ジュビリー
じゅびりー
本名:ジュビレーション・リー(李)
能力:爆発性のエネルギーの火花を生成
初出:Uncanny X-Men #244 (1989年5月)
裕福な中国系アメリカ人(東洋の高貴な血筋との情報もあるが詳細不明)の家庭に生まれ、通っていた学校でも体操選手として将来を嘱望されていた。しかし、暗殺者に両親を殺害される。
後に両親の遺産も失い、両親が経営していた会社も破産。そのために孤児院に送られるが、脱走。ショッピングモールに隠れ住み、食料品を盗んで生き延びていた。
警備員から逃げている最中にミュータント能力が覚醒、警備員の目を眩ませて窮地を脱し、以後は買物客に能力を披露、パフォーマーとして稼ぐようになる。
業を煮やしたモール側がミュータントハンターを雇い、ジュビリーは捕らえられてしまう。が、たまたま買物に来ていたX-MENに救出される。
その後X-MENの基地に潜入し、サイボーグ集団・リーバースからウルヴァリンを助けたことでX-MENに加わることとなる。
またこの時期、自身の能力が単なる目くらましに留まらず、物理的な破壊力を伴うものとして使用できることに気付いている。
この後に、ウルヴァリンとともにリーパーズから逃れるため、マドリプールへと向かった。この逃避行でウルヴァリンとの時間を過ごし、互いに信頼するようになる。
"Fatal Attractions"事件(1993年)でアダマンチウムを失ったウルヴァリンがX-MENを離脱した後、ジュビリーは新チームジェネレーションXに参加(1994年)。
この時期には、今までショートカットだった髪形を伸ばし、おかっぱのセミロングにしている。
ジェネレーションXの教官エマ・フロストによれば、ジュビリーの能力の本質は『物体を素粒子レベルで爆発させる』ものであり、『その潜在能力には無限の可能性があるほど』であるという。
"Operation: Zero Tolerance"事件(1997年)ではバスチオンに拉致され、長期に亘る精神探査に晒されるもこれに抵抗、脱出後ウルヴァリンに救助される。
両親を殺害させた黒幕であるハンター・ブラウンとの決着(1999年)を経て、ジェネレーションXは解散(2001年)。
その後、M-dayにてミュータント能力を喪失。
以降能力を取り戻すことはなく、強化スーツを入手してニューウォリアーズに参加する(ワンドラ名義)などしていたが…
"Curse of the mutants"(2010年)にてとある吸血鬼の企みに巻き込まれ、吸血鬼と化してしまう。
首謀者の吸血鬼はブレイドの協力もあり倒されたものの、彼女が吸血鬼から戻ることはできず……吸血鬼としての衝動に苛まれた末、ウルヴァリンとは距離を置かざるを得なくなる。
戻って来られたのはプロフェッサーXに紹介された衝動を自制できる吸血鬼コドウ・ライゾウの指南を受け、ある程度克服に至ってからであった。
その性格や嗜好は、典型的なアメリカ人少女に近い。
ウルヴァリンのことを父親、または親戚の叔父さんのように慕っており、またウルヴァリンも彼女を娘のように気にかけている(上記の"Curse of the mutants"のストーリー中で敵に対し「俺の娘に」と内心キレているシーンがある)。
X-MENの任務では、ウルヴァリンが在籍しているブルーストライクフォース(サイクロップスがリーダーを務めていた)の一員になっていたが、過去にニューミュータンツで死者を出した事から、プロフェッサーXは正式メンバーとしては認めておらず、危険な任務からは外していた。
東洋系なれども、本人はアメリカのジャンクフードや贅沢品を好んでいる(そのために、サバイバル旅行は苦手と後になって公言)。
また、しょっちゅうのように風船ガムを噛んでおり、膨らませている。
その明るく物怖じしない性格から、他のX-MENメンバーとも仲が良い。
特に、「マジック」こと、イリアナ・ラスプーチンというミュータント少女とは親友になり、死別するまで友情をはぐくんでいた(イリアナはX-MENのメンバー「コロッサス」ことピョートル・ラスプーチンの妹でもある)。
プロフェッサーX=チャールズに対しても、一時的に歩けるようになった彼に対し、インラインスケートを勧め、一緒に滑って楽しんでいた。
のちに、ジェネレーションXに移籍した後も、他メンバーとも友情をはぐくむように。
また、吸血鬼になった後にX-23の個人誌にてウルヴァリンに連れられて彼女とも出会っている。当初は吸血鬼=危険な存在として襲われてしまうが、ほどなくして和解。社交性に乏しい彼女をショッピングに連れ出す(服屋ではオシャレに戸惑うX-23に「自分は吸血鬼なので鏡に映らないから意味が無い」と優しく話す)、ディスコに誘ってあげるなど、ある意味での「ウルヴァリンの娘」同士で仲良くなった。なお、二人はどちらもウルヴァリンからテディベアをプレゼントされたことがある。
両親以外に親族は居ないと思われていたが、ホープという裕福な叔母が存在する事が後に明らかになる。また2010年代半ばごろから捨て子の赤ちゃんを拾い、ショーゴと名付けて養子として育てるようにもなった。
戦闘時でも、減らず口や軽口をよく叩く。
バイザーをかけているが、これは自身の火花から目を守るためのもの。
スポーツも好む。体操をしていたため、その身体能力もかなり高い。「恵まれし学園」に在籍中、余暇にはウルヴァリンやガンビットとストリートバスケをして楽しんでいた。
戦闘能力は髙いとは言えない。しかしウルヴァリンはジュビリー宛ての手紙に、
「お前(ジュビリー)は、辛い時でも笑い飛ばし、明るく振る舞えるほどの心の強さを持っている」
と書いており、精神力の強さを評価していた。
実際、「ゼロ・トレランス」の時に、バスチオンに拉致され拘束された際。長期にわたる精神探査に耐え抜き、X-MENの情報を何一つ洩らさなかった。
東洋系である事から、同じ東洋系のヴィランである「マンダリン」に拉致され、後継者のように祭り上げられた事もあった(本人は、自分はアメリカ育ちのアメリカ人だから、「そんなの知るか」と拒んでいた)。
また、マツオ・ツラヤバ率いる忍者集団『ザ・ハンド』の襲撃を受けた事もある。このことから、慕うウルヴァリンと敵対している事も含め、『ザ・ハンド』に対しては快く思っていない。
また、Xフォースの「ブンブン」ことタバサ・スミスとは、性格及びパワー(こちらは火花、向こうは爆発)が被っている事から仲が悪かった(ついでに言うと外観も似ている)。
『X-Men : The Animated Series』でも、一~二話から登場(CV.平松晶子)。
こちらは設定が異なり、ごく一般的な家庭に養子に出された、里子になっている(実際の両親はどうなったかは不明)。しかし里親夫婦とはうまくいかず、しょっちゅう家を飛び出し、モールのゲームセンターで夜遊びしていた。
しかし遊んでいる最中に、制御できない自分の能力を発動させ、ゲーム機を壊してしまう。
それが元で、ミュータントハンターロボット・センチネルに目を付けられ、ショッピングモールで襲われてしまう。
だが、同じくモールを訪れていたX-MENのガンビット、ストーム、ローグに助けられ、学園に連れていかれ保護された。
その後いろいろあって、里親と正式に別れ、X-MENの「恵まれし学園」に入園するようになった。以降、準レギュラーとして登場する。
劇中でもウルヴァリンを慕い、相棒のように振る舞っていたが、やはり経験不足からピンチに陥る事も多かった。
彼女の名前「ジュビリー(jubilee)」とは、「記念祭、祝祭」を意味する単語。
そこから転じて「お祭り騒ぎ」の意もある。彼女の能力であるエネルギーの火花が、祭りの時の花火にも似ている事から、X-MEN加入後のコードネームにも用いられる事に。
「DCvsマーベル」では、ロビン(ティム・ドレイク)と対戦したが、互いに恋心を抱き、戦いを中断。他のヒーローたちが戦っているのを横目にイチャコラしていた。
この後、「アマルガム」ではロビンと合体。「スパロウ」という少女ヒーローに。
ちなみにスパロウは、「ウルヴァリンとバットマンが合体」したヒーロー「ダーククロウ」のサイドキックである。
それぞれの合体前と同様に、スパロウも軽口や減らず口が多い。本人は「スパロウという名前はダサい」と気に入っていない様子で、「デス・オーバードライブ」と呼んでほしいと言っていた。
こちらの世界の「ハントレス」ことキャロル・ダンパースにも、「口の悪い子供」と呼ばれていた。