概要
1997年12月より稼動した『私立ジャスティス学園 LEGION OF HEROES』に始まる、CAPCOMが発売した対戦型格闘ゲームシリーズ。および、同シリーズに登場する学園の名前。『ジャス学』とも。
『スターグラディエイター』が30フレームで動かすのがやっとだったという反省から、「常時60フレーム」「3Dのグラフィックと2Dの操作性の融合」「40人近いプレイヤーキャラクターが登場するチームバトル」をコンセプトに開発が進められたが、社内のプレゼンテーションであまり評判がよくなかったため、「学園もの」というエッセンスを取り入れたことで『ジャスティス学園』は誕生するに至った。
PS版においては、ゲームモードのひとつで学園生活シミュレーションゲーム『熱血青春日記』も目玉となっており、制作サイド曰く、それらを総称してジャンル名は「熱血青春バラエティ」とのこと。
極めて濃いキャラクター達の熱い生き様に、尾藤イサオの熱い主題歌が華を添える。
『燃えろ!ジャスティス学園』は、主要キャラ・忌野雹の担当声優であった塩沢兼人氏の訃報を受けてストーリー展開が急遽変更された。そのため、前作の家庭用とは異なり、フルボイスでのストーリーモードは用意されていない。また、塩沢氏の死去により結果的にシリーズ自体が打ち切りへと至ることになった。
シリーズ一覧
- 私立ジャスティス学園 LEGION OF HEROES(アーケード、PS、PSアーカイブス)
- 私立ジャスティス学園 熱血青春日記2(PS、PSアーカイブス)
- 燃えろ!ジャスティス学園(アーケード、DC)
主題歌
私立ジャスティス学園
OP「熱き鼓動」 尾藤イサオ
ED「未来の行方」 尾藤イサオ
登場人物
太陽学園高等部
五輪高等学校
パシフィックハイスクール日本校
外道高校
聖純女学院
ジャスティス学園
玉川南高校
- 春日野さくら(ゲスト出演)
システム
初心者でも派手なコンボが繋がりやすく、攻め込まれてもリスクの少ない『根性カウンター(後述)』が用意されていたりと、簡単かつ派手な攻防を楽しめるつくりになっている。
チーム制・協力技
『私立』2作では2人、『燃えろ!』では3人でチームを組んで戦う。
交代はラウンド終了時のみ。先発キャラクターは最初のキャラクター選択で固定される。
控えキャラクターと協力するコンビネーション必殺技として、「愛と友情のツープラトン」「勇気と正義の3プラトン」および「2プラトン返し」が存在する。
これらはゲージを2本または全部消費し、このゲームの華とも言える派手さを誇る。効果も回復やどこかで見た攻撃、はたまた自分を巻き添えにした攻撃など多彩。
熱血コンボ
キャラクターにより、特定のルートで通常攻撃をキャンセルして別の通常攻撃に繋ぐことが出来る。
『ジャスティス学園』シリーズはコンボ入力の受付時間が格闘ゲームとしてはかなり長く、初心者でも派手なコンボを決めることができる。
『燃えろ!』では、立ち弱キック(ほとんどのキャラが出の早くリーチも長いローキックだった)×2からの熱血コンボはやりにくく調整されている。
エアバースト
相手を高く打ち上げ、空中コンボを決める。
だいたい3画面分ぐらい飛ぶため、他の格闘ゲームと比較しても相当高い部類である。
『私立』では熱血コンボの最後に、気軽に組み込むことが可能。
『燃えろ!』では低空で行い、コンボにも組み込める「ショートエアバースト(一部必殺技とレバー入れ特殊技の二種類)」と、大振りの始動技を直接当てる必要はあるがコンボが数ループ入る「エアバースト」に分かれている。
根性カウンター
いわゆるガードキャンセルで、必殺技のみならずキー入れ攻撃だけでも発動できる。
シリーズ共通で、ガードの際にエネルギーの壁が発生し、根性カウンターの瞬間にその壁を破る演出がある。
軸移動・回り込み
弱パンチ強パンチ同時押しの投げに対し、弱キック強キック同時押しには軸移動が割り当てられている。
本シリーズは基本的に自分と相手を結んだ直線上で2D格闘ゲームのように動作するが、描写および判定の処理は3Dで行われているので、相手を軸として奥行きや手前に移動することで攻撃を回避出来る。
軸移動は相手に密着して出すことで、相手の背中側まで滑り込んで移動する回り込みに変化する。
一部のキャラクターは軸移動要素を含む必殺技なども持っている。
熱血受身・根性ゲージ・完全燃焼アタック
本シリーズにおいて受身は熱血受身、ゲージは根性ゲージ、超必殺技は完全燃焼アタックと熱く呼称される。
なお、ゲージの本数で攻撃力に補正がかかる。使いどころを見極めるのも大事。
EDITキャラクター・熱血青春日記
PS版『私立』の2作品とDC版『燃えろ!』では、実際に対戦ゲームでも使えるEDITキャラクターを育成可能。
単純に数値や技のみ設定して作成するのではなく、学園生活シミュレーションゲーム『熱血青春日記』を遊び、その結果としてEDITキャラクターが出来上がる仕組みである。
このことから『ジャスティス学園』シリーズは他の格闘ゲームと比べてメインキャラクターの描写が非常に濃密なものとなり、EDITキャラクターも各学校の生徒の一人として世界観に溶け込む形となる。
編入する学校によっては性別が固定される(男子校の外道高校、女子校の聖純女学院)。
『燃えろ!』に至ってはアーケード版でも筐体により、DC版で作成したEDITキャラクターを使用出来るほど、このシステムは重視されている。
本シリーズの二次創作においてオリジナルキャラクターが登場した場合、それらはEDITキャラクターを指している場合もある。