「俺も最強種のこの二人と並んでも恥ずかしくないように もっともっと成長したい……」(コミカライズ版)
プロフィール
種族 | 人間 |
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職業 | ビーストテイマー |
年齢 | 不明(レインの独白から『16歳以上~20歳未満』と推測される) |
一人称 | 俺 |
出身 | ラウドネア(ビーストテイマーの里) |
CV | 藤川卓士(オーディオブック版)、千葉翔也(TVアニメ版) |
概要
黒髪の短髪(しかしコミカライズ版、アニメ版では銀髪をベースに後ろ髪等が黒髪という配色になったグラデーションのある髪型)の優しげな風貌をした青年で、元々は南大陸のとある村に生まれ、ビーストテイマーである両親のもとで育てられたが、十二歳の頃に魔物によって両親を含めた村人や故郷を失い、駆けつけた冒険者によって身柄を保護された。
その冒険者の知り合いの宿で住み込みで働いて生活をし、約数年後にアリオス達に勧誘される形で勇者パーティーに加入し、アリオス達を宿の手配や野営時の見張りや食事当番、朝にメンバーを起こす係、斥候や探索、情報収集etc. といった戦闘に関すること以外の全てを一人で受け持つことでサポートしていた。しかし、四天王の一人である《大地のギガブランド》との戦いの後にアリオス達によって追放された挙句、飛び交う罵りの言葉と装備品を置いていく様に命令された事で、自分が仲間では無かったことを痛感してしまった。
魔王討伐を目的とする勇者パーティーを追放されてからは、新たな人生として冒険者になることを決めたが、その試験の最中に出会った「最強種」と呼ばれる猫霊族の少女カナデとパーティーを組んでいく。これを皮切りに、様々な最強種との出会いとそれに纏わる出来事に飛び込むこととなる。
キャラクター像
家族と故郷を失った経験からか、「誰かに力になりたい」という意志が強い。大小問わず誰かを助けるために、時には自らを省みずに戦う在り方は「自己献身が過ぎる」とタニアに指摘され、地の文でも「底抜けのお人好し」と彼を評している。ただし、アリオスに替わって魔王を討伐することに関しては、『これからの自分の行動に幾多の人間の命が関わることを踏まえてか、それを半端な覚悟で決めるべきではない』という理由で保留にしていた。
勇者パーティーではぞんざいに扱われた挙句に追放された時は二度とアリオス達と関わりたくないと思いながらも、勇者パーティーの依頼を断れば自分と同じように悲しむ人間を作ってしまう事もあってか渋々受け入れた。しかし、レインも自分に自信を持てなかったと言うのもあってか何処かでアリオス達を信じておらず、それからは同じ失敗を繰り返さないように自分から信じる事で仲間との信頼を築こうとしている。
この時、「信じて裏切られるならそれでも構わない」と言うように、損得勘定を抜きにしている他、実際勇者パーティーに裏切られても人間不信に陥っていない事が窺える。
それだけに自分の大切な仲間達を傷つけ、侮辱する相手には普段の優しげな印象からは想像がつかぬ程の怒りを見せており、それが勇者であっても問答無用で殴り飛ばしている。
そして自己保身のために仲間を売り飛ばすような行為は決して行わず、ホライゾンの領主の息子のエドガーが一目で気に入ったソラとルナを「自分に引き渡さなければ反逆罪にするぞ!」と脅されても「仲間を売るぐらいならそっちのほうが何倍もマシだ」と毅然と立ち向かっていた。
更には自分との一騎打ちで追い詰められたアリオスが命乞いしても、本気の一撃で気絶させる(直撃すれば死ぬので流石に当てなかったが)、保護指定されていたホーンウルフを狙う密猟者に対して、「黙秘すればテイムした熊を解除させて放置させる」と脅すなど、ともすれば彼にとって許せない相手には容赦ない一面を持っている。
後述の特徴から、ビーストテイマーという職業自体が動物仲間との絆を重要にせねばならず、なおかつ例外的に複数の動物仲間との絆を確保でき、そのうえ何があっても仲間を信じられる意志力を持つ彼は、ビーストテイマーの申し子とでも言うべき適正を持っていると言えよう。
また、女性関連では誠実な考え方の持ち主であり、『拠点にする宿で他に空いている部屋がなかった』という事情からカナデと同室で泊まる事になった際は、自分だけ野宿しようとしたり『簡単に人間を信用してはいけない』という考えをカナデに説く、不可抗力なアクシデントで水浴びで一糸まとわぬ姿のカナデ達を見てしまった際にはカナデ達の身体に関する感想よりも「全員に愛想を尽かされてパーティー解散の危機になってしまうのでは」と危機感と責任感を強く感じていた。
アニメ第13話終盤では、購入した家で皆と食卓を囲んだ時に思わず涙を流す場面があり、天涯孤独で帰る場所がなかったことを心のどこかで引きずっていた節がある。
かつての勇者パーティーとの因縁と完全に決着をつけた後、ロールリーズの国王が打ち出した魔族討伐とは異なる道である「魔族との和解」を模索。戦争とは市民の目から見れば、故郷を焼き払われた自分の経験が不特定多数の人々を襲うものであり、そのような経験をもう誰にもして欲しくないからこその選択であった。
それは未来を見据えた観点があるからこそであり、たとえそれがエゴと言われようとも、確実性に欠けるとしても、魔族を倒すという現在のみを見た解決策よりも、未来の可能性を信じる道を選んだ。
世界のためでも人類のためでもない、自分のための戦いであり、事がどんなに大きくなっても等身大の人間であることを決してやめない姿勢は彼の決定的な持ち味にして、大きな強みと言える。
戦闘力
故郷でビーストテイマーの技術を、隣人から簡易的にインセクトテイマーの技術を学んだが、職業の特性上レイン自身はアリオス達のような卓越した戦闘能力はなく、勇者パーティーでは動物を使役して周囲の探索や荷物運びといったサポート役に徹していたが、戦闘においての貢献は前衛に立つことで後列のメンバーを結果的に守る程度だった。
そういった事情から勇者パーティーからは「役立たず」「お荷物」「期待はずれ」としか見られず、四天王との戦いで追放を決定的にしてしまった。
しかし実は、一般的なビーストテイマーには不可能な技能を複数有しており、勇者パーティーとの相性が悪かったのでこれらの技能に注目されなかっただけであった。
- ビーストテイマーは本来なら戦闘力を全く持たないが、レインは短剣さえあればゴブリン程度なら難なく倒し、魔法の才能がないものの初級魔法であるファイヤーボールとヒールの二つを習得するなど、ひとまず戦える能力を持つ。勇者パーティ在籍時は最高ランクの装備を貸し与えられていたおかげもあり、四天王戦でも自分の身を自分で守ることはできていたらしい
- 使役(テイム)した動物に対して与えられる指示内容が、通常不可能なレベルまで極めて細かで、具体的なものである
- 複数の動物を使役すると降りかかってくる神経が焼き切れるリスクをまったく負わない
- ビーストテイマーは一定以上の力量の動物をテイムした場合に相手の能力の一部を自分の能力に加えることが可能だが、レインの場合は「最強種」と呼ばれる卓越した能力を持つ種族と契約・テイムできるうえ、上記の「複数テイム」と合わさることで規格外の能力を獲得しうる
- 能力の会得直後でも、その力に振り回されずにコントロールできる。能力の種類によっては習熟まで時間はかかるが、それでも制御に練習の必要を感じる程度のレベルであり、持て余すことがない
- 他のビーストテイマーが使役している動物の支配権を奪い取れる
- テイム中の動物に意識を移し変えて直接操れる「同化」が可能
これらの特徴からカナデやタニアを驚愕させているのだが、当人が他のビーストテイマーの事をあまり知らないからかこれが普通だと思い込んでいるという、言うなれば自覚なき天才。カナデ達に勇者の血筋に備わった「限界突破」(=成長できる限界がない事)の話をすると、それを聞いたソラから「(複数の最強種と契約できる)レインにも「成長限界」がないのでは?」と指摘された。(WEB版でだが、後にレインの住んでいた村も勇者の血を継ぐ家系であったことが判明する(本来できないテイマーの複数契約や、他種のテイマーの能力を使用することができるのは、勇者の血が原因とのこと))
また、ビーストテイマーとしての職業として動物を見極める訓練をしていたからか、いつの間にか動物以外のものも観察する癖が身につき、それが敵対者との戦闘での攻撃パターンの把握や、ガンツの武器屋に並べられた武器が片手間で作られたものだと看破するなど、途轍もないレベルの観察能力へと昇華した。
複数のテイムを同時にこなす経験を積んできたことから戦場であっても複数の思考を平行してできるうえ、数々の道具を的確に使い分けるなど、身体・頭脳ともに並外れた器用さがあるのも強み。
ちなみに勇者パーティーに在籍していたころは通常の動物しかテイムしていなかったのでその真価を発揮することはなかったが、それでも複数の動物を一度にテイムできたことから地形調査・索敵・物資運搬という見知らぬ土地の旅における基本を余す所なく抑えていた。
これは、迷いの森において、レインなしの勇者パーティーが仕掛けに苦戦してただ帰るだけで3日を必要とした一方、レインは(カナデとタニアの協力があったとは言え)回り道を含めても攻略を2日で完了させたという実績で説明できる。
だが、個々の戦闘能力ばかりに注目していた上にただただ強敵を討伐する役割しか頭になかった勇者パーティーにとってこれらの全てが完全に盲点だったため、これを軽視して彼を追放した事がその後の転落を決定付けていった。
ビーストテイマー関連の技術
- 契約
ビーストテイマーが動物を使役するための儀式。
親指を噛んで、そこから流れた血でビーストテイマーのみが使用する特殊な魔法陣を手の平に描き(アニメ版では演出の省略か『手の平に血を垂らすと魔法陣が自動的に形成される』という描写に変更された)、契約する相手に手の平をかざして更に
『……我が名は、レイン・シュラウド。新たな契約を結び、ここに縁を作る。誓いを胸に、希望を心に、力をこの手に。答えよ。汝の名前は?』
という問い掛けに相手が自分の名前を答える(喋れない動物の場合は鳴き声と推測される)等の何かしらの反応を見せればそこで契約は成立。契約した証として相手の手の平に魔法陣が描かれる。
テイムできる方法は基本はどの種族も同じだが、種族ごとに練り上げる魔力の構造が異なり、契約時に練り上げる魔力を間違えるとこちらの言葉が対象の魂に届かず、契約失敗となる。レインの場合、動物や昆虫の構造は知っているが精霊は範疇外であり、精霊族のソラとルナにおいてはぶっつけ本番で契約というものであった。
また、魔物の場合は明確に人類への敵意を抱いている為か、通常のテイムよりも何倍も魔力と技術を必要としている為、基本的には魔物のテイムはできない。
- 仮契約
上記の「契約」の簡易版。
短時間しか使役できないかわりに簡単かつ一瞬で契約する事が出来る。だが、レインの場合は敵との戦闘中に目に入った動物と仮契約できるという本来なら戦闘には不向きなビーストテイマーでは困難なことができる。それによって使役した動物や昆虫等がタニアとの対決や、アリオスとの一騎打ちに勝利する決まり手となった。
- 同化
ビーストテイマーの技の一つ。
テイムした動物に魂の一部を移すことで意識をその動物に固定し、自分の身体のように動かすことができる。ただし、同化を使用している最中は「元の肉体が昏睡状態のように完全な無防備となってしまう」という欠点がある為、仲間に元の肉体を守ってもらう必要がある。
ちなみに会話に関しては魔力を使って思念波を送る事で可能であるが、魔力が低い場合はノイズがかなり混じる為、実質的にかなりの魔力を必要としている。
- ブースト
テイマー独自の魔法の一つ(インセクトテイマーにも同じように扱えるかは不明)。
カナデを始めとする仲間に備わった本来の力を増幅させる効果ががあり、ゲーム作品で言う所の強化魔法に相当する。当初はレインが魔力を持たなかったことから使用できなかったが、タニアとの契約で使用可能となった。
ちなみにレイン自身にも底上げする事が出来、魔族が出現した千の魔物の支配権を上書きさせ、魔族も驚愕させたほど。
アニメ版では『我が呼びかけに応え、その力を解き放て 【ブースト】』という独自の詠唱が明かされた。
- マルチ・ブースト
上記のブーストの連続詠唱版。
ソラとの契約により二人に同時使用が出来た。
最強種との契約による恩恵
- 身体能力の強化
猫霊族の少女カナデと契約することで得た力。
パワーとスピードが強化され、魔物・盗賊団・騎士団のどれを相手にしても圧倒し、パワーにおいてもゴロツキ冒険者相手に腕相撲で腕をへし折る勢いで下し、ベンチを軽々と投げ飛ばす程の怪力を発揮した。また、上記の観察能力も併せることで勇者であるアリオスと互角に渡り合った。
耐久力も強化されており、Bランクに匹敵する傭兵(しかも薬で強化された状態で)の一撃を腕でガードして耐え切った。
- 魔力の増加
竜族の少女タニアと契約することで得た力。
膨大な魔力を獲得し、それによって魔法の威力・効果を大幅に増大させる為、初期魔法も強力なものになった他、今まで使えなかったブーストを使用する事ができるようになった。
- 連続詠唱
精霊族の少女ソラと契約することで得た力。
膨大な魔力を制御することが出来、尚且つ魔法の複数同時に使用が可能となった。
- 状態異常完全無効化
精霊族の少女ルナと契約することで得た力。
毒・即死・麻痺といった状態異常魔法を無効化させる事が出来るが、ソラの作った料理だけはこの力が効かず、レインが一時間程動けなくなる程の体調不良に襲われてしまう。
- 物質創造
神族の少女ニーナと契約することで得た力で、その名の通りあらゆる物質を材料も無しに無から創り出すという規格外の能力。
神族の中でもかなりのレアスキルであり、カナデたちを驚かせた。
- 重力操作
元メイドの幽霊ティナ・ホーリと契約することで得た力。
重力の干渉・操作する力であるが、制御はかなり難しく、ティナと契約したばかりの頃はわずか数センチを浮かべるのがやっとである。しかも、竜族の魔力を得た状態でも長時間持続することは出来ないため、魔力の消費も激しいことが窺える。
- 魔眼
鬼族の少女リファと契約することで得た力。
麻痺・魅了などの特殊な力を睨んだ敵に対して与える。
これはリファが鬼族のなかでも珍しい吸血鬼であるためなのだが、リファ本人はこれを使用できないらしい。
- 召喚
天族の少女イリスと契約することで得た力。
レインが魔力の印を刻んだものを、任意のタイミング、任意の場所に召喚することができる。ただし、無機物対象なので、イリスのように分身体や自然体などの召喚はできない。レインはこの加護によりガンツから入手した短剣などの武器を自在に取り出せるようになった。
- 闘気
呀狼族の少女サクラと契約することで得た力
実体がないが、己の体に転じることで身体能力の強化を図り、さらに、立体的な機動を可能とする。敵を攻撃することも可能で威力を調整すれば刃のように切り裂くこともできるのだが、経験値が足りないレインでは、使用ができない。その代わり、精神を攻撃することはできる。
- 自然治癒能力
不死鳥族の少女フィーニアと契約することで得た力
戦闘によって受けた傷やダメージを自動的に回復する事ができる。ただし回復の速度は遅く、体力や傷の痛みまでも回復できない所が難点である。
- 能力発動阻害
機翔族の少女コハネと契約することで得た力
別名「ジャミング」一時的に、または限定的に、相手の能力の発動を無効にする事ができる妨害技である
ただし発動条件には3つあり
- 相手の能力を正確に把握していること
- 一定の距離を保っていること
- 過去1時間以内に、直接的な接触があること
それら全てをクリアしないと発動できない
- 雷系の魔法の習得
魔族の少女ライハと契約することで得た力
炎系の魔法しか使えなかったレインがライハとの契約によって使用が可能になった。
- 破壊
魔王の少女エーデルワイズと契約することで得た力のひとつ
漆黒の炎を拳に纏うことで触れたものを全てを破壊し消滅する事ができるが、あまりにも強力で敵味方の区別をする事ができない味方殺しの力でもある。
魔法
初級の攻撃魔法。拳大の火球を生み出すが、Fランクの魔物であるスライム1匹を倒せる程度の威力しかないが、竜族の膨大な魔力を得た後は大幅に威力が向上し、火球が身の丈もある程の大きさとなって100匹以上もあるスライムの群れを焼き払い、アリオスの中級以上(と思われる)の雷撃魔法『ギガボルト』を相殺できた。
しかし、魔法が肉体より扱うのが難しい上に、その魔力によって威力を加減することが出来ないという欠点がある。実際、人質を取った敵に向けて放てば人質をも巻き添えにしてしまうリスクがある。
- ファイヤーボール・マルチショット
連続詠唱。拳大の火球を複数生み出している。
威力もエドガーが引き連れた騎士達を撃破できる程であり、尚且つ人質に取られた者を巻き添えにせずに済んだ。
初級の治癒魔法。竜族の魔力を得た後は、上級魔法「エクスヒール」に匹敵する効果を発揮しており、作中ではレインが腕に短剣が深く突き刺さる重症を負った際も即座に完治させた。
- クリエイト
頭の中に思い描いた物質を魔法で詠唱する事で、魔力を消費する代わりに創造する魔法。
これによって火薬などを生成することができる。
物質創造を得た事で使用可能となった。
装備
- クリスダガー、光のローブ、空の指輪
レインがアリオス率いる勇者パーティーに属していた頃に使っていた装備一式だが、プロローグにてアリオス達によって追放される際に、「そうそう、出ていく前に装備は全部置いて行ってくれよ。それは僕たちが手に入れたものだからね(Web版・書籍版・コミカライズ版・アニメ版で正確な台詞はそれぞれ異なるが概ねこういった内容)」というアリオスの理不尽極まりない言葉を受けて、馬鹿正直に(アニメ版ではご丁寧に光のローブを畳んで)置いていった。
書籍版では『迷いの森』攻略後に、アッガスから勇者パーティー復帰の条件のひとつとして、これら装備一式を返還する事も含まれていたが、既にレインはこれら装備にも何ら未練も抱いていなかった為、アッガスの申し出もすげなく断った。
- レザープレート(仮)
レインが装備している革で作られた胸当て。
勇者パーティーを追放された際には持っていなかったが、冒険者ギルドにて冒険者資格を得るための冒険者試験に挑む際に装備する。
勇者パーティーを追放された後に、持ち合わせていたなけなしの持ち金を使って装備したもの。
安物(価格は『銅貨十枚』)ながらもゴブリン程度なら問題なく討伐できる。しかしキラータイガーの鎧のように硬い皮には文字通り歯(刃)が立たず、刀身が折れてしまった。
その直後、カナデと契約して身体能力を強化した事や様々な事情もあってか、長らくは武器を購入していなかった。
ガンツがレインの為に製作したミスリル製の籠手。コミカライズ版では左手に装着されている。
外見は指が露出した黒いグローブに、銀色に輝くミスリルが(人差し指から薬指までの)手背と手首を覆っている。
手の平サイズの毒針を射出する他、捕縛用のワイヤーも備えている。
- カムイ
ガンツがレインの為に製作したミスリル製の短剣。
刀身は燃えるように赤く、わずかに刃が反ったようなモノとなっており、柄にトリガーが設置されている。使い心地も重量もかなり良く、切れ味も抜群である事から、レインは「俺が知る限り、最高の短剣だ」と太鼓判を押している。
最大の特徴はレインと契約した最強種の力を蓄えるギミックにあり、レインと契約をした最強種の手を繋ぐ事で力をチャージし、トリガーを押す事で刀身が輝き出す。これによってとんでもない破壊力を生み出せる。
木の的で比較すると、そのままの場合だと真っ二つにすることが出来るだけだが、最強手の力を乗せた場合は木の的を粉々にした、という事からその凄まじさが窺える。反面、そのギミックを無闇に連発すれば、最強種から引き出した力に耐える事ができずに刀身が折れてしまう為、多用は出来ない。
そもそもこの武器自体、最強種と契約したレインが使うことを前提としており、他の者が手にしてもその真価を発揮することは出来ない。
- クサナギ
カムイの構造をベースにして格段に多機能化させたレア・オリハルコン製の武器。ガンツの腕を以ってしても3日の徹夜を要したという、一流の中の一流職人にしか到底作れない逸品。
改良点は、まず短剣ではなくダブルブレードになったこと。いかにカムイが強くとも短剣であることからの限界からは逃れられなかったが、ダブルブレードになったことで攻撃力も手数も増加。扱いは困難だが、そこは器用なレインの腕だからこそである。
また、最強種の力を蓄えるギミックはカートリッジ式の魔石になり、これを3つまでセットできる。カムイとの違いは素材の変化により耐久性に心配がなくなったこと、最大3連発できること、平時にて戦闘に備えて事前に力をチャージできること。
しかしそれ自体さえ、基本的な機能たるファーストフォームでしかないのがこの武器の奥深さ。
さらにセカンドフォームとして、刃自体を12分割させる機能があり、魔力による遠隔操作が可能。即席の飛び道具にもなれば、自身へ集めて盾代わりにもなる。
そしてサードフォームは、ここ一番の時に使う攻撃力全振りの機能で、セカンドフォームで分割した12の刃をカムイに合体させる形で収束させ、カムイとクサナギの力全てを叩き込むレイン最強の攻撃手段であり、使いようによっては勇者が扱う伝説の武器クラスの得物さえ一方的に破壊しうる。
カムイの前提条件に加え、ビーストテイマーとして培った観察眼とマルチタスク同然の思考能力を以ってしてやっとスタート地点に立てるほど扱いが困難な武器。
人間関係
仲間達
最強種『猫霊族』の少女。
最強種『竜族』の少女。
最強種『精霊族』の少女で双子の姉。
最強種『精霊族』の少女で双子の妹。
最強種『神族』の少女。
元メイドの幽霊。
最強種『鬼族』の少女。
最強種『天族』の少女。
最強種『不死鳥族』の少女。
最強種『呀狼族』の少女。
わけあってレインが救出した『魔族』の少女。
最強種『機翔族』の少女。
敵対者
勇者パーティーのリーダー格である勇者にして、レインをパーティーから追放した張本人。
使い捨てのオモチャにするつもりで加えたアリオスと、その見当がまったく外れた器を持つ人物であったレインに、追放事件という人間関係が発生したことで、互いの運命を様々な意味で大きく動かしていくことになる。
後にアリオスが引き起こした数々の事件を考えると、この追放はレインにとって、勇者パーティー入りしていた時期における最大の幸運であったともいえる。
カナデ、タニアと契約した後に再会し、迷いの森の攻略を巡って(半ば脅し同然の)依頼を渋々引き受ける事となるが、その際に生じたトラブルからサシで決闘する事となり、ビーストテイマーならではの戦法を駆使して勝利した事で、図らずも積年の恨みを晴らして溜飲を下げる事ができたが、一先ず清々したレインとは裏腹に、アリオスにとっては『使い捨てのおもちゃ』に過ぎなかったレインの事を『不倶戴天の敵』と認識を改悪させるきっかけとなると同時に、その後、カナデ達だけでなく王家の関係者、果ては国全体を巻き込むほどの壮大な因縁の幕を開けるきっかけとなった。
そして、幾度の対決の果てに『勇者』の肩書をはじめとする全てを失ったアリオスは、「レインに勝つ」という執念だけを糧に、いよいよ取り返しのつかない域に達する事となる…
地方都市 ホライゾンの領主の息子であるが、その地位を傘に着て、横暴の限りを尽くしていたロリコンのドラ息子。ある事件をきっかけにレインに憎悪を抱き、それをアリオスに利用された事から、レインへの使い捨ての刺客として立ちはだかる。
その他
冒険者ギルドの受付を担当している女性。
レインが冒険者になるための試験を受ける手続きに冒険者ギルドに来た時からの付き合いで、レインの冒険者絡みの手続きは彼女が担当している。
また、コミカライズ版及びアニメ版では省略されてしまったが実は勇者パーティー追放後にレインがアリオス達と再会してしまったのは彼女がアリオス達にレインの居場所を教えたのが原因だったりする。
ホライゾンの武器屋を営んでいる地人族の鍛冶師。ある事が理由で人間不信気味であったものの、レインと交友した事で態度を軟化させ、以降、彼のパーティーの御用達となる。
ホライズン管轄の騎士団副団長。悪政や汚職に手を染めるフロムウェア親子や団長のジレー・ストレガー打倒の為に手を組み、その後、粛正された騎士団の新団長に昇進する。
ロールリーズ王家の第三王女。魔物に襲われていたところを救ったのをきっかけに、身分、性別を越えた友人同士となるが、後に彼女の存在が、アリオスの策略に嵌って、絶体絶命の窮地に立たされたレイン一行を救う事となる。
アリオスが失脚した後、彼に代わる新しい『勇者』に指名された少女。アリオスとは正反対に善意と良識の塊のような好人物であり、レインとも非常に友好的な関係となって、協力し合う様になる。
ただしレインが「冒険者」であるのに対して彼女は「勇者」。勇者はその絶対的な使命によって魔族と戦って勝つことを要求される身分であり、冒険者としての見聞で魔族との和解を目指すことを決心したレインの道とは決して相容れることのないものである。