概要
オンスロートは、MARVEL世界を代表する二人のミュータントの衝突によって生み出された精神生命体("Psychic Entity")である。
ちなみに「onslaught」とは、「襲来」「猛攻撃」を意味する単語である。
「地球で最初に生まれたコズミック・ビーイング(地球の神々さえも超えた宇宙的存在)」とさえ呼ばれるほどのチートキャラ。
原作コミックス
事の起こりは"Fatal Attractions"事件(1993年)。マグニートーによる人類殲滅作戦を阻止すべく、プロフェッサーX自身がX-MENと共に宇宙要塞アヴァロンを襲撃。
この戦いでウルヴァリンは全身のアダマンチウムを剥ぎ取られ、怒り心頭に達した教授はテレパス攻撃によりマグニートーの精神を破壊し廃人にしてしまう。
この際マグニートーの内なる邪心が教授の精神に入り込み、数十年に亘り抑圧されてきた負の感情と融合。教授自身も気づかぬまま、彼の心の中でそれは成長を続けていた。
歴史改変によって生じた平行世界である『エイジ・オブ・アポカリプス』からの転移者であるXマン(ネイト・グレイ)との接触により教授とは別個の独立した存在となり、ある時は甲冑姿(マグニートーがベース)の幻影で、またある時は教授を内側から操り、ジャガーノートが持つサイトラックの秘石を奪取(1996年)。ちなみにジャガーノートの意識は秘石の内部に捕らえられてしまったが、ドクター・ストレンジに救出される。
かくて『最強のテレパス』『磁界王』そして『邪神サイトラック』の能力を併せ持つ最強最悪のスーパーヴィラン・オンスロートが誕生。
X-MENを壊滅させた後、対ミュータントの抑止力として保管されていたセンチネル軍団を掌握、リード・リチャーズの息子フランクリンを誘拐、さらにネイト・グレイをも拉致し、二人の能力を取り込むことでますます手がつけられない状態に。一部では『初の地球産コズミックビーイング』とも言われる。
フランクリンの現実改変能力と、並行世界から来たネイト・グレイの記憶を用いて、人間を滅ぼしミュータントの世界を築こうとする。
しかし、ネイトの記憶……ミュータントが支配しても、結局地球を滅ぼしてしまった「エイジ・オブ・アポカリプス」の世界を見て「ミュータントが支配者となっても、地球を破滅させるのは同じ」と知る。そして、人類もミュータントも、両方等しく滅ぼすように考えを改めた。
最終的にはファンタスティックフォー、アベンジャーズ、その他多くのヒーローたち(及び一部ヴィラン)が相討ちになる形で世界から消滅。
"Heroes Reborn"からの"Heroes Return"展開でヒーローたちは復活するが、その間生き残ってしまったX-MENとスパイダーマンはそれまで以上に世間から冷遇されることに。またこの時期に新チームサンダーボルツが結成される。
※ちなみに、この頃のMARVELコミック社の経営陣は経営のプロではあってもコミックには何の興味もない者達で、かつ、X-MENとスパイダーマン以外のコンテンツは低迷しており、しかも、ダークナイト・リターンズやウォッチメンなどの影響でダークで衝撃的な展開が流行していた。その状況でスパイダーマンとX-MEN以外のヒーローがほぼ全滅と云う展開は大人の事情の結果かも知れない。
その後オンスロートが復活し再びフランクリン・リチャーズを襲う"Onslaught Reborn"事件が発生(2007年)。
ジョセフ
オンスロートの出現と前後して、A.O.A.世界からの転移者・ホロコーストによってアヴァロンが破壊されるという事態が発生。昏睡状態のマグニートーは配下のアコライツとコロッサスに救出される。
しかし地球に着陸した際その肉体は失われ所在不明となり、グアテマラの孤児院に『意識を取り戻し』『記憶を失い』そしてなぜか『若返った姿で』現れる。
彼はジョセフという名を与えられ平和な日々を送っていたが、逃亡中の犯罪者がシスターや孤児たちを人質に取り、ジョセフは磁力操作を用いて犯罪者を虐殺。
ジョセフは孤児院を去ることを選び、シスターの助言に従いX-MENの助けを得るためアメリカを目指す。
X-MENはオンスロートの容姿や主張・口調にマグニートーとの類似性を見出し、真相究明のためアベンジャーズと共に彼を捜索していたが、発見されたジョセフはチームを離れていたローグと同行していた。
ワンダ・ピエトロ姉弟と一触即発になったり、ローグ・ガンビットと三角関係を形成したりしつつも、オンスロートと戦うために臨時メンバーとしてX-MENに参加。
オンスロートが消えた後もチームに留まっていたが、実はジョセフは(以下略)
ゲーム
CAPCOMの対戦格闘ゲーム、『MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES』(1998年)におけるラスボス。
前作までのアポカリプス以来シリーズの伝統となった『画面全体を覆う巨大ボス』である。
第一形態は原作序盤と同じくマグニートーに似た甲冑姿で、サイズ的には通常キャラの約二倍。ハイパーアーマー状態でガードは出来ず、低空浮遊状態でしゃがみもジャンプもしない。
攻撃方法もマグニートーに似たもので、ジャガーノートのヘッドクラッシュも繰り出す。スペシャルパートナーとしてセンチネルも召喚。
さらに精神操作で支配下に置いたキャラクターをヴァリアブルアタックで呼び出し、オンスロート自身は画面奥でダメージを回復するという芸当も見せる。
第二形態では兜を脱ぎ、画面全体を覆う巨大な姿に変貌。常時飛行状態でかなりの上空まで移動できる。多彩なレーザー攻撃に巨大クローの打撃、マグニートーのハイパーグラヴィテーションに小型センチネルも繰り出す。
家庭用移植版ではプレイヤーがオンスロートを操作できるモードが追加されている。
ちなみに、第二形態出現時に"No one is safe(誰も無事では済まさん)"というセリフが入るが、これが日本のゲーマーには『うどんは日清』と聞こえてしまう空耳現象が発生。