曖昧さ回避
フィクションにおいては自動で敵に発砲するセントリーガンなども有名。
概要
MARVELコミックのスーパーヒーロー。
例にもれず同名義の別人が複数存在するが、一般的には2000年7月の『Sentry #1』にて初登場したロバート・レイノルズ、愛称ボブ(Robert 'Bob' Reynolds)を指す。
実際のライターはポール・ジェンキンスだが、「スタン・リー御大がファンタスティック・フォー以前に考案し、忘れ去られていたヒーロー」という宣伝がされたことでも有名。
経歴
- オリジン
学生時代に秘密の研究所に忍び込み、そこに保管されていた「ゴールデン・セントリー血清」を好奇心から服用したことで「太陽100万個の爆発」に匹敵するといわれる絶大なスーパーパワーを手に入れ、活動を開始。ミスター・ファンタスティックやハルクと友人になり、スパイダーマンの師匠となるなど、多くのヒーロー達から慕われ、プライベートでは最愛の女性リンディと結婚して幸せの絶頂にあった………
しかし彼の心の中には「ヴォイド(Void)」という悪の人格が存在しており、日増しに自身の精神を蝕んでいったため、自分自身も含めた文字通り世界中の全人類からセントリーに関する記憶を消すことで、ようやくヴォイドを封印したのだった。
それからはごく普通の一般人として生活していたが、ある日突然「セントリー」としての記憶を思い出した。ヴォイドの人格が復活しかけていると気づき、ミスター・ファンタスティックとドクター・ストレンジの協力で再び記憶を封印した。
- アベンジャーズとして
しばらく後、かつての宿敵の1人によって妻リンディを殺害したと思い込まされ、スーパーヴィラン専用刑務所の1つ「ラフト」に自ら収監されていたが、ヒーロー達の協力によってヴォイドの人格を抑え込む事に成功し、セントリーとしてヒーローに復帰。ニューアベンジャーズの一員となった。
だが『シークレット・インベージョン』事件後にノーマン・オズボーンによって結成されたダークアベンジャーズに参加し、『Siege』事件の終盤にはヴォイドの人格が完全に表面化してチームメイトを殺害した上にアスガルドを破壊。ヒーロー達との壮絶な死闘の末にかつての盟友の1人であったソーによって殺害された。
外見
- 黄色い全身タイツ
- 青いマントと黒いブーツ
- バックル部に大きく"S"と書かれたベルト
と、MARVELのライバルであるDCコミックを代表するヒーロー・スーパーマンにそっくりで、あからさまなパクr………もとい、オマージュキャラであることを殊更に強調している。
また、一度世界中の人間から自分に関する記憶を消し去る以前は口元以外の顔を覆い隠したマスクを着用していたのだが、ヒーローへの本格復帰後は素顔を晒して活動している。
能力など
軽く挙げるだけでも
- 怪力:100tの物体を持ち上げ、マジギレしたハルクと本気の殴り合いができるレベル
- 超人的なスタミナ・感覚・反射神経。宇宙空間でも生存でき、太陽に入っても傷つかない体
- 空中飛行並びに超高速移動。ほぼ一瞬で土星まで移動可能
- 分子やエネルギー操作:光を操り、ビームを放射する。無からの物質生成。
- テレパシー:かのプロフェッサーXのお墨付き
- 天才的知性
- その他:老化の遅延、死者蘇生(ウルトロンに殺害されたリンディを軽く触れただけで生き返らせた)
等々、MARVELのメジャーなヒーロー達の中ではシルバーサーファーやソーにも匹敵する程の圧倒的スーパーパワーを持ち、ウルヴァリン曰く「ギャラクタスより強い」との事。
また一度世界中の人間から自身に関する記憶を消し去った事があるため、「タイムトラベルで過去に行き、その時代で何かしら大きな事件を起こしたとしても、将来的に世界中の人間が彼の事を忘れるので歴史には何の影響も与えない」という特性がある。
だがそんな彼にも弱点はある。
その1つがいわゆる豆腐メンタルである事。
圧倒的スーパーパワーに対して精神的には一般人と対して変わらないために、精神面という観点においては非常に打たれ弱い。自分の悪の側面であるヴォイドがいつ暴走するか常に怯えており、想定外の事態や敵の精神攻撃によってすぐにパニックになったり落ち込んだり……酷い時には戦いの途中で敵前逃亡したり、戦いに参加する事そのものを拒否したりする。
また最愛の妻であり心の支えでもあるリンディの存在も弱点。
後々、彼の後ろ暗い秘密が判明している。
- ヒーローになる以前は薬物依存症患者で、そもそも血清を服用したのも元々は麻薬目当てだった。
- 「ヴォイドがロバートの悪の人格」というのは間違いで、本当は「ヴォイドの方が主人格」であり、ロバートの人格はヴォイドの中に存在する良心や罪悪感から生まれた存在だった。
- 前述した豆腐メンタルなのも、いわば「どうしようもない人間の屑の中に残るわずかな良心」だから当然である。
- ダークアベンジャーズに参加したのはノーマンによって麻薬による洗脳を受けていたから。本人も知らない内に彼の手先として悪事に加担していた。
その後
『Uncanny Avengers #10』にて、X-MENの宿敵の1人アポカリプスの力を持つ双子によって復活させられ、バンシー、グリム・リーパー、ダケンとともに彼らの配下「黙示録の四騎士」として活動する。
そして助けを求めたストレンジによって心の中に創った別世界にヴォイドを住まわせることで切り離し、装置で人格を切り替えるようになり、いったんは解決したが、最終的には2つの人格が完全に融合してしまった。
次に訪れた先のミスター・ファンタスティックは解決策が見つからず、ネガティブ・ゾーンに追放。ここで浴びた宇宙線によって分離するも、ヴォイドがゾーンから逃げ出したため、残されたロバートはシルバーサーファーと合体しヴォイドを倒したが、紆余曲折あって元に戻った。
しばらくしてヌルによる地球侵攻『King in Black』に際して、アベンジャーズの手で帰還。直接対決自体は身体を真っ二つにされて敗北し、ヴォイドを吸収されてしまったものの、幽霊の状態でヴァルキリーを助け、勝利に貢献した。
だが遺体はニューヨーク市長となったキングピンと彼に組織された新生サンダーボルツが奪い合った結果、オカルト結社の手に渡り、その能力や記憶が様々な人々に分散した。
関係者
- ビリー・ターナー / スカウト(Billy Turner / Scout:斥候)
サイドキック。ヴォイドの暴走で片腕を失っており、記憶が消えた後は一般人として生活していたが、『Siege』で死亡した彼の葬儀には参列した。
ストレンジによる心の中の別世界を用いた対処にも協力していたものの、裏ではロバートの力や名声に嫉妬しており、自分が新たなセントリーになりたいと考える。それを宿敵の1人だったクラニオに利用され、切り替える装置を盗む代わりに再現された血清を投与するが耐え切れず暴走、最期はロバートに倒された。
- マロリー・ギブス(Mallory Gibbs)
ストレンジによって壊滅した件のオカルト結社の残党から事故で力を得た女性。
ジェシカ・ジョーンズやミスティナイトの助けもあって制御できるようになり、実質的な二代目である「ソララス(Solarus)」として活動を始めた。
- ライアン・トッパー(Ryan Topper)
分散した先の1人。独占しようと他に力を得た者を吸収していたがマロリーに敗北、逮捕された。
以下、ロバート以外に「セントリー」を名乗ったキャラを挙げる。
- カーティス・エルキンス(Curtis Elkins)
デビューは1993年の『Venom: Lethal Protector #2』。
元は「ガーヅマン(Guardsman:警備員)」を名乗っており、原義の「歩哨」が由来といえる。
- スチュワート・ウォード(Stewart Ward)
1998~2000年の『スパイダーマン』誌に登場した政治家。
前職はCIAのエージェントで、「セントリー」はその時のコードネーム。
- ヴァル(Val)
ロバートと同じ2000年の『Spaceknights #1』で初登場した、ガラドール星のエリート部隊に所属する騎士。
原義の「番人」が由来といえる。
MCU
演:ルイス・プルマン
2025年公開予定の映画第36作『サンダーボルツ*』にて遂に実写デビュー。
特報では愛称の「ボブ」とだけ名乗っており、"S"と書かれたベルトのバックルも一瞬だが登場している。
ちなみに演者は2022年の『トップガン マーヴェリック』でコールサインが「ボブ」のキャラを演じている。(参考)
なお製作初期ではスティーヴン・ユァンがキャスティングされていたが、2023年夏の俳優・脚本家組合ダブルストライキでスケジュールがずれたため降板した。
関連タグ
ハイペリオン、ブルーマーベル:同じくMARVELにおけるスーパーマンのオマージュキャラ。
スーパーマン:オマージュ元ネタ。MARVELのライバル・DCコミックを代表する元祖スーパーヒーロー。セントリーと違って肉体的にも精神的にも完璧超人なヒーローのお手本。
ホームランダー(ザ・ボーイズ)、オムニマン(インビンシブル)、ブランドン・ブレイヤー(ブライトバーン):MARVEL以外の企業が製作・発表した作品に登場するスーパーマンのオマージュキャラ達。完璧超人なスーパーマンとも善と悪の間で揺れ動くセントリーとも違い、完全に悪の側に傾いており、しかもそれに対して全く罪悪感を感じていない。
センチネル(X-MEN):類義語であり語源も同]じ”sentinel”を冠するキャラ。共演は現状無い。