概要
生まれながらにして特別に優れた才能があること、またその才能のこと。
同義の言葉に「天賦の才」があるが「賦」に「わり与える」という意味があることから、この場合の「天」には「生まれ持ったもの」という意味合いが強いと考えられ、才能の程度を示すものではないといえる。
明確な定義はないが、例えば学問の分野であればIQや学力偏差値が、スポーツの分野であれば試合の成績や記録が指標となり、優れた資質と才能を持つ周りと比べてもさらに突出していることが「天才」という言葉の一つの捉え方である。
対義語は凡人、あるいは無才だが、後天的に優れた才能を身に着けた「努力家(秀才)」の対義語として用いられることも多く、努力なくして大きな成果を上げられることを特に指す。
しかし、実際に天才と呼ばれている人には並外れた素質に恵まれた上に、たゆまぬ努力を続けることで成果に結び付けている「努力の天才」である人が多い。
類義語に、人間とは思えないほどの才能を表す「鬼才」や、きわめて稀な才能を表す「奇才」(後述)、主に知力の面で神から特別に贈られたような才能を指す「ギフテッド」などがある。また、幼くして優れた才能を発揮している場合は「神童」とも呼ばれる。
フィクションにおいては、「金持ち」と並ぶご都合主義設定の一つとなっており、信じがたいような事態も「天才だから」とか「チート補正」とかでだいたいは解決する。
あらゆるものに才能を発揮し、またそれぞれのバランスが取れている万能(オールラウンダー)というよりは、一つに特化した専門家(エキスパート)であることを指す場面が多く「ある一つの能力は極めて高いが、それ以外はまったくの凡才」「優れた才能をいくつも持つが一つの大きな欠点を持つ」というケースは少なくない。
「天才と狂人は紙一重」という慣用句があるが、学問や芸術、スポーツといった、それぞれの分野における技術・センスの部分は天才的でも、人柄や言動に多少問題があったり、社会を構成する一人の存在として円滑に生活を送るうえで必要な能力に乏しかったり(例えば金銭・公衆衛生・時間や距離などに関する感覚が世間一般から大きくずれている)ようなこともままある。
天才と呼ばれる歴史上の人物の中には、生前に奇行・奇言が見られた人物も少なからずおり、それが並外れた発想力や特殊な感性という才能そのものからくるものなのか、病気や障害、ストレスから逃れるための薬物の乱用など、特に才能を持たない人でも起こり得るものに由来するものなのかは、個人差が大きい。
もちろん優れた才能と優れた人格を併せ持つ天才もいるが、天才は良くも悪くも「普通」から逸脱している存在であり、一つの能力が極めて優れている分、逆に劣っているところ、とくに「普通の人」が当たり前に持つはずの能力の低さが目立ちやすいという側面があるといえる。
当たり前だが、「天才」というだけで全員が偉人や有名人になれる訳ではない。
(才能が十分に活かされ)優れた実績を残すためには、努力は言わずもがな、才能への理解者との関わり、充実した環境といった周囲の協力に加え、本人の性格、人間性といった部分、その人が生きる時代や地域、そして能力が発揮される機会をつかむ「運」のような、本人の努力だけではどうにもならない部分も大きく関係し、天才だが本人がそれを自覚しなかった、あるいはその才能が他者に見出されなかった人も多数いる。
また、その能力や資質が特別であるがために、周りと上手く合わせられない、周りを置き去りにしてしまう「浮きこぼれ」になりやすい存在とも言える。
(天才に限った話ではないが)自己肯定感が低く、自分の能力の高さに無自覚な場合「自分ですらできるのに他の人ができないわけがない、できないのは努力の足りない無能」と、能力的に劣る他者を見下すこともある。
これに関係して「自らがパフォーマンスを行うと凄いが、それを他者に教えるのは下手」ということも多い。
生まれつきの才能を持っているが故に、苦労や「できない、わからない」感覚の経験が少なく、努力して能力を身につける過程にあるものを指導する立場に回った際に、いろいろな方法を試して相手を振り回したり、逆に相手に振り回されたりして、よろしくない結末を招いてしまうことも少なくない(「名選手名監督にあらず」に近いか)。
天才・秀才・鬼才・奇才の違い
いずれも、その才能を賛える言葉として用いられるが、意味合いが若干異なる。
「天才」は、前述の通り先天的な才能や、それに長けた人のこと。一つの分野に対しては抜きん出ているが総合的には平凡もしくはそれ以下であることもあり、時としてそれを揶揄するようなニュアンスが含まれる。
「秀才」は、自身の資質・特性に合わせて訓練を課して才能を昇華させた人のこと。「先天的な」才能の持ち主を指す天才とは違い、後天的に能力を身に着けた「努力家」としての要素が強調される。
「鬼才」は、人間離れした鋭い才覚のことを指し、特に「常人では思いもよらない奇抜な発想に至る人」という意味合いがあり、才能の非凡さが強調される。
「奇才」は、稀に見る才能の人物に使用される。鬼才と似たような意味だが、主に芸術的分野に用いられる。
要するに、天才とは先天性、秀才とは後天性と分けられ、鬼才とは才能の質、奇才とは才能の希少価値をそれぞれ表している。
pixivでは
pixivのタグとしては、下記の用法が挙げられる。
- 「天才」と呼ぶに相応しい人物・キャラクターを描いたもの。
- 「天才」を自負する人物・キャラクターを描いたもの。
- 投稿者の技術やセンスを褒め称えるもの → 評価タグの一覧。
- まれに見る発見を褒め称えるもの → その発想はなかった。
- 狂気的、わけがわからなすぎて逆に高尚に見えてくるもの → 哲学。
- 馬鹿の異名や皮肉 → 愛すべき馬鹿。
「天才」と呼ばれる人たち(実在)
- アイザック・ニュートン(自然哲学者・錬金術師)
- フリードリヒ・ガウス(数学者)
- レオナルド・ダ・ヴィンチ(画家・建築家・数学者・医学者・発明家・音楽家・詩人)
- ナポレオン・ボナパルト(政治家・軍人・皇帝)
- ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(詩人・小説家・政治家・法学者・科学者)
- オットー・フォン・ビスマルク(政治家・外交官)
- アルベルト・アインシュタイン(科学者)
- ジョン・フォン・ノイマン(数学者・科学者・経済学者)
- トーマス・エジソン(発明家・実業家)
- ニコラ・テスラ(発明家・技術者)
- ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(音楽家・作曲家)
「天才」と呼ばれる人たち(創作)
※並びは作品名の五十音順。
※自称も含む。
パワプロにおける天才
実況パワフルプロ野球および実況パワフルサッカーのサクセスにおける天才はまれに(あるいは天才の入部届を持ち込んだ際に)発生し能力が上がる。また、天才であることを区別するために育成した学校の色の表示が異なっている。
栄冠ナインでもまれに天才の選手が入学してくることもある。
楽曲の天才
奏音69が投稿した巡音ルカオリジナル曲。
天才という言葉が使用されている番組名
関連タグ
知能指数 才能 秀才 鬼才 天才児 賢い 特別 物知り プロ
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