概要
再生怪獣には大きく分けて2通りの意味がある。
しかし、怪獣は背後の悪の組織によって誕生した個体なぞ殆どいない訳であるからして、1の場合は生まれながらの体質、2の場合は超常現象的な力やら何かしらのエネルギーを得る、何者かの手により新たな命を吹き込まれる、あるいは怨念の力や特殊能力で蘇生したりして蘇る場合が多い。
そのため、姿が生前より少し変わっていたり、能力強化や新たな力を得たりしている場合が多い。
しかも、再生後は全く違う個体として扱われる者も多いため、再生怪人と違い、戦力が戦闘員以下になることは殆ど無いのが特徴である。
ただし忍者反比例の法則に該当する場合は話が別なのは言うまでもない。
また、元が強大な個体(所謂中ボス・ラスボス格)が何らかの手法で自我なき操り人形として復活した場合は、ほとんどがオリジナルの実力を発揮出来ていない。そのため、再生対象の実力によっては単体であってもその実力を完全再現されないことがある。
なお、『ジャンボーグA』のキングテットゴンは再生怪獣という肩書だが、死んだ人間の遺体をつなぎ合わせて作ったという出自で、1でも2でもない珍しい例。
主な再生怪獣(1の意味で)
改造巨人フランケンシュタイン(フランケンシュタイン対地底怪獣)
フランケンシュタインの怪獣サンダ(フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ)
フランケンシュタインの怪獣ガイラ(同上)
人喰い墓場怪獣ベガロン(同上)
磁力怪獣マグネドン(帰ってきたウルトラマン)
再生恐獣カスタムジュラー(同上)※1
大ガニ怪獣ガンザ(同上)
不死身怪獣リンドン(同上)
再生怪獣サラマンドラ(同上)
アメーバ怪獣アメーザ(同上)
邪悪生命体ゴーデス(ウルトラマングレート)
赤色火炎怪獣パワードバニラ(ウルトラマンパワード)※2
吸電怪獣ギアクーダ(同上)
宇宙捕獲メカ獣Σズイグル(同上)
脳魂宇宙人ザム星人(同上)※4
フィンディッシュタイプビースト・ノスフェル(ウルトラマンネクサス)
溶岩怪獣グランゴン(ウルトラマンマックス)
完全生命体イフ(同上)
超科学星人ダークバルタン(同上)
宇宙斬鉄怪獣ディノゾールリバース(ウルトラマンメビウス)
宇宙礫岩怪獣グロマイト(同上)
無双鉄神インペライザー(同上)
冷凍星人グローザム(同上)
奇機械宇宙人ガピヤ星人サデス(劇場版 ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!)
亡霊魔導士レイバトス(ウルトラファイトオーブ)
究極生命体アブソリュートディアボロ(ウルトラマントリガー)
新創合成獣スフィアネオメガス(ウルトラマンデッカー)
軟体怪獣レヴィーラ(ウルトラマンブレーザー)
妖骸魔獣ゴンギルガン(ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突)
ミズウォルム(フラワーナイトガール)※5
※1:軟体恐獣ジュラーからもぎ取られた腕が1体の怪獣(恐獣)として再生を遂げたもので、本体は倒されていない。
※2:バニラ自身の能力か、封印されていた石棺によるものか不明。パワードアボラスも再生できる可能性あり。
※3:以前出現して倒された個体がサイクロメトラに寄生されて復活したもので、自身に再生能力はない。2の意味も持っている。
※4:パイロット版及び『ウルトラマン超闘士激伝』の設定。OV版はこの設定はない。
※5:怪獣と呼べるかは議論の余地があるが、他にも合体怪獣、寄生怪獣の要素も併せ持つ。
主な再生怪獣(2の意味で)
ウルトラマン
何れも怪獣酋長ジェロニモンの特殊能力で復活した個体。再生テレスドンと再生ピグモンはそうでもないが、再生ドラコにいたっては何故か生前と姿が少し変わっている(翼が無いのは以前、レッドキング(2代目)にむしり取られた事が原因だと、まだ説明がつくのだが、角の数が1本から5本に変わっていたり、両腕が鎌から普通の腕になっていたりと不思議なことが起きている)。
ちなみに戦力的には戦闘員以下しかなく、ピグモンにいたっては元が善良な怪獣であったため、問題外……。っというか彼の活躍でイデ隊員の目が覚めたため、彼は大健闘をやってのけたのだけは間違いない……。
キャプテンウルトラ
メタリノーム、ゴースラー、キュドラ、アメゴン、ウルゴン、シャモラー
先に復活したメタリノームが復活させた。リーダーのメタリノームが喋るようになった以外は能力は従来のものだが、5体とも仲が悪くメタリノームが手を焼くことに。
スペクトルマン
ネオヘドロン、再生サタンキング、再生ゴキノザウルス、再生モグネチュードン、再生バロンザウルス、再生ネズバートン、モッグス
何れも宇宙猿人ゴリが作り出した怪獣。ネオヘドロンはかつてのヘドロンとは大きく異なる姿となったが、それ以外はかつてゴリが作った怪獣をほぼ同様の姿で再生させたものとなっている。
帰ってきたウルトラマン
何れもナックル星人の手によりウルトラマンジャックの戦力を調べるために蘇生された個体。
なお、シーゴラス、本編では殺されていないのだが、何故か再生怪獣として登場している。
「死んだ別個体をナックル星人が蘇生させた」という解釈の他、「ナックル星人が角を『再生』させた(=初代と同一の個体)」と記している児童書もあり、角をスペシウム光線で破壊されただけで絶命しているらしい。
ジャンボーグA
キングジャイグラス、ドクロスキング、デモンスター、アントロン
霊媒怪獣ウータンによって復活。
ウルトラマンタロウ
再生デッパラスはデッパラスが怨念の力(?)により蘇生した姿で生前より凶悪化、更に姿も結構不気味なものに変化している。
再生エレキングは以前ウルトラセブンに斃された個体が月光の光を浴びてエネルギーを蓄え蘇生した姿。要はゾンビである。以前は高圧電流を武器にしていたが、今回は火炎を武器としており、体色が濃い黄色に変化しており、満月の晩にしか活動できないという特徴を持つ。ついでに最早ピット星人に操られていない=野生化した状態なため、角も回転していないらしい。
ちなみに再生エレキング、別名を改造エレキングともいい、映画『ウルトラマン物語』では宇宙の悪魔ジュダの配下のメフィラス星人が改造を施して連れてきた個体という設定である。
電光超人グリッドマン
メカギラルス、メカバモラ、メカステルガン、メカバギラ、メカフレムラー、再生シノビラー/カンフーシノビラー、ネオメタラス、メカジェネレドン
一度倒された怪獣を復元、強化したもの。フレムラーは倒される前の状態で復活してから強化された。
ウルトラマンダイナ
クローンシルバゴン、クローンシルドロン、クローンダイゲルン、ゴルザⅡ、幻影怪獣軍団
クローン怪獣たちは以前倒されたものをコピーしたもの。以前の個体の弱点を補強してあるがいずれも前座。
ゴルザⅡはアスカ達が「ゴルザをスフィアが甦らせたのでは?」と推測しているが詳細は不明。(書籍では単にゴルザの同族としているものもある)
幻影怪獣軍団はメージヲクによるもので実体はない。
ウルトラマンネオス
一度倒されたシルドバンの身体がバッカクーンに寄生されて操られているもので、生命活動が再開しているわけではない。1の意味の内のグロッシーナとサイクロメトラの関係にも近い。
ゴジラ×メカゴジラ / ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS
1954年に倒されたゴジラの骨格を、人類が生体ロボット兵器として再生させた一種のサイボーグ怪獣。
なお、別作品における近い存在としてサイバーゴジラがある。
ウルトラマンメビウス外伝 ゴーストリバース
暗黒四天王知将アーマードメフィラス(G)
暗黒四天王謀将・策謀宇宙人デスレム(G)
暗黒四天王豪将・冷凍星人グローザム(G)
暗黒四天王邪将・異次元超人メビウスキラー(G)
TV本編で倒された暗黒四天王が復活した個体で、Gはゴーストの意。
ウルトラ銀河伝説
なお、ベリアル自身も複数回再生を遂げている。
ウルトラマンサーガ
バット星人によって怪獣墓場から復活した個体。
ウルトラゼロファイト
バット星人グラシエによって怪獣墓場から復活した個体。
ウルトラファイトオーブ
デマーガ、メカゴモラ、ジュダ・スペクター、バードン、ハイパーゼットン、グドン、ツインテール、キングジョー、ビクトルギエル、タイラント
亡霊魔導士レイバトスの能力で復活した個体。概ねオリジナルと同程度の実力を発揮しているのだが、ビクトルギエルはその強みを生かせることが出来ずに退場している。
また、タイラントは怪獣の魂を融合する形で召喚されているうえ、レイバトスの魔力と同調することで強化されているため、実質強化新生個体と言っていい。
SSSS.GRIDMAN
過去に新条アカネが製作し倒された怪獣たちをアレクシス・ケリヴが復活させたもの。
ウルトラマンデッカー
1で挙げたスフィアネオメガスが元のネオメガスの外面を再現しただけの別怪獣なのに対し、スフィアメガロゾーアはスフィアを利用してメガロゾーア本体が再生・復活したもの、再生スフィアザウルスも同一個体がスフィアネオメガスから供給されたエネルギーで復活したものとして区別される。
ウルトラマンブレーザー
怪獣の霊魂にかりそめの肉体を与える顕現石の力を利用して復活した個体。
他にも石の力で再び現れた怪獣が複数いたが、いずれも石の持ち主であるザンギルの手で霊体のまま成仏したのに対し、ニジカガチだけは石の力を吸収することで怨霊として実体化した。
元来の強さと能力に加え、すり抜けや憑依といった霊体特有の能力も得ており、再生怪獣ながらも生前と同等かそれ以上の強敵ぶりを見せた。
アリス・ギア・アイギス
「アクトレス」と呼ばれる少女たちが装備している兵装で、これさえ装備していれば生身で宇宙に出ても問題ないというチート兵器。
しかしその正体は敵であるヴァイスと呼ばれる機械怪獣の残骸をリサイクルしたもので、主要なシステムはヴァイスのままであり、結局は前述の3式機龍同様のサイボーグ兵器である。
ゲームオリジナル
『ウルトラQ』と『ウルトラマン』の間を描いたPCゲーム『ウルトラ作戦 科特隊出撃せよ!』に登場するオリジナル怪獣の1体。
第2話で科学特捜隊に氷漬けにされ、半永久的な冬眠状態にされたビルガメラーが宇宙から地球へ接近して来た宇宙鳥獣エックスの卵が放出する電磁波の影響で、急成長した姿で、厳密には再生怪獣とは言わないのかもしれない。
ちなみに再生ビルガメラー、後にエックスと対決し、呆気なく敗北したらしいので、如何やらエックスの強さを見せつけるためだけに用意された怪獣だったらしい…。
『ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth』に登場するオリジナル怪獣の1体。
一度倒された改造タイラントが、強化された合体能力で他の怪獣の怨念を取り込み復活した姿。形状は本来のタイラントに近いものになっている。この形態では倒されても再び怪獣の怨念を取り込んで再生することができるため、1の要素も併せ持っている。
その他
名前に再生とは付いていないが、『ザ☆ウルトラマン』に登場するバラドン星人が怪獣墓場から蘇生して連れてきたレッドキング、アボラス、バニラ、アーストロン、ゴーストロン、ゴキネズラや『ウルトラマンメビウス』のドラゴリー、ゲーム『ウルトラマンFighting Evolution Rebirth』に登場するブルトン、レッドキング、エレキング、タイラント、ゴモラ、ジェロニモンなども再生怪獣たちである。
上記以外にも、『DXウルトラコクピット』の専用DVDに登場するアークボガールとの決戦時に、彼が潜伏する異空間に登場する怪獣たちや、ウルトラセブンの未制作シナリオ『宇宙人15+怪獣35』に登場する宇宙人連合軍が連れてきた大怪獣軍団も再生怪獣たちである(後者などは『仮面ライダーSPIRITS』の再生怪人大軍団状態のため、数に物言わせて(ただしピグモンは除く)セブンやウルトラ警備隊をとことん追い詰めている)。
また、ウルトラマンにこそ倒されていないが、元々死体だったものが復活したシーリザーやムードンといったケースも存在する。が、こちらは再生怪獣には分類されにくい。
近いものとしては、死因は不明ながら一度死亡し、その後死体から復活させられたドクロンのケースもある。
メカゴジラⅡやキングジョーⅡ、ヘルズキング改など、一度破壊されたものが再建されたロボット怪獣も、再生怪獣扱いされることは少ないようである。