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概要

ライトノベル作家、白石定規原作のファンタジー小説

「旅々」は作者による造語であり、「魔女の旅」だと安直かつ他の作品と被るから、という理由でこのタイトルになった。


魔法使いとしての最高位「魔女」の称号を与えられた少女イレイナが、様々な国を渡り歩くロードムービーとなっており、主人公であるイレイナを除き話ごとに登場人物が入れ替わる。

基本的に一話完結式だが、時折複数の話に繋がりがある場合もある。


所謂『キノの旅』のファンタジー版と想像すれば分かりやすく、作者自身影響を受けた作品の一つに挙げている。各国が城壁で囲まれ大きく文化・価値観が異なる点や、話ごとの作風が微笑ましいものから報われないものまで大きく違う点も共通する。


影響を受けた作品に挙げているだけに、原作初期はあちら同様、事件に深入りせず終始旅人としての立場をわきまえた話や、介入してもやるせない結末を迎えてしまう等暗い話が多く、特に序盤の話が集められたコミカライズはそれが目立つ。このため原作非完読の人からは「暗い作品」という評価を付けられることが多い。

しかし原作全巻を通してみると、明るい話や馬鹿馬鹿しい話、ゲストキャラが報われるハッピーエンドが多数を占めていたりする。


主人公の性格や能力の違い、もしくは打ち切りからの復活を経てやや路線を変更したのか、徐々にあちらと差別化が進んでいき、キノの旅が全体的に薄暗く「国の文化や風刺、寓話」を主体にした淡々とした物語なら、こちらはギャグや明るい話の方が多く「出会った人との交流」がメインといった所。ついでに言うならイレイナを取り巻く百合要素も増えて行く。


元々はAmazonの電子書籍サービスkindleで電子書籍として発売されていたが、最初の頃は売れ行きに行き詰まり作者本人が2ちゃんねるのニュース速報Vip板でスレッドを立てるなどして宣伝していた。

やがて口コミで話題となり、GAノベル(⇒GA文庫の記事を参照)から発売された。

コミカライズ版も『マンガUP!』と『ガンガンONLINE』にて低頻度だが連載中。


さらにC2C制作のテレビアニメが2020年10月から同年12月にかけてAT-XTOKYOMXサンテレビKBS京都およびBS11テレビ愛知にて放送された。また、ABEMA等での配信も行われていた。

オープニングは上田麗奈の「リテラチュア」、エンディングはChouChoの「灰色のサーガ」。


登場人物

イレイナ

魔女名/灰の魔女

CV:本渡楓

主人公。故郷にて15歳という若さで魔法使いの最高位「魔女」の称号を獲得した少女。自他ともに認める美少女だが、性格は腹黒い守銭奴。口癖はそう、私です

幼い頃に読んだ小説『ニケの冒険』に憧れ、同じ旅の魔女として各地を巡っている。


サヤ

魔女名/炭の魔女

CV:黒沢ともよ

東の国生まれの新米魔女の少女。出会ったイレイナの助力で試験に合格し、後輩の旅魔女としてデビューする。

イレイナの事を恩人として敬愛しているが、その愛はかなりの重さ。


フラン

魔女名/星屑の魔女

CV:花澤香菜

イレイナの師匠。

ロベッタの森で1年掛けて、イレイナに魔術を教えた。

現在は故郷の国にある魔法学校で教鞭をとっている。


シーラ

魔女名/夜闇の魔女

CV:日笠陽子

サヤの師匠。

魔法統括協会に勤務しているが、常に紫煙を吹かせるなどアウトローな雰囲気を持つ。

フランとは同じ魔法使いに師事した姉妹弟子の仲。


アムネシア

CV:小原好美

眠るごとにすべての記憶がリセットされてしまう謎の少女。「ある国」を目指し、イレイナと行動を共にする。


アヴィリア

CV:岡咲美保

アムネシアの妹。姉とは違い、魔法が使える。


ミナ

魔女名/煤の魔女

CV:高橋未奈美

サヤの妹で、姉より先に魔女となったクールな才女。

離れている間に姉のハートを奪ったイレイナに嫉妬気味。


ほうき

イレイナが乗っている愛箒。主の魔法により擬人化して行動出来る。

健気な性格で、度々イレイナを支援する。


ヴィクトリカ

CV:伊藤静

イレイナの母親。娘からは「ただの魔導師にしては卓越した実力を持っている」と思われていたが…?


※その他ゲストキャラも多い作品なので、これ以上は実際に読んで頂きたい。


世界観

多くのファンタジー作品と同様に、中世ヨーロッパを思わせる街並みの国が多く描かれ、様々な特色を持つ国家が点在している。

悲喜交々な物語が描かれるため、アニメ勢からは武力が必要な過酷な世界と思われがちだが、実は原作では魔女のような力がなくとも国外を気ままに放浪できる旅人が大勢出て来たりする。休暇を利用して国外旅行をする学生、とある国を目指しながら物見遊山の観光を繰り返す魔道師、魔女を詐称している豪運の少女…などなど。


その他にも命の危機に見舞われるような危険な悪党や魔法に長けた賊がほぼ存在しない、初対面、または偉い立場の相手でもコミカルかつ無礼なやり取りが通じてそれが許容される、というか基本的にポンコツな人が多いなど、世界全体基準での治安はかなり良い。

しかし大蛇や大狐といった魔物のような生物も一部の地域にはいるようで、それらを狩って生活しているゲストも稀に登場する。



魔法の扱いは生まれつき男性よりも女性の方が優れている、というのも本作の特徴。

また、魔女が畏怖や恐怖の対象ではなく、稀有で尊敬される存在となっており、「魔女である自分の言葉なら、彼らも耳を傾けてくれるだろう」とイレイナが自信を持って語ることもあるほど。国によっては丁重に扱われ、何かしらの依頼を受けることもある。


何も成していなくても称号さえ持っていれば各地でもてなされる存在ではあるが、強大な力を持っているという立場上課されてもおかしくはない制限や、地位に驕り悪事に走ることを未然に防ぐような抑止となるべき法などは、特に定められていない。

魔法を用いた犯罪行為で路銀を稼ぐ道徳観の人間でも実力さえあれば称号を与えられ、気分次第で強大な力を奮える人間たちが自由気ままに旅している世界…という意味では、物騒な世界なのかもしれない。



関連動画

ティザーPV

PV2

PV3

ニコニコ版はこちらから


関連項目

GA文庫 ファンタジー小説 2020年秋アニメ

上田麗奈:アニメのOPが2ndシングルの『リテラチュア』。第8話のゲストキャラ役でも出演している。


users入り


外部リンク

GA文庫公式サイト内特設サイト

アニメ公式サイト

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