サンダーボルト・ロス
さんだーぼるとろす
本名:サディアス・ロス(Thaddeus Ross)。
アメリカ軍の将校であることからロス将軍と呼ばれ、「サンダーボルト」はあだ名。
初登場はハルクと同じ1962年の『Incredible Hulk #1』。
2008年に赤いハルク「レッドハルク」に変身する能力を得、その後、主に元ヴィランで構成されるチーム「サンダーボルツ」の第2期の発起人になった。
演:ウィリアム・ハート → ハリソン・フォード
アメリカ合衆国の権威を笠に着た、傲慢な職業軍人。
常に自らとアメリカが正しいと考えており、国益のためなら市民を犠牲にすることもいとわない。
国益のためにハルクを生み出しながら、邪魔となったら容赦なく「軍の所有物」としてモノ扱いの上で捕獲を企てる冷酷非道な人物。
ハルクの一件から、超人=スーパーヒーローに対して懐疑的な立場である。
インクレディブル・ハルク
初登場。アメリカ陸軍将軍。
娘のベティの恋人であるブルースを使い、超人血清の再現計画を主導するも、生まれたのが制御不可能なハルクであり、研究所も破壊されたため、その事実を隠蔽するためブルースを追い続けていた。
やがてリオデジャネイロに潜伏するブルースを発見。エミル・ブロンスキー率いる部隊を向かわせるも失敗し、ブルースはアメリカに戻ってくる。
結局、ベティを危険に晒し、エミルはアボミネーションとなり、ブルースは再度逃亡という結果に終わり、彼の超人に対する懐疑心は敵視へと変わった。
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
実に8年ぶりに登場。
国務長官に就任し、ヒーローたちを国連の監視下に置く「ソコヴィア協定」の締結をアベンジャーズに提示。これに反対の立場を示すスティーブ・ロジャースが爆破テロ事件を機にバッキー・バーンズに組したため、トニーにスティーブらの逮捕を指示する。
アベンジャーズを自警団、ハルクやソーを核弾頭と呼ぶなど、ヒーロー嫌いは相変わらず。
なお、同作以降にはエヴェレット・ロス捜査官も登場するが、特に血縁的関係はない。
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
アベンジャーズ基地にいるローディとオンライン通話をしており、彼からヒーロー同士のいさかいが悲劇を招くと、彼の不随になった両足を示す。
直後にスティーブらが基地を訪れ、ローディに逮捕を命じるが、サノス軍の尖兵がニューヨークに攻めてきたためそれどころではなく、あっさり通話を切られてしまう。
ブラック・ウィドウ
『シビル・ウォー』直後、逃亡犯となったナターシャ・ロマノフを追撃部隊と共に追う。
今作の公開後、2022年3月にウィリアム・ハートが死去。作中では死んでいないロスがどのようになるのかファンからは心配されたが、ハリソン・フォードが後任として決定した。
同時に吹き替えも、インディ・ジョーンズで本人から公認されている村井に変更された。
キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド
なんとアメリカ大統領として登場。
予告を見る限りでは不本意ながらレッドハルクへ変身し、キャプテン・アメリカを受け継いだサム・ウィルソンの前に立ちはだかる。
MCUにおいて、複数作品に登場したメインキャラクターの演者の死去による交代は彼が初。チャドウィック・ボーズマン(ティ・チャラ / ブラックパンサー役)の場合は作中でも病死したことになったため、主に本国アメリカではこの扱いの差が賛否両論となっている。
なお、ウィリアム・ハート版のロス将軍の設定がなかったことになったわけではないようで、『BNW』の本編でも、ベティとの家族写真に写っているロスはかつてウィリアム・ハートが演じていた時のものがそのまま使い回されている。演者の変更に伴い風貌こそ変わってしまったが、同じ存在としてみてほしいという公式からの意向が汲み取れる。
なお『BNW』の本編ではサムから「随分変わりましたね」と言われたのに対し、「髭を剃るか選挙に落ちるかどちらか選べと言われたんだ」と述べるシーンがあるが、これは演者によるビジュアルの違いを指したメタ発言。
『アイアンマン2』のローディや『シー・ハルク:ザ・アトーニー』のブルースもこのような前例がある。
ハリソン・フォードにとっては1997年の『エアフォース・ワン』以来の大統領役だが、ウィリアム・ハートも2008年の『バンテージ・ポイント』で大統領を演じたことがあった。
ただし前者はテロリスト相手に勝利するが、後者は序盤で暗殺される、という対照的な役回り。