サラサ・フィード
さらさふぃーど
小説『新米錬金術師の店舗経営』の主人公の新米錬金術師。
元々はそれなりに大きな商店、フィード商会の1人娘であったが、8歳の時に両親を盗賊に殺され、孤児院に預けられる。
いつか元の生活を取り戻すとひたすら勉強に励み、10歳で錬金術師育成学校に特待生で入学を果たした。
学校に入って間もない頃 「偶然と幸運の賜物」によりとある錬金術師の元で働くことになる。それが現在の師匠である、全国でも数えるほどしかいないマスタークラスの錬金術師、オフィーリア・ミリスであった。
学校を卒業した直後、師匠の薦めではるか辺境、大樹海の傍らに位置するヨック村にて、錬金術の店を開くことになる(本来は卒業してから他の錬金術師の元で働き、経験を積み資金を貯めるのが普通)。
魔法と剣術が得意で人付き合いはちょっと苦手だが、錬金術で村の人の役に立つことを目指している。
生まれながらに高い魔力量を持ち、授業にも真面目に取り組んだため(成績上位者に報奨金が出ることもあり)、事実上の首席で学校を卒業した(表向きの上位である貴族の子弟達は成績に下駄がはかされているため)。またマスタークラスの錬金術師であるオフィーリアに師事したこともあり、錬金術師としての実力、及び戦闘力は同世代の錬金術師の中でも一線を画している。
ただし本人は在学中に同世代の錬金術師との交流があまりなく(友人は先輩二人と後輩一人)、また一番身近な錬金術師がオフィーリアだったということもあり、自身の実力はいまいち自覚していない。
錬金術師であるマリスやミスティ・ハドソンからも「それは普通じゃない」「サラサだけだ」などと言われることがある。
そもそも卒業直後に自分の店を持てたのも、オフィーリアの元で働く中、店舗経営で一番必要になるであろう錬成薬や錬成具はすでに作らされていたからである。
大変情に厚い為、親しくなった人たちの為ならば、破綻すれすれになるのを承知で、ありとあらゆる支援を惜しまない。
逆に敵に回った場合は、怒りを剥き出しにし、一切容赦しない。
概要にもあったが戦闘能力が高く、身体強化魔法ありきだが大型モンスターを素手で撃破できるほど強く、同行した冒険者からは「俺たちいるか?」と驚かれるほど。
敵には容赦しない顕著な一例として、仲間を襲ったモンスターを「ぶっ殺す」と呟いた後に瞬殺するシーンがある。
また“盗賊を見つけたら、確実に駆除すべし”というフィード家の家訓が有り、生前両親の『今回は何匹駆除した!』という口癖の影響も相まって、盗賊などの犯罪者は人型害虫としてしか捉えていない為、襲撃された際は相手が命乞いしようが同じレーベルの大先輩を彷彿とさせる容赦の無さで“駆除”している。
(アニメではかなりオブラートに包んだ表現をしているが、原作では駆除した上で有り金を奪い、景観が悪くなるという理由で無造作に埋めている。)
加えて、非合法すれすれな行為を行う知能犯に対しては商人の家の知識を活かして、合法の範囲内で相手を社会的に再起不能にするなど、正義感が強い人物でもある。
また貴族であるヨクオ・カーク準男爵にヨック村の人々を人質に取られる形で狙われた際は、取り巻きもまとめて目撃者ゼロで始末することも覚悟し始めていた。
その両極端な「サラサちゃん」と「サラサさん」の二面性が魅力。
なお成人しているものの、同世代の女性と比べても小柄でスタイルも控えめなことがコンプレックス。年下であるロレアやミスティにも負けている。
錬金術師ならば多少の容姿は錬成薬でどうにでもできるのだが、親からもらった体を大切にしたいという理由で今後の成長に望みをかけている。
3巻にて貴族令嬢だったアイリスとロッツェ家の窮地を救ったサラサ。どうやってこの恩に報いるべきかと思い悩むアイリスに、ケイトはある提案をする。
「アイリスと店長さんが結婚すればいいのよ」(作中では上流階級では同性婚も珍しくないとされているため)
サラサ自身は異性愛者と自覚しているため当然断るものの、アイリスはその提案を気に入り、以後何かとアピールしてくるようになる。
しかし5巻にて、貴族であるヨクオ・カーク準男爵を牽制するためアイリスと正式に婚約。ヨクオはフェリク殿下によって捕らえられたため結婚する必要は無くなったものの、その後ロッツェ家に立ち寄った際、アイリスの家族達からも改めて懇願される。
サラサ自身もロッツェ家の人々との交流の中で「本当の家族」への渇望が掻き立てられた部分もあり、ついに折れアイリスと結婚。
それを機にアイリスの父であるアデルバードから家督も受けつぎ、ロッツェ家当主サラサ・フィード・ロッツェ士爵となった。
なおサラサ自身はこの結婚について触れ回るつもりはなかったものの、貴族の結婚ということで隠すこともできず、さらにはフェリク殿下により「平民の孤児が錬金術師となり貴族にまでなった」というサクセスストーリーとして喧伝されてしまい、錬金術師や貴族の間では周知の事実となってしまった。
その後、フェリク殿下より貴族の義務としてロッホハルト領主全権代理を命じられ、ヨクオ・カーク失脚の余波により悪化した治安の回復に努めることになる。
皆の協力を得て大規模な盗賊団を壊滅させるも、全権代理の任を解かれる前に疫病が発生し、その解決に追われる羽目に。大勢の人々の命を左右する立場となった重圧に苦しめられながらも、事態の鎮静化に成功する。
これでようやく肩の荷が下りたと思ったが、その功績を讃えられ正式にロッホハルト領主となり、子爵という立場まで与えられてしまう。
穏やかな錬金生活とは程遠い状況に頭を抱えるサラサであった。
なおそのため、7巻終了時の正式な名前はサラサ・フィード・ロッツェ・ロッホハルトとなっている。
サラサの両親が経営していた商会。上記のように盗賊を絶対に許さない方針で活動していたが、サラサが8歳の時に両親が盗賊に襲われ命を落としてしまう。
その後サラサは孤児院に入れられ、商会の土地や店も別の商会の物となっていた。
だが6巻にてサラサとミスティが跡地を訪れた際、そこには改めてフィード商会として盛況に活動する姿があった。
サラサを見つけ駆け寄る当時の番頭と話し合い、サラサを孤児院に送ったのは盗賊の被害による借金の返済を強いられないように商会と縁を切るためであり(サラサもそのことはある程度予測していた)、その後の援助が無かったのも商会員の家族を援助するため余裕が無かったためだったことを聞かされる(実際、孤児院や学校に居たサラサは貧しいながらも生きるのに苦労するほどではなかった)。
なお本来はサラサが学校を卒業する際に迎えにいくはずだったのだが、卒業の翌日にはヨック村に旅立っていたため会えずじまいになっていた(友人と卒業パーティーをするだろうから邪魔してはいけないと思ったようだが、サラサにそんな予定はなかった)。
また現在の最高責任者は番頭であり、商会長が不在となっているのもいつかサラサを迎え入れるためであった。
これらの事情を話し合ったうえで、改めてサラサを商会長に迎えたいと要請したが、既にヨック村で店主となっているサラサはこの要請を固辞し、代わりに商売や貴族の動向に関する情報交換で業務提携を結び、協力関係を構築することになった。
フィード家の家訓を受け継ぎ、さらにサラサの両親が盗賊に襲われ命を落としたことから、現在では陸運を主としつつ、盗賊退治を得意とする何人もの荒くれ者を抱えた武装輸送団と化している。また、サラサは古参の商会員達からは創業家の唯一の生き残りとして絶大な支持を集め、実の娘も同然に可愛がられている。
友達
名前 | 関係 | |
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? | (Cv.) | 学校の先輩 |
? | (Cv.) | 学校の先輩 侯爵令嬢 |
ミスティ・ハドソン | (Cv.) | 学校の後輩兼弟子 |
リオン・フォウ・バルトファルト:『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』の主人公。同じく辺境での穏やかなスローライフを望んでいるが、騒動に巻き込まれ解決しているうちに望まぬ出世をしてしまうという共通点があり、アニメの制作会社も同じ。
一婦多妻:コミカライズ版37thにてアイリスとの結婚話が出た際にロレアを第2婦人・ケイトを第3婦人にと話しが出ておりサラサとロレアは否定したが、アイリスとケイトは受け入れる気満々となっている。(なお、その際に最初は否定していたが、二人ともまんざらでもない模様)