概要
『アリス・ギア・アイギス』のプレイヤーキャラクターたちが着用している外装および武装のこと。単に「ギア」ともいう。
高次元エネルギー兵装と呼ばれ、人類に敵対する機械生命体「ヴァイス」に対抗できる唯一の武器になっている。
歴史
21世紀末に機械生命体ヴァイスの襲撃を受け、地球を捨てる事を余儀なくされた人類が月を砕き作った脱出船団「ムーンシャード」によって宇宙へ逃亡し放浪を始めて半世紀、「全能人工知能【アリス】」と呼ばれる謎のAIによって生み出された。本編から3世紀前のことである。
この時から現在に至るまでアリスギアはヴァイスを唯一撃退し得る力であり、これによって人類は安定した生存圏を確保する事に成功した。
アリスギアを身につけ対ヴァイス戦を担う人員のことを「アクトレス」と呼ぶ。アリスギアを使用できるのはエミッション適性という特殊な適正を持つ人物のみである。
現在では技術の進歩によりヴァイスへの対処は容易になっており、世間一般にとってはアクトレスは割の良い仕事として、ヴァイスは(賞金の懸かった)根絶できない危険な害虫程度の存在(我々の思うところのスズメバチや飛蝗のようなものか)として認知されている。
禁止事項
宇宙を航行し、人類の住む場所ともなっている船団「シャード」の全てを統括する国際機関「アウトランド」により、ヴァイス以外との戦闘でアリスギアを使用する事は禁じられている。
しかし実質的には遵守されてはおらず、紛争の絶えず監視の目が行き届かないシャードでは人類同士の戦闘においても運用されている。(外伝作品「朧月のレゴリス」などで確認できる)
またテロリストなどにより悪意を持って運用された場合はアリスギア以外による対応が不可能となるため、カウンターアクトレスと呼ばれる専門の人員により鎮圧が行われる。
アリスギアの構成
鎧・服にあたる「ドレスギア」と武器である「ウェポンギア」からなる。
「ドレスギア」は上半身部分の「トップスギア」と下半身部分の「ボトムスギア」からなる。これをスーツの上から装着する。外観上浮遊しているユニットはギアの機能により別次元で連結され追従している。
「ウェポンギア」にはショットギア(射撃用、飛び道具)とクロスギア(近接攻撃用)とがある。前者にはライフル、デュアル、バズーカ、スナイパー、後者には両手剣、片手剣、ランス、ハンマー、拳銃がある。
これらを基本の構成とし、更にチューニング・カスタマイズキットの装着や機能的に連携したヘッドセットの着用などを行い運用する。
また、ドレスギアにはピジョンと呼ばれる兵装が装備されている事がある。
これはドレスギアを介して、思考により攻撃及び補助を行う兵装。
敵を自動攻撃したり、アクトレスの動きを補助し高機動戦闘が可能になる物もある。
以下、簡単なウェポンギアの解説
ショットギア
詰まるところ銃。ゲームでアクトレス達が普段携行している武器。
実弾タイプとエネルギータイプと言う一次属性がある。
攻撃時の反動や射程距離等が変わってくる。
また、エネルギータイプの攻撃を反射する敵や、ショットギアの一次属性が有効な敵もいる。
ライフル
「突銃」。
連射性・有効距離共に優秀な武器。
一番オーソドックスで得意とするアクトレスが最も多い。
チャージショットはエネルギータイプはマルチロックの誘導弾。
実弾タイプはストック分の弾丸を射撃し、最後に貫通性能のある強烈な一射。
アサルトライフルをメインに、ショットガン、LMG、銃と刀剣の両手持ちスタイルもこれに属する。
デュアル
「双銃」。
二丁拳銃で弾丸をばら撒く近距離型の武器。
射程は最も短いが、雑魚殲滅に最適で攻撃速度も速い。
チャージショットは一定時間の自動高速射撃。
エネルギータイプの場合、ホーミング性能がつく。
二丁拳銃のみならずマイクとスピーカー、本、ギターとアンプ、カメラとフラッシュ、可変型ガントレット、太鼓などのイロモノが多い。
バズーカ
「弾砲」。
弾速・連射速度は遅いが、攻撃力が高い。
爆風である程度の範囲を攻撃可能。
射程はデュアルよりは長いが、近距離で使う必要がある。
チャージショットは爆風範囲の拡大。
いわゆる「フィクションにおけるバズーカ」である携行式の大砲や、「本来の意味のバズーカ」であるロケットランチャーが該当する。
スナイパー
「狙撃」。所謂狙撃銃。
射程は全てのショットギアで最も長いが、連射性は最も劣る。
攻撃力が高く貫通する特質があるので、攻撃部位が多数ある敵には大ダメージが見込める。
移動しながらの攻撃がし辛く、ばらけた敵を掃討するのは苦手。
チャージショットは実弾タイプは強力な弾丸を一発撃ちこむ攻撃で射程が伸びる。
エネルギータイプは最大4発のエネルギー弾を順次発射。
得意とするアクトレスはあまり多くない。
クロスギア
近接武器。
斬撃(両手剣、片手剣、ランス)と打撃(ハンマー、拳銃)の2タイプが存在。
両手剣
「ソード」、または「真剣」。
射程、攻撃速度、攻撃範囲全てのバランスが良い。
横範囲に攻撃するタイプで、小型の集団から大型のボスの相手も出来る。
コンボ時に衝撃波を出す事も可能。
片手剣
「ブレード」、または「刃剣」。
範囲は狭いが攻撃速度が早く、また攻撃後のガードがスムーズな攻防一体の武器。
攻撃力は低いので、高機動で如何に敵へ踏み込んでいけるかが勝負。
敵の攻撃をシールドでガードする事で、ダメージを0に出来る。
基本のソード&シールドの他、双剣やショートソード、ナイフや徒手格闘が該当する。また、切れ味抜群の警棒、扇、鞄、軍用シャベルなど、デュアルや拳銃に次いでイロモノが多い。
ランス
「突槍」。
攻撃範囲は狭いが、比較的長い距離を攻撃出来る武器。攻撃速度も片手剣に準じて速い。
雑魚殲滅が得意だが、点の攻撃となる為、やや当てにくい。中には両手剣のように振り回して攻撃するタイプも。
槍やウォーサイスなどの長柄武器が該当する。
ハンマー
「戦鎚」。
動きは遅いが、ダメージが高い。
癖は強いが広範囲の衝撃波を出す事も可能。
スタン値が高く、敵をスタンさせやすい。
モーションにダメージカットやスーパーアーマーがついている。
拳銃
「ピストル」。
特殊な武器で、得意とするキャラは多くない。
攻撃範囲は広く無いが素早い攻撃が可能で、リーチは最も長い。
主にコラボキャラが使用する事が多い。
これもデュアル同様、イロモノの宝庫。
キャラクター専用装備の場合は上記の性能に縛られず、ユニークな性能が付く事がある。
一例:片手剣だが、打撃属性。
ランスだが、振り回す様な攻撃を行う為、攻撃範囲が広い
実弾タイプの武器だが、反動で後ろに下がらない…等
防御フィールド
アクトレスが安全な仕事であるとされる最大の理由。
あらゆる環境下での行動を可能にするいわゆる気密フィールドだが、ヴァイスからの攻撃を遮断する力場であり、攻撃を受ける度にhigh-dimensional pressure、HPと呼ばれるエネルギーを消費し攻撃を無効化する抗力も持つ。
かなり数値に余裕を持って運用されており、HPがゼロの段階から観測史上最も強力なヴァイス(おそらくヒュドラ級かリヴァイアサン級のことと思われるが何級ヴァイスのことなのかは不明)の攻撃を受けても稼動できるよう算定されている。
つまり安全に配慮しHPゼロでの戦闘が許可されていないだけで、実質的には戦闘を続行するのに支障はない。
HPがゼロになったアクトレスは観測手として同行し他のアクトレスへ情報を送るなどの補助のみ許される。
何らかのトラブルによりHPゼロを下回った状態で撤退が不可能な場合はベイルアウトと呼ばれるテレポートにより安全地帯に移動する。フィールドの消失は装着者の死を意味するため最終手段として使用されるが、ギアは高負荷により再起動不可能なまでに破損してしまう。
アクトレススーツ
アリスギアを装着する際に着用するスーツ。ギアの運用に最適化されたスーツで、ギアには及ばないながらも単体での防御フィールド機能も備えており、アリスギアやヴァイスの光弾でもない普通の銃撃程度であれば、完全に防いでしまう。出撃時の着用義務はないが、推奨される。
汎用スーツの他に、個人に合わせて調整された専用スーツ が用意されることもある。またヴァイスへの対応を行う行政機関AEGiSから優秀なアクトレスとして認められた場合には贈呈される通称 「エーススーツ(アリス・ギア・アイギス)」と呼ばれる特殊な機能を有するスーツが贈呈される。
動力源
エミッション・コアと呼ばれる積層回路が中枢機関であり、ここからエネルギーが取り出される。ヴァイスは位相をずらすシールドを使用することができ、あらゆる既存兵器からのダメージをシャットアウトしてしまうが、コアから放出される未知の粒子(「エミッション」とはおそらくこの粒子のことと思われる)を帯びた攻撃によってのみ、このシールドを破り、ヴァイスにダメージを与える事が可能である(逆にHPによる防御シールドもこのコアを使用して展開しているものと思われる)。
国際機関「アウトランド」の研究所により独占的に供給されている。エミッション・コアの詳細や製造法は秘匿されており、またエミッション・コアの解析は禁止されているため、アリスギアを開発・製造する各企業も、エミッション・コア部分についてはアウトランドから提供されたものを使用するしかない状況である。
制御システムの製造方法は公開されておりメーカーによる独自開発が可能。ギアをチューニングすることで取り出すエネルギーに変化を与えることができ、発生したエネルギーはコアフレームと呼ばれる基幹パーツにより変換される。コアフレームは独占ではなく、各メーカーによる開発が行われている。
巡航にはこのコアからのエネルギーが用いられるため航続距離は理論上無限に近いが、戦闘機動には推進剤を必要とするため無補給での長時間戦闘は不可能になっている。
高次元に接続してエミッション・コアの機能を引き出し、ギアを起動させることができる特質の事をエミッション適正といい、これを持つ人物のみがアクトレスとなり得る。十代から発揮され始める(御蔵座梓希はまさに発現され始めた頃であるが発現開始時期には多少個人差があると思われる。高幡のどかのようにかなり遅れて発現することもあり、安藤陽子のように発現しても適正が弱すぎて免許を得られなかった例も見られる)がその多くは成長と加齢のなかで失われ、三十代でも適性を持つ者は稀である(神宮寺真理や山野薫子はギリギリの年齢である)。遅くとも40歳までにはほぼ完全に喪失する。
適性の獲得については両親からの遺伝によるところが多いが突然変異のような形での発現もある。エミッション適性は女性のほうが高いが、男性でもエミッションコアを起動させることは可能。ただし発現させた事例はごく僅かで適性も低い。
なぜエミッション適性の発現が女性に集中しているのかは不明。
HDM(High-Dimensional Module)
通常時は超空間に格納された特殊な装備。SPスキルと呼ばれる機能を発動する際に取り出され、強力な攻撃を行う。
アリスギアによる攻撃でヴァイスに対し損傷を与えた際に発生する特殊な粒子『結合粒子』をエネルギー源に稼働する。
制御が難しいため、発動には指揮中の隊長による承認が必要になる。
ゲーム上は必殺技を発動する為の専用武器という扱いだが、公式漫画にはヴァイスの動きを止めたり、更には製造方法からその機能まで極めて不穏な代物も存在する。
アリスギアに関する資格
志望者は講習ののち試験を受け、アクトレス免許を取得することでアリスギアの所持と使用が認められる。着用し機動させるアクトレス用免許のほか、販売免許や整備士免許も存在し、こちらもアリスギアの所有が可能。
なお、アクトレス免許資格取得及び保持のためにはギアを運用出来るレベルのエミッション適正保持が必須であり、取得時に適正レベルが許容値を満たせなかった場合は資格取得を許可されず、資格保持者であっても加齢などによってエミッション適正レベルが低下し許容値を下回った場合には資格を失効する。なおエミッション適正は加齢以外にも精神状態や生活環境などさまざまな影響で変化するため アクトレスたちは定期的なエミッション適正検査を義務付けられている。
専用ギア
アリスギアの多くは大量生産の量産品だが、特定のアクトレス個人のためにチューンナップされたモデルが存在し、アクトレス個人の特性に合わせて製作されるオーダーメイド製品として製造される。特注品であるため相応に高額であり、最低でも2千万円からで上は青天井。動物などの何らかのコンセプトを取り入れている場合が多い。
量産品の汎用ギアとは制御方法が全く異なり、専用ギアごとに個々人に合わせた制御法が取り入れられている。キーコンフィグが全く異なるような状態であり本人以外の運用が困難なため、他人が使用した際の事故を防ぐ目的で登録者以外は使用できないよう生体認証でロックがかけられている。
メーカー
当然ながらアリスギアを専門に作るメーカーが存在する。ヴァイスに唯一対抗出来るアリスギアを作る事が出来るので、大手ともなればただの民間企業でありながらムーンシャードの行政機関であるアウトランドに対して強い発言権を持つ。因みに主人公が所属する成子坂は、現実世界でいうところのカスタムガンショップみたいなもの。アリスギアのメーカーは実在する銃器メーカーや車両メーカーをモデルにしている。
日系メーカー
- ヤシマ重工業
本社所在地は尾張シャード。日本のギアメーカーでも最古参の部類。「Made by Yashimaは信頼の証」をキャッチフレーズとした、質実剛健で精密性と信頼性の高い、まさにMade in Japanな製品が特徴。侍の国日本を代表するメーカーらしく、刀剣類は類を見ない高性能。反面、ショットギアは他の企業に遅れをとっている。子会社にアクトレス事業所を有していた叢雲工業がある。
本社所在地が尾張であること、Made in Japanな製品を作っており、さらには自動車まで製造している事から、モデルはトヨタ自動車である。
主力商品:一二式大剣
刀剣類を得意とするヤシマのフラグシップモデル。扱いやすさに加えて、その剪断力の高さから日系シャードのアクトレス達には愛用されている。ちなみにこのモデルはゲーム上に存在せず、一部キャラの専用武器の★3版またはイベント限定装備として存在するのみである。
本社所在地は東京シャード。元々はアクトレススーツも作っている服飾企業で、ギア開発に乗り出したのはつい最近。デザイン重視のカスタマイズ困難なギアが特徴(成子坂の整備チーム涙目)で、その性質上イベント産ギアのメーカーは此処であることが大半。何処ぞのゲームに出てきてもおかしくない超弩級の変態企業である。後述するADAからの天下り先として有名で、ADAの先進技術が漏れているとの事。
恐らくモデルはコトブキヤ。因みにSOLラプターコラボでSOLラプター専用ギアのメーカーとして、作中にコトブキヤの名前が出てくる。
また、アニメ版に登場し、ギア開発部の部長である辺見江里子がアニメオリジナル人物として登場するが、何やらきな臭い行いをしているようで……
主力商品:カラシ252
ものすごく既視感のあるデザインのビームライフル。メーカーオプションが豊富なので、カスタマイズの費用が抑えられるのが特徴。実弾ライフルに換装可能らしい。
本社所在地は東京シャード。詳細は該当項目に譲るが、かつては他社製品のカスタマイズのみならず、独自のギアの開発と運用も行っていた模様。
アメリカ系メーカー
- アーリー・ファイヤーアームズ
本社所在地はコネチカットシャード。元海兵隊将校によってカスタムガンショップとして創業。アメリカのフロンティアスピリットを体現した、マッチョな造形と堅牢な作り、そして圧倒的ストッピングパワーが特徴。その高い制圧能力と信頼性はアウトランドの法執行機関に好まれている。
モデルはアメリカを代表する銃器メーカーであるコルト・ファイヤーアームズ。
主力製品:ライトニング
リボルバー型デュアルでアーリーの人気商品。リボルバータイプのショットギアは構造が複雑になる為高価だが、それでも飛ぶように売れている。
英国系メーカー
- センテンス・インダストリー
本社所在地はイングランドシャード。元々別の工業製品を作っていた他の大手とは違い、純粋な対ヴァイス用装備開発企業として、とある英国貴族によって創業された。「女王陛下の剣」である事を標榜している為、騎士の装備を思わせる実用性と優美さを兼ねたデザインが特徴。創業からたった4年でアウトランドでもトップクラスのメーカーに躍り出たという謎めいた企業。このような設立経緯であるが、国営ではなく民間企業。
モデルは不明だが、王立小火器工廠と思われる。
主力製品:ガントレット
大型の盾とセットになった、優美な曲線を描くブレードが特徴の片手剣。プロトタイプでは盾に展開機構があり、防御面を広げることが可能だったが、製品化にあたってオミットされた。それでも片手剣としてはかなりの高性能で、ゲーム上でも汎用片手剣の最上位機種と言われている程。
ドイツ系メーカー
- ベルクラントAG
本社所在地はカッセルシャード。元々は車両メーカーだったが、その高名を聞いたドイツ政府からバスや電車などの公共車両や、アリスギア含む軍需品の製造まで任されるようになり、ギアメーカーとして大成した経緯を持つ。ドイツ系らしく飾り気のない質実剛健な作りで、信頼性が非常に高い。戦車の様な無骨なミリタリーテイスト故にミリオタアクトレスに好まれている。
主力製品:ツェッペリンA2
元々は土木作業用のギアだったツェッペリンを、完全に戦闘用に改良した戦鎚。威力は申し分ないが、如何せん重量が相当なもので、振り回すのは一苦労とのこと。
フランス系メーカー
- プロムナード・アビアシオン
本社所在地はイル=ド=フランスシャード。フランスの食品・レストラン系のグループ会社「グループ・インダストリアル・プロムナード」の子会社で、現在は独立状態。元々はカトラリーを制作していたが、フランス系ギアメーカーを吸収合併した事により、ギアメーカーとして躍進した。高級カトラリーを思わせる優美かつ繊細なデザインが特徴。
モデルはフランス発の世界最大のタイヤメーカーであるミシュラン。実際、プロムナードもミシュラン同様レストランガイドを発行している。
主力製品:コードロン
軽量さと刺突能力の高さがウリのランス。少しクセがあるものの、全体的に高性能である為、ランス使いには人気のモデル。
AEGiS直属
- AEGiS兵器開発局
本社所在地は東京シャード。通称ADA(エイダ)。AEGiS東京の兵器研究部門。設計図のみ作成し、製品の製造はヤシマなどの外部に委託している。アリスギアに関する先端技術開発と試験を行っており、その為、製造しているギアには新技術を用いた物が多い。
資格を取得したてのアクトレスに貸与されるギアは全て此処の製品。貸与は無償であるが、資格失効に際して即座に返却せねばならず、改造とチューニングは厳禁である。
主力製品:TYPE-G12
AEGiSの教導部隊に卸されているドレスギアの一般販売版。トップスにはピジョン、ボトムスには回復機能を搭載している。ゲーム上では迷ったらコレと言われるほど優秀な汎用ギア。
関連項目
パワードスーツ 戦闘機 アリス・ギア・アイギス ヴァイス(アリス・ギア・アイギス)
インフィニット・ストラトス(兵器):適合者が女性のパワードスーツ、特殊な防御フィールドを展開している、詳細不明のコアユニットを動力源としているなど、共通点が多い。
注意:この先の考察には、アリス・ギア・アイギスの根幹に関わる極めて重要なネタバレが含まれます。
そもそも、アリスギアの原料はゲーム中でヴァイスを撃破するとドロップする「シェル」=ヴァイスの破片や部品であり、要はヴァイスが原料である。そして、現在ヴァイスはアリスギアでしか対処できない。今でこそヴァイスは単なる害虫かなにか程度の扱い、下手すれば資源としてシャード間での領有権争いまで発生するような存在である(ヴァイスコロニー発見時は特にこれが顕著になる)。しかし、元々人類が地球を滅ぼされ、シャードという方舟で宇宙に逃げてきたのはヴァイスによる侵略が原因であり、比良坂夜露や吾妻楓、鳳加純が唱えるようにヴァイスは未だに地球産の全生物の敵である。
では、最初のアリスギアは、どうやって作られたのだろうか?
アリスギアが完成するまで、人類はどうやってヴァイスと戦って、生き延びてきたのか?
そして、エミッション適性とは、いつどのようにして発現した能力だったのだろうか?
アリスギアがヴァイスでできているなら、例えば三式機龍よろしく突然ヴァイスとしての性質を取り戻し、シャードに牙を剥くことはないのだろうか?
そもそも、ヴァイスは機械であるわけだが、ヴァイスはどこから来て、誰が何のために産み出したのか?
…これらは、今なお全く明らかにされていない。
ヴァイスがなぜ地球を侵略してきたのかですら判明していないのである。
もっと言えば、ヴァイスコロニーの領有権争いや、SINというカルト組織の存在などを見る限り、今のシャードの資源は、全てヴァイスを狩ることで供給されている可能性もある。もしそうであれば、ヴァイスを仮に絶滅させることに成功した場合、今度は自分たちの方舟も滅亡してしまうことになる(とはいっても、ヴァイス侵略以前にも重力制御やテレポートなどの超技術を持ってはいるため、シャード自体はヴァイスとは関係ない技術で動いているのかもしれないが。だとしても、製造から3世紀も経った今、補修や改装、動力源などで追加の資材が必要になる場面は一度や二度ではなかっただろう。さらにアリスギア世界の世論として、今後地球への帰還やどこかの天体への移住を望む者がほぼいない以上、この状況はヴァイスが絶滅するまで半永久的に続く可能性が高い)。
ヴァイスに勝っても滅ぶ、敗けても滅ぶ。よくよく考えてみると、今のアリス・ギア・アイギスの戦況は絶望的だったりする。この世界に未来はあるのか…?
考察を踏まえた関連タグ
GetRide!アムドライバー:ヴァイスのポジションに当たるバグシーン、アリスギアのポジションに当たるアムドライバーの関係性が類似する。もっとも、こちらにおける最初のアムドライバーが現れたのはバグシーンが出現してから。バグシーンの出現は世界が紛争で混乱していた際に出現、ある意味でも地球上の脅威と認識されていく。最終的にバグシーンとアムドライバーの関係はこちらであることが判明する。仮にアリスギアとヴァイスの関係性が同じだとしたら……。
三式機龍:非常に性質が近い存在。中枢部に初代ゴジラの遺骨を組み込んだことでサイボーグ化していたが、初代の意識が復活して制御不能に陥ってしまう。人間と初代ゴジラの因縁をいかに乗り越えるのかがポイントになった。
特空機4号ウルトロイドゼロ:近年の好例。いくら人間の手で組み立てたとはいえ既知の技術力では絶対に制御不能なはずの兵器を無理やり組み込んだ特撮史に残るトンデモ兵器。これが人間の手元にあるうちはまだよかったが、これを狙っている存在がすぐ近くにいたことに気づいていた者はほとんどいなかった。
ネオメガス:最新の好例。怪獣を人の手で合成して制御すれば、兵器にできるのではないか…という発想から生まれたわけだが、結局コントローラーを兼ねた怪獣としての本質の制御装置を破壊され大暴走。なんとか撃破されたはいいものの…
ミラボレアス:モンスターハンターシリーズの常任ラスボスに数えられる怪獣。モンスターハンターシリーズと言えば、アリスギア同様倒した怪獣の素材を剥ぎ取って装備に加工できることで有名だが、劇中ではミラボレアスの素材から作った装備は呪われているという噂があり、装備した者はミラボレアスの幻聴を聴きながら変死するという気味の悪い言い伝えがある。
注意:この先、アリス・ギア・アイギスの根本的なネタバレが含まれます
そして、ついに恐れていたことが起きてしまった…。
物語開始より7年前、専用アリスギアの暴走によって行方不明になっていた九品田凪が、6部6章にてヴァイスの大軍を前に突如乱入するも、それは大勢のアクトレスが見守る中、大型ヴァイスのキュクロプス級そっくりの姿に変貌、ヴァイス化してしまった。
見守るアクトレスたちの中には、かつて凪を慕い、凪失踪以降闇堕ちしていた琴村朱音とその妹琴村天音、そして凪の同期であり、親友だった宇佐元杏奈らも含まれており、発狂した天音と激怒した杏奈はこの凪だったもの=コードネーム『ヴェルサス』めがけて特攻。しかしヴェルサスは戦闘の途中で逃走してしまい、以降は消息不明である。
この件よりも前から、凪は失踪の少し前から徐々に性格が変化し、最後の何通かの手紙は何が書いてあるのか解読不能な怪文書と化していたり、また凪以外でも比良坂夜露と吾妻楓のゲーム開始直後の最序盤の謎のやり取り、アキ作戦終盤のヴァイスコロニー制圧時に見せた、夜露の目が赤く光る現象(これはFigmaのアナザー夜露にも収録されている)およびほぼ同時期に同様の発光を見せた村尾未羅の目、音が伝わらないはずの宇宙空間で聞こえるヴァイスの咆哮(裏設定によると、これはアクトレスたちの脳内に響くヴァイスの「鳴き声」)、籠目深沙希の未知の能力(任意に自身の存在を認識させなくできる)など、不穏な伏線はこれまでもあちらこちらに散らばっていた。さらにアリスはこのヴェルサスのことを予言していたらしいことが語られており、過去にも似たような末路を辿った者がいる可能性が示されている。
やはり、アリスギアは加工されたとしてもヴァイスとしての性質は消えていなかったのである。それどころか、エミッション能力によって共鳴したアクトレスが、ヴァイスとしての性質を復活させたアリスギアに心身を乗っ取られるという、これまでプレイヤーたちの机上の空論でしかなかった恐怖の現象が起こり得ることがこの事件で確定した。
ただし、凪が用いていたギアが極めて特殊な代物(おそらくヴァイスを信仰するカルト組織SINから提供された技術を用いている。内容は恐らく、アリスギアを仲介とした人間とヴァイスの融合)で、異常なまでに念入りな隠蔽が行われていた事は留意すべきであろう。正規ギアにはない何らかの改造がなされ、意図的にヴァイスとしての機能を復活させていた可能性がある。
とはいえ、これによりヴァイスとしての機能が失われることがないこと、意図的、非意図的問わず、今後もこのようなヴァイスとしての性質が突然復活する可能性が否定できなくなったこと、そしてアリスギアをヴァイスに戻す方法が判明してしまったことは極めて憂慮すべき事項である。非正規ギアとはいえ一度こうなってしまった以上、正規ギアで同じようなことが起こらない保証は、もはやどこにもない。専用ギアに実験中の機能やブラックボックスを使用しているアクトレスは一人や二人ではないのである。
さらに、エミッション・コアの開発がアウトランドの独占事業である以上、事実上アリスギア開発事業はアウトランドの独占事業である。アウトランドは極めて不透明性の高い組織であり、かつ全シャードを支配している。いわば「アウトランドによる独裁政権」のようなものである。そして、アウトランドは全ての鍵を握る正体不明の人工知能「アリス」を管理しているものと思われる。
このアリスやエミッション・コアの正体は不明であるが、これまでヴァイスの心臓部に相当する機構(燃料タンク、発電機、発動機等動力系、および防御シールドの展開システム関連)がシェルとして出てきたことがないことから、ヴァイスの最も重要な何かに関係があることは間違いないだろう(「アニマ」や「ゴールド」が何なのかは別として)。
順当に考えればかつてアリスギア第一号の試作、開発した組織が後のアウトランドであると考えられ、当然アリスギア完成以前の戦況や戦力について知っていてもおかしくない。であれば、アリスギア第一号の材料が何で、誰がいかにして手に入れたものだったかについても知っているはずであり、ヴァイスの真意や黒幕なども当時の記録から推測することも可能なはずである。もっと言えば、現在の戦況ならばヴァイスの目を盗んでシャードをどこか近隣の天体に近づけて資源の探索や補給を行うこともできたはず(実際アルフライラはムーンシャードの拡張で「フロギストン」という反応性の高いガスを含む天体を確保しており、これが燃料として輸出されている)であり、危険を承知でヴァイスをシャードのほぼ唯一の硬質資源にしなくてもよかったはずである。事実、任務宙域にはシャード由来とは考えられない小天体が多数存在する領域もあるため、シャードがどこかの恒星系、あるいは星雲の近くにいることは間違いない。
アウトランドがあえてそれをせず、ヴァイスがシャードの唯一の硬質資源になるような選択をしたことと、どこの天体への移住や立ち寄りも考えられない世論の形成、そして太陽系を遠く離れてなおいまだにヴァイスがしつこく追いかけてくること、アリスギアとヴァイスの関係も踏まえてこれらを無関係だと考えることは不可能に近い。
アリスはヴェルサスのことを予見していた。それはつまり、過去にも同じ運命を辿ったアクトレスがいたか、あるいはアウトランドがその気になれば、ヴァイスをチューニングして戦力にしたり、アリスギアを再度ヴァイスに改造することも可能だったということである。アリスギアを使わずにヴァイスを鹵獲する方法も、ヴァイスの内蔵AIを上書きしてアリスギアの制御ユニットの中心システムにする方法も知っているはずのアウトランドが、ゼロから手探りのはずのSINがたどり着いた、アリスギアの制御ユニットを再編集してヴァイスに戻す方法を知らないとは考えにくい。
アウトランドとアリスの真意が何であれ、ヴェルサスという「元アクトレスのヴァイス」が目撃されたことで、300年かけてアウトランドが築き上げたアリスギア安全神話は終わりを迎えた。そして、本当に人間かどうか怪しい現役アクトレスが他にもいるという事実が、ゲーム開始直後の夜露と楓の謎の対立や、エミッション適性という対ヴァイス特化の不自然な能力の存在も相まって、プレイヤーに不安を抱かせている。
そしてなにより、地球産の生物は、人類含めて全てが野生絶滅状態であり、惑星を最低一つ滅ぼして大量絶滅を起こしたヴァイスにとって、シャードを滅ぼすことは苦ではない。今はアリスギアがシャードを守護しているが、そのアリスギアが何かの拍子にヴァイスの制御下に置かれてしまう可能性が出てきてしまった以上、今やシャードの生命は風前の灯である。
そして、悲劇は繰り返される。
アニメ「アリスギアEX」のオリジナルキャラ、高幡のどか。前述の夜露にガチ恋する変態アクトレスとして暴れまわった彼女だが、なんとアニメ終盤になって辺見江里子に洗脳され愛しの夜露と殺し合うことに。
とうとう、SINが絡んだ旧型アリスギアだけでなく、現役の新米が使う最新型アリスギアですら、ヴァイス化することが確定してしまった。のみならずそのヴァイス化を、人為的に制御できることが証明されてしまったのである。
そして東雲チヱと高幡のどか、二人の存在により、「エミッション適性」そのものが外付けの能力である可能性すら出てきた(もっと言えば、5部の終わりから6部6章までの段階で、夜露や未羅のエミッションも外付けの可能性が示唆されていたが)。
チヱは、エミッション適性を強化する薬物により人外と化した。そしてのどかは最終回、夜露との戦いでエミッション適性を突然喪失してしまったのである(ゲーム版では洗脳されていないため、夜露と戦っておらずエミッションは健在…だったのだがよりによってアニメ版と交差してエミッションが一回なくなって、その後なぜか復活した状態で辺見ともども乱入)。これはつまり、エミッション適性という、その人の体質に関わるものを後天的に突然発現させたり、突然消したりすることができるということであり、例えるなら任意の他人を一瞬でアルビノにしたり、小人症の人をあっという間に長身にできるようなものである。
エミッション適性のこの性質がいかに不自然なものかがお分かりいただけたところで、改めてこれまでの不自然な特徴を持つアクトレスたちのことを思い返してみよう。
思えば、アクトレスたちの瞳孔は、普通の人ならば光を透過するためほぼ黒なのに対して、エミッション適性の影響で常に光っているという異様な共通点がある(吾妻姉妹など、明らかに光彩と違う色に光っていることも多い)。夜露や未羅の発光する目と、その時に見せる人格の変容、これは発光の色こそ違うものの、アニメののどかにも確認された。ヴェルサスのことも考慮すると、これらがエミッションと無関係とは到底考えられない。そして一部アクトレスにのみこのような「目が光る」という性質が見られることは、そのアクトレスがエミッションやヴァイスに関して、他のエミッション適性持ちにはまだない特殊な何かがあることを、のどかの事件は示している。
そして、よくよくゲーム本編を見返して見ると、実は人工的にエミッションをゼロから発現させる何かが存在することが、既に意外な形で示唆されていた。
エミッション発現直後と思われる、御蔵座梓希の存在である。
梓希は、曾祖母ですらまだ70前という若さであり、しかも存命である。そして祖母以来2代続けて異常な若年出産をしていたことが窺えるものの、それ以上に何代もかけてエミッション発現の特訓を繰り返していたことが語られている。結果、梓希は発現直後のはずなのに、AEGiSの大物である山野薫子が直々に成子坂に推薦するほど、超強力なエミッション適性を持つに至った。
この「特訓」というのが、もしかすると人為的にエミッション適性を操作するものだったかもしれないのである(のどかがしていたようなものに近いものだった可能性もあるが、のどかは発現してもあまり強くなかった。梓希のエミッション適性は同じ発現直後であるのどかと比較してかなり強力である)。
前述の通りエミッション適性は、10代頭から発現し始めるが、いつ頃から発現し始めるかは個人差が激しい。梓希の場合、本来ならば相当発現が早い上に発現直後であり、また発現していきなり最高潮という訳にはいかないことが他のアクトレスたちの様子から窺えることから、もし梓希も同様ならば、夜露や楓と同じくらいの年齢になれば、それこそ史上最強クラスのアクトレスに成長する可能性すらある。が、発現直後にしてはあまりに強力であることや、梓希がアクトレスとしてあまりに幼すぎること、そして、梓希が「座敷童子」とか「子どもの幽霊」と噂されるほど存在感が薄い状態で登録前から成子坂に出入りしていたこと(これがもっと成長すれば籠目深沙希の能力に似てくるかもしれない。その籠目深沙希についても、梓希同様人為的にエミッション適性を調整された過去がある可能性が示唆されている)から、梓希が単なるアクトレス免許の対象年齢引き下げテスターではないことがわかる。
梓希がやっていたことはおそらく、単なる特訓ではない。それはエミッション適性を人工的に操作し、機械的に引き出すものの可能性がある。生物学的に考えて、そんなに急速に体質を変化させるのは無理がある。が、よりによって東雲チヱ(減衰する適性を後天的に強化)と高幡のどか(戦いの中で突然喪失)という、無理を通した実例が既に二件あり、また籠目深沙希が三例目の有力候補として描写されていることから、このことからエミッション適性自体が、機械的に操れるものであることが示されている。梓希もそうして発現したと仮定すれば、全てに説明がつく。
そして、ゲーム本編もいよいよ佳境に差し掛かる。ヴァイスとの決着の時が近づいている。
アリスギアはヴァイスでできており、かつアリスギアをヴァイスに戻したり、それを使って運用中のアクトレスを洗脳することも可能であることが、ヴェルサス事件とのどかの事件ではっきりしてしまった。ヴァイスとの戦いをやめれば人類は滅亡する。しかしヴァイスを絶滅させたらシャードは崩壊する。
エミッション適性とは結局、何なのだろうか?アリスギアをヴァイス化できるのは、本当に人間だけなのだろうか?そしてヴァイス化したアリスギアに取り込まれたアクトレスは、どうなってしまうのだろうか?
数多くの不穏な謎を抱えたまま、アクトレスたちの最後の戦いが始まる。そもそも、なぜエミッション適性の発現者のことをアクトレス(=女優)と呼称するのかもはっきりしないのだが、彼女たちが演じるのは、戦いの終わりか、それとも滅びか。
ヴァイスの目的とアリスギアの正体
そして、ついに運命の時が訪れる。
最終決戦。再びヴェルサスが出現し、夜露と未羅の目が赤く不吉な色に光る中、なんと今度は御茶ノ水美里江の目が青く不気味に光り始めた。それにあわせて、洗脳された凪によって、新たな未知の人工知能「ジャバウォック」なるものの存在が語られた。
ジャバウォック…おそらくこれは、ヴァイスの親玉のことなのだろうが、現在の描写から、それはアリスと対になるように生み出された、あるいはどちらかがどちらかから生み出されたものと推測されている(同一の存在のことを言っている可能性も捨てきれないが)。つまり、アリスとジャバウォックを生み出したのは、同一の存在だったということである。
やはり、アリスとヴァイスは、確実にどこか人間が気づけない所で繋がっていたのである。だから、アリスはかつて、アリスギア第一号を作れたのである。
そして、エミッションを使ってヴェルサスと接続した夜露は、ついに「凪」を通じて、ヴァイスの目的の一端を知ることとなった。
それはもはや、おぞましいを通り越した最悪卑劣にして、善悪の概念をも通り越した恐怖としか言いようのないものだった。
「凪」と考えられる存在が夜露に語った内容をまとめると、次の通りである。
・凪はヴァイスに完全に「融合」したことで「全てから開放され幸せを感じている」
・凪は、全ヴァイスを代表して、全人類および全ムーンシャードと「ひとつになる」ために、杏奈たちに「会いにきた」
・ヴァイスは全ての存在と1つに融合し、有機無機も生死すらも超越した存在に変化しようとしている
・そのため、これまでの侵略や攻撃その他ありとあらゆるヴァイスの行為は全てヴァイスなりの「正義」である
・アリスギアはそのためには不完全な器であり、そんなものを戦力として与えてヴァイスによる「救済」を滞らせている「アリス」は「うそつき」である
もうお気づきの方がいるかもしれない。別作品だが、ヴァイスの主張とほぼ全く同じことを言ってきた侵略者がいる。
グランスフィアとマザースフィアザウルスである。
つまるところ、ヴァイスの本当の目的と行動理念とはロボット怪獣版宇宙球体スフィアとしか言いようのないものであり、「「個」という存在の無条件の全否定による「苦痛」からの解放」という、倫理もへったくれも全くない、ただ自分たちを正当化するためだけの一方的かつ独善的な屁理屈のような主張を身勝手極まりないことに無理やり他者に押し付け、あの物量と過剰な戦闘力に物を言わせ力ずくで他者を飲み込み同化するために侵略を繰り返してきた、ということであろう。
…その全ては、ヴァイスが宇宙で唯一の、究極にして永遠の単一存在になるために。
ここで残る問題は、以下の通りである。
・アリスとジャバウォックを生み出したのは何者だったのか?
・アリスはいつから人間の近くに存在していたのか?
・現在アリスとジャバウォックはどこに潜んでいるのか?
・アクトレスは何をきっかけにヴァイス化し始めるのか?
・アクトレスの目の発光の色の違いは何を意味するのか?
しかし、今の段階で解っていることがある。
まず、夜露、未羅、のどか、美里江の目の発光は、エミッションシステムがある閾値に達し、その人間がヴァイス化を始めている兆候と考えてまず間違いない。アリスギアがヴァイスの力を封印されているのか、あるいは隠しているのかは定かではないが、「目が光る=超高次元でアリス(もしくはジャバウォック)と接続する=精神が乗っ取られ人間からヴァイスに変化し始める」という構図が炙り出された以上、もはやアリスギアもエミッションという能力も安全な存在ではない。
さらにこの戦いの中、目は光っていないものの「アリスの存在を感じた」などと主張するアクトレスが他にも数多く確認されており(その中には楓の姿もある)、彼女たちもまた、ヴァイス化の兆候が現れ始めているのかもしれない。
そして最も大事な、アリスの目的だが、やはりそれは人類を孤立させ、自分たちの都合の良いように進化させ、それができなければ淘汰することを目的としているものと考えていいだろう。そしてそれは、最終的に地球とそこに起源を有する全ての生命体をヴァイスと融合させる、というジャバウォックの目的にも、過程こそ違うかもしれないが一致する可能性が高い。
それがいかなる意図であれ、アリスもジャバウォックも人類とは絶対に相容れない存在であることは間違いなく、またどちらに転んだとしても、人類がまともな姿で生き残ることは、もう叶わないだろう。
結局、今の段階ではっきり言えることは、太陽系を遠く離れた今、このままではアリスとジャバウォックにヴァイスという餌を与えられ飼われているような状態に等しく、またそれらはいずれ来るヴァイスによる全宇宙の融合のための準備の一環でしかなく、たとえ真実を知ってアリスとジャバウォックに反逆できても、そのためにはアリスとジャバウォックの尖兵たるヴァイスを絶滅させる必要があり、よっぽどの何か誰にも想像のつかない出来事でも起こらない限り、どのみち人類の滅亡までのカウントが短くなるだけである。
シャードという宇宙方舟で太陽系を脱出しなければいけなくなった段階で人類は詰んでいたのだろうか?
もはや地球を追われた生物たちの運命は、最後の大量絶滅しか残されていないのだろうか?
物語は今、最悪の方向に向かって急速に進みつつある。
以上の考察を踏まえた関連項目
宇宙球体スフィア、宇宙浮遊物体スフィア:ついに明かされたヴァイスの目的は、スフィアのそれとほぼ全く同じものである。つまりアリスギアとは、そんな存在の残骸を利用した兵器だったということである。それなんていうハイパーゼットン…?
ミザールの使者:ありとあらゆる意味でイレギュラーな戦力として時空管理局によって投入されたが、蓋を開けてみるとそれは自らオブリに命を差し出し変身の度にオブリ化する非人道兵器だった。そしてこれを自在に操れる特異妖魔まで出てきてしまい、追い詰められたフィフス・フォースはついに、並行世界を一つ滅ぼしてしまうことになる。
META(アズールレーン):未知の力によって特異な変異を遂げたKAN-SEN。驚異的な力を誇るが、その力は心身を蝕み、やがては自我を喪失し無差別殺戮兵器と化してしまう。
プトティラコンボ:仮面ライダーオーズの狂気のコンボ。本来使われる側のメダルが逆に変身者を乗っ取り変身する。しかも放っておくと変身者は徐々に怪物になってしまう。
律者:中国の崩壊シリーズにおける全生命共通の敵「崩壊」を操る諸悪の根源にして黒幕。その正体は人間の中に憑依する結晶様生命体であると同時に物理法則を自在に操る高次元の生命体であり、人間の肉体を依り代にして顕現する。その対象に(未覚醒のまま退場した者も含めると)プレイアブルキャラクターのほとんどが含まれており、2作連続主人公のキアナ・カスラナに至っては最終的に3種類もの律者へと覚醒してしまった。
アーマードダークネス:エンペラ星人の専用装備として作られたという呪われた鎧武者(の鎧だけ)。数多の装着者を呪い殺しては吸収してきており、封印しようとして内部に入ったウルトラマンですら自力で脱出できなくなる。しかも中にウルトラマンが入っていても制御不能であり、エンペラ星人本人以外で過去にアーマードダークネスを制御できたのはいずれも死んで怨霊と化したレイブラッド星人とウルトラマンベリアルだけである。
ザルク:アルジェントソーマでの防衛組織フューネラルの対エイリアン用の機動兵器。ザルクとはドイツ語で「棺桶」のこと。本機は表向きは「エイリアン由来のエイリアンモーターを転用した兵器」とされていたが、実際は電子機器や装甲を組み付けたエイリアンの死体そのもので先のドイツ語の意味はこれを捩ったものであった。アリスギアとは「敵性体を改造してリミッタで抑えることで兵器化している」点で類似。なおアリスギアと同様に改造はされていてもエイリアンとしての本質は失っておらず、リミッタを緩めるなどキッカケさえあれば元の形態に逆戻りする。