概要
浜弓場双による4コマ漫画作品。「まんがタイムきららキャラット」(芳文社)にて2015年1月号から3月号および同年7月号から連載されている。略称は「おちフル」。単行本は2022年2月末現在6巻まで発売中。
東京都東小金井にあるラットプロダクション第4寮「ネズミ荘」を舞台に新人アイドル・元子役・元ファッションモデル・元ミュージシャンが集い、アイドルグループ「フルーツタルト」を結成。
1年間深夜の5分間番組「おちこぼれフルーツタルト」放送の間に1億円を稼ぎ、ネズミ荘取り壊しを防ぐべく奔走する。
インタビューによれば、「きらら」にアイドルものがあまりなかったこととアイ〇ツとプリ〇ラにはまったことから生まれたという。
それまでの連載作品である『空色スクエア。』や『ハナヤマタ』と異なりシリアス要素がほとんどなくコメディ色が強め(ハナヤマタも終盤は本作の影響があったのかコメディ的な面は見られる)。
…というより、ストーリーが進むごとに登場人物たちのキャラのフェチが明らかになり、またパワーアップしていったことで公式ですら不健全と認める作品となってる。
日常系作品にたまにいる「変態チックな女の子」的なキャラクターが本作では多くのキャラがそうなっているといったところ(後述するが実際に恋する小惑星のCMの宣伝でもそのような例え方がされた)。
ストーリー
岡山から憧れの東京に上京した桜衣乃は幼い頃からの夢を叶えるべく、補欠合格の末に新人アイドルとなった。
マネージャーの梶野穂歩に連れられて案内された場所は中堅芸能事務所「ラットプロダクション」の第4寮・通称「ネズミ荘」。
ネズミ荘には元子役の関野ロコ、元ミュージシャンの貫井はゆ、元ファッションモデルの前原仁菜が共同生活を営んでおり、細々と食いつないでいる状況であった。
衣乃が加わったことで穂歩はネズミ荘の面々に「ネズミ荘取り壊しをかけたアイドルグループ結成」を命ずる。彼女たちが所属するラットプロダクションが売れないメンバーたちを抱えることが難しくなったようで起死回生の企画案として芸能界からの弾かれ者を集めたアイドルグループによるテレビ番組を放送、お金を稼ぐことでネズミ荘の取り壊しをするかどうか決めるという。
成り行きでアイドルグループを結成することになった4人は番組が用意した企画やライブになれないながらも立ち向かっていくこととなる。
小規模ながらもライブを成功させていき、さらに緑へもが加わって5人体制となったフルーツタルトだったが番組改編期のタイミングで番組が「視聴率0%」を叩き出してしまう。
スポンサー降板による打ち切りも危ぶまれたがキャットプロの小金乙が持ち込んだ企画「リアルアイドル甲子園」で活躍することにより、貫井家を直接スポンサーに引き入れることで番組打ち切り回避を狙うフルーツタルトの面々であった。
キャラクター
登場人物の名字はそれぞれ小金井市近辺の町名から、名前の頭文字は「いろは歌」が由来となっている。全員それぞれ一癖も二癖もある性格を持っている。なお、一部キャラは作中では名前がカタカナ表記にされている。
ラットプロダクション
「芸能の殿堂」を掲げる中堅芸能事務所(というか外観や所在地含めて芳文社)。
フルーツタルト
深夜番組「おちこぼれフルーツタルト」に参加するアイドルユニット(イノは補欠とはいえ新人でありへもは作中でもおちこぼれではないので「おちこぼれ」は実質3人)。
小金乙の分析によればファンとの距離感が近いことによる素人感が強みであるが、マネージャーのホホ含めて誰も気付いていないため活かせていない。
それでも距離感の近さが功を奏した結果地元である東小金井では支持を集めている他、人気グループのクリームあんみつとの絡みやロコの子役時代のブロ子の歌、はゆの母親など利用できるものをなりふり構わず利用したことも合わさって意外と躍進を続けている。
リーダーはリーダー選抜人気投票の結果ロコ。
メンバーには何かしら不健全な面が多いため、皆自分がメンバー内で一番の常識人だと思っている。
桜衣乃(さくら・いの) | 関野ロコ(せきの・ろこ) | 貫井はゆ(ぬくい・はゆ) |
新人アイドル | 売れない(元)子役 | 売れないミュージシャン |
前原仁菜(まえはら・にな) | 緑へも(みどり・へも) | 梶野穂歩(かじの・ほほ) |
売れないモデル | 大型新人アイドル | マネージャー |
キャットプロ
クリームあんみつ
大人なJCとロリなJKで売り出し一万人規模の会場でライブを行えるほどの人気グループ。
冠番組「あんみつ学園」は「おちこぼれフルーツタルト」の並びで行われその影響で「おちこぼれフルーツタルト」も視聴率を獲得してる。
リリがホホに惚れこんでいることやチコ(とこちらは純粋な憧れだがぬあ)がロコに関することを取引条件にすることで様々な形でフルーツタルトに協力しており、フルーツタルトの躍進には他事務所ながら影響が大きい。
こちらのメンバーも不健全な面の多い人物が揃っており、フルーツタルトのメンバーと初めて対面した小金乙がそちらの暴走ぶりを目にして「ウチのあんみつといい勝負」「ダメな意味で」と評するほど。
カナリアPRO
モノクロティラミス
キャットプロの社長代理を務めていた乙が自分の意志で独立した(ただし親からの融資は受けた)会社。キャットプロをやめる前に手を加えており、前から目をつけていたフルーツタルトのスタッフである利音を引き抜いてモノクロティラミスとしてアイドル甲子園に参加する。
利根が長く住んでおり、乙も気に入られたことからフルーツタルトの地元人気を脅かしたこともあった。
関野チコ(せきの・ちこ) | 中町ぬあ(なかまち・ぬあ) | 中町るあ(なかまち・るあ) |
超人気アイドル | 双子のドM | 双子のドS |
東リリ(ひがし・りり) | 小金乙(こがね・おと) | 本町利音(ほんまち・とね) |
プロデューサー | 19歳・合法ロリ | 巨乳素人JK |
その他
武蔵和歌(むさし・わか)
誕生日 | 3月3日 |
---|---|
年齢 | 24歳 |
血液型 | AB型 |
身長 | 156cm |
体重 | 49kg |
好きな物 | ホホ先輩 |
苦手な物 | 太陽 |
作曲家。ただし実質ニート。
ホホとリリの一年後輩で、大学でリリに甘やかされるホホが理想的な「ヒモ」に見えたことから彼女に惚れこんでいる。
ホホに惚れこんでいることは母親公認でホホからは面倒くさがられている。
作曲家だが2年間ネトゲで音信不通になり去年の年収は(過去の印税で)462円とあまり熱心ではない。
一応、才能はあるらしく乙からも依頼を受けている。
場を引っ掻き回すことに喜ぶ性格らしく、婚約者発言を始め愛しのホホ先輩と呼ぶ彼女にすらツッコミをさせるような言動を繰り返し、恋敵と言えるリリも散々からかい続けている。
プロフィールに記載はないがリリを胸のサイズで煽った際の4コマタイトルからすると恐らくFカップ。
貫井はよ(ぬくい・はよ)
貫井はゆの母。フルーツタルト冠番組のスポンサーを、買って出る。
利音の母
CV:植田佳奈
衣乃の母
CV:高橋美佳子
アニメ化
2019年3月28日、feel.の手によってテレビアニメが製作されることが明らかにされた。
そして、それからちょうど1年後に当たる翌年3月28日には放送時期の発表がなされている。
アニメ化した前作のまんがタイムきららフォワードのハナヤマタに続く2作目で、同作者のきらら系列雑誌掲載作品の2度目のアニメ化は初となった(他誌の作品を含めれば2度目の作品はいくつかある)。
ちなみにそれ以前にも何度かアニメ化の話はあったようだが企画が通らず、作者も「漫画の内容に心当たりが多すぎる……」となっていたという。
2020年7月から放送開始の予定だったが、新型コロナウイルスの影響により放送開始が同年10月からに延期となった。
TOKYOMX、サンテレビ、KBS京都、AT-XのほかBS日テレで放送された。なお、BS11やBS-TBS以外のBSテレビ局でのきららアニメ放送は極めて異例(本作以外では「あんハピ♪」がBSフジで放送された程度)。
アニメタイトルは本作の登場キャラに合わせていろは歌になっており対応したキャラが読み上げている。
近年のアイドルもので多くみられる3Dによるダンスシーンをちゃんとやるかどうかについては本作のメインではないという判断から作画で行われているが、実際のダンサーの動きを簡易的に3D化したものをガイドに作画を行うという方法で行われ、逆に手間と時間がかかったそうでライブシーンはしっかり作りこまれている。
アニメ化に際しては小金井市とコラボしており市議会で本作が東小金井を主な舞台としている点やキャラクター名の法則(後述)が取り上げられた(動画)他、エンディングのクレジットでも「協力」として小金井市の企業や団体が数多く名を連ねている。
きららファンタジア
2020年10月13日から開催される予定のイベント『おちこぼれアイドルの異世界TV』にて、衣乃・ロコ・はゆ・仁菜の4人が参戦する。
(ちなみにイベント配布キャラは仁菜(☆4・土属性アルケミスト))
同一作者による作品の参戦は『GA芸術科アートデザインクラス』&『棺担ぎのクロ。~懐中旅話』以来では2例目となる。
アニメが放映されて間もなくきららファンタジア参戦、という珍しい参戦の形となる。
関連動画
関連項目
個別
関連・類似作品
同作者
- ハナヤマタ・・・同作者によって連載されていたもう一つのまんがタイムきらら系列作品。
その他
- 恋する小惑星…同誌のアニメ時期の近い作品でそのためアニメ時のCMでキャラット作品の紹介を行っている。その時、本作について「すずちゃんみたいな人がいっぱいいるみたい」と紹介した。なお、あだ名でイノと呼ばれるキャラもいる。
- アイカツ、プリパラ…本作に影響を与えた作品。もっとも全然違う物ができてしまったと発言している。なお、クリームあんみつの構成は主人公たちのライバルチーム、メンバーに双子がいる、センターと双子の髪色が一致するといった点がプリパラのドレッシングパフェと同じなためモデルと思われる。
- ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(アニガサキ):こちらもアイドルを扱ったアニメ。本作の放送時期が、アニガサキ第1期の放送時期と被っていた。アニメ化の発表が2019年、放送時期の発表も2020年と共通している。さらに、主役がピンクヒロインのアイドル、モデルとして活動することがあるアイドルがいるという繋がりもある。但し、おちフルはアイドルグループに対して、アニガサキはソロアイドルで歌うことが多い(もちろん、おちフルもソロで歌った曲がある(あちらはCMソングであるが)し、アニガサキもグループで歌った曲があるのだが)。なお、おちフルは公式ですら不健全と認めているのに対して、アニガサキはおちフルとは真逆に健全な作品である。