概要
ギリシア神話のエピソードの一つ『アルゴナウタイ』に登場する青銅の巨人。全創作物初の巨大ロボットなどと言われたりする。
もとは大神ゼウスが愛人エウロペをクレタ島に残して去る(牡牛座の神話)にあたって、彼女に与えた贈り物の一つだったとされる。作成者は火神ヘパイストスまたは名匠ダイダロス。
クレタ島の守り神とも呼ばれ、島に近づく怪しい者を片っ端から迎撃していたとされる。遠くの船には怪力で岩を投げつけて破壊する一方、全身を高熱化させて触れた者を焼き殺すという技も持っていた。しかし全身を流れる神の血をくるぶしの栓が止めており、これを抜かれると血が全部流れ出て動けなくなってしまうのが弱点。後にアルゴナウタイが島に立ち寄った時、魔女メディアにこの弱点を突かれて倒されてしまった。
一説には青銅時代(ギリシャ神話の時代区分の一種で3番目の時代の事)に作られた人間だとも。ドラクマ硬貨には翼の生えた姿で表現されることもあるなど姿に関しては一定しない。
創作
原典では大きさは特に記述されていなかったが、1963年公開のレイ・ハリーハウゼン監督の映画『アルゴ探検隊の大冒険』以降はそれこそ奈良の大仏ほどもあろうかという天を突くような巨人として描かれることが多い(里中満智子の『マンガギリシア神話』など)。
水木しげるの妖怪画
水木しげるが書き起こしたデザインは黒いボディに尖った耳、口から牙を伸ばした巨人のような容姿。
『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪横丁』でもこちらのデザインに準じている。
『ヘラクレスの栄光Ⅱ タイタンの滅亡』
こちらも製作者は同じ。ただし、神話と弱点は共通しておらず、「はかいのオノ」を用いないと倒せない設定になっている。
『マジンガーZ』
ミケーネ文明の創った「胸(アニメでは口)から火を噴く巨人」。巨大ロボットの一つとされている。いわば機械獣のプロトタイプというかベース機体のようなものであり、アニメ第2話ではDr.ヘルがロードス島の発掘作業中にこれにテレパシー受信装置を組み込み、兜十蔵らを襲撃している。
『真マジンガー 衝撃!Z編』では機械獣の待機モードとされており、有事にはサナギのように内部から機械獣が登場する。そのためスパロボでは雑魚敵として出てくることが多い。
『仮面ライダーストロンガー』
『テレビマガジン』収録の特別漫画『決死戦七人ライダー』に青銅巨人タウロスの名で登場。エジプトのスフィンクス、インドの巨大怪鳥バド、トロイの木馬、ニューヨークの自由の女神、南米のジャンボコングと共に熊本の阿蘇山に身を投じ、九州そのものと同じ大きさの巨神を蘇らせようとした。
最後はライダー時間差攻撃で左足を折られて戦闘不能になり、折れた足首から血液を投じて生贄にしようとしたが、ストロンガーの落雷シュートにより青銅の装甲をホットプレート代わりにされて完全に蒸発させられる。
『新造人間キャシャーン』
グリシア国のメリナ博士によって開発された巨大ロボットネオタロスが登場。
鎧を着た古代の戦士のようなデザインで青銅色のボディカラー、全身から熱線を放射するなど神話のタロスをモチーフとしている。
『恐竜戦隊ジュウレンジャー』
プリプリカンによって作られた最強最後のドーラモンスターとしてドーラタロスが登場する。こちらは誰がどう見てもロボットとわかる外見である。
『ゴッドオブウォー』シリーズ
巨大なハンマーを武器とするモンスターとして登場。CSアタックで倒すとレイジゲージを回復するゴールドオーブが手に入る。
『聖闘士星矢LC』
外伝アルデバラン編にてクレタ島を守護する「コル・タウリ」(牛の心臓の意)という大男として登場。
性格は心優しく、まさにクレタ島の守護者に相応しき男。アルデバランの弟子であるセリンサの育ての親であった。
『Fate/GrandOrder』
エウロペの宝具としても登場するが、こちらではモビルスーツ並の大きさ(約20m前後)を誇るうえ、見た目はメガデウス・挙動はジャイアントロボという、正しくスーパーロボットな仕上がりである。敵対者に対しては拳で押し潰したり、胸からの熱線砲、指からのバルカン砲で攻撃する。
『名探偵コナン』
平成最後の放送回「巨神タロスの必殺拳」においてオブジェが登場。
『The Elder Scrollsシリーズ』
帝国初代皇帝タイバー・セプティムが死後神格化された英雄神。
『プロジェクト東京ドールズ』
神使デウスが「パンドラの心臓」を埋め込んで誕生させた、最大最強のゴーレムとして登場。胸部からの破壊光線でドールズを玉砕させ、浮遊する両腕で遠距離から強烈なロケットパンチを撃ち込む。また破壊されても「心臓」が無事なら無制限で再生する再生怪獣としての側面も持つ。最後は心臓もろとも粉微塵に破壊されて退場したが、何故かその心臓の残骸を含む大量のサンプルが回収された。
『モンスター娘TD』
【ターロス娘】クレッタとして登場。
見た目は人間の少女に近しい。
『女神転生シリーズ』
『デジタル・デビル・ストーリー女神転生Ⅱ』に種族「マシン」最高位の通常敵として多数登場。他の同種族のものと違い悪魔に創られたという設定で魔界に出現する。
また『真・女神転生』のメガCD移植版に、開発中アンケートによる登場させて欲しい悪魔として選ばれ、種族「闘鬼」の最高位として、ギリシャ風の兜を被り手に炎を灯した「地霊」アトラスをベースにした像のような姿で登場している。
ペルソナシリーズでは「2罰」で登場。
アルカナは「CHARIOT」だが、悪魔としての登場であり、ペルソナとして登場した作品はない。