヘスケスは実家が貴族であり、彼も両親と一緒にヴァレンタインの隠れ家に来ていたのだ。そしてヘスケスはエグジーがキングスマンのスパイであると暴露。エグジーは一転して窮地に陥る。だが、エグジーはヘスケスに指輪に偽装した5万Vの超高出力スタンガンを喰らわせて逃亡。襲いくるヴァレンタインの私兵を排除しながら、マーリンが待つ飛行機に戻る。一方でロキシーは衛星の撃墜に成功。人類凶暴化プログラムの起動は大幅に遅れる事になった。

 しかしヴァレンタインは友人から人工衛星を借り受け、撃墜された衛星の代わりにすることで人類凶暴化プログラムの起動に漕ぎ着ける。途端に世界中で人々が凶暴化。ロンドン、ニューヨーク、リオ、ソウル、カラカス、ボンベイなど世界中の大都市がエライ事になる。飛行機に戻ったエグジーは脱出をマーリンに要請するが、マーリンはプログラムはバイオメトリクス制御されていて、ヴァレンタインをどうにかしない限り止められないと告げる。覚悟を決めたエグジーは、飛行機の武器庫からハリーが使っていたのと同じハイテク傘を取り出し、またもや隠れ家の中枢へと飛び込んで行った。

 隠れ家の中枢へと進むエグジーだが、相手は多勢に無勢。通路の両側から挟まれて絶体絶命の危機に陥ってしまう。さらにはマーリンが乗る飛行機を撃墜しようと、地対空ミサイルが持ち出された。その矛先が向けられ、マーリンもまた絶体絶命の危機に。ここで、エグジーはどうせならとある作戦を立てる。マーリンの手元には、エグジーがアーサーから取り出した例のチップがあったのだ。エグジーはそれを経由して全てのチップの爆破命令を起動して、ヴァレンタインの私兵を一網打尽にできないかと……マーリンは早速行動に移し、結果大成功。首にチップを埋められた私兵達や政治家や著名人達、クソみたいな選民思想に染まった連中は、皆首から上が見事な花火になるという末路を辿った。


  • 決着。狂った環境保全主義者とその側近の最期

 ヴァレンタインの私兵と賛同者達を皆殺しにしたエグジーは、とうとうヴァレンタインが鎮座まします中枢に辿り着く。ガラス窓に守られたヴァレンタインとガゼルを銃撃して殺そうとするエグジーだが、寸前でガゼルがヴァレンタインと自身をテーブルの陰へと隠した事で、殺し損ねる。その途端、一時的にプログラムがストップし、世界中の人々は正気に戻る。だが、ガゼルがエグジーに襲いかかり、その隙をついてヴァレンタインが再びプログラムを起動。再び世界はエライ事になる。

 自身の思想の賛同者を全員汚い花火にした事に、ヴァレンタインは心底怒り狂っており、ガゼルに「俺らのダチ公を全員殺した、そのマザーファッカーをぶっ殺せ!」と命令。ガゼルは凄まじい速度で飛び上がり、エグジーに斬りかかるが、同時にエグジーも飛び上がり、靴に仕込んだ猛毒の刃ですれ違いざまにガゼルの右腕を斬りつけ、ガゼルは毒死する。側近兼愛人の死に絶叫するヴァレンタインに、エグジーはガゼルからもぎ取った義足を投げつけ、彼を背中から串刺しにした。

 とめどなく流れる自分の血を見て、盛大に嘔吐し、ヴァレンタインは背中から下の階に転落して死亡。プログラムは停止し、世界中の人々は正気に戻った。


  • エンディング。“ガラハッド”を継承せし者

 後日、正式にキングスマンのエージェントとなったエグジーは、ミシェルをディーンから救う為に故郷に戻っていた。ミシェルを渡すまいとド底辺のチンピラ丸出しの暴言を吐くディーンに、彼は言う。

友人が言っていた……『礼節が、人を、作るのだ』と

 それでもディーンは喚き散らすが、かつてハリーがディーンの子分に行った様に、エグジーはディーンの脳天にグラスを叩きつけて卒倒させた。そして呆然とするチンピラ達にエグジーは言い放つ。

一日中突っ立っているつもりかよ? それとも喧嘩するのか?

 画面は暗転し、映画は終わりを告げる。

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