解説
MARVELコミックのスーパーヒーロー「キャプテン・アメリカ」の関係者。
自身も襲名しており、五代目に相当する。
本名:ジョン・ウォーカー(Jonathan F. "John" Walker)。
元軍人で、過去のコードネームは「スーパーパトリオット」。初代キャップことスティーブ・ロジャースより右翼的、粗暴な人物とされる。
活躍
初登場は1986年の『Captain America #323』。
スティーブが政府当局と揉めて称号と装備を返上、新デザインのコスチュームで民間人ヒーロー「ザ・キャプテン」となったことを受け、政府公認の新キャプテン・アメリカとして任命された。
「2人のキャプテンの対立」という図式が続いた後和解に至り、キャプテンの称号と装備を自らの意志で返上、スティーブが「ザ・キャプテン」として使用していた装備を譲り受け「USエージェント」を名乗った。
能力・装備
パワー・ブローカーによる強化を受けており、スティーブよりも肉体的には優れているとされる。
シールドについては、キャプテン・アメリカとしてのおなじみのラウンドシールド、ザ・キャプテンとしての装備の他にも特徴的なものを用いている。
- エネルギーシールド
「ウエストコースト・アベンジャーズ」を経て「フォース・ワークス」に参加した際に使用。
元はスティーブのシールドがビブラニウム崩壊により崩れた事からトニー・スタークが作ったもので、プラズマエネルギーを照射しエネルギーの盾を形成する(いわばビームシールド)。作動させていない時にはコンパクトな腕輪の状態になり、ナイフのような形状にも変化させる事が可能。
- イーグルシールド
その名の通り、ワシの意匠が施されているアダマンチウム製の盾。
ビブラニウムの崩壊で自身も使っていた盾が崩れてしまったため、新たに用いるようになったもので、使用者のグローブにはコントロール装置が内蔵、投擲しても自動的に使用者に戻ってくるようになっている。
- スターシールド
2004年『New Invaders #1』から、ブレイジング・スカルとユニオンジャックとで新たなチーム「インベーダーズ」を組んだ時に装備。
丸盾の周辺部に刃が付き、星型になっている。
また、その表面にはテロリストのテロ活動により亡くなった多数の人々の名前が、細かく刻み込まれている。
ゲーム版
MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER
1997年にCAPCOMから発売された格闘ゲームに隠しキャラクターとして登場。
性能はキャップと同一、グラフィックも色違いだが、勝利時のセリフは専用のものが用意されていて、キャップより荒々しい口調で攻撃的な内容になっており、「ニセモノ」と呼ばれることを嫌っていることが窺える。
ビジュアルもコミックのデザインを再現してはいないが、ゲームエンジン『M.U.G.E.N』では作成されていたりする。
MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES
翌年発売の続編には援護攻撃専用のスペシャルパートナーとして登場。
なお『2』では起用されていない。
MCU版
演:ワイアット・ラッセル、吹替:鈴木達央
フェイズ4のドラマ2作目『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』で初登場。
こちらでは『アベンジャーズ/エンドゲーム』でスティーブが引退、盾を受け継いだサム・ウィルソン / ファルコンがそれをスミソニアン博物館に寄贈したこともあり、混乱する世界において求心力のある存在を求めたアメリカ政府からの指名でキャプテン・アメリカを襲名した。
スティーブを直接知るサムやバッキー・バーンズからは認められておらず、その気持ちに理解を示しつつも、己のできる範囲で与えられた任務を果たそうとする。
大学時代はアメフトの選手であり、身体能力も高く、過去3つの勲章を授与された優秀な軍人。
トラックから落ちた仲間の救助などスティーブ以外は扱いきれないと言われた盾を自在に操ることができるが、投擲よりは殴打に用いることが多い。
またハンドガンを携帯している。
ちなみに演者のワイアット・ラッセルは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』でエゴを演じたカート・ラッセルの息子。
ファルコン&ウィンター・ソルジャー
政府によるお披露目後、母校を含めアメリカ各地を回る慰問活動を行うなど、スティーブが過去にさせられていたことを再現。
そして、スティーブの功績と政府や世間からの期待による大きなプレッシャーの中、国際テロ組織「フラッグ・スマッシャーズ」の鎮圧の任を受けて、パートナーのレマー・ホスキンス / バトルスターとともに出動する。
しかし民間人の支持を得ているスマッシャーズの鎮圧は一筋縄ではいかず、またもともと短慮な性格であることも災いし、サムがスマッシャーズのリーダーであるカーリ・モーゲンソウを単身説得しようとするところに痺れを切らして乗り込んでしまったり、サムたちが脱獄・協力させていたヘルムート・ジモを巡る「ドーラ・ミラージュ」との小競り合いで圧されたことから、徐々に焦りと劣等感にとりつかれていく。
そんな中、スマッシャーズが使用した超人血清の残りを回収、レマーの助言もあって(明確に描かれてはいないが)自身に投与する。
しかし直後、戦いの中でカーリの攻撃により運悪くレマーが死亡。激高し、スマッシャーズのメンバー・ニコを衆人環視の中、「アメリカという国が目指すべき理想」の象徴であるキャップの盾を使って撲殺するという凶行に出てしまう。さらにそれを咎め出頭するよう伝えたサムとバッキーを、盾を奪うために自身を陥れたと勘違い、2人に襲い掛かるが、死闘の末敗北した。
なお超人血清は「善人はより善人に、悪人はより凶暴な悪人に」と形容される、性格・人間性も増幅される副作用があり、ニコを殺害したのもこの影響と思われる。
血清の開発者であるエイブラハム・アーキンス博士に「完璧な兵士になどならなくていい。1人の善良な男のままでいてくれ」と言われたスティーブが「1人の善良な男」のまま「完璧な兵士」となったのとは正反対に、「完璧な兵士」になろうとした結果、善良でもなく兵士としても失格な人間と化してしまった、という見方も可能であろう。
その後本国に送還、政府からキャプテン・アメリカの資格剝奪と不名誉除隊を言い渡され、現れた謎の女性・ヴァルの言葉もあって、政府への不信を抱くようになる。
また妻オリヴィアの提案でレマーの遺族に会った際に「彼を手にかけた人物を殺した」と偽ってしまい、敵討ちを決意。盾を自作し、GRC(世界再定住評議会)の会議を襲撃したカーリたちの前に現れ、サムやバッキーらとともに共闘する。
その最中、GRCメンバーを乗せた車が高所から墜落しそうになり、目の前にいるスマッシャーズのメンバーを叩きのめすか、GRCメンバーを助けるかの選択を迫られ、結果として人命を救う道を選択した。
戦いを終えたのち、ヴァルから新たなコスチュームと「U.S.エージェント」のコードネームを与えられる。
サンダーボルツ*
結成予定であるチーム「サンダーボルツ」のメンバーとして告知されている。
特報では実子と思われる赤ん坊と同居中らしく、子供の世話をしながらスマホを使いSNSでエゴサらしい事をしているシーンが映し出された。
余談
コミックにおいてキャプテン・アメリカの「二代目」と「三代目」はスティーブが生死不明となっていた期間に代役を務めたかつての戦友であり、「四代目」はスティーブが後継者として指名した人物だが、実は「三代目」と「四代目」の間にもう1人、血清の副作用で狂暴化し称号を剥奪された「番外」が存在する。
後に白いコスチュームの「グランド・ディレクター(Grand Director)」としてネオナチ系の組織を率い、最終的には「六代目」に倒されており、同様に称号を剥奪された存在である「MCU版の二代目」も、今後の展開次第では彼と同じ道を歩む危険性を持っているのかもしれない。
関連タグ
表記ゆれ:USエージェント