概要
MARVELコミックのキャラクター。1977年5月の『Iron Fist #14』で初登場。
本名:ビクター・クリード(Victor Creed)。
主要キャラのウルヴァリンと同じ超人兵士開発プロジェクトに参加したミュータントで、彼と幾度にも渡って死闘を繰り広げてきた宿敵として知られる。
能力も彼と似通っており、アダマンチウムで覆われた牙と怪力が武器。超回復能力「ヒーリングファクター」も持つ。
性格は破壊的かつ凶悪・凶暴であるが、頭も切れるため破壊工作や暗殺者として雇われる事も多く、X-MEN全体のヴィランとしての活躍も多い。
経歴
実家が排他的かつミュータント差別主義だったため、存在自体が悪以外の何物でもなかった彼は幼少期に両親から地下室に鎖で繋がれ軟禁状態にされていた。
成長した彼は鎖を自分で破壊した後、両親を自分の手で殺している(ウルヴァリンはこの事を知っており「お前の両親は、お前を地下室に閉じ込めた後、その鍵を捨ててどこか遠くへ引っ越すべきだったな」などと言っている)。
なお同じミュータントであるミスティークとの間に息子グレイドン・クリードをもうけるが、幸か不幸か彼はミュータントではない常人であったものの、その反動からか偏執的なまでのミュータントへの憎悪と差別を抱き、成長してからは反ミュータント活動を行う活動家、後に反ミュータント法案を推し進める政治家となっている。
ウルヴァリンの過去の一端を知り、ロミュラスから指令を受け彼の人生を狂わせてきた。
彼の恋人であるシルバー・フォックスを惨殺して以降、誕生日が訪れる毎に彼の大事な物を奪うという偏執的な趣味を持ち、殺し合う仲になっている。
ジーン・グレイ、ヘザー・ハドソン、キティ・ブライドやジュビリーといった、今までローガンと交際のあった女性たちに対しても「(ローガンを殺した後で)お前に惚れた馬鹿女どもも、全員殺してやる」と言い放ったこともある。
かつてはテレパス能力をもち重火器の扱いに長けたバーディーとコンビを組み、彼女のテレパシーで闘争本能の暴走を防いでいた。
だが、バーディをグレイドンに殺害されてしまい、精神の不調を来してX-MENに身を寄せたこともあった。その際にはチャールズ・エグゼビア / プロフェッサーXから精神治療を受けるなどしている。
機械生命体ファランクスがXマンションを襲撃した時は、後の「ジェネレーションX」となる若きミュータントたちを助けるべく、X-MENのバンシーにより口枷と拘束具(それでも戦闘能力を発揮できる)を付けた状態で連れ出され、戦いに参加した(どさくさに紛れて脱走するも、後に再び捕らえられている)。
そしてウルヴァリンと本気で殺し合い。脳を爪で貫かれ死亡。
……しかけたものの、かろうじて生き延びる。
その後も色々あったものの、最後にはローガンに、ヒーリングファクターを封じる力のあるムラマサブレードで首を斬り落とされ死亡した。
……が、やはりいろいろあって後に復活。
相変わらず欲望の赴くままに悪事を働いてきたが、オンスロート騒動後を巡るレッドスカルの暗躍にヒーローたちが対応しているうちに、ヒーローとウィランの善悪が反転してしまう『AXIS』というイベントが発生。
彼も善玉として騒動の終止に全力を注ぐのだが、クライマックスで善悪概念を元に戻す呪文が発動した時、反転アイアンマンが展開していたシールドの影響で反転効果が起きず、善の心が残ってしまったのである。
予め騒動中に作っておいたビデオレターでヒーローの名誉を護った彼は大人しく罪を受け入れて収監され、嘗ての宿敵に”今まで犯してきた罪の償いをする”という内容の手紙を送ったところで終わる。
・・・そしてその後も悪への衝動に駆られることはなく、時には嘗てやらかした相手に抵抗することなく制裁を受け別の人物がとりなすという経験もしながらヒーローとしての活動を継続している。
・・・どうしてこうなった・・・
その他
X-MENがアポカリプスの野望を阻止できなかった時間軸『エイジ・オブ・アポカリプス』では記憶の混乱もなく、事情があって善玉マグニートー達とは距離を置いているウルヴァリン=ローガンに代わり、行動隊長を務める善玉キャラとして描かれている。
小柄な野獣系のミュータント「ワイルドチャイルド」を相棒としており、常に近くに待機させている。
他メディア
アニメ
原語版:ドン・フランクス / 日本語版:荒川太郎(テレ東版)、佐藤晴男(トゥーン・ディズニー版)
主にヴィランとして準レギュラー登場。
コミック同様息子のグレイドンは反ミュータント活動を行っているが、セイバートゥースが父親である事をばらされ、支持者たちから見放されるシーンがあった。
実写
演:タイラー・メイン / 吹替:天田益男、乃村健次(テレ朝版)
記念すべきシリーズ第1作にマグニートーの部下として登場。
ウルヴァリンとの因縁は特に見られず、またやや脳筋気味の描写が多かった。
演:リーヴ・シュレイバー / 吹替:石塚運昇
第1作の前日譚にあたるが、演者以上に異なるのがウルヴァリンの兄という設定。
一度は敵味方に分かれて対立するも、ウェポンXIとの戦闘の際に追い詰められた彼に加勢する形で共闘。激戦の末にウェポンXIを倒すと、彼の前から姿を消した。
前述の通り第1作では(ウルヴァリンが開始時点で記憶を失っていたという点も大きいが)互いに特別な反応はなく、当の自身も死亡してしまった事もあり、ファンの間では兄弟設定は本作限定という意見が多いが、真相は闇の中である。
ちなみにコミックでも一時期、ウルヴァリン=ローガンの父親という設定だったが、捏造された記憶であり現在は事実でない事が確定している。
演:タイラー・メイン / 吹替:天田益男
予告映像の1つにて登場が解禁され、実に24年ぶりのカムバックとなった。
吹き替えも天田が続投。
今作では、カサンドラ・ノヴァの配下となっており、「ぶっ殺してやる!」と息巻いてウルヴァリンに一騎打ちを挑むが、すれ違い様に首を切り落とされてあっさり敗死。さらに、その切り落とされた首を使ってデッドプールからある映画のパロディをやらされるという尊厳破壊まで受けた。
演者の都合上、姿は『X-MEN』仕様となっているが、デッドプールからはウルヴァリンの兄であるという言及があり、『X-MEN ZERO』の要素もある程度は引き継がれている模様。もっとも、第四の壁を平然と無視できる彼の事なので、発言の信憑性には疑問が残るが…。
もし兄という事実が本当なら、直接のやり取りは無かったが、今作では姪との共演も果たした。
余談
カプコンの『モンスターハンター』シリーズに登場するモンスター:ベリオロスから作成できるランスに「セイバートゥース」というものがある。
セイバートゥース(sabertooth)という言葉は「剣のような歯」を意味し、ベリオロスがセイバートゥースキャット(別名:サーベルタイガー)のような歯を持つことに由来した名だが、カプコンはMARVELとコラボしたゲームを開発しているため、色々と勘ぐってしまうところではある。
また、DCとマーベルコミックのキャラが合体する大規模クロスオーバー「アマルガム」では、ジョーカーと合体。
「ハイエナ」というヴィランとなって、バットマンとウルヴァリンが合体した「ダーククロウ」と激しく戦っていた。