宇宙の雲
宇宙塵や星間ガス等で構成される、雲のような天体。大きく分けると、付近の恒星に照らされて輝く「散光星雲」と、光を通さないので地球から黒く見える「暗黒星雲」に区別される。
光を放つ星雲は、更に「散光星雲」「惑星状星雲」「超新星残骸」等に分類される。
暗黒星雲は光を発しない為、散光星雲の光を遮って特定の形に見えるもの(例:馬頭星雲)や、星群の光を遮るもの(例:南十字星のコールサック)として観測出来る。
かつては「銀河」も星雲と呼ばれていたが、正確な距離が測定されるようになってからは、銀河系外星雲・銀河・小宇宙、等と呼ばれるようになった。習慣として「アンドロメダ星雲」等の呼び名が残っている。
メシエ天体
M78、M42、M20、等のように「M」が付けられているが、これは天文学者シャルル・メシエが発表した資料「メシエカタログ」の番号で、「メシエの78番」「メシエの42番」等の呼び方が省略されて現代に至ったもの。
このメシエカタログは「彗星観測の妨げになる紛らわしい天体の資料」として発表されたので、ここに記された「メシエ天体」には、星雲のみならず星団や銀河系外天体も含まれている。
- メシエ天体の一例
オリオン大星雲(M42) 三裂星雲(M20) カニ星雲(M1)
オリオン座の隅っこにある地味な散光星雲(M78星雲)
アンドロメダ星雲(M31) プレアデス星団(M45)
激しいエネルギーを放つ謎に満ちた銀河系外のクェーサー(M87星雲)
ニュージェネラルカタログ
後の時代に改めて天体カタログが作成されて、ニュージェネラルカタログナンバー(NGCナンバー)が天体に付けられた。メシエが観測していなかった星雲(北アメリカ星雲…NGC7000)や、南半球へ行かないと観測出来ない星雲(タランチュラ星雲…NGC2070)にはこちらの番号が添えられている。