CV:小原好美
概要
『魔女の旅々』の登場人物。
眠ると記憶を失くしてしまう呪いをかけられた少女。
ひょんなことからイレイナと知り合い、唯一手元にあったメモ帳に記されている故郷『信仰の都エスト』を目指して旅をしている。
能天気で常に前向きな性格をしている。
容姿は白いショートヘアにカチューシャ、翡翠色の瞳をしており、白を基調とした『信仰の都エスト』の正統騎士団の制服を着ている。
【注】この記事は原作4巻以降のネタバレを多分に含みます。
かつては『信仰の都エスト』の正統騎士団に所属していた。
魔法至上主義の国において魔法が一切使えないことで、両親を含む周囲のあらゆる人々から蔑視されて育った。それでも必死に努力して代わりに剣の腕を磨いたことで正統騎士団に入団する。しかしその中でも差別的な待遇を受け続け、やがては窓際部署へと追いやられる。
そんなある時、エストではある酸鼻を極める凶悪事件が国中を騒がせるようになっていた。アムネシアはその事件を担当していたわけではなかったが、別件の単独調査を行っていた際にたまたま大事件の真相にたどり着いてしまい、犯人の正体を告発しようと試みるも逆に無実の罪をいくつも着せられて罰せられることになる。
下った判決は「忘却帰郷の刑」という極刑であった。
これは「朝を迎えるたびに記憶を失う呪い」をかけたのち、必要最小限の情報だけを渡して国外に追放、それを頼りに数ヶ月から数年さまよって帰郷した咎人を再び拘束、処刑の寸前に呪いを解除して全てを思い出させ、これまでの苦難と希望の道のりが全て断頭台への道だったことを思い出させて、深い後悔と絶望のどん底に落とし込んだところで首を刎ねるという残酷な代物だった。
その後、辺境の国アルベッドにてイレイナと出会い、二人であちこちを旅した末に帰郷を果たす。
帰郷したアムネシアは予定通り拘束されて処刑されそうになるが、様々な物語を経てイレイナや妹のアヴィリアの活躍により救い出され、無実を証明される。
だがこのような悪意と理不尽の限りを与えてきた故郷に残る選択肢などなく、妹アヴィリアとともに新たなる故郷探しの旅に出る事に。
イレイナとの別れ際、「自分は何も送るものを持っていないから」とおもむろに抱きつき、これが永遠の別れではなく必ずいつか再会することを誓い、これまでのありとあらゆる感謝を述べて、最後に今までずっと言えなかったイレイナに対する想いを告白して別れる。
原作第4巻の半分はイレイナとアムネシアの旅の話になっている。
あまりに綺麗かつドラマチックに終わったので、それきりの登場になるかと思われたが、その後もちょくちょく原作に登場するためすっかりメインキャラ扱いになる。
ただし結構な頻度でイレイナと再会しているサヤやフランとは違い、現在でもなお、イレイナと再会できていないキャラであり、ニアミスを繰り返している(イレイナの夢の中でのみ再会を果たしている)
妹のアヴィリアだけはイレイナとがっつり再会して一緒に事件解決までしており、その際に「明日にでもお姉ちゃんを連れてきましょうか」「イレイナさんがいると知れば飛んでくるはず」と提案するが、「もう一度会いたいと思える人は逢いたくても逢えないくらいが丁度いい」「いつでも会える距離にいたら依存し合ってしまう」というイレイナ特有の旅人理論で却下されてしまった。
イレイナへの想い
イレイナと交流した多くの女キャラの例に漏れず特別な感情を抱いている。
これはイレイナの容姿や旅に同行して愛着が湧いているという表面的なものはもちろんだが、日ごとに記憶がなくなる呪いに苛まれる自分を孤独にさせまいとイレイナが自らに課した習慣
- ・毎朝アムネシアより先に起きて待っている。
- ・毎晩アムネシアが眠りにつくまで見守っている。
- ・起きている時は片時も離れず付き添う。
といった「アムネシアを安心させるためのこそこそとした努力(ほうきさん談)」や
- ・自嘲気味に自分の呪いを口にすると「そんな悲しいこと言わないでください」と抱きしめてくれた。
- ・誰も信じてくれなかった自分の冤罪を命がけで晴らして断頭台から救ってくれた。
などに由来する、とても切実な想いである。
特に最初のイレイナの「こそこそとした努力」は、それまで諦めて忘却を受け入れることで心を守っていたアムネシアにとっては大きな心の支えであり、能天気に振る舞うことができる理由であった。
そのため「氷漬けの街」でイレイナを失いかけた際には、擬人化したほうき(魔女の旅々)に対して泣きながら
「わたし、明日にはあの人の顔も覚えてないのよ……?」「メモに残したとしても、それがわたしにとってどれほど大切なことなのかも、きっと理解できない」「わたし、あの人を忘れるのが怖いのよ……!だから––––」
と訴えている。
また、そういう旅を重ねていたせいか日々の記憶がないにも拘らず
「今朝出会ったばかりなのに、イレイナさんとの時間がずっと続いて欲しいと思えてる」「心のどこかでもしかしたら故郷につきたくないって思ってるのかも」
と記憶の奥底に封じられたあやふやな気持ちの存在を吐露している。
メイン格であるサヤやフランなどと並んでイレイナ包囲網の主柱を務めている。
そのためか本編内(8巻「悪の組織へようこそ」)やドラマCD、イレイナの夢の中(第10巻「魔女裁判」カクヨム掲載「旅人の誕生日」)などでサヤと緊張感のある空気を作ったり、イレイナを巡って勝負したりすることがある。
イレイナ本人からの好感度はすこぶる高く、二度も母との約束を破って命の危険を顧みずにアムネシアを守ろうとしたほどである。
上記の「二人のこの時間がずっと続いて欲しい」「故郷に帰れなくてもいい」というアムネシアのセリフに対しては、窘めつつも内心で同じ気持ちを抱いていた。また、抱きつかれて告白を受けた際には赤面して胸が熱くなるというイレイナとしては珍しい反応を示し、次の巻の冒頭までその時の複雑な感情を語るほどだった。
一方、先述のとおり「逢いたいからこそいつでも会える距離にいるとその心地よさに心奪われてしまう」「逢いたくても逢えないくらいがいい」といった旨のイレイナ理論により、別れから10巻が経過した14巻現在もまだ再会することはできていない。
ドラマCD内では「4巻のあと別れる道を選ばず、一緒に旅を続けていたら」というifストーリーが展開されており、妹が不在の日にイレイナと二人きりでデートする姿などを見ることができる。
以上からイレイナへの好意は十中八九恋愛感情であると思われるが、とある百合カップルと遭遇した時には冷静に「恋愛は男女でするもの」と述べている。……あれ??
妹について
故郷において完全に孤立していたかに見えたアムネシアだったが、アヴィリアだけはずっと姉を敬愛し続けていた。アムネシア視点では自分に愛想を尽かしたように見えていた時期もあったが、それは周りからの妨害や騎士団幹部としての立場ゆえにそう見えていただけであり、アヴィリア自身の想いは常に姉の側にあった。
というかぶっちゃけシスコンの域に達しており、姉から想いを寄せられているイレイナにしばしば嫉妬心を見せる。その点ではサヤの状況とダブっていると言える。