「正義だ? 小娘が吠えるなぁ! この騎士団…否、元よりこの世界に正義など存在しない!」(アニメ版)
プロフィール
概要
騎士団ホライズン支部長。甲冑を着た壮年の騎士。
しかしホライズン支部の騎士団はジレーも含めてエドガーの走狗と成り果てていた。
いつものように目をつけた女性を攫おうとして、返り討ちに遭ったエドガーから呼びつけられ、その騒動の揉み消しを金貨10枚で依頼されるが、同時に金貨5枚の追加報酬(アニメ版では後払いであった為、貰っていない)で、エドガーの邪魔して恥をかかせた『レイン』なる男の素性を調べ上げ、可能ならば捕縛して自分の下へ連行してくるように命じられる。
その後、『騎士団と領主親子との癒着の決定的証拠が発見された』という噂が流れた事で、自分達とエドガー達との関係が露見する事を畏れ、同じく癒着に関わっている騎士団員達を引き連れて証拠があるとされた場所に踏み込むが、それはステラ達良識派の騎士とレイン一行が仕掛けた罠であり、自分以外の団員は一網打尽にされてしまう。
自らもステラと戦闘を繰り広げるも、レインの仕掛けていた事前工作によって敗北を喫し、その場で騎士団長解任を言い渡され、捕縛されてしまった。
事件が解決した後、腐敗の証拠が山ほど発覚した事から、ジレーを始めとするエドガーとの癒着に関わった騎士は全員正式な処分と裁きを待つ身となった。
アニメ版ではホライズンでの魔族騒動が解決した後、領主や他の不正に関わっていた腐敗騎士達共々、王都へ犯罪者として移送されていった事がステラの回想の中で明確に描写されている。
キャラクター像
金と引き換えにエドガーの悪行に従って行動し、領主達による(主に色欲絡みの横暴に関する)不祥事や犯罪被害をもみ消している所謂悪徳警官ならぬ悪徳騎士。
そればかりか、当人やエドガーの言葉からして、過去には被害届などを出そうとした者を『適切に処分する』などかなりダーティな事もやらかしている事が窺える。
一方で、エドガーから「頭の足りない男」と評される通り、レインやステラ達の仕掛けた策にかかった際にはエドガー達への発覚を畏れて、内々で片付けようと箝口令を敷いた事で、レイン達に一網打尽にされる決定打となってしまうなど、やや思慮に欠けている一面も見受けられる。
かつては正義感はあったが、成果を出しても給金は上がらないばかりかミスをすれば人々から糾弾される現実に失望した事から、『正義』というものを否定し、他者を試みない自分の欲を優先する人物となった(コミカライズ版では回想シーンの中で、猫を助けてその飼い主と思われる子供に優しい笑みを浮かべているシーンがあったが、その直後にエドガーから難癖をつけられた末に頭を踏まれる屈辱を味わい、街の人々の様子を目の当たりにした場面が描かれており、『正義』など存在しないと結論づけていた意味合いとなっている)。
アニメ版では尺の都合上、腐敗するきっかけになった下りがかなり簡略化(ステラとの交戦時にかつての真っ当な騎士だった頃の姿が回想として彼女の脳裏に浮かんだ程度)されていたが、恐らくは同様の経緯で堕落したものと思われる。
しかも、騎士団員の大半が不正に手を染め、エドガーと癒着していることから、実質騎士団のホライズン支部は(ステラを始めとする少数の騎士を除いて)エドガーの走狗となる有様であった。
戦闘力
騎士団長の名に恥じず、僅かに漏れるレインの気配を感じて、飛び道具である毒針を剣で叩き落としている。
アニメ版におけるステラとの一騎打ちでは、剣を弾かれても、すかさず正拳で殴り飛ばして、その隙に宙に舞った剣をキャッチするという芸当を見せていた。
前述したとおり、思慮こそ足りないものの頭の回転自体は悪い方ではなく、罠を仕掛けられて窮地に陥っても動揺から立ち直り、誰が首謀者なのか推理している。
加えて瞬時に状況を判断、部下の鼓舞、そして最も適した命令を下しているが、それらはレインに予測されてしまった。
人間関係
協力関係
癒着相手。
本来、騎士が忠誠を捧げるべき相手は国王のみである筈であるが、ジレーは金と引き換えに彼と歪んだ主従関係を交わしている。
コミカライズ版ではジレーを腐敗させた一因である事を示唆させる描写が追加されている。
敵対者
エドガーの癒着に加担しなかった数少ない騎士。
今でも『正義』を掲げている彼女を愚弄しており、当のステラも欲を優先するジレーに憤りを顕にしている。
コミカライズ版ではかつて『正義』を貫く姿勢を尊敬されており(アニメ版でも少なからずそれを示唆させる描写があった)、敗北して捕縛された際に『正義』を捨て、堕ちた今の姿に改めて悔しさに涙を流され、ジレーもどこか思う様子を見せた(アニメ版ではカット)。
ジレー失脚後は後任のホライズン支部長へと昇進している。
エドガーに歯向かい、恥をかかせたという冒険者。
エドガーからは、素性調査(&身柄確保)を命じられていたものの、その前にステラと共闘して先手を打たれる事となってしまった。
余談
web版の初期稿版では、ステラが登場する直前に、『エドガーとの騒動について騎士団の受付嬢に被害届を出そうとしていたレインの前にジレーが現れ「些細なもので、軽い喧嘩のようなもの」と一蹴しており、踏み込もうとすれば「名誉毀損で逆に調査する」と警告し、無理やり被害届を取り下げさせる』という形で一度接触するシーンがあったものの、コミカライズ版において同シーンが描かれた際には、ジレーではなく同年代の別の騎士に変更(おそらく、原作者である深山鈴氏とコミカライズ版作画担当の茂村モト氏の間で認識の誤差が生じた事によるものと思われる)されており、それに併せてか、web版でも同話の内容が再稿され、上述の内容に変更されている。
結局、レインとの初接触は、レインとステラに罠にかけられる場面まで先送られ、しかも同場面においてもステラとの対決がメインとなった事から、結局、レインとは直接会話を交わす事のないまま、ジレーの出番は終了した。一方アニメ版ではステラ、レインと対峙した際に、レインの名を聞いて「レイン!? そうか、貴様がレインか! フハハハッ! 運が向いてきたぞ!貴様をエドガー様に差し出せば、この失態を帳消しにして余りあるわ!」と文字通りの取らぬ狸の皮算用な台詞を上げる場面が追加されている。
関連タグ
哀しき悪役(ある意味ではあるが、コミカライズ版ではそれが強調されていた)
小悪党(腐敗に堕ちる経緯やジレー自身の心情が省略または簡略化されたり、オリジナルで加えられた台詞などから、アニメ版ではコミカライズ版とは逆に、こちらのキャラクターが強調された形となっていた)