曖昧さ回避
- MARVEL COMICS(アメコミ)のヒーロー。綴りはGambit。本項ではこちらを解説。
- チェスの序盤における定石のひとつであるギャンビット(英:Gambit)の表記揺れ。
- アソビズム社配信スマートフォン向けゲームの一つ。なお現在はサービス終了している様子。綴りはgunbit。詳しい詳細は右の公式サイトにて。→ガンビット公式サイト
- 機動戦士ガンダム水星の魔女に登場する兵器のカテゴリ。表記はGUNDビット。詳細は右の記事にて。→GUND-ARM
- ファイナルファンタジー12に登場するシステム。戦闘中の仲間の行動を細かく指定できる。
概要
「X-MEN」のメンバー。
ニューオリンズの盗賊ギルドで育ったフランス系移民。
自身と同じく過去に盗賊を生業にしていたストームに勧誘され、X-MENに参入。
他のX-MENのような専用コスチュームを着ることは無く、トレンチコートを常用している。
性格は気障で、女性の関心を引くことに積極的と女好きな一面を見せる。
当初はストームとの関係が目立っていたが、後にローグと相思相愛の関係となる。
ローグとは、彼女の能力やガンビットの過去が原因で、付かず離れずの状態を繰り返した。
ローグは相手の体に直接触れると、記憶や能力を吸収してしまうため気軽にスキンシップが出来なかった。
そんな状況下で、ローグがガンビットとキスした際に、ガンビットが凶悪なヴィランのマローダーズを手引きしてミュータントの大虐殺を引き起こしたという過去をローグが知ってしまい、結構な亀裂を生んだ。
後にガンビット自体は首謀者のシニスターに利用されていただけに過ぎない事が分かり、ローグの能力も制御できるようになっている。
こんな感じでトラブルが続いていたが、コロッサスとキティ・プライドの結婚式に参加した際に、
キティが土壇場で披露宴から逃げ出したドタバタの裏で、ローグにプロポーズ。
晴れて夫婦となった二人は、宇宙へ新婚旅行に行った。
プロフィール
本名:レミー・ルボー(Remy・LeBeau ルポー、ラビューとも)
種族・人種:人間のミュータント / 仏系アメリカ人
初登場:アンキャニィ・X-メン アニュアル #14(1990年)
能力・技能
- 手に持った物体に破壊エネルギーを込める(チャージする)能力:トランプにエネルギー(キネティック・エナジーと呼ばれる)を込め投げつけるのが主な使い方。破壊するパワーは物体の質量に依存し、質量が大きくなるほど、エネルギーをチャージする時間が長くなる。
- 棒術と投擲武器
- 催眠による誘惑:特徴的な赤い眼が女性を誘惑させる催眠効果をもつ。
実写版
シリーズの前日譚である『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』に登場。演者はテイラー・キッチュ。
敵の人体実験場から逃げてきたという壮絶な過去の持ち主。現在はギャンブルで生計を立てている。
当初はウルヴァリンのことを追手と誤解していたが、事情を知った後はウルヴァリンを全面的にサポートし、彼を実験場まで自家用機で運んであげたり、実験場に拉致されていたミュータントの子供を救い出すなど活躍した。
2016年公開の『X-Men: Apocalypse』にも登場予定だったが、出演自体が取り止めになった。チャニング・テイタムが演じる予定だった。
その翌年には、テイタム主演でスピンオフ映画が製作される方針となっていたが、こちらも白紙となっている。
2度に渡って実写化の企画がポシャったことで、テイタムは一時期スーパーヒーロー映画そのものにトラウマを抱くようになったといい、その後MCUをはじめとするアメコミ映画が世界的なブームを巻き起こしても全く視聴することはなかったという。
しかし…(後述)
声優
94年放送のTVアニメ版では安原義人が声を担当した。
2011年に制作されたマッドハウスによるリメイク版での登場も期待する声があったものの実現せず仕舞いに終わった。その際の本人の声のイメージは平田広明を望む者もいたが、実写版で挙げたとおりテイラー・キッチュがウルヴァリン: X-MEN ZEROにてデザインが全く異なるガンビット本人を演じており、その際に平田本人がガンビットの声を演じるというファンには微妙な印象を与えた……。
関連タグ
鵜堂刃衛:ガンビットをモデルにしたキャラクター。
四乃森蒼紫:ロングコートのモデルがガンビット。声優も同一。
2024年公開の映画『デッドプール&ウルヴァリン』にて、まさかのサプライズ登場。
演じるのはチャニング・テイタム(日本語吹替:森久保祥太郎)。
ドラマ『ロキ』で描かれた、歴史から剪定されたものが行きつく「虚無」にて、カサンドラ・ノヴァに抵抗するレジスタンスの一員として、X-23、エレクトラ、ブレイドと共にデッドプールとウルヴァリンの前に現れる。
デッドプールから「方言指導担当したの、ミニオンか?」とつっこまれるほどに何を言っているのかわからないひどい訛りで喋り、日本語吹替版でも森久保祥太郎がその強い訛りを見事に再現している(ケイジャン・フレンチが話せるという、コミックの設定が元ネタになっているものと考えられる)。
お酒が好きらしく、アジトで自分が所持していたウイスキーを勝手に開けて飲んでいたウルヴァリンに注意するが、聞く耳を持たなかったため、カードを飛ばしてウイスキーの瓶を切り裂いた(当のウルヴァリンは全く動じず、他のウイスキーを開けて飲み始めるという、ある種の挑発を行っている)。
が、カサンドラとの戦闘の際には、原作同様トランプを軸にした超能力で敵を爆死させたり、棒術を駆使してデッドプールらを元の世界に戻すべく、奮闘した。
事実上の初陣なのもあってか、他の三人が戦闘中に負傷したのに対して、ガンビットは最後まで無傷で戦い抜いた。
レジスタンスは彼の他にも登場するが、いずれも過去に公開された映画のキャラクターであり、ガンビットだけが実写が実現しなかったキャラクターである。
そのため、他のキャラクターが「元居た世界から『虚無』へ送り込まれた」のに対し「俺は、ここで生まれたのかもしれない」と述べている(順当に考えるなら、赤子の頃に剪定されたのだろうか)。
事件解決後、レジスタンス側のヒーローたちはTVAの計らいにより元の世界に戻されたことが語られているが、元いた世界が存在するかも不確かなガンビットの処遇がどうなったのかは不明(もっとも、彼もカサンドラの野望を阻止するために奮戦したことに変わりはないため、少なくとも悪いようには扱われなかっただろう)。
一応、ポストクレジットシーンでTVAのモニター(視聴者から見て左側)にガンビットらしき人物が映っており、無事に送り返されたと思われる。後にライアン・レイノルズの公式SNSでこの映像の詳細が明かされ、ガンビットの瞳にポータルと思われるものが映るという演出があったことが明らかとなった。この事から、戦いを終えたガンビットがどこか別の世界に旅立っていったことが正式に確定したと言える(一方で、どこの誰がポータルを展開したのかという疑問は残るが。虚無にストレンジの変異体がいたという事情を考慮すれば、彼を探していた相棒の変異体が現れたのかもしれない)。
テイタムが、幻に終わったガンビット役を思いがけず演じることができたことに大喜びしたことは言うまでもない。
映画公開後には、自身のSNSにデッドプール役のライアン・レイノルズとのツーショット写真を掲載して「彼に一生の借りができた」と綴っていた他、ショーン・レヴィ監督も「撮影の度にあそこまで感動しながら演技をしていた俳優は見たことがない」とコメントしていたことから、テイタムの本作にかける思いの強さや気合の入れようは相当なものだったことがうかがえる。
なお、テイタムは以前にライアン・レイノルズや監督のショーン・レヴィと『フリーガイ』で一緒に仕事をしている他、『デッドプール』の試写会に参加し、同作を大絶賛したこともある。また、ガンビットの実写化の企画が上がった際にはレヴィ氏も監督の候補に挙げられていたという。
そう考えると、ガンビットの『D&W』登場は、正に3人の縁が紡いだ奇跡と言えるだろう。
公開後には、ファンからもテイタムの演じたガンビットを絶賛する声が相次いでおり、これをきっかけにファンの中でガンピットの単独作品の制作を期待する声が広がっている。
タイミングの良いことに、今後MCUはそう遠くないうちに『X-MEN』のキャラクターを含むミュータントたちがストーリーに大きく絡んでくる予定であることを仄めかしている。テイタム自身もマーベル・スタジオ側に単独主演作の制作を要望したとされ、これを受けてライアン・レイノルズも「(自身がもう一度デッドプールを演じることも含めて)映画を作るために必要なことがあれば何でもする」と述べて制作に協力的な姿勢を見せている等、制作へ向けての機運は確実に高まりつつあると言える。
もちろん、実現するかはまだ何とも言えないところではあるが、今回の盛り上がりを受けて少なくともガンビットというキャラクターに対する見方が大きく変わったことは間違いないだろう。