後崩壊書とは、miHoYOのアクションRPGアプリ『崩壊3rd』のシナリオの一つである。
概説
オープンワールドクエストの新期シナリオであり、崩壊3rd本編から8年後の世界を描いた物語。
本編が鋭意進行中にもかかわらず、その後日談を先行実装するという異例のパターンとして注目を集めた。
本作は多くのイベントシナリオが別世界や並行世界であることを前提としているが、本シナリオについては公式から正統な続編であることが明言されている。
2021年1月、ver5.4から第2部が実装。
フィールドを前回から一新し、さらに新システムによるさらなる爽快アクションを体感できるようになった。
ストーリー
1部
人類を襲った「大崩壊」との戦いから8年――。
全ての「崩壊」は一人の英雄によって、そのほとんどは月へと封印された。
天命組織はテレサ・アポカリプスを大主教に戴き、聖フレイヤ学園は崩壊亡きあとの世界を支えるべく、地上に残された「崩壊」の痕跡と向き合う新世代の育成に邁進していた。
そんな中、アフリカ大陸の南端にある観光都市「セントフォンテーヌ」に異変が観測された。さらにネゲントロピー盟主のヴェルト・ヨウが、我が子と共に行方知れずとなってしまう。
雷電芽衣率いる第三小隊は、天命組織からの指令を受けて直ちにセントフォンテーヌ市へと侵入する。
だがそこは、赤い結晶に覆われた奇怪な異空間へと変質していた――。
2部
セントフォンテーヌの中枢・亜天魔城での激戦の末、第三小隊は壊滅の危機に直面する。
その危機を救ったのは、かつて雷電芽衣と共に世界を救った英雄ブローニャ・ザイチクの率いる第二小隊だった。
だが亜天魔城から撤退中、新手の奇襲を仕掛けた一度は亜天魔城から弾き出され、セントフォンテーヌ郊外のフォース港へと不時着する。
制止されていた「天火試練」の封印を解除した反動で崩壊因子に汚染された主人公だったが、ブローニャがもたらした新技術「月の輪」による治療を受けて体調を好転させる。
主人公は第二小隊に加わり、セントフォンテーヌへと戻るためフォース港周辺の探索を開始する。
――だがフォース港もまた、地形変動と赤い結晶、そして未知の強敵の蔓延る魔境と化していた。
システム
これまでのオープンワールドクエストとは異なり、全プレイアブルキャラが通常のプレイから独立した、本シナリオ固有のキャラとなっている。
そのため操作可能なキャラは全てシナリオ内で育成することになり、また育成したキャラも本編プレイには持ち出すことは不可能となっている。
要するにプレイするにあたって全く課金を必要としない上、課金を誘導するような要素もない。
ゲームはフィールドを探索する事で様々なアイテムを収集し、また特定のエリアにいるボスを討伐する事で活動エリアが拡張される。
戦闘システムそのものは本編と共通し、キャラクターごとの固有のアクションを繋げつつ、QTEによるダイナミックな連携を堪能できる。
戦闘不能となった場合、撤退してシナリオトップ画面でクールタイムが明けるまで急速するか、アイテム「復活剤」もしくは下記の「結晶」を使用してHP50%の状態から即復活させるかの二択となる。
特徴的なのが、崩壊3rd内でほぼ唯一単独コマンドとしてジャンプが可能となっている点だろう。
それまで攻撃時に跳躍するキャラクター自体は珍しくなかったが、ジャンプ行動を移動・戦闘を問わず無制限に行えるのは本シナリオ最大のポイントと言える。
これに伴い継続した本格的な空中コンボも可能になっており、より自由な行動と立体的な戦闘を可能にしている。
後に通常のプレイアブルキャラクターでもジャンプが可能なキャラクターが何人か登場しているものの仕様が異なっており、爽快感のある空中コンボは本シナリオ独自のものとなっている。
キャラの育成に関しては、シナリオ固有の擬似通貨アイテム「結晶」を対価に、キャラクター固有の「制限装置」を獲得して戦闘用のスキルを解放していく。
1部と2部でも育成は個別に離されており、操作性もより直感的なものへ進化している。
【遺跡】
いわゆる潜行型の挑戦ステージで、登場する敵を制限時間内に殲滅する。クリアすると階層が深化し、およそ4ステージでフィールドが切り替わる。
全31層。週替わりで戦闘条件に特殊なバフ効果が付加される。
ステージリセットは毎週月曜日。
4階層ごとにクリアボーナスとセーブポイントが発生し、中断しても翌週月曜日までは進攻したポイントまでの記録が保持される。
フィールドが更新されるとHPが全快し、戦闘不能になったチームメンバーも復帰する。ただし同時に必殺技に必要なEPもリセットされるため、いかに攻撃と回避を重ねてEPをチャージできるかが腕の見せ所。
各階層のラストには強敵が出現するため、それまでに的確にEPを充填して必殺技の連打を狙えると、ある程度は楽に倒せる。
こちらでも戦闘不能になれば即復活は可能だが、遺跡では3回までの制限がかけられる。
登場人物
プレイアブルキャラ
主人公(後崩壊書)
プレイヤーの分身となるキャラクター。
崩壊シリーズ初の男性プレイアブルキャラで、東洋人的な容姿を持つ。
崩壊因子に高い耐性を持つ男性として稀有な体質の持ち主で、雷電芽衣率いる第三小隊に所属している。
生真面目な優等生だがユーモアに明るく、仲間の危機には全力で立ち向かう好青年。その背に背負う大剣、天命組織の新技術を結集した「神火試練」を振るい戦端を開く。
雷電芽衣
第三小隊隊長。
かつて雷の律者として天命組織から離反して闇へ潜ったが、大崩壊の後に新たな目的を得て聖フレイヤ学園の教官として舞い戻った。
かつての不安定さは既に無く、幾多の戦場と葛藤が彼女を成熟した女性へと形作った。
キャロル・ペッパー
主人公の後輩で、小隊のトラブルメーカー。
大崩壊の英雄「ルイス・ペッパー」を母に持つサラブレッドだが、スパルタな母に反発するかのようにオシャレと流行を愛するJK気質。
戦乙女として高い素質を秘めるほか、機械に強く小隊のメカニックも担当している。
ver.5.3にて、通常プレイアブルキャラとしても実装された。
ブローニャ・ザイチク
第二小隊隊長代理。
アニメ制作会社「E.T Studio」のゲーム開発支社に所属するプロデューサーだが、8年前に理の律者として崩壊に立ち向かった英雄でもある。
心身共に大きな成長を遂げており、天命組織からの要請を受けて異常の蔓延るセントフォンテーヌヘ、第三小隊の救援に駆けつけた。
後に通常プレイアブルキャラクターとしても実装されているが、本シナリオとはアクションの仕様が異なっている。
ティミド・クート
第二小隊所属の戦乙女。
極度の引っ込み思案で、人前に出る時はマスク必須という恥ずかしがり屋。
自己評価も低めであるが、聖フレイヤ学園の在学経験なしの飛び込みでテストを通過した、底知れない可能性を秘めている。
スケートシューズのような装備を武器に、舞うような連撃と機動力を発揮する。
サポートキャラ
ライル・コッローディ
第二小隊所属の狙撃手。
主人公程ではないが、崩壊因子に耐性を持つ男性適合者。
軽薄なお調子者で、主人公とは訓練所時代からの親友であり、数少ない同性の理解者でもある。
態度こそ軽いが、狙撃手としての観察力と洞察力は一流であり、誰よりも戦局と戦友たちを俯瞰的な視点で見守っている。
その他登場人物
ネゲントロピー盟主。
現在は一線を退き、妻と養子と共に多忙な日常を過ごしている。
しかしセントフォンテーヌで怪奇現象に遭い、息子と共に行方不明となってしまった。
ジョフリー・ジョイス・ヨウ
ヴェルトの息子で聡明な少年。
養子であり、直接の血縁はないものの、養父母の愛を受けて真っ直ぐに育っている。
父と共にセントフォンテーヌで怪奇現象に遭い、父の指示に従って市街地のどこかに避難しているようだが……。
天命組織主教。
今回のセントフォンテーヌの異変に当たり、第三小隊をセントフォンテーヌへと派遣した。
かつての戦友でもある芽衣の身を案じつつ、第三小隊を後方から支援する。
ルイス・ペッパー
cv:くじら
天命組織の戦乙女で、キャロルの母。
巌の如く厳しい筋骨隆々とした女性で、いつまでもフラフラとしている娘の性根を叩き直すべく、娘を聖フレイヤ学園へと叩き込んだ。
スパルタ気質だが、その厳しさの奥に愛を隠す肝っ玉おかん。
関連タグ
崩壊:スターレイル:崩壊シリーズの新作。セントフォンテーヌの一件の後、ヴェルトととある人物がスターレイルの世界へと旅立っており、ヴェルトがプレイアブルキャラクターとして実装している。なお、公式にて公開されている「Reburn:II」はヴェルトがスターレイルの世界に旅立つ様子を描いたもの……のように見えるが、本編での描写や後に発表された設定と大きく異なっており、現在では単なるイメージPVであるという見解が一般的。