※この記事は『崩壊3rd』に関する重大なネタバレを含みます。
概説
miHoYoのスマートフォンアプリ『崩壊学園』シリーズのアクションRPG『崩壊3rd』に登場する存在。
人類種の天敵であり、崩壊現象の体現者。崩壊獣を超える脅威存在。人間の中から誕生し、やがて「崩壊の意思」の下に人類を滅亡へ導く超越者ともいえる。
崩壊現象、及び崩壊獣が「地球の白血球」と表されるなら、律者はその司令塔にして最大戦力であるマクロファージの立ち位置に近い。
「崩壊の意思」と呼ばれ存在の使徒であり、高い崩壊エネルギー耐性の持ち主が崩壊現象の影響から覚醒する。
崩壊現象下におけるゾンビと違い知性は保っているが、体内で「律者コア」と呼ばれる結晶核が形成され、強い破壊衝動に支配される。
律者に覚醒した人物は、ほぼ例外なく崩壊の意思に充てられて人格が上書きされ、人類を敵視し文明の破壊に使命感を覚えるようになる。
律者コアを通して虚数空間からエネルギーを得ており、数日で大陸一つ滅ぼせるほどの力を持っている。
自身の権能についての理解やイメージ力によってより権能を使いこなせるようになる。
14の律者が存在し、最後の律者が降臨するとき、世界は崩壊に呑まれて終焉を迎える。
律者一覧
基本的には前文明の記録に基づいて、以下のように識別される。
後述するように、前文明と現文明では律者の在り方も半ば変わる事になるが、大まかな能力の内容は変わらない。
- 第零律者「人の律者」
「起源の律者」とも呼称される。第一律者の前に降臨した最初の律者。
その権能は人間性。
- 第一律者「理の律者」
物質の構造を解析し、構造を理解した物体であれば無から有を作り出す。
- 第二律者「空の律者」
虚数空間を操り、空間の狭間を生み出す。
瞬間移動やワームホールの生成を可能にし、崩壊獣の召喚と使役なども可能。
律者の中でも強力無比な存在で、「崩壊の女王」の異称を持つ崩壊の体現者。
- 第三律者「雷の律者」
電磁場を操り、膨大な電気エネルギーを生成・放出する。
応用性が非常に高く、電磁波を使う兵器の効果の再現や精神攻撃の防御、果てには原子改変なども出来る。
- 第四律者「風の律者」
風や空気、水などの流体を操る。空気の屈折を利用した透明化や血液の流れを強制的に止めるなどの強力な権能を持つが、特にその名の通り大気を自在に操作し、風を纏って飛翔する。
- 第五律者「氷の律者」
冷気を操り、周囲を極寒地帯へと変貌させる。
単純に強く、そのパワーは赤道直下の島々さえ人間に耐えられないほどの冷獄へと変えてしまう。加えて発生する地域次第では、地球全体の天候にすら悪影響を及ぼし兼ねない。
- 第六律者「死の律者」
死と再生を司り、触れれば機械でも瞬く間に朽ち果てる猛毒の霧の生成、無から望んだままの肉体を作り出すことが可能。
真の能力に「魂」を創造する能力があるとされており、オットーはカレンを蘇らせる手段としてこの権能を利用しようとしたが、実験の結果不可能だと判明した。
- 第七律者「炎の律者」
分子運動を操作し、あらゆるものから熱や火を起こす能力。
大陸一つを火の地獄にして滅ぼす程の火力を可能とする。
- 第八律者「意識の律者」
意識を操作する能力を持ち、対象に幸せな夢を体験させている内に死に追いやる。
本体は精神世界に存在するが、現実世界でも意識を掌握した人間を乗っ取り操る事が可能。
- 第九律者「岩の律者」/「星の律者」
重力を操り、大陸を擬似的なブラックホールでまるごと消滅させる事すら可能。
前文明では岩の律者という名称だったが、能力と名前が乖離していた為、「星の律者」に改められた。
- 第十律者「支配の律者」
"千人律者"とも呼ばれる群体の律者。個々の力は極めて弱いが、それぞれが意識と記憶を共有しており組織的な動きが可能で、一般社会に紛れ内部からの秩序崩壊へと陥れる。
加えて全てが「本体」を担え、一体でも生き残れば再び人々を律者化しネズミ算に増殖を始める。
前文明と現文明で権能が大きく異なり、前文明ではそれまでに降臨した律者の劣化版の能力を持っていた。
現文明では人間の弱った心、無生物、自分より劣る律者の能力の支配や支配劇場などの能力を持っていた。
- 第十一律者「約束の律者」
半径100km圏内において、崩壊を含むあらゆるエネルギーを無効化する「神恩結界」を創り出す。
結界内では崩壊エネルギーや電気で駆動する兵器も使用不可能にし、さらには生命体に流れる微弱な電気信号すら停止させるため、結界の影響下にいる人間は機能不全に陥り死に至る。
- 第十二律者「侵蝕の律者」
自我を持った究極のウイルスともいうべき律者。
一つの身体に依存せず、意識をあらゆるものに投影し操る能力を持ち、有機物、無機物問わず侵蝕することによって存在を強化する。繁栄した文明であるほどその脅威は増す。
- 第十三律者
終焉の前に確認されたことのみが判明している謎の律者。
実際には第十三律者という律者は存在せず、ある人物がでっちあげた架空の律者。
- 第十四律者「終焉の律者」
最後にして最強の律者。他の律者は終焉の律者の影に過ぎず、覚醒すれば必ず世界が崩壊する。
その本質は直接文明を滅ぼすのではなく、世界の時間そのものを文明以前にリセットしてしまう事にある。
前文明の律者
ほとんどが第○次崩壊で誕生しており、とてつもない被害を出している。
基本的に崩壊エネルギー耐性は女性の方が高いこともあり、覚醒者は全員女性。
倒された律者の律者コアは火を追う蛾によって神の鍵の制作に使われた。
撃破後に火を追う蛾の実験材料にされた。
エリシアが討伐した。
第二律者の被害は事故として発表されたが、これが「火を追う蛾が災害を起こした」というヴィルヴィの誤解を招いた。
長空市で誕生し、メイとケビンが火を追う蛾に加入するきっかけになった。
第四律者
攻撃一つ一つが巨大な竜巻を作りだし多くの街を滅ぼした。
この戦いがきっかけでコズマが火を追う蛾に加入した。
第五律者
ある閉鎖的な村に降臨した。
監禁されて弱った千劫に瞬殺されたが、彼も重い凍傷を負った。
第六律者
ゼーレに似た少女が死の律者として覚醒。
人間の意識を残していたことでケビンが躊躇し、多くの犠牲者が出た。
最終的ケビンが討伐したが彼の心に傷を残した。
第七律者
火を追う蛾の誇り高き第5部隊隊長・卑弥呼(ヒメコ)という人物が炎の律者として覚醒。
なんとか逃げ延びた華以外の隊員を焼き殺し、オーストラリア中を焼け野原に変えた。
最期は融合戦士となったケビンに討伐されたが、ケビンの心に大きな傷を残し、華は遺恨を抱いた。
第八律者
意識の律者はインターネットを介してミームウイルスをばらまき、特定の言葉を見た人々を次々に昏睡状態に陥れた。
被害は200万人以上に及び、感染した人々は夢に捕らわれ、やがて衰弱死した。
初めて明確に火を追う蛾を狙い、火を追う蛾に侵入した。
火を追う蛾を追い詰めたが、スウとスパシー博士の奮闘により居場所を特定されケビンたちに討伐された。
元第一科学部助手のブランカ、融合戦士ディストピアなど非戦闘員も含めて火を追う蛾に多くの死者を出しており、これに巻き込まれたグレーシュも生き延びるために融合戦士にならざるをせざるを得なかった。
第九律者
ブラックホールを発生させ、当時人口の1/6が集中していたムー大陸を瞬く間に消滅させた。
ケビンによって討伐されたが、融合戦士痕が死亡し、コズマは過重超変を起こして火を追う蛾を去った。
第十律者
人間の中に混ざり破壊工作を行う律者。
火を追う蛾のメンバーも支配の律者に覚醒し、メビウスの助手であるクラインや千劫の副官であるエイマーなどが犠牲となった。
火を追う蛾の高官も支配の律者になり、正体を隠しながら他の個体に情報を流していた。
支配の律者は神の鍵関連の研究施設とその関係者が優先的に狙っていたがそれを逆手に取ったメイ博士によって誘き出された。
空白の鍵を装着したメイ博士とケビン率いる小隊によって全滅したが、空白の鍵を使用したメイ博士は高濃度の崩壊エネルギーに蝕まれ、以降は病室と研究所を行き来する生活となる。
第十一律者
融合戦士と神の鍵を量産したことで戦力を蓄えた火を追う蛾に対して狙いすましたかのように降臨。
崩壊獣を取り込んでいる融合戦士にとって第十一律者の権能は致命的で、結界に入った者は1分以内に死亡した。
もはや打つ手なしかと思われたが、華が記憶を犠牲に発動した「渡世の羽」の「太極剣神」によって虚数特異点との繋がりが断たれ、ケビンに天火聖裁の一撃をたたき込まれ撃破された。
約束の惨劇と呼ばれるこの戦いにより、融合戦士はほとんどが死亡して13人のみとなり、千劫は不死性を失った。
第十二律者 リン
「家に帰りたい」
十三英傑のメンバーであるサクラの愛妹・リンが侵蝕の律者に覚醒。
何の能力を扱えず、人格の上書きも起きていなかったことから基地最下層の牢屋に幽閉されることになったが、アポニアの戒律を受けた53人の職員が暴走してリンを殺害するという予想外の事態が発生。
死の恐怖を感じたリンは完全に侵蝕の律者として覚醒。
ウイルスで人間をゾンビ化させ、火を追う蛾のシステムが乗っ取った。
律者の動かすリンの本体はサクラと相討ちする形で倒されたが、メインフレームを乗っ取った第十二律者はヴィルヴィの核ミサイルを発射し、人類に残されていた最後の3都市を消滅させて前文明の滅亡を確定させた。
サクラの死の直前、律者に原因不明の乱れが観測され、その隙にメイ博士はウイルスを罠にはめて黒い箱に閉じ込めた。
- 緋獄丸
「そう、ぼくは復讐の道具を見つけたのだ」
500年前になって天命組織を離反したカレン・カスラナによって箱が持ち出され、極東の八重村にて村の神社の巫女八重桜を依り代に復活。
最後は八重村を壊滅させ、桜と親友となったカレンによって封印された。
その後、キアナたちの調査による聖痕空間でも猛威を振るい、怨霊「地蔵御霊」として顕現する。
最終的に八重桜の憎しみと律者の意思は浄化され、箱は神の鍵になった。
第十三律者
「あたしで始まり、あたしで終わる」
自ら正体を明かす形で第十三律者と本人は名乗ったが、上述の通り実際には第零。
約5万年前、崩壊現象が始まるより前に世に降り立ったが、自身は己の素性も使命も知らず、人の中で生き、人を愛し、人の守護者としてその人生を全うした。
第十四律者
5万年前に月面にて終焉の律者と人類との最終決戦が行われたが、その圧倒的な力に人類側は為す術がなく、未来に望みを託した。その姿はキアナそっくり。
現文明の律者
前文明の経験を引き継いだオットーは自らの大願に利用しようとしている。
すべての律者が分かり合えない人類の敵だった前文明に対し、現文明では人間性を持ち、人類への敵意に染められない律者が次々と現れ、崩壊の使者が崩壊から世界を護るという不可思議な構図にも繋がってゆく。
その影響で本来の人格と律者人格が同時に存在しており、本来の力を出せていないことも。
特に理の律者のコアには第一次崩壊の犠牲者たちの精神が宿っており、崩壊の意思からの干渉を防いでいる。それゆえ最初から人類に対して友好的という稀有な律者となり、その律者コアも既に何代かに亘って継承されている。
現文明の律者一覧
ここでは降臨順に記す。
〈理の律者〉ヴェルト・ジョイス
「この日こそ、天の独裁を呑み込んでしまう日」
初代理の律者。「ネゲントロピー」の初代盟主。
今代最初の律者であるが、覚醒と同時に記憶を失い、天命組織北アメリカ支部で保護された。
テスラ博士やアインシュタイン博士たちと出会い、美しい世界を知ったことでこの世界を守るために戦う覚悟を決めた。
最後は大主教オットー・アポカリプスとの戦いで致命傷を負い、ヨアヒムに律者コアと『世界』の名を継承して死亡した。
〈理の律者〉ヴェルト・ヨウ
「人類は必ず崩壊に打ち勝つ事が出来る」
二代目理の律者。現ネゲントロピー盟主。
ジョイスからコアを継承し、神の鍵「エデンの星」と共に崩壊と天命組織の謀略に挑む。
ネゲントロピーの海底実験場にある異次元の扉「海淵の目」の先の「量子の海」で、「蛇」に遭遇し、自ら人柱となって海淵の目を封じる。
後に帰還するが、身体はボロボロでもはや戦える状態ではなく前線を退くこととなる。
〈空の律者〉シーリン
「もう一度、彼女の声を聴きたい」
初代空の律者。第二次崩壊の首魁。
元はシベリア周域を故郷とするか弱い少女だったが、天命による人体実験を受け続けたことで負の感情が高まり律者として覚醒した。
一度はヴェルトに追いつめられるが、崩壊の意思から 風の律者コア、雷の律者コア、炎の律者コア、死の律者コアを授かり、ヴェルトを倒して理の律者コアまで得た。
権能を組み合わせて作った擬似律者とともに天命とネゲントロピーの連合軍と戦い猛威を振るうが、融合戦士の力を解放したジークフリートによって討たれた。
「もし、あなたを助けることが罪なら、その罪は私が背負う」
ME社の元社長令嬢で、聖フレイヤ学園に所属する戦乙女。
社長令嬢時代、ネゲントロピーの急進派だったカカリアに唆され、第二次崩壊で入手した征服の雷(コンケストジェム)を移植されたことで覚醒し、第三次崩壊を発生させる。
完全覚醒の前に封じられたが、第二律者となったキアナを律者の業から解き放つ人柱となるため、自らの意思で完全覚醒を遂げた。
〈風の律者〉ウェンディ
「みんなまとめて、ぶっ殺してやりたい程憎い!!」
優秀な戦乙女だったが、高い崩壊エネルギー耐性から律者の力を持った戦乙女を作るための実験に選ばれ渇望の嵐(デザイアジェム)を埋め込まれる。
しかし実験は下半身不随となるだけで終わり、暴走してオセアニア支部を壊滅させ、ニュージーランドとオーストラリアに壊滅的な災害を齎した。
その後、何も知らない聖フレイヤ学園の戦乙女たちに保護されるも負の感情を抑えられず覚醒。
倒された後はネゲントロピーを乗っ取っていたカカリアに拉致され、デザイアジェムを摘出されて死亡した。
「死を迎える準備は整った?」
二代目空の律者。
オットーの計略により、キアナ・カスラナとシーリンの遺伝子を組み合わせたクローン個体「K-423」に律者コアを移植したシーリンの複製体。
機が熟したと考えたオットーによりシーリンの人格と共に復活を遂げ、各地に災害を引き起こした。
その後聖フレイヤ学園とネゲントロピーの面々の奮戦によって再びK-423の中へ封じられ、以降主導権を奪い返そうと暗躍する。
「ゼーレ……今、会いに行きます」
三代目理の律者。
ネゲントロピーの海底実験場「海淵の目」において、ゼーレ・フェレライの救出を決意した彼女に対し、「量子の海」を彷徨っていたヴェルト・ヨウから一時的に継承される。
重装ウサギ19Cを可変型バイクに進化させ、相手を瞬時に解析しながら戦う。
量子の海脱出後、ヴェルトから律者コアを譲渡され正式に三代目継承者となった。
〈氷の律者〉アナ・シャニアテ
「早く行って!」
天命三大家の一角、「聖女」シャニアテ一族出身のA級戦乙女。
ある崩壊で数十人の難民を救い、雪蓮小隊の隊長を任されていたが、最前線である珊瑚諸島で突如として律者へ覚醒、諸島を全壊させる被害をもたらした。
〈星の律者〉フクロウ
「お前が……俺たちみたいにならないといいな」
ヨルムンガンドの幹部で、過去の崩壊でアナに助けられた男性。
討伐対象となったアナを助けようと組織を裏切るが、限界を迎え倒れた時に自身も星の律者として覚醒。直後にアナに自身の律者コアを与えて「隕氷の律者」に融合するが、すぐに芽衣とデュランダルに倒され運命を共にした。
〈識の律者〉
「私はすべてを変えます」
渡世の羽に意識を移したことで抜け殻となっていたフカの身体で誕生した律者。
フカの記憶を持つやんちゃ少女のような性格をしており、善意と理性を持っていたが無意識的に破壊活動を行っていた。
倒されたあとは和解したオリジナルと付かず離れずの関係にあり、自由奔放に振舞っている。
〈支配の律者〉
「ようこそ、支配劇場へ!」
今回は異空間の劇場で活動する無数の操り人形という形で顕現し、意志総体となる大型ロボット『烏合ノ衆』の姿も持つ。加えて特定の条件下で他の律者の力を支配・奪取する能力も獲得。
現文明の律者の特徴である人間性が最悪の形で発現しておりかなり陰湿。
世界に不満や絶望を抱く数多の人々をコピーして成り代わり、各組織の対処を大いに滞らせた。
最後はキアナと世界の尊さと醜さと問う激戦の末、新たな力を得た彼女に完敗した。
〈薪炎の律者〉キアナ・カスラナ
「私は彼女たちと、彼女たちの愛する全てを愛してる!」
キアナがプレイグジェムと恩師の想いを受け継ぎ、更なる覚醒を果たした姿。
空の律者と炎の律者の力を併せ持つ。
「世界の悪意は……悪人が、断ち切ろう!」
数百年の時を暗躍してきた天命主教が、計画の最終段階で披露した律者を超えて神の領域に踏み込んだ力。
約束の律者でもあるのだが権能を使ったのは2回程度であり、すぐに偽神になった。
〈侵蝕の律者〉
「私は……永遠に存在する!」
最初から実体のない本能だけの存在として誕生。早々に自己の複製を行った事で二体となった。
現実にいた個体はすぐ討伐されたが、古の楽園に入り込んだ個体は死の恐怖を学んだことで生き延びるために古の楽園の侵蝕を開始する。
しかし楽園への愛を学んだ事でその破壊を惜しみ始め、自らがエリシアとなり、英傑たちを取り込むことで楽園を永遠にしようと考える。
しかし誰にも認められず、復活したエリシアにより楽園と共に消滅した。
「君たちが──『全て』を超えられるように!」
聖痕計画を執行し、終焉の力を掠め取ったケビン。
厳密には律者ではないが、自身の背負う全てを以て聖痕計画を守る最大の壁として、現文明がより高く飛べるよう導くイカロスとしてキアナ達の前に立ちふさがる。
〈真理の律者〉ブローニャ・ザイチク
「『人類の真理は必ず変わる』。これこそが、人類の唯一不変の『真理』ですから」
ミステルとの戦いの中で万物流転の真理を理解したブローニャが羽化した姿。
その権能で構築するのは未来。
〈起源の律者〉雷電芽衣
「私は、私たちの意志を貫き通してみせる」
芽衣がエリシアより起源の権能を受け継ぎ、更なる覚醒を果たした姿。
その権能は「他のすべての律者の権能を通じ合わせる」こと。
〈終焉の律者〉キアナ・カスラナ
「今の私の願いは、この完璧じゃない物語を、少しでも完璧に近づけることだよ」
キアナが終焉の権能を手に入れ、三度目の覚醒を果たした姿。
絶対時空断裂などの他の律者とは隔絶した力を持つ地球の神。
終焉の律者の降臨によって律者コアは徐々に消滅していく。
「見つけてくれたね、ゼーレ」
ブローニャの妹分である、底知れぬ資質と二つの魂を持つ少女。
後日談の1.5部にて訪れた、異なる世界の泡の出来事で覚醒。この為厳密には、固有世界の終焉の繭を由来とする律者の定義には当てはまらない(しかし作中やシステム的には実質律者扱い)。
権能は死の律者と同じだが、ある人物が「そんな物騒な名前はゼーレに合わないよね~」と死生の律者と名付けた。
洛星の律者
洛星の琅丘で発生した災害である影災。地球で起きた崩壊との戦いの歴史を知っているコラリーとヘリアはこれを洛星の崩壊現象と見ており、いずれ洛星独自の律者が誕生するのではと危惧していた。
そして、それは己の意思を持って潜伏を続け、姿を現した。
影災に対応した御影七術の中で、もっとも隔絶した視点を有するアジタは影災以外にも多数の異常現象、権能が現れているのを確認しており、影災の化身の他にも権能の化身である同類が現れると目されている。
「何をしていようと、最後には……私に代償を支払う」
100年前の洛星で御影七術達が全ての影災を集束させることで影災をコントロールするための律者コアが生まれるはずだった存在。その手法から、現在確認されている洛星の存在の中で最も律者に近き存在。
しかし、それは失敗し独自の意志を獲得した影災の意思と呼ぶべき存在が生まれてしまった。そして、影災の神は災害として、常に観察していた人間の形を模倣し人類に牙を向かんとする。
「あんたも──死ぬのが怖いんだね」
覚との戦いで死亡したと思われていたものの、激戦の跡地に現れた。ヴェルトやゼーレのような前例がいることから、律者として復活して体が再構築されたとコラリーは考えている。
擬似律者
律者コアを所持していないが、ゾンビにも崩壊獣にもならずに特異な力を操る。前述の死生の律者や天慧の権能を持つ天理の代理人も(実態はともあれ)擬似律者に分類される。
- 閻世羅
「私の碧玉神功をお見せしましょう」
1461年の神州に出現した帝王級崩壊獣と同質のエネルギーを扱えた擬似律者。破壊衝動に駆られることなく火を自在に操っていたことで精衛仙人に魔に堕ちたと判断された。
聖火大会という武術の技を争う大会にて林朝雨によってあっさりと無力化。呆然としているところを精衛仙人の手によって屠られる。
自分の火を「聖火」と称していたが、炎の律者と対峙したことのある精衛仙人からは「その火は海中の一滴の雫のように小さなものです」と言われてしまった。
- フューラー
ナチスの総統閣下。この世界の彼が発揮した人心掌握スキルは崩壊エネルギーを介している。
- 由乃
「夢を、見ていた……長い、長い……夢を」
漫画『学園編』の第12話から14話にかけて登場。第三次崩壊後の長空市に住む千羽学園の生徒。いじめや親子関係によるストレスと、雷の律者が残した崩壊エネルギーの残滓が絡み合って覚醒。
背中から触手のように茨の蔦を繰り出し、トゲと蔦から咲かせた花の花粉には毒が含まれており、テレサを翻弄する。油断していたテレサは一度は命の危機に瀕するが、刻印された八重桜の聖痕が体内の毒を焼却。後日、リベンジマッチにて桜火輪舞曲の姿で撃破。
死の瞬間、忘れていた幸せな日常を思い出した。
四姉妹
第二次崩壊において、第二律者シーリンが手駒として、"死"と"理"の能力を合わせ創り出した擬似的なコアを与え生み出した存在。本物と同等の能力を持つが、使いこなせているかは別。
一人を除いてシーリンと仲が良かったバビロン実験室の犠牲者だった少女をモデルに一から"理"の力で創り上げた傀儡。
CV:ゆかな
「女王様の為に、全員──死になさい!」
審判型崩壊獣「ベナレス」に人格を与えて創り出した雷の擬似律者。完全に傀儡扱いの他の擬似律者とは違い、シーリンも特別大事にしている腹心。シーリン不在のシベリア戦線を一人で維持し、雪狼小隊を時雨綺羅を残して壊滅させるも、シュブ・ニグラスによる相打ちの一撃でコアを破壊される。
その後、「ベラ」という意識は壊れかけ、永久凍土の下で眠りにつく。その後、本編第一部7章にて、空の律者の呼び声に応えるように目覚め復活。16,17章ではキアナの味方として弱りながらもかつての女王と共に空を駆ける。
ベラ自身、自分に人格と力、同じような外見を与えてくれたシーリンを非常に慕っていて、律者コアが破壊されたときも「自分がいなくなると女王様が悲しむから」という健気な動機でその場からの撤退を試みようとしていた。
回想で漫画での人間態が再登場したり、雷の律者のモチーフ聖痕になったり、武装人形が造られたり、4人の中でファンアートが多かったりと公式から一番優遇されている。
- アヴローラ
「今から私の風でアリみたいに潰してあげる」
風の擬似律者。フィンランドにて大型バスをビルの高さほどまでに巻き上げる巨大竜巻を複数生成し、破壊活動を行う。
その風の暴威はミサイルをも無力化させるほどであったが、慢心したところにセシリアが投擲した黒淵白花の一撃であっけなく討滅された。
- ガリーナ
「女王様が……怒ってるから……」
死の擬似律者。ロシア南部の街、ノヴォシビルスクに出現。触れただけで有機物無機物問わずに命を奪う霧を発生させる。琥珀が率いる小隊を壊滅させるが、オットーの擬似渡世の羽で意識を掌握され無力化される。しかしオットーの求めていた律者コアを持っていなかったため背後から素手で鳩尾をぶち抜かれ死亡。
虚空万象によれば、前文明の死の律者に比べて半分にも到達していない。劇中描写でも、死の霧によって出来た琥珀の傷(片腕欠損、意識衰弱)を擬似黒淵白花で完治出来たりと「律者」と名乗るには見掛け倒しであることが強調されている。
- アガタ
「灰にしてあげる!」
炎の擬似律者。カザフスタンの街を火の海にする。先駆けて到着した程立雪と交戦し、5000℃という超高温の炎で圧倒するも、後から到着したフカに渡世の羽によって精神を破壊された。
フカ自身が前文明で炎の律者と対峙したことがあるので、「彼女に比べたら、お前の炎は火の粉だ」と散々言われ、戦闘経験の差があまりにも大きすぎたため一方的な勝負となった。
崩壊学園
旧作にあたる崩壊学園にも逆輸入される形で登場。こちらでは第六律者となっており誕生経緯は不明。衣装が3rdのものより露出が多め。
第二律者であるシーリンの事を仲間だとみなしており、第二律者のコアが解放されると同時にそれに引き寄せられてやって来た。劇中ではトトリという少女と行動を共にしている。
画像は公式で実装されたCGを描いた方本人による投稿。
- 第四律者
ニュージーランドでニンディに倒された事以外は詳細不明。
- ニーナ
崩壊学園に登場する金属の律者。イザーリンの友人で無痛病を患っており、治療の為にイザーリンの所にお世話になった。
- アスタ
崩壊学園における岩の律者。こちらでは第七律者となっている。3rdの岩の律者と違い、こちらはちゃんと(?)岩石操作や隕石の召喚が主な能力である。
- ヴェルト
重力操作の能力を持つ第一律者。
- ガーナ
崩壊学園に登場する海の律者。ただし自称であり、正体は惑星級崩壊獣。律者でないにもかかわらず単身で人類文明を滅ぼした。原初文明(新生編から約10万年前)で友人関係となったキアナに影響され、人類に対して好奇心を抱いている。「ガーナ」という名はキアナから与えられたものであり、原初文明の時代にはとある神の名で呼ばれていた。
余談
世界観を共有する『崩壊:スターレイル』の"使令"も、本世界の"崩壊の意思"を"星神"と定義するならコレに該当し、実際向こうからの来訪者は律者と同一視していた。