概要
「Instagramにアップロードした写真、またはその被写体の見栄えが良い」、「おしゃれに見える」などの意味で用いられる言葉。2017年頃から急速に広まり、2017年の流行語大賞には「忖度」と共に選ばれた。
被写体は料理、景色、建物、またはドレスアップした自分自身など多岐に渡る。
なお英語にも"instagrammable"という同義語が登場しており、web英語辞典に掲載される程には市民権を得ている。
その後、この用語の対象はInstagramにとどまらずSNS全体へと広がりを見せた。
次第に「インスタ」のはずれた「映え(ばえ)」の部分単独が「(インスタを含む)SNS映え」という意味を表す語として独立して用いられるのが主流になっていった。
さらには感嘆詞として「このドリンク、映え~」のように用いられたり、動詞化して「映える」「映えない」などと用いられたりもしている。
「映え」を意識した施設や店舗も増える一方で、商品を買わずに写真だけ撮ろうとしたり、飲食店で注文した料理の写真だけを撮って料理には手を付けようとしない者が現れことが問題となった。同時期には、自身のフォロワーを増やしたいが為にインスタ映えする被写体を求めて右往左往する人々を指す「インスタ蝿」という蔑称まで生まれてしまった。また、外見が映えることを意識するあまり中身が空虚になっているという批判もあった。
その後、商品が景観が「映える」ことを店や観光地がアピールするようになるなど「映え」を意識することはより一般的になった。また、流行語という域を超えてTV番組などで使われることも多くなった。
ただ、2020年代以降はコロナ禍の影響もあってか若者を中心に「さりげなく盛る」「ありのままの日常を共有する」スタイルが好まれるようになったことや、Tiktokなど競合する他のSNSが定着してきたこともあり、「インスタ映え」はもはや死語の様相である。
派生した「映え」という言葉も、意味としては通用はするものの、SNSが当たり前に日常に溶け込んでしまった今はもう意識して言語化される機会は明らかに減っており、こちらも遅からず死語になると思われる。
トイカメラ/トイデジや専用アプリなどで解像度を落とした写真でエモさを狙う技法も見られる。