「私は戦うことしかできないから……」
プロフィール
※『波瀾編』にて誕生日を迎える。
概要
刀使養成機関・伍箇伝の一つである鎌府女学院に在籍する中等部1年生。
刀使の中でも年少であるが、鎌府女学院の主力として巨大な荒魂を切り伏せるなど非凡な実力の持ち主で「天才」と呼ばれる。命令に忠実で与えられた任務を着実にこなす一方、感情表現に乏しくコミュニケーションは苦手。
人物像
無口かつ無表情であり、言動は必要最小限程度である。任務遂行を第一として与えられた命令を淡々とこなしていく。
刀使としての能力は天才と評されるだけあり、中等部入学以前から実戦部隊の一員として活躍し任務遂行率100%を誇っていた。鎌府女学院学長の高津雪那は特にその才能を高く評価し、自身の崇拝する折神紫に仕えるべき最高の刀使として沙耶香を寵愛する一方、「紫のためだけの道具」「人形」として理不尽に扱われていた。
自ら「空っぽ」と表現するほど感情は希薄であり、雪那に何を命じられても顔色一つ変えず従っていた。実際には無感情というわけではなく、好物である甘いお菓子を前にすると目を輝かせる一面もある。
初めて任務に失敗して食事も与えられず放置されていたところで柳瀬舞衣からクッキーを貰ったことをきっかけに彼女に心を開いていく。姉のように優しく接してくれた舞衣を守りたいという気持ちから、命令ではなく自分の意志で戦うことを選ぶ。
雪那との決別以降は喜怒哀楽や他人への気遣いが徐々に増え、人付き合いに不慣れな故の天然ボケな言動も見せつつ仲間たちから可愛がられるようになっていく。
舞衣とはコンビで行動することが多く、別々の場所での勤務となった際には「舞衣はいつ来るの」と愚痴るなど依存気味なほどに懐いている。一方の舞衣もスピンオフの「みにとじ」において沙耶香への過剰なまでの世話焼きぶりを七之里呼吹にツッコまれている(ただし沙耶香自身は嫌がってはいなかった)。
ショートの銀髪で顔の中心に斜めにかかる前髪が特徴的。目元は吊り目で下がり眉毛という組み合わせで、キャラクター原案のしずま氏いわく「常に困っている」顔つきをしている。
刀使として
自ら無心状態になることで迅移を持続的に使用出来る固有能力「無念無想」の使い手。迅移を一瞬の加速にしか使えない通常の刀使に対し大きなアドバンテージとなる能力だが、使用中は行動パターンが単純化してしまうという欠点もある(可奈美に言わせれば「そんな魂の籠もっていない剣じゃ、何も切れない!!」)。また、写シの使用可能回数は1度の戦闘中に1回程度と打たれ弱い(十条姫和は無念無想の影響によるものではないかと推測していた)。
スピードを生かした攻めを得意とし、集団戦では攻撃手を担当している。
左利きであるが、御刀を扱うときは通常の右構えを取る。
剣術の流派は、相手の剣を弾いてそのまま切り伏せる「切落し」を特徴とする小野派一刀流。一刀流開祖である伊藤一刀斎の編み出した極意に無意識に敵を斬るという「夢想剣」があり、沙耶香の無念無想の元ネタと思われる。
使用する御刀は妙法村正。雪那が現役刀使のころ用いた御刀でもあり、彼女が自分の身代わりとして沙耶香に執着する一因となっていた。
経歴
胎動編(第1話~第12話)
第1話の御前試合に鎌府女学院代表として出場し、初戦で衛藤可奈美に敗れた。その後は上司である高津雪那の命令により、折神紫に「謀反」を起こした十条姫和と可奈美の潜伏先を襲撃する。一時は姫和を追い詰めるも反撃を受け、可奈美に御刀を奪われたことで再び敗れた。このときの可奈美の友好的な態度や可奈美の親友である柳瀬舞衣との触れ合いを通じて、沙耶香は徐々に自分の感情を自覚していく。
沙耶香を「完璧な刀使」として完成させようとする雪那によりノロのアンプル(荒魂との融合による強化と引き換えに自我の喪失をもたらす物質)を投与されかけた際、沙耶香は初めて雪那を拒絶して学園から逃亡。途方に暮れていた沙耶香を舞衣が庇護し、2人は追撃にやってきた燕結芽と交戦する。沙耶香と舞衣は結芽に圧倒されるが、最終的に雪那率いる捜索部隊と結芽が同士討ちを起こしたことで窮地を脱し、沙耶香は雪那に対し「あなたの望む刀使にはなれない」と告げて決別した。事情を察知した羽島江麻のはからいにより沙耶香と舞衣は反体制組織「舞草(もくさ)」に合流し、可奈美や姫和らと行動を共にすることになる。
しばし舞草の刀使と訓練の日々を過ごす沙耶香たちだったが、突如襲撃してきた結芽と機動隊によって舞草の拠点が壊滅し、再び逃走を強いられる。沙耶香は仲間たちとともに全ての元凶である折神紫(大荒魂タギツヒメ)を討つため、折神家本部へ奇襲をかけた。沙耶香と舞衣は皐月夜見を従えた雪那と相対することになり、大量の荒魂を放つ夜見を2人の連携で打ち破った。なおも懲りずに沙耶香の帰還を要求する雪那を置き去り、2人は先行した可奈美と姫和を追って紫との決戦場に駆けつけた。
波瀾編(第13話~第24話)
増加した荒魂事件に対処するため、鎌府に出張してきた可奈美のパートナーとして討伐に当たっている。可奈美にはしばしば手合わせを申し込まれるが、実力で圧倒的に勝る彼女に手加減されていることを見抜き「自分では可奈美の望む相手にはなれない」という趣旨の指摘をするなど、自己主張も以前よりハッキリと行うようになった。そのため相手の本質を突く場面もしばしば。
サボり癖がある益子薫のお目付役として群馬に派遣された際には、「真面目過ぎて苦手」と薫に敬遠されるが沙耶香自身は特に気にせず、むしろ薫(とねね)から様々な影響を受けている。特に人畜無害の荒魂を斬ろうとして薫に制止された一件においては「考えて斬る」という刀使としての姿勢を学んだ。
物語終盤では、雪那の下にいたころの自分と似たような道を歩もうとしていた内里歩と激突し、見事に撃破した。その際、可奈美に追いつくことに固執するあまり盲目的な行動を取っていた歩に対し「そんな魂のこもっていない剣じゃ、何も斬れない…!」とかつて自分が可奈美に言われた言葉で静かに一喝した。結果的に、刀使としての在り方を他人に自然と教えられるようになるまで成長したことを示したのだった。
最終決戦では迅移の段階を次々と上げて隠世に潜っていくタギツヒメに最深部付近まで追いすがり、タギツヒメが人間を憎む理由の本質を姫和とともに看破した。
エピローグでは特別遊撃隊としてする荒魂討伐に活躍する姿が描かれている。また、御前試合の会場では薫や獅童真希、此花寿々花と並んでかつての折神家親衛隊を思わせる制服をまとい、特別警備隊として折神朱音の警護についていた。特別遊撃隊でも一緒になっている薫は、沙耶香の働きが目覚ましいのをいいことに相変わらず任務をサボっているようである。
ゲーム『刻みし一閃の燈火』
メインストーリーではあまり出番はない。イベントストーリーでも序盤は胎動編初期のキャラ設定に寄っていたためやや冷たい印象だったが、第二部に入ってからはアニメと同じく行動力を増していくように。
ゲームでの性能評価はまちまちだが、時折ぶっ飛んだ性能で登場する。巫女可奈美程ではないが回避に長けたユニットが多く、中でも2019年水着版は回避アップの発動条件が比較的緩くなっているため、演武大会では何気に突破が難しいキャラ。
恒常ガチャ落ちした水兵版もなかなかの効果を持っているが、先に比べると回避率上昇の数値的な安定感に欠け、付随効果の挑発が仇になりやすい。とはいえ避けた際に運がいいと奥義ゲージ+1される能力持ちでもあるため、ハマれば延々と敵に奥義を降り注がせることも夢ではない。
余談
可奈美や舞衣に優しく接してもらった事が遠因となって、自らの意思で雪那に三行半を叩きつけたのだが、そのせいか、「いっそのこと(二人が在籍している)美濃関に移籍したら?」などという主旨のネタイラストが存在する。
益子薫の守護獣ねねは、巨乳にしか懐かないのだが胸は年相応の貧乳である沙耶香にも懐いている。
ねねは将来有望なおっぱいを見分けられることに加え、作中において小さいながらも確かな胸の膨らみが確認でき、現状においてもエターナル胸ぺったん女よりは間違いなく大きいと思われる。
今後の彼女の成長に期待である。