概要
ハリソン・フォード演じる考古学者インディアナ・ジョーンズ博士の通称、および彼の冒険活劇を描いたシリーズ。
アクション、ロマンス、宝探し、さらにオカルト、お約束のギャグ満載と、「007シリーズ」とは違うベクトルながら、男の子の夢をこれでもかと詰め込んだ娯楽映画。
ジョン・ウィリアムズ作曲のメインテーマを耳にしたことがある人も多いだろう。
主人公について
フルネーム:ヘンリー・ウォルトン・“インディアナ”・ジョーンズ・ジュニア(Dr. Henry Walton "Indiana" Jones, Jr.)。
中折れ帽とレザージャケットがトレードマークで、得物はムチ。ヘビが苦手。
後述するドラマによると、誕生日は1899年7月1日。
映画第1作ではマーシャル大学、第3作ではバーネット大学で考古学の教鞭をとっており、第4作時点で副学部長に昇格している。
大学では真面目に授業を行う堅物の先生だが、教授職の傍ら世界を飛び回る著名なトレジャーハンターでもある。
自身が担当する考古学の究極の研究成果として歴史上の遺物を世界中で収集しており、発見した財宝を博物館に収めることで盗掘者から守り、収益も得ている。
発掘調査を手がけ数か国語を操るインディは世界中に協力者となる友人を持つ一方でそのスタイルは破天荒そのものであり、彼と争って財宝を狙う盗掘者や研究者のライバルも多く、命を狙われる事も珍しくないがインディ自身も荒事を辞さず、愛用の鞭と拳銃で大立ち回りを演じることも多い。
別のシリーズの主人公と違って正規の諜報員や軍人ではない(若い頃に兵士として従軍した経験はある)が、第二次大戦中はOSS工作員として活動していたことがあり、腕っぷしも悪運も強く、これまでに遺物を巡る抗争で死線をいくつもくぐり抜けてきている。なお、潜入の際の変装のため敵を倒して服を奪ったはいいが、サイズが合わないなどのギャグも多い。
別のシリーズの主人公と同様、馬に車、ボート、果ては飛行機と、その場にある乗り物を自在に操ることも出来る。銃火器の操作もお手の物。
別のシリーズの主人公と同様、女性にはモテる上にキザで手が早いプレイボーイでもあるが、あちらと違って間抜けなドジを踏むことも多い。恋愛が協力者として役立つこともあり、ハニートラップに引っかかって不要なトラブルに巻き込まれることもある。冒険の途中のロマンスであるため長続きしない点はあちらと一緒。
映画シリーズ
レイダース/失われたアーク《聖櫃》
1981年公開の第1作。
原題:Raiders of the Lost Ark → Indiana Jones and the Raiders of the Lost Ark
1936年、神秘的な力を宿していると言う聖櫃(アーク)を探せと依頼され、インディは冒険に出る。
しかし当時勢力を強めつつあったナチスもヒトラーの強力なオカルト信仰の下、聖櫃を探索していた・・・
冒頭のシーンや、カイロでの戦いなどが見所。お笑い要員ながらリアルに再現されたドイツ軍は一見の価値あり。
タイトルのレイダース(侵略者達)は遺跡発掘に挑むインディ自身も含んでいたが、後にインディ自身は該当しないような原題に改められている。
主演:ハリソン・フォード (インディアナ・ジョーンズ)
カレン・アレン (マリオン・レイヴンウッド)
ジョン・リス=デイヴィス (サラー)
インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
1984年公開の第2作。
原題:Indiana Jones and the Temple of Doom
1935年、上海でヌルハチを巡るギャングとのトラブルから逃れ、飛行機で脱出して遭難した(させられた)インディが辿り着いたインドの奥地で、邪教集団によって村から奪われた伝説の秘石「サンカラストーン」を取り返してほしいと頼まれ、ゾウに乗って魔宮へ向かう。魔宮の若き王はインディ達を歓待するが・・・
今作は前作の1年前の出来事。洞窟のトロッコのシーンは今見ても凄い迫力で、上述したディズニーシーのアトラクションのモチーフ元にもなっている。
また中国人の少年を演じた子役は『グーニーズ』にも出演しているほか、近年フォードと38年ぶりに再会した写真が話題になった(参考)。
主演:ハリソン・フォード (インディアナ・ジョーンズ)
ケイト・キャプショー (ウィリー・スコット)
キー・ホイ・クァン (ショート・ラウンド)
インディ・ジョーンズ/最後の聖戦
1989年公開の第3作。
原題:Indiana Jones and the Last Crusade
1938年、大学で考古学の教鞭を執るインディはキリストの聖杯を探し出す依頼を一度は断っていた。だが同じく聖杯を探索中だった父親が行方不明となった事を聞き、父親を探す旅に出る。ところが何故か父親の足どりを追う彼の命を狙う集団が現れて・・・
父親役は初代ジェームズ・ボンドでおなじみショーン・コネリー。インディの少年時代も見れる。
主演:ハリソン・フォード (インディアナ・ジョーンズ)
ショーン・コネリー (ヘンリー・ジョーンズ)
リヴァー・フェニックス (少年時代のインディ)
インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
2008年公開の第4作。
原題:Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull
1957年、先の大戦でナチスは壊滅し、破天荒で鳴らした考古学者ジョーンズ教授にも安穏とした日々が訪れて・・・いなかった。
時代は冷戦の真っ只中、ソ連が米国内でも暗躍し、やはりインディは巻き込まれて散々な目に遭う。そんなある日、インディは謎の青年マットと出会う。マットの父親と親しかったインディの古い友人が南米で消息を絶ったと聞き、彼とともに友人を探す旅に出る。
前作から公開・作中ともに19年経過している。
主演:ハリソン・フォード (インディアナ・ジョーンズ)
シャイア・ラブーフ (マット・ウィリアムズ)
ケイト・ブランシェット (イリーナ・スパルコ)
インディ・ジョーンズと運命のダイヤル
2023年公開予定の第5作。
原題:Indiana Jones and the Dial of Destiny
舞台は1969年。米ソの宇宙開発競争を背景に、秘宝「運命のダイヤル」をめぐり、インディの最後の冒険が始まる。
監督は『LOGAN/ローガン』『フォードvsフェラーリ』のジェームズ・マンゴールドで、スピルバーグはプロデューサーとして関わっている。
またハリソン・フォード本人から「今作が最後」「役からも引退する」と明言されており、今後は同じルーカスフィルム制作の『スター・ウォーズ』シリーズや大本が同じディズニーのMCUに倣って、配信ドラマでの展開が企画されている模様。
主演:ハリソン・フォード (インディアナ・ジョーンズ)
フィービー・ウォーラー=ブリッジ (ヘレナ)
マッツ・ミケルセン (フォラー)
ボイド・ホルブルック (クレーバー)
アントニオ・バンデラス(レナルド)
その他
ルーカスフィルムとディズニーの提携の一環として「スター・ウォーズシリーズ」とともにディズニーランドのアトラクションとなっており、日本では東京ディズニーシーにて『インディ・ジョーンズ・アドベンチャー: クリスタルスカルの魔宮』として楽しむことができる。
インディの吹替は上述のアトラクション含めて村井國夫版が著名かつ人気であり、1985年10月4日に日本テレビの『金曜ロードショー』第一回放送作品として放送された『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』の日本テレビ版で初担当して以降、3作目まで映像ソフト版と日本テレビ版の両方で皆勤賞となるなど定番キャストかつ馴染みの声となっていたが、4作目では諸事情により内田直哉が代役を務めた。その後ファンからは「4作目も村井さんで新録して欲しい」と要望が高まっていたものの、ルーカスフィルムはその意見とは真逆に4の吹替をオフィシャル化し新録不可にしたとされており、1~3を内田インディで新録した。
この対応について往年のファンから大顰蹙を買うことになった(新録版の演者に罪はないものの、一作目から長年務めていた村井はもちろん、長年支えてきたファンとかつての演者の双方の気持ちを考えると批判は致し方無いと言える)が、「村井さんバージョンが作られないのは残念だが、内田さんも上手いしハマっている。質の低いタレント吹替ではあるまいしクレームするほどではない」といった擁護の声も少なからずあった。
…しかし2023年、それまでの理不尽なオフィシャル化は覆され、村井インディの生みの親である「金曜ロードショー」にてインディを村井が吹き替える新録バージョンの放送が決定。日本中のインディファンを歓喜させた。『クリスタル・スカルの王国』に関しては村井による吹替が長年なく村井自身も心残りがあったといい、2023年に『金曜ロードショー』での放送用にて村井が吹き替える新録音版が制作されたことにはうれしさを表している。
そして、5月31日に「運命のダイヤル」の吹き替えキャストが発表され、劇場版で初めて村井國夫が担当することとなった。これらSNS上でファンからの多くの歓びの声がトレンドに上がるなど、大きな反響があった。同作は村井が再びインディ役を務めたことで吹替え版にはファミリー層まで幅広い層が劇場に詰めかけ、「インディ・ジョーンズ」シリーズを初めて劇場で観たという世代からも絶賛の声が日本では相次いでいる。
同年7月5日、村井は都内で行われた公開記念舞台挨拶に登壇し、「スター・ウォーズ」日本テレビ版吹替のハン・ソロ役に始まるハリソン・フォードの吹替に関わった40年を振り返ると、思いもかけずサプライズでフォードからのビデオメッセージが上映され、
「こんにちは國夫さん、1作目から参加していただき本当に感謝しています。日本語版インディを演じるあなたの声を聞けてうれしかった。長旅に付き合ってくれてありがとう。いつかお会いしたいです。いまはさらなる活躍をお祈りしています」
と1作目からのシリーズへの貢献に感謝と、お墨付きの言葉が村井に寄せられた。これに村井は胸を抑えて感涙し、感激です(シリーズが)終わったとしても次の作品でもフォードの吹替をしたいと抱負を語り、喜びを噛み締めた。上述の通り、何度か吹替担当を降板寸前にまで追い込まれた背景も踏まえると、本人やファンにとっても感慨深いものがあったことは想像に難くないだろう。
インディ・ジョーンズの村井國夫吹替版騒動の一連の流れをまとめられたツイートはこちら
ドキュメンタリー形式で村井國夫版インディ復活までの経緯を描いたツイートはこちら
なお村井と並んでハリソン・フォードの吹替声優として知られている磯部勉は、2・3作目の日曜洋画劇場版のみの担当となっている。
また、3作目「最後の聖戦」の日本テレビ版吹替はハリソン・フォード(村井國夫)とショーン・コネリー(若山弦蔵)という二大FIXが揃ったことから「吹替洋画史上最高傑作」に挙げるファンも多い。
派生作品
- インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険
原題:The Adventures of Young Indiana Jones → The Young Indiana Jones Chronicles
本国では1992~93年にテレビ放送されたドラマシリーズ。
"Young"の通り時系列は映画シリーズより前で、少年・青年時代の冒険を現代の年老いた彼が回想する、という構成。ただし少年期と父ヘンリーは映画第3作とは別の俳優になっている。
日本では上記タイトルで吹替版が地上波放映され、その後VHSビデオで発売されたが、全てのエピソードが放送・収録されてはおらず、さらに字幕版は制作すらされていないため、日本のファンたちは完全版DVD-BOXの発売を今か今かと待ちわびている。
- シャーロック・ホームズと賢者の石
『シャーロック・ホームズ』シリーズのパスティーシュ(作風を模倣したもの)で、父ヘンリーとともに引退後のホームズやワトソンと夢の共演をしている。
関連イラスト
関連タグ
映画 洋画
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ジョージ・ルーカス スティーブン・スピルバーグ
ジョン・ウィリアムズ(作曲)
東京ディズニーシー
インディ・J…パロディキャラクター。
外部リンク
Indiana Jones .com - 公式サイト(英語)
インディ・ジョーンズ シリーズ - Wikipedia
インディ・ジョーンズとは - はてなキーワード
インディ・ジョーンズ : INDY JONES.JP - 非公式ファンサイト