概要
写真特化SNSである「Instagram(インスタ)」をはじめとしたSNSの本来の目的は「自身の固有の体験を他の人々(フォロワー)とリアルタイムに報告したり、過去の思い出として記録したりして、その内容を共有しあう」ことである。
投稿者に「ぜひSNSへ投稿したい」と駆り立てる、あるいは見た人に「ぜひ『いいね!』したい」と思わせるような、魅力に溢れた場所やモノが写真映えする様子は「インスタ映え」と呼ばれるようになった。
英語でも"instagrammable"という同義語が登場しており、既にweb英語辞典にも掲載されるほど市民権を得ている。世界中どこでも考えることは一緒のようだ。
そんな中、一部の人々はSNSのフォロワーを増やしたい、より多くの「いいね!」が欲しいといった欲求から「インスタ映え」を過剰に意識するようになっていった。
そしてインスタへの投稿自体を目的に行き先や買うモノを決めるという、本来の目的を考えれば本末転倒な状況に陥るユーザーも少なからず現れた。
このようにして「インスタ映え」のする写真を求める動きが加速するあまり、次第に常識外れな行動をとるユーザーが世界中で現れるようになった。
例としては
- きらびやかな飲食物を、写真を撮る目的だけで購入し、食べずにその場で捨てる
- 風景の写真を撮るために危険な場所に侵入し、挙げ句救助要請する
- 特定の施設に本来の対象ではない人々が押しかけ、本来の業務に支障をきたす
などが挙げられ、こうした行為は世界的に批判の的となっていった。
そして「インスタ映え」を求め彷徨い、一度見つかった「インスタ映え」のする素材に大勢のユーザーが群がって皆同じような写真を投稿、最悪の場合そのスポットや物を立ち入り禁止や販売中止などに追い込みダメにしてしまうという残念な事態にもつながった。
このような迷惑ユーザーの行動パターンが「インスタ映え」の「映え」と害虫の「蝿」の音とで引っ掛けられ、「餌に群がり迷惑をかける蝿」に喩えられたのが「インスタ蝿」である。
見ての通りこれは蔑称で、ネット上での積極的な使用は勧められるものではない。
マナーを守り良識ある行動をとっているSNSユーザーが大半であり、ただ単にインスタ映えを求めるだけのユーザーを十把一絡げに「蠅」呼ばわりするのは慎むべきだろう。
表記ゆれ
関連タグ
蝿 バズる 蔑称 バカ発見器/バカッター 承認欲求 集団心理
食品サンプル:メーカー自身が推奨している場合もあれば皮肉として用いられることもある。
フィクション作品の関連キャラクター
- 湊クリスティーン:6期ゲゲゲの鬼太郎のゲストキャラクター。最終的に殺人未遂まで起こした挙句、警察に逮捕されてしまった。
- ヒサメ:モナ・リザの戯言の悪役担当キャラの一人。彼女もいいね!や映えのためならどんな手段も選ばず、SNS中毒をテーマにした動画では度々メイン悪役を演じている。特に母親役として登場した際も家事や育児を人任せにしてスマホに没頭している上、自分の子供の顔出し写真はおろか、夫や他の保護者達の許可も無く自分や他の子供の顔出し写真を無断で投稿しており、生まれて間もない娘のおむつ替えや入浴時といった裸の写真をも堂々と投稿するほどである。
- 『キボウノチカラ〜オトナプリキュア‘23〜』第10話に出てきたモブ女子達:店で注文したチョコレートパフェの写真だけ撮って「太るじゃん」という理由で食べずに次の店に行こうとしていた。彼女達に怒られるぞ!!
- マリオ(スーパーマリオくん):54巻収録の「映える写真をとってみよう!!」にこのネタがある。新種のハエじゃないです!!