もしかして→時空管理局
注意:この記事は、未確定情報を含むゲーム「スクールガールストライカーズ」の根本的なネタバレが含まれます。閲覧は自己責任でお願いします。
概要
時空管理局とは、ゲーム「スクールガールストライカーズ」における、全ての物事に関係してくる組織である。
あらゆる並行世界への直接的、もしくは間接的な干渉が可能で、劇中ではエテルノ計画の発案、実行組織であることが語られており、エテルノの設立および管理は、全て時空管理局の管轄となる。
その正体や目的は、サービス開始以来の謎である。断片的な情報は、メインストーリーや各種イベントストーリーなどで時折確認できるが、サービス開始から10年以上経つ2024年夏現在もその全体像ははっきりしておらず、実態や全容は謎に包まれている。
管理体制
時空管理局の組織構成は、ほとんど何もわかっていない。いくつか断片的な情報はあるものの、全容の解明には程遠いのが現状である。
統帥者
現状はっきりしている数少ない官職持ちの人物は、並行世界の桃川紗々で、役職は「局長」である。(Ep.3参照、Ep.Alcoaでもこの設定が継続されている)
しかし、紗々は局長でありながら、自ら「お飾り」であることを明かしており、彼女には実権はないと思われる。
では、実際に実権を握っているのは誰なのか。これには現在、次のような説があるが、いずれも決定打を欠いている。
1.入洲グループ重役、もしくはその並行同位体
初期の頃に言われていた説。入洲グループはフィフス・フォースのストライカーたちと、かなり早い段階から関係があり(Ep.1参照)、同時に本作の根本的な黒幕とも考えられていた。そのため、Ep.3で紗々がお飾りの局長であることが発覚すると、入洲が紗々を局長にして、摂関政治のような形で実権を握っている可能性が指摘されていた。
しかし、この時には既に緋ノ宮グループなど、他のグループとの関係が浮上しており、さらに「条理」に関連する連中が動いているなど、母体かどうかにかかわらず、現状の実権が入洲グループにあると考えるのが難しくなってきており、現時点では可能性は高くないと思われる。
2.モルガナ
現在も一定の支持を得ている説。根拠となるのは、Ep.1の終わりごろに現れた、正体不明の「天の声」が、宇宙丸ごと包み込むほど超巨大なモルガナの影として表現されたことにある。
しかし、時空管理局が「モルガナ」と規定する存在が、その時空管理局を支配しているという矛盾する構造になることや、全てのモルガナが同じ思想で行動しているわけではないことなどが判明しているため、可能性はそこまで高くない。また、そもそも何を「モルガナ」と規定するかによっても、だいぶ状況が変わってくる。
3.ミネルヴァ
これも一定の支持を得ている説。Ep.Chiral完結後、それまでのフィフス・フォースの選定基準をご都合主義で改変してまで湊小春と隼坂翠の加入を強行したミネルヴァは、時空管理局においてかなり強い権限を持つと考えられており、それ故に時空管理局の真の支配者ではないかと考えられた。
しかし、Ep.Chiral I/Oで、ミネルヴァの正体が水鳴かなという人物が変異したものと判明し、根拠に弱くなった。いくら元の世界で神様扱いされていたといえど、結局はモルガナに近しい存在のため、現時点での可能性はあまり高くない。
4.未知の超常的存在
現時点で最も有力とみられる説。Ep.3の正体不明の存在「無意識の集合体」や、Ep.Chiralに現れた「エーテルの源流」と名乗る正体不明の存在、Ep.V+で確認された「統合意識」なる高次元の「存在」、これらが前述のEp.1に現れた「天の声」に酷似していることから、実はこれらは全て同一の、実数次元的実体のない超高次元の存在であり、そしてこれこそが時空管理局の本当の統帥者ではないか、という説が浮上している(実際これら全て「6次元に存在する」とされている)。前述のモルガナ説やミネルヴァ説の問題点を補う説でもあり、またミネルヴァがEp.Chiral I/Oの最後に放った、意図不明の不気味なセリフの真相を解明可能とも目される説でもある。この説でロストの存在についても説明できる可能性もある。
しかし、現時点ではこれらの存在に関する情報はあまりにも少なく、全てが憶測の域を出ないのが実状である。現状最も可能性が高いと考えられるものの、今なお消去法的な側面が多く残っており、結論を出せるほどの根拠は揃っていない。
末端組織
時空管理局の末端組織についても、フィフス・フォースとその基地「エテルノ」以外には情報が少ない。時空管理局の総本部がどこかの並行世界に存在し、そこで総合的な取りまとめが行われていることは判っているが、エテルノの総数などについては開示されていない(軍事組織だからなのかもしれないが)。
エテルノは、どこかの並行世界の五稜館学園の敷地を、閉鎖時空内で基地化したものである。閉鎖時空にあるため、この中では時間が無限ループしており、肉体は年を取らないまま、それ以外の事象だけ進行する。
そのため、ここに何年滞在しようと、年齢は「全く変わらない」ということになる。
また、任意の時代に帰還することもできるため、エテルノ内での時間がどれだけあろうと、元の世界では1秒未満とすることもできる。
ここを拠点とするフィフス・フォースは、時空管理局の実働部隊である。そのフィフス・フォースの実質的な指揮官が時空管理官であり、現在、小田切ゆか子=ティエラとセレーネの2名の存在が確認されている。
しかし、他のエテルノ、もしくはそれに相当する組織についてはほぼ一切触れられておらず、「ティエラ以外の時空管理官が指揮するエテルノが存在する」ということまでしかわかっていない。
このエテルノと総本部を繋いでいるのがモシュネで、親機に当たる「マザーモシュネ」と情報をやり取りする形で、時空管理局とエテルノを繋いでいると考えられている。
しかし、その詳細はほとんど明かされていない。
母体組織
時空管理局そのものの正体を考える上で、時空管理局が元々、どこの世界で誕生し、元はどういう組織だったのか?という問題がある。これも現状謎に包まれており、しかも年々謎が増えている。
現状、時空管理局の母体になったと考えられている組織について、次のような説がある。
1.クアルタ、もしくはそれに関連する企業
いずれも入洲グループ関連の組織で、その中で軍事組織を形成しやすいものが有力視される。注目されているのが、Ep.1とEp.Alcoaの黒幕であるクアルタと、同じく両方で兵器開発を行っていたペンタヴァーンであり、クアルタは入洲グループ、ペンタヴァーンも関係が示唆されている。
しかし現在、クアルタはモルガナ側の組織としての出番しかなく、ペンタヴァーンも兵器開発以上の活動は確認されていない。そのため、全次元規模の活動をする上で、どうしても限界がある可能性は否めない。
2.if部隊
Ep.3時点での最有力説である。これは後述するフィフス・フォース選定基準にも深く関わってくるが、神装世界を滅ぼしたエンドは元々if世界出身であり、エンドを追っていた娘の雨森このえが遺した資料を元に、if部隊が他並行世界への干渉を決意。そして立ち上がった組織が、後に時空管理局と名乗るようになった、という説である。
この説では、前述の桃川局長はif世界の桃川紗々であり、総本部はif世界にあることになる。
3.安全局
Ep.Chiral I/O時点での最有力説である。前述のとおりミネルヴァは、Ep.3で明かされたフィフス・フォースの選定基準をガン無視して湊小春・隼坂翠の両名をフィフス・フォースに加入させており、しかも時空管理局はそれを認めていることが語られている。こうした背景から、時空管理局の正体が、過去に干渉可能なシステム「I/O」を管理する組織、すなわち安全局から発展した組織であると考えることができる。
この説だと、総本部はキラルI/O世界にあることになり、図らずも年号だけならば、以前アコが推測した通り未来にあることになる。ただし記年法がフィフス・フォースの現今世界と同じかは不明。
4.複数組織の融合
あまり可能性は高くないが、現時点で複数の「時空管理局候補組織」が存在することへの仮説である。途中までバラバラに存在していた時空に干渉可能な組織同志が次元を越えて手を組み、結果として誕生したのが時空管理局である、と考えられなくもない。
この場合、総本部はそれぞれの世界のいずれか、もしくは未確認の並行世界に存在すると考えられる。
5.全く無関係の未確認組織
いまだその存在が認知されていない、未知の並行世界に起源が存在する可能性も否定できない。しかし、現時点で判明している限りでは、その可能性は低いとみられる。
しかし、いずれの説も、現時点での決定打を欠いているのが現状である。
超技術の数々
時空管理局は、文字通り高次元から時空に干渉することができる。それどころかフィフス粒子を操ることで、神にも匹敵する力を自由に行使できる技術を有している。そのほとんどは詳細不明であり、現在の科学による原理の解明はほぼ不可能である。
フィフス粒子とは?
時空管理局や、それに近しい技術を手に入れた存在が使う正体不明の素粒子。素粒子でありながら固体、液体、気体、プラズマの四態に状態変化し、しかもこちらの望む形に自由自在に変化させ操ることができる。既知のいかなる物理法則をもガン無視した存在であり、高次元の素粒子であると考えられている。
フィフス粒子の結晶をステラプリズム、このステラプリズムを製錬しフィフス粒子の濃度を限界を超えて上げたものを導意体(コンダクター)、さらにフィフス粒子の液体を導意流体(コンダクターリキッド)と呼称しており、2024年現在の時空管理局はこれらを任意に自由自在に使うことができる。
Ep.Chiralなどで出てきた「魔素(エーテル)」は、フィフス粒子と同一の存在と考えられている。
並行世界同士の統合と生成
時空管理局が人智を越えた存在であると示す最も強力な技術。時空管理局は対象者の現今世界の変更をすることが可能で、これにより複数の世界をごちゃまぜにしてしまうことができる。
複数の世界に干渉できる時空管理局ならではの技術であるが、具体的なことは不明。桃川局長やミネルヴァのようなレベルの地位にいなければ行使できないと考えられており、誰でも好きに使える技ではないとみられる。
なおこれを応用して、過去改変をすることもできる。
運命操作
時空管理局は「転生」をも制御することで、その存在の運命を任意に変更することもできる。これはエンドや折江幹子も辿り着いていない領域で、時空管理局以外でこの段階に達したらしき描写があるのは、モルガナ化した雨森このえと、「時の分水嶺」で自らのキラルと融合して完全体となった水鳴かなのみである。
これについては断片的な情報しかなく、また雨森このえの技術は不完全だったことも判明しており、その上限は不明である。
この技術のすさまじいところは、たとえ対象者がオブリ化していても、人間に「転生」させられる、ということである。
ステラプリズム兵器
時空管理局が使用する兵器(メモカなど)は、いずれもフィフス粒子を使用したもののため、フィフス粒子の結晶体たるステラプリズムを兵器化したものとして扱われる。
あらゆる武器、装備、衣装、付属品などが、全てフィフス粒子を使って形成され、また素粒子のために、たとえ原型を留めないレベルで破損しても任意の段階(新品同様〜一定の破損状況まで様々)で再構築可能。
謎と暗部
時空管理局はそのほとんどが謎に包まれており、また数多くの暗部の存在が示唆されている。年々その数は増えており、時空管理局の真実を知る手がかりになる可能性が示唆されている。
・「条理」の正体
当該項目でも触れた、「モルガナは「条理」に触れた存在」という内容について、ではモルガナ化の条件となる「条理」とはなんのことなのか?という謎は、2024年現在もはっきりしていない。
劇中では「それを識ってしまうと戻れなくなる」として、複数の存在によってしばしば妨害が入っている。また、ティエラが「識ってはいけないもの」として妨害した中に、時空管理局の正体や起源に関するものが含まれており(Ep.3参照)、この「条理」が時空管理局の真実に深く関わってくることは間違いない。
さらにEp.1では、「識ってはいけないもの」として「天の声」が妨害を試みたものの中に「モルガナ化の条件」が含まれており、時空管理局とモルガナが無関係の存在ではないことが示唆されている。
こうした根本的な情報の数々は現在も時空管理局によって隠蔽され続けており、2024年現在もストライカーからその疑問そのものを忘れさせよう、たとえ無理でも詮索を諦めさせようと、あの手この手で妨害を続けていることがうかがえる描写がみられる。
何か時空管理局に都合の悪い事象や、時空管理局とモルガナの関係を示唆するような内容が含まれる可能性も高いが、真相は不明である。
・フィフス・フォースの選定基準
現在最大の謎の1つとしてサービス開始からずっと議論されている問題。
この問題は、ココナッツ・ベガ就任よりも前に突如謎の解散を遂げたキャラメル・スピカの問題にまで遡り、2018年に桃川局長と雨森このえによって、現ストライカーが神装世界でエンドに選ばれた「異装の女神」を生まれ変わらせた存在であると明かされたことで、一度決着はついていた。この時、スピカは「神装と無関係の存在だったために即解散させた」とも語られ、これは間接的に「もうこれ以上フィフス・フォースが増えることはない」という意味を含んでいた。
しかし2019年、ミネルヴァは上記の前提を無視して湊小春の加入を強行。これにより議論が再燃した。が、ミネルヴァがこれを強行できた理由も、湊小春と隼坂翠の加入が時空管理局に認められた理由も一切明かされないまま、2020年の隼坂翠の加入を最後に本件の続報は立ち消え、現在もこの問題は解決の目処が立っていないままほぼ放置されている。
ミネルヴァが始めて現れた2018年に、湊小春と隼坂翠のプレイアブル化を示唆するような発言があったものの、当時は前述の「フィフス・フォースの選定基準」と「キャラメル・スピカが消された理由」が語られた直後ということもあり、決定打を欠く。Ep.Chiral本編の終盤の展開や、Chiral I/O終盤の展開などから推測すると、やはり「エーテルの源流」を名乗っていた未知の超次元的高次存在が何か関わっているのだろうか?
現在、フィフス・フォースの本当の選定基準が何だったのか、今後フィフス・フォースに追加要員が現れる可能性があるのか否か、それは全く不明である。また、未知の高次存在との関連も、今のところはっきりしていない。
もしかすると、Ep.3もEp.Chiralも全てカバーストーリーで、実は明かされていない真の選定基準が別に存在している、という可能性も否定できない。
・時空管理局にとってオブリとは?
本作の根源的な問題にして、最大の謎の1つ。
長らく時空管理局はオブリについて「時空の歪みから生じ、速やかにかつ絶対に殲滅しなければならない存在」と見做しており、Ep.3終盤ではその発生原因として「コスモゲノム・ディフェクト」なる超次元の超常現象の存在が雨森このえによって語られた。
これだけ聞くと、「オブリは時空管理局の敵」とも断定できるが、近年状況が大きく変わってきている。
まず、時空管理局側の存在であるティエラは、エテルノでオブリを養殖している(サンドバッグオブリなど)。
しかもこれについて時空管理局から何らかの処分が下ったことはなく(あったとしても書類注意程度とみられ描写なし)、「訓練用」以外のフィフス・フォースへの説明もない。プチオブリについては何一つ説明もなく、ただのアクセサリー扱いである。
また、桃川紗々は以前からオブリとの意思疎通を行っていた(としか考えられない描写が数多くみられた)が、冥導の出現以来、他のストライカーも「オブリの言っていることが理解できる」と発言しており、それが事実であると示唆するに足る描写が激増している。
このような事象が発生している最大の理由として、Ep.Alcoaのラストでフィフス・フォースがオブリ化したからだと考えられている。この冥導という兵器、初登場時から「異常なほど精神汚染が激しい」などの問題点が指摘されていたが、時空管理局側はこれについて特に対策を講じることもなく(ティエラが独断でセーフティを掛けていた程度)、フィフス・フォースもただ「特訓すれば良い」という脳筋極まりない方法で、力尽くで制御しようとしていた(これに関しては、以前から蝕、初期の神装、幻装、星導など、精神汚染を副作用とする、もしくはオブリ化の前例があるような危険なメモカが複数存在していたために、総じて危険なメモカへの心理的ハードルと警戒心が低下していた可能性が高い)。
しかしEp.Alcoaの終盤、冥導の正体がオブリ化が前提の兵器と発覚。そして参照元の冥導世界がオブリ化したため、ついにフィフス・フォースは、冥導世界の破壊に踏み切ったのである。この時に冥導を使用しており、これをもって完全にオブリ化したと考えられている。
なお、オブリ化に関しては星導の頃には始まっていた疑惑もあり、明らかに言葉を濁してはいたものの、テミスがそれを示唆するような指摘をしたことがある(ノエル、栞、ほたる、依咲里など、自分たちの冥導が登場した時に何かに気づいている様子が見られたストライカーもいたが、その時にはまだ結論を出せていなかった)。
では、なぜ時空管理局は、オブリ化を前提とするような、危険この上ないメモカの実用化を急ぐことができたのだろうか?
この理由として、前述の「転生」の制御が関係してくる。
そもそも、「オブリ化した人間を時空管理局が人間として「転生」させた」という最初の事例は、前述の神装の事件の時である。この時の神装メモカはエンドによる工作が施され、使えば使うほどオブリ化するシステムになっていた。つまり、時空管理局は既に、雨森このえという仲介を挟んだとはいえ、オブリ化した人間を、それも30人以上まとめて、別の世界に人間として「転生」させた、ということである。
もっと言えば、この時の「悠水の意識」が「転生」したのが後にモルガナ化した沙島茜で、その茜の「意識」が現在の悠水に「転生」した、という説もある。これが事実なら、事実上、何回オブリ化しても人間に「転生」させ直すことが可能であるということになる。
これは言葉を変えると、「時空管理局にとってストライカーのオブリ化は、ある程度簡単に対処可能な事象である」とも言える。
時空管理局にとってオブリ化は、大してリスクたり得ないということなのだろうか。
また、変態オブリの種類の多さと、やたらとピンポイントな種類ばかりが現れる様子などから、時空管理局自体がオブリを生産している可能性も指摘されており(2020年1月のイベント等。この時にはエテルノの大聖堂に酷似した大型の変態オブリが出現した)、プチオブリやサンドバッグオブリの養殖などの件も含めて、時空管理局とオブリが純粋に敵対しているとは考えにくくなっている。
・「意識」に対する疑惑
時空管理局は初期から、「全並行世界に同じ人物の「意識」は1つしか存在しない」と説明してきた。そして「意識」の喪失とは、その存在の全並行世界からの完全な消滅をも意味し、単純な「死」よりも恐ろしい事象とされてきた。
しかし、近年これを疑問視できる事象が数多く確認されている。
例えばエテルノにいるストライカーは、フィフス粒子の肉体に「本人の意識」を移して活動している、と説明されているが、時空管理局の言う通り「意識」が全並行世界に1つずつしかないのだとすれば、「協力戦」やミネルヴァの「アンケート」などで出てきた、「他のエテルノ」の説明がつかなくなる。
これが本格的に明るみに出てきたのがEp.VおよびEp.V+で、複数並行世界の「リョウコ」が一同に会する現象や、エデン世界のリョウコと天音がロストの追撃で高次元に立ち入れた理由などが説明つかなくなる。
決定的になったのがEp.Alcoaの「アルコア計画」に関する事例である。冥導世界のフィフス・フォースである「ミザールの使者」は元々、オブリに身を捧げ生贄となり、オブリ化したシステムに乗っ取られ「意識」を喪失した存在、とされている。これは冥導世界のフィフス・フォースにも、元々は「意識」が存在したことが前提となる話であり、仮に本当に「意識」が1つしかないのだとすると、エテルノのフィフス・フォースと独立して存在していること自体が矛盾する(少なくとも冥導世界の依咲里と華賀利がアルコア計画の生贄になったのは、エテルノのフィフス・フォースが冥導世界に来た後だと考えられる描写がある)。
これに関しては、時空管理局はシュレディンガーの猫のような説明をして乗り切っているが、そもそもの「意識」についての詳細が、我々の思う魂のような概念であるらしいということ以外不明であり、時空管理局の説明の真偽があやふやになっている。
過去に遡っての干渉を行う、時空管理局ならではのタイムパラドックスが多発している可能性もあるが、本当に「意識」が1つずつしかないのかについて、確かな結論は出ていない。
・時空管理局にとってエテルノ計画の重要性は?
Ep.3までの説明では、まるで時空管理局にとってエテルノ計画が、そして「コスモゲノム・ディフェクト」の解消が極めて重大なもののように語られていた。しかし、その割にはエテルノの警備はお世辞にも厳重とは言い難く、モルガナにテミス、ミネルヴァにミザールの使者、その他ザコオブリからマッシブオブリまでありとあらゆるオブリや黒幕疑惑の強い存在などが、いとも容易くエテルノへの侵入を成功させている。
挙げ句にティエラは前述のオブリ養殖に加え、2017年の大晦日には「五次元香」なる危険ドラッグでフィフス・フォースの大半を無力化してしまっており(それに飽き足らず楓まで共犯にしていた)、現実なら一発で懲戒解雇ものの不祥事を多発させているなど、致命的なレベルで危機意識が欠如している様子が見受けられる(何度となく複数のストライカーからも苦言を呈されている様子も確認できる)。
しかし、仮に時空管理局がオブリと敵対していない場合、そもそもオブリを警戒すること自体がナンセンスと言える。その場合、今度はフィフス・フォースの存在意義が疑われることになるが。
この曖昧な事象は最初期から全く変わっておらず、むしろ時空管理局やオブリに関する情報が増えれば増えるほど、エテルノの時空管理局内での立ち位置は謎となっている。
また、この「エテルノ計画」がどこへ向かっているかもわかっていない。Ep.Vではテミスの襲来に対し、わざわざ他の並行世界に干渉してまで撃退に向かったが、Ep.V+のロストに対しては、その本質が全並行世界の存亡に関わる究極の脅威であるにもかかわらず、ティエラは放置と静観を決め込んでいる。
しかもEp.Vでは結局テミスにとどめを刺すことなく見逃している(それどころか勧誘までしていた)。
・冥導世界の正体
Ep.1の美山椿芽の世界から分岐したと考えられている冥導世界は、劇中描写を見る限り、エテルノからかなり近いところにあった並行世界である。にもかかわらずその存在はごく最近まで知られておらず、それどころか何者かのジャミングで意図的に存在が隠蔽されていた。
また、この世界はEp.1から分岐した世界にもかかわらず、本来存在するはずのない湊小春と隼坂翠の存在が示唆されており、椿芽の世界との矛盾が生じている。
この世界が隠されていた理由や、湊小春と隼坂翠が存在した理由は不明である。しかしもし、この世界が時空管理局によって創られた世界なのだとすれば、過去に遡っての説明は不可能ではない。
しかし、それを示す確かな証拠が得られないまま、「世界そのものがオブリ化した」ため、最終的に(同じくオブリ化した)フィフス・フォースの手で滅ぼされることになった。これが時空管理局による証拠隠滅に相当する可能性もあるが、現時点では憶測の域を出ていない。
・時空管理局の目的
本作最大の謎であり、今後最も重要になると思われる問題。
「エテルノ計画」の当初の目的が、「コスモゲノム・ディフェクトの解消」であるということは語られたものの、最終的に時空管理局が目的としているところは現在もほぼ全くわかっていない。フィフス・フォースにとっての「全ての黒幕」が何者かは今なお語られておらず、モルガナやテミス、ロストにエンド、各種オブリなどは、あくまでもそれぞれの事象の黒幕に過ぎない。
もっと言うと、現状、フィフス・フォースの本当の敵が何なのか、何と戦うために強力なメモカを大量に開発しているのか、それすらもわかっていないのである。
順当に考えれば、オブリが発生する根源を滅ぼせば、フィフス・フォースの勝利と言えるのかもしれない。しかし、そのフィフス・フォースがメモカの影響でオブリ化している以上、この前提は根底から崩れることになる。さらに前述の通り、時空管理局がオブリと真っ向から敵対していると考えにくい事象が数多く確認されているため、そもそもオブリを滅ぼせば勝利なのか、という点も怪しい。
そしてもし本当に、時空管理局とオブリが敵対していないのであれば、あれだけの強力かつ副作用の強いメモカを次々に開発する理由も不明である。なかでも冥導に関しては、明らかに時空管理局からの生産促進の圧力がティエラにかけられている様子が描写されており、時空管理局が何らかの目的で軍拡を行っていることは間違いない。
別の可能性として、時空管理局の真の目的が、「全ての次元、時空、並行世界の支配管理」という可能性もある。並行世界の新規創世や統合、「転生」の管理制御、その他高次元の時空そのものを好き勝手弄り回せる力を持つ時空管理局であれば、あらゆる条理を支配し、管理することも可能である。冥導の時に確認された、軍拡の圧力についても説明がつく。
しかし、それを示唆する描写は少なく、この説はいまだ憶測の域を出ていない。また、そもそも時空管理局総本部とエテルノが直接関わることがほとんどなく、エテルノから総本部の動向を知る機会はほとんど皆無に等しい。
・隠蔽体質
…以上の情報の数々は、フィフス・フォースに伝えられたことがほとんどない。時空管理局の真実に関する情報は前述の通りフィフス・フォースに対しては全て隠蔽されており、フィフス・フォースがどうやって選出されたのかすら、本人たちは何も知らない。何も知らないから、湊小春を歓迎できた、とも言える。
また、こうした情報を知る機会がフィフス・フォースよりも多い我々隊長猫に関しても、その情報をフィフス・フォース側に知らせる機会はほとんど得られていない。これは時空管理局側からの圧力という可能性が高い(湊小春加入時のミネルヴァの発言と、その後隊長に出された選択肢の内容など、明らかに圧力と考えられる描写は少なからずみられる)。
2024年7月には、ティエラがこうした隠蔽の責任を隊長になすりつけており、少なくともティエラは知っていて、フィフス・フォースには(そしておそらく隊長にも)知らされていない情報は少なくないことが判っている。
隊長からの情報共有ができない以上、フィフス・フォースにとって、時空管理局やオブリに関する情報はほとんど全てティエラに依存しているため、そのティエラが隠蔽工作に動いた場合、もはやフィフス・フォースはお手上げである。ティエラはサンドバッグオブリの養殖などの件でも確認されているように、何か都合が悪くなると露骨に話を逸らそうとしてくるため、これが原因でフィフス・フォースが追及を諦めざるを得なくなった事例は少なくない。
また、そのティエラにも隠蔽されている情報が少なくない可能性が高いことも判明している。たとえば、テミスやアルコア計画のロボット兵器などを目の当たりにしたティエラが、モシュネもオブリ化するのか尋ねているシーンがあり、モシュネの詳細すらもティエラに知らされていない可能性がある(本来この問題は時空管理局本部に問い合わせるのが筋だが、敢えてモシュネに聞くことに理由があったと考えられる)。
さらにスピカに関しても、以前はティエラは知らないものとして語られていたことがあり(コミックチャンネル等)、エテルノ計画の過去については隠蔽されている要素が少なからずちらつく。
もっと言うと、Ep.ChiralとEp.Chiral I/Oが同じ世界なのかどうか、疑問点も残るのが実状である(Ep.Chiralはミネルヴァが創った世界である可能性も示唆されている)。しかしこれについて、今後何らかの情報が開示されるかは不明である。
時空管理局の真実
結論として、時空管理局の正体や目的、その他時空管理局に関する情報は、ほとんどが不明な状態である。しかし、以前考えられていたようなクリーンな組織ではないことは明白であり、むしろ全ての黒幕である可能性も出てきている。
しかし、その全てが憶測の域を出ておらず、はっきりしたことは言えないのが実態である。
いつか訪れる運命の時、果たして時空管理局の正体と目的、そして真の黒幕は明かされるのだろうか?そしてその時、真の黒幕に対抗できる存在はいるのだろうか?