概要
初代サイロックはエリザベス・ブラドック。通称ベッツィ。双子の弟のブライアンはイギリスのヒーロー「キャプテンブリテン」である。初登場した時期も彼が主人公となる『キャプテンブリテン#8』(1976年)。
現在は兄弟の名前を引き継いで「キャプテンブリテン」として活動中。
二代目サイロックであるのはベッツィと身体を交換したこともある忍者組織の暗殺者であったカンノンであり、こちらが現在のサイロックとして主に活動している。
サイロックとして知られているのは主にカンノンの肉体と入れ替わって活動していたベッツィの方だが、現在はお互いの精神はそれぞれ元の身体に戻っており、カンノン本人がサイロックとして行動しているというややこしい状況になっている。
ベッツィは英国人でテレパシー能力を持つ(後述)。モデルをしたり、航空機パイロットを務めたり、イギリス特殊部隊に在籍していた事も。一時は彼女自身がキャプテン・ブリテンになった事も。
しかし、キャプテンブリテンと戦っていたヴィラン・スレイマスターにより、両目を負傷。盲目になってしまう。
その後、異次元世界「モジョ・バース」へと誘拐され、バイオカメラアイの眼球を移植。視力を復活させる(サイロックの名で呼ばれたのはこの時から)。
モジョ・バースは視聴率が支配力と権力になる世界で、カメラアイは異世界のX-MENたちの活躍を撮影する役割も有していた。
X-MENの活躍は高視聴率番組となったため、この時期にX-MENが全滅(すぐに復活するが)した時は、視聴率番組がなくなったために視聴率がガタ落ちになって、モジョ・バースの支配力も落ちてしまった。
また、ある事件でモジョ・バースの住民であるスパイラルの手により、犯罪集団「ザ・ハンド」のボス「マツオ・ツラヤバ」の愛人である女忍者「カンノン」と、精神が入れ替えられてしまった。そのため、東洋人(日本人)の外見を持ち、忍術を用いる。
心はベッツィ、身体はカンノンの女忍者は「サイロック」として、心はカンノン、身体はベッツィの方は「ルバンシェ」を名乗るようになる。
しかし、ルバンシェはレガシーウィルスで死んだために、ベッツィはサイロックとして、カンノンの肉体で生きることになった。
湖畔でジーンと会話中のサイクロップスが、湖で泳ぐ彼女の水着姿に見とれてジーンの言葉に生返事を返して怒られるというシーンがある。後にアークエンジェルと恋仲になるも、サンダーバードIIIに気持ちが揺れて振られる。
アークエンジェルがアポカリプスを継承し、「ダークエンジェル」と化した後には、彼と別れ、半機械生命体「ファントメックス」と交際する。
ファントメックスは後に、男性体と女性体、それに邪悪な心を持つ個体の、三体に分離してしまう。
この時、女性のファントメックスともサイロックは恋愛関係になったため、両性愛者扱いされる事がある。
デスティニーの書を集める為にX-メン本隊を離脱した事もあったが、ストームらの別行動隊に参加するもすぐに戦死してしまう。後に復活し、異次元探索チーム「EXILES」に参加したことがある。
その後、『Hunt For Wolverine: Mystery In Madripoor』にて、ベッツィがサファイアに魂を吸収された際にエネルギーをカンノンが復活し、囚われの魂全員の力を借りて、テレパシーを使ってサファイアを内部から破壊し、魂のエネルギーを用いて元の体で現れた。また、その余波によってカンノンも元の体で生き返ったことが明かされる。
その結果、ベッツィとカンノンのお互いの肉体がリアル時間で数十年ぶりに元に戻ることになった。
ミュータント国家のクラコアでは、カンノンがサイロックの名を引き継ぎ、ありとあらゆるミュータントを受け入れるはずのクラコアに適応できない暴力的なミュータントを有効活用するために集められた「ヘリオンズ」のリーダーとして行動することになる。
ただし、事実上はヘリオンズを考案したミスター・シニスターの私兵であり、彼の陰謀に図らずも加担することになる。反感を抱いていくチームメイト達だが、カンノンがシニスターに逆らわないのにはある理由があり…?
人物像
5月23日とMARVELのキャラクターとしては珍しく誕生日が決まっている。
身長180cm。体重70kgの長身女性。
能力
ジーンと同じくテレパシー能力を持つ。また、サイキック・ナイフと呼ばれる特異な精神衝撃を用いた攻撃が得意。後述の『X-MEN:アポカリプス』ではムチ状態にしてビーストの首を締めるシーンも見受けられた。
元の身体の持ち主であるカンノンが女忍者であった事もあり、一貫して身体能力も高く刀を携帯している。
お互いに身体が元に戻った後もカンノンもサイキック・ナイフを維持している。
日本での扱い
これまで日本で放送されたMARVEL関連のアニメにはほとんど登場していないが、ゲームでは1994年にカプコンの対戦格闘『X-MEN CHILDREN OF THE ATOM』に登場。翌年には『MARVEL SUPER HEROES』で分かりやすさを重視で紅一点として選出された。『X-MEN』開発時にMARVEL側から「ハイレグの食い込み具合は緩めでお願いします。」と口出しされていたらしく、この話に開発チームは「地味になるな」と少々不満気な様子だった。
『X-MEN VS. STREET FIGHTER』ではキャミィのエンディングで、『MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES』では援護攻撃専用のスペシャルパートナーとして出演。
『MARVEL VS. CAPCOM 2 NEW AGE OF HEROES』で再び使用可能に。この作品ではアシスト能力の高さに加え、中堅上位の戦闘力を有している事から高い使用率を誇っていた。特にストームとマグニートーとの相性がよく『PSMトリオ』として恐れられている。
露出多めのコスチュームの都合もあってか、pixivでは投稿されているイラストのおよそ半数がR-18であるため、検索の際には注意。
実写出演
これまで実写作品には3回登場しているが、なぜかいずれもヴィランとしての登場で、ヒーロー側で活躍した作品は今のところ存在していない。
加えて、そのうちの2作では殆どモブ同然という扱いの悪さで、ファンの人気の高さに反してかなり不遇なキャラと言える。
X-MEN:ファイナル ディシジョン
初登場。演者はメイ・メランソン。
ヴィラン側の人物として登場するも、台詞がわずか二言で終わるなどカメオ出演程度の不遇な扱いを受けた。当然、お馴染みのコスチュームもなし。
X-MEN:アポカリプス
『チャーリー・モルデカイ華麗なる名画の秘密』で使用人役として出演したオリヴィア・マンがサイロックを演じることが報じられた。マンは中華系アメリカ人で、日本滞在経験がある上に日本語も堪能でもあることから東洋人の心を持った西洋人であるサイロックを演じる人間としてはうってつけの人物といえるだろう。元々は『デッドプール』のオーディションを受けていたが、偶然居合わせていたブライアン・シンガー監督が惚れ込み今回の出演となった。シンガー監督は「エリザベス(ベッツィ)・ブラドックにオリヴィアを迎える事に興奮している」と絶賛していた。
2015年7月には衣装も公開され年々肌の露出に厳しさ増すハリウッドにおいて、映画公開向けに多少のアレンジはされたもののトレードマークの青色のハイレグコスチュームは変わる事には無かった。さらに肌に光沢を出すために潤滑剤を塗って撮影に臨んでいる。当初は黒のコスチュームを用意する予定だったが原作ファンであるオリヴィアたっての希望で往年の青に変更されたという。
今回はフォースメンとして登場。
吹き替えは東條加那子が担当。日本では吉木りさがコスプレしてPR活動を行った。
デッドプール&ウルヴァリン
またしてもキャスティングが変更され、本作ではスタント・パーソンのアイシャ・フセインが演じている。
演者の都合上、これまでのような東洋系の女性ではなく、西アジア系の風貌の女性となった他、体格も前作と比べるとマッシブになっている。
今作ではカサンドラ・ノヴァの配下として登場。
中盤の戦闘で、X-23の妨害を働くなど、他のカムバック組が殆ど雑魚敵同然の扱いを受ける中で珍しく見せ場が用意されたが、その少し後に再登場した際には既に死亡して地面に横たわっていた。いったい何があった。
関連イラスト
関連タグ
X-MEN アークエンジェル レオタード ハイレグ ハイレグ忍者
psylocke:英語表記。
対魔忍シリーズ - 原作者の笹山逸刀斎氏が大のアメコミ好きであり、サイロックも対魔忍のデザインに大きな影響を与えたと言われている。