ぶりっこ[ぶりっ子]
((名・自サ))<いい子/かわいい子>のようなふりをしている<こと/人>。「いい子ぶりっ子している」〔1980年から流行したことば〕
出典:三省堂国語辞典第八版
要するに、人前で自分をより良く見せようとしたり、相手の気を引くことを目的に、自ら計算して行うセルフプロデュース、戦略的に行われるキャラクター付けの一種である。あざといなどと一部概ね同義。
作為的な演出を指すため、計算してやっていない天然の人は本来含まれない…はずなのだが、個人の主観により天然キャラの人も時に分類されるケースもある。
他人の前で見栄をはり自己演出をするという行動自体は人間なら誰しもあるあるだが、傍で見ていて「かわいさ」を装う行為が突出して計算高く見え、不自然な領域にまで発展するとこのように呼ばれる。
なお女性の4人に1人は状況と相手に応じ何らかの「ぶりっ子」を演じた経験があるという統計がある。
概要
1980年に江口寿史の『すすめ!!パイレーツ』の中で用いられた「かわい子ぶりっこ」(可愛い子の振りをしている子)という言葉がその起源と言われている。
それをタレントの山田邦子が「かわい子ぶりっ子、ぶるぶるぶりっ子」というギャグで使用したことで同年の流行語となった。
当時この代名詞だったのが松田聖子で、髪型や握りこぶしを顔に添える仕草などが日本における「ブリッコ」の定番スタイルとして、その後アイドル界隈を中心に多くのフォロワーを生み続け現在にまで至る。
特定の人物に対し「ぶりっ子」という表現がされる時は「素の性格を隠し、相手によって外面を使い分け、すり寄ろうとするあざとい人物」という意味合いであることが多く、否定的な意味で使われる場合がほとんどである。
二次元においては、ツンデレや清楚ビッチなどと並ぶ、二面性を表す属性である。
似たような概念としては、江戸時代から使われていた「カマトト」がある。
ただし、「カマトト」が「知っているくせに知らないふりをして、上品ぶったりうぶを装ったりすること」のみを指すのに対し、「ぶりっ子」は「先生や上司の前でいい子ぶる」などの行為も含み、より広い意味で用いられる。
また、近年では「特定の相手の前で可愛い子ぶっている男性」に対しても「男ぶりっ子」などと使う場合があるため、必ずしも女性を対象に使用されるとは限らない。
男女におけるの反応の違い
ぶりっ子に対する女性の反応で最も多いのは「裏表のある性格に嫌悪感を抱く」「人(男性)を騙す卑怯な行為であり、それに騙される男性もまた見る目がない」という批判的な意見が多いが、逆に男性の場合は「むしろ萌えるし、自分を可愛く見せようと努力している女性がいい」「ぶりっ子を批判すること自体が疑問だ(何が悪いのか?)」などの意見が(どちらかと言えば)多い傾向がある。
上述の男性の「ぶりっ子が好き」という意見は、女性によく見られる「男性は、女の前では少し背伸びしてでも格好つけてほしい」という願望と同じだと考えられる。男性の多くが『男性の好む服装や髪型をし、男性好みに可愛らしく振る舞って見せる』ぶりっ子を好むのと同じく、女性も男性を見る際は内面よりもまずは『女性が好む服装や髪型をし、女性好みにスマートに振舞える男性』に好意を抱く場合がほとんどであろう。
実際の内面より、自分を良く見せて上手くアピールできた者勝ちというのは、男性も女性も変わらないのかもしれない。「自分を良く見せるあくどい性格自体が(人間味として)好き」「自分に媚びてくれる行為が好き(本来の性格は知っている)」「キャラを作るアイドルという存在自体が好き」というメタな視点で愛する人が多いのも似ている。
ぶりっ子キャラ
2000年に放送されたドラマ「やまとなでしこ」は“玉の輿に乗るべく自分の本性を偽り合コンを繰り返す女性”がヒロインだが、松嶋菜々子が演じて人気を博した。
また、さとう珠緒や嗣永桃子(ももち)などの「ぶりっ子キャラ」を売りにしているタレントを面白がる女性など増えている。
世間の反応の変遷
コギャルブームを経てサバサバ系の台頭により「ぶりっ子」の女性は上記のように特に同性から嫌われる傾向が強かったが、2000年代後半のアイドルブームあたりからそういった女性の価値観も大きく変わっている。「効果があるなら、ぶりっ子した方が得」という現実的な考えを持つ女性が増えている(しかし、実際に上手くぶりっ子として立ち回れるかどうかは人による)。
アニメ・ゲームなどにおいても「ぶりっ子属性」持ちの女性キャラが(キャラクターによっては)女性から人気を得るという例も見られる。
余談
時折「ぶりっ子は付き合う前に種明かしをしてほしい」などという意見も見られるが、ぶりっ子は「ぶる」のをやめて素を見せてしまったら、ぶりっ子ではなくなってしまう。
そもそもぶりっ子女性が見せている態度は相手から好意を得るための虚構なので、ぶりっ子が種明かしをすれば、”あなたが好きになった女性”はその瞬間にこの世から消えてしまうのだ。彼女が演じるままに騙され続けていた方が幸せなカップルになれるだろう。
なお、種明かしとして最悪のケースは“ぶりっ子女性があなたを見限り、あなたの目の前で「ぶる」のをやめる”というものだろう。
なお、「小悪魔」や「故意にギャップ萌えを狙う」というのはぶりっ子とは別物であるが、「自分より上手の女性に転がされたい」という男性にとっては、ぶりっ子と同様非常に萌えるものである。
関連タグ
男ぶりっ子 / ぶりっ子男子 ぶりっこおじさん ぶりっ子ポーズ
外部リンク
『ぶりっ子』に分類されがちなキャラクター
※五十音順表記
あ行
- 青木カンナ(オーバーレブ!)
- アゲハ(ゼルダの伝説トワイライトプリンセス)
- アズ(仮面ライダーゼロワン)
- アギレラ(仮面ライダーリバイス)
- アニス・タトリン(テイルズオブジアビス)
- 甘瓜みるき(ワッチャプリマジ!)
- 天宮ミモリ(シャドウバース)
- 天羽まどか(アイカツ!)
- 飴村乱数(ヒプノシスマイク)
- 有栖川おとめ(アイカツ!)
- 有栖川ひまり/キュアカスタード(キラキラ☆プリキュアアラモード)
- 一色いろは(やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。)
- 一条らんこ(Go!プリンセスプリキュア)
- 石動美空(仮面ライダービルド)
- 井上織姫(BLEACH)
- 今鵜凪咲(SELECTIONPROJECT)
- 宇喜多茜(八月のシンデレラナイン)
- イルマ(時忘れの迷宮)※記憶を失った時のみ。記憶を取り戻して以降はツンデレ。
- エス(ぷよぷよテトリス)※ゼットに対して。ファザコンとも言えるが、基本的にわがままな女の子である。
- エルシィ(D4DJ)
- 大井(艦隊これくしょん)※北上に対してのみ。
- 大治小夜/キラメイピンク(魔進戦隊キラメイジャー)
- 忍足あずみ(真剣で私に恋しなさい!)※英雄に対してのみ。
- 乙姫菜々(こちら葛飾区亀有公園前派出所)
- 大鳴門むに(D4DJ)
か行
- 加賀邦子(YAWARA!)※松田に対してのみ。
- カグラ/トッキュウ5号(烈車戦隊トッキュウジャー)
- 鹿沼りんご(ステーションメモリーズ!)
- かのん(プリパラ)
- 金森まりあ(キラッとプリ☆チャン)
- 仮野明日那/ポッピーピポパポ/仮面ライダーポッピー(仮面ライダーエグゼイド)※コスチュームチェンジ後または仮面ライダー変身後、性格と口調が変わる。
- 軽井沢もも(燃えろ!ジャスティス学園)
- カレンチャン(ウマ娘プリティーダービー)
- 川嶋亜美(とらドラ!)※初期のみ。
- 寒咲幹(弱虫ペダル)
- 黄瀬やよい/キュアピース(スマイルプリキュア!)
- 京子(これゾン)(これはゾンビですか?)
- 京野小筆(実況パワフルプロ野球シリーズ)
- 金田一二三(金田一少年の事件簿)
- 空流まゆ(ドラマCD版魔人探偵脳噛ネウロ
- 国木田花丸(ラブライブ!サンシャイン!!)
- クラウディア・ローエッティ(ハンドレッド)※エミリアに対してのみ。
- クララ(ポケモン剣盾)
- クリスティアナ・オルコット(復讐を希う最強勇者は、闇の力で殲滅無双する)
- 栗六杏/アン(アイカツプラネット!)
- 来栖アンネ(いわかける!)
- 胡桃沢梅(君に届け)
- 黒澤ルビィ(ラブライブ!サンシャイン!!)
- 激川ゆい(キラッとプリ☆チャン)
- 小泉花陽(ラブライブ!)
- 小城美夜(夢色パティシエール)※樫野に対してのみ。
- 木霊文花 (妖怪ウォッチ)※ 妖怪に取り憑かれると性格が変わることがある。(ぶりっ子っぽくなった妖怪のみ)ケータの妄想のみ。
- 古寺良世/ヨドミヒメ(魔進戦隊キラメイジャー)
- コキンちゃん(それいけ!アンパンマン)
- 小森希乃子(僕のヒーローアカデミア)
さ行
- 西馬ニコ/ライドプレイヤーニコ(仮面ライダーエグゼイド)
- 西園寺日寄子(スーパーダンガンロンパ2)※ほぼ小泉真昼限定
- 冴草きい(アイカツ!)
- 沙倉楓(けんぷファー)
- 佐藤綾乃(女子高生Girl's-High)※彼氏とイチャついている時およびイチャイチャする妄想をしている時のみ。
- 佐藤心(アイドルマスターシンデレラガールズ)
- 笹森花梨(ToHeart2)
- 猿飛あやめ(銀魂)※主に銀時に対して。
- 三条桜子(花より男子)
- サンラータン(ゾイドワイルド)
- 清水絵空(D4DJ)
- シャーロッテ(ファイアーエムブレムif)
- シュロップシャー(アズールレーン)
- 正田スミレ(学園アリス)※棗、流架に対して。ミーハーとも言えるが、基本的にはプライドの高い性格。
- 白木陽芽(私の百合はお仕事です!)
- 白玉みかん(プリパラ)
- 不知火舞(餓狼伝説)※アンディに対してのみ。アニメ版限定
- 白峰樒(恋愛暴君)
- シンドイーネ(ヒーリングっど♥プリキュア)※キングビョーゲンに対して。
- 神野桜子(やまとなでしこ)
- スゥ(しゅごキャラ!)
- スマートファルコン(ウマ娘)(ウマ娘プリティーダービー)
- 涼村さんご/キュアコーラル(トロピカル〜ジュ!プリキュア)
- 瀬藤メロ(夜のクラゲは泳げない)
- 蒼鳥つばさ(実況パワフルプロ野球シリーズ)
- 染谷リリィ(女子高生の無駄づかい)
た行
- タママ二等兵(ケロロ軍曹)
- 橘日向(異世界美少女受肉おじさんと)
- 高田ルイ(ウルトラマンX)
- 珠樹るり/ルリ(アイカツプラネット!)
- 田丸翠(ちはやふる)
- 月見璃兎(アブソリュート・デュオ)
- 弦巻こころ(BanG_Dream!)
- 照橋心美(斉木楠雄のΨ難)
- 藤堂公(フルーツバスケット)
- 時目希(ウソツキ!ゴクオーくん)
- ドキンちゃん(それいけ!アンパンマン)※しょくぱんまんに対してのみ。
- ドラコケンタウロス(ぷよぷよテトリス)※DLCで購入できる裏声のみ。
な行
- 那珂(艦隊これくしょん)
- 中須かすみ(ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)
- 虹ヶ丘ましろ/キュアプリズム(ひろがるスカイ!プリキュア)
- 新田由加(タッチ)※達也に対してのみ。
- パレオ(BanG_Dream!)
- 野原しんのすけ(クレヨンしんちゃん)
は行
- 袴田水晶(グランベルム)※本性は相手を心身共に甚振ることに喜びを感じるサディストな黒幕。
- 橋本にゃー(おそ松さん)
- 鳩ヶ谷ミッチー(クレヨンしんちゃん)※ヨシりんに対してのみ。
- 花形ひかる(ステーションメモリーズ!)
- 花園きらら(アイカツスターズ!)
- 花園羽香里(君のことが大大大大大好きな100人の彼女)
- 華房心(アイ★チュウ)※男の娘
- 花海ことは(魔法つかいプリキュア!)
- 華房心(アイ★チュウ)
- 花柳香子(少女☆歌劇レヴュースタァライト)
- 浜名心愛(12歳。)
- 早川京子(今日から俺は!!)※概ね伊藤に対して
- 林真冬(初恋モンスター)
- 葉山照(三者三葉)
- 波浪浮亭木胡桃(じょしらく)
- 姫宮桃李(あんさんぶるスターズ!)※主に天祥院英智に対して
- 紐手きなみ(ひもてはうす)
- 緋山茜(恋愛暴君)※藍野青司に対してのみ。
- 平光ひなた/キュアスパークル(ヒーリングっど♥プリキュア)
- 福島紫織(きみはペット)
- 双葉アリア(アイカツスターズ!)
- ブタ(けものフレンズ2)
- 宝生波音(マーメイドメロディぴちぴちピッチ)
- 星川リリィ(ゾンビランドサガ)※男の娘
- 星空凛(ラブライブ!)
- ほのか(会長はメイド様!)
- ぽぽ(JOCHUM)
ま行
- マイメロディ(サンリオ)
- 真中のん(プリパラ)
- マオ(スター☆トゥインクルプリキュア)
- マクロファージ(はたらく細胞)
- 魔進ヘリコ(魔進戦隊キラメイジャー)
- 間宮菜月/ボウケンイエロー(轟轟戦隊ボウケンジャー)
- 丸山彩(BanG_Dream!)
- マリア(まいまいまいごえん)
- みこと(ながされて藍蘭島)※りんに対してのみ。
- ミア(Beatcats)
- 南みれぃ(プリパラ)※プリパラタウンにいる時のみ。普段は不正に厳しい委員長タイプ。
- 南ことり(ラブライブ!)
- ミニーニャ・マカロン(BLEACH)
- 宮崎都(バンブーブレード)※段十朗に対してのみ。
- 無茶ぶりっ子(妖怪ウォッチ)
- ムルモ(ミルモでポン!)※主に可愛い女の子に対してのみ。
- 萌咲いちご(それが声優!)
- 本若春陽(実況パワフルプロ野球シリーズ)
- 桃井さつき(黒子のバスケ)※黒子に対してのみ。
- 桃坂真理愛(幼なじみが絶対に負けないラブコメ)
- モモンガ(ちいかわ)
や行
- 八雲レーノ(ステーションメモリーズ!)※マスター(プレイヤー)に対してのみ。独占欲が非常に強い性格
- 矢澤にこ(ラブライブ!)
- 山井恋(古見さんは、コミュ症です。)※古見硝子に対してのみ。
- 山野辺澪(アイ★チュウ)※ほぼエヴァ様限定
- 夢川ゆい(アイドルタイムプリパラ)
- ゆめち(アキバ冥途戦争)※接客時のみ。
- 吉川春乃(ダイヤのA)
- 弱井トト子(おそ松さん)
ら行
- ラニュイ(ポケットモンスターXY)
- ラン(うる星やつら)
- 梨歩田依舞(斉木楠雄のΨ難)
- リッカ(4人はそれぞれウソをつく)
- 竜崎桜乃(テニスの王子様)
- 六道冥子(GS美神)
- ロコ・コ(魔界天使ジブリール)※普段はそうしているだけで、本性は残忍。
- ロージア(SHOWBYROCK!!)