孤高の魔術師は、一人の少女に恋をする————
概要
HJ文庫から2017年より刊行されているライトノベル。2024年6月現在で18巻まで刊行。
著者の手島史詞とイラスト担当のCOMTAは『影執事マルク』シリーズ以来のタッグとなる。
ファンタジー世界を舞台とした、不器用なふたりが繰り広げる純愛ラブコメディー。
無愛想な魔術師と箱入りエルフによる恋愛模様がメインだが、物語が進むに連れて個性的なキャラクターが登場し、人間関係に彩りを添えていく。やや女性キャラが多いが男性キャラとの比率は整っている作品でストーリーが進むにつれてサブキャラ同士のカップルが成立していく様子を見る事が出来る。(原作17巻でそれらしい男女の組み合わせは五組以上)
ファンタジー作品らしくバトル描写もあるが、どちらかと言うと人間ドラマが主体。
特にニコニコ静画のコミカライズ版では、ザガンやネフィを始めとした登場人物の成長や交流を温かく見守るようなコメントが多く見られる(通称・保護者会)
タイトルのせいで勘違いされやすいが、小説家になろうと関係はない。
2024年4月からTOKYOMX、毎日放送、BS朝日にてテレビアニメが放送される。
アニメーション制作はブレインズ・ベース。
コミカライズについて
いずれもファイアCROSSから連載中。
「魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?」
作画:板垣ハコ(2024年6月現在で12巻まで刊行)
「悪友の俺がポンコツ騎士を見てられないんだが、どう世話を焼きゃいい? ~まどめ外伝~」
作画:双葉もも(2024年6月現在で3巻まで刊行)
メインキャラクターのバルバロスとシャスティルを中心に本編では語られなかった教会内部のトラブルや魔術師の実態などが描かれるスピンオフ。
あらすじ
悪の象徴である魔術師として人々に恐れられているザガン。不器用で口の悪い彼は、今日も魔術の研究をしながら領内の賊をぶちのめしていた。
そんな彼が闇オークションで見つけたのは、絶世の美しさを持った白い奴隷エルフの少女・ネフィ。彼女に一目ぼれをしたザガンは財産をはたいてネフィを購入するが、口下手な彼はネフィにどう接していいか分からない。
かくして、愛の伝え方がわからない魔術師と、主人を慕いながらも訴え方がわからない奴隷、不器用なふたりの共同生活が始まる。
(小説版1巻裏表紙より)
登場人物
※CVの配役はアニメ / ドラマCD版の順
メインキャラクター
主人公。18歳。黒髪と銀色の瞳を持つ魔術師の青年で、次期魔王候補として目されている。
ヒロイン。16歳。愛称はネフィ。ザガンが一目惚れした勢いで購入したエルフの少女。
ザガンの十年来の悪友である青年。20歳。《煉獄》の通り名を持つ凄腕の魔術師。
スピンオフコミックではシャスティルと共に主役を務める。
聖剣「アズラエル」に選ばれた聖騎士の少女。17歳。《聖剣の乙女》の異名で知られる。
スピンオフコミックではバルバロスと共に主役を務める。
ザガンと同じ魔王候補の一人で、竜を象った兜が特徴の長身の魔術師。《亡霊》の通り名を持つ。
魔術師たち
マルコシアス
《最長老》の異名で畏怖される、最も強い影響力を持っていた魔王の一人。
キュアノエイデスを治める名士でもあったが、本編開始直前に莫大な遺産を残して崩御した。
(CV:前田玲奈)
ザガンらと同様、次期魔王候補に名を連ねていた女魔術師。通り名は《妖婦》。
(CV:田島章寛)
《黒刃》の異名を持つ獅子獣人で、旧知の仲であるゴメリと同じく魔王候補の一人。
魔王の一人。魔王の中ではザガンを除いた中で最も若輩。
キュアノエイデス
魔王マルコシアスが生前治めていた街。
ザガンが魔王の座を継承した事で、ザガンが新たな領主となった。
(CV:伊藤彩沙)
服屋の店員である翼人族の少女。20歳。持ち前の明るさでネフェリアにとって初めての友人となった。
蒼天の三騎士
(CV:中務貴幸(ライアン)・土井正昭(アルフレッド)・徳本恭敏(トーレス))
シャスティルに付き従う青年騎士「ライアン」「アルフレッド」「トーレス」の三人組。彼女に対する忠誠心はもはや崇拝とも呼べるレベル。
いずれも熟練の聖騎士でキュアノエイデスでは十指に入るほどの強さを持つが、ザガンにはまともに相手にされず「蒼天の三馬鹿」とあしらわれるなど、あまり碌な目に遭うことがない。
(CV:家中宏)
キュアノエイデスの教会支部を統べる枢機卿であり、シャスティルの直属の上司にあたる人物。
(CV:稲田徹)
聖剣メタトロンを携えた、《最恐》または《魔術師狩り》と謳われる聖剣所持者の一人。
キュアノエイデスに姿を現したその真意は、謎に包まれている。
レイチェル
キュアノエイデスの教会支部に新しく配属された見習いシスター。
バルバロスとシャスティルの関係を偶然知ったのを切っ掛けに(少し発想が飛躍しすぎだが)、彼らを取り巻く騒動から教会(と推し)の安寧を守るために奔走する。
スピンオフコミックの狂言回しにして、後に本編にも逆輸入されたキャラクター。
用語
- 魔術師
ある者は叡智の高みに至るため、ある者は己の欲求を満たすため、魔術を行使する者の総称。
手段を選ばず倫理観を捨てた者も多く、一般人からは良い印象を抱かれていない。
中には人のために尽くし、名士として住民に慕われる者も居るが、かなりレアなケースである。
優秀な魔術師は通り名を与えられる他、その中でも特に強大な力を持った13人が「魔王」として彼らの頂点に君臨する。
- 教会
この世界の教会は聖騎士と呼ばれる戦力を擁しており、魔術師に対する対抗勢力としている。
事実、人間に危害を加える魔術師を討伐するなどの実績を残しているが、寄付という名目の安くない対価を要求される事から、こちらも住民からの評価は芳しくない。
後述の聖剣に選ばれた者は皆、聖騎士を束ねる幹部職「聖騎士長」を務めるのが組織の通例。
- 魔術
紋章を組み合わせて作られた魔法陣に魔力を込め、物理法則を無視した現象を起こす技術。
実用レベルにするには効果を付加する紋章を複雑に組み上げ「回路」を形成する必要がある。
作中での登場は稀だが、物質を媒体として(所謂生贄もこれに含まれる)魔術の効果を効率的に引き出すケースがある他、魔法陣の他に呪文を唱えることで同じ効果を引き出す技術も存在する。
- 魔法
魔術における魔法陣のような媒体を要せず、「願う」事で万物に干渉、様々な事象をもたらす。
その特異さもあって使い手は希少で、現代においてその存在を知る者は多くない。
エルフ族の間では禁忌とされる他、一部の魔術師が研究対象としてその力を狙っている。
- 魔王
魔術を究めた魔術師が行き着く極致である「魔術師の王」の座。
13人存在し、その全てが「魔王の刻印」と呼ばれる強大な魔力を秘めた紋章を宿している。
ザガンは魔王の座に就くにあたり、マルコシアスの遺した魔王の刻印を継承した。
- 聖剣
魔族の王を討ち滅ぼす力を持つと云われる、12柱の天使の名を冠した教会の至宝。
それぞれに属性を持ち魔術のような現象を引き起こす一方で、魔術を分解する性能を持つ。
聖剣自らが使い手を選ぶとされ、選ばれた者のみがその比類なき力を引き出す事が出来る。
テレビアニメ情報
上述の通り、アニメーション制作はブレインズ・ベースによるもの。
主要スタッフ
※公式サイトより一部のみ抜粋。
監督 | 石踊宏 |
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アニメーション監修 | 後藤圭二 |
シリーズ構成 | 吉永亜矢 |
キャラクターデザイン・総作画監督 | 大沢美奈 |
音楽 | yuma yamaguchi |
主題歌
- オープニング「ワカラナイアイ」 by The Brow Beat
- エンディング「ブルースター」 by 山本彩
関連動画
アニメティザーPV
アニメPV第1弾
アニメPV第2弾
関連タグ
ソロモン72柱:作中に登場する魔術師の名前の由来。
天使:作中に登場する聖剣の名前の由来。