概要
コナミデジタルエンタテインメント(コナミ)とストレートエッジが共同で手掛けるメディアミックス作品。駱駝が執筆したライトノベルを原作とし、アニメ、ライブ、ゲームなど複数の媒体で展開される。
各種メディア展開
ライトノベル
2021年10月からライトノベル版が電撃文庫からリリースされている。
正式名称は『シャインポスト ねえ知ってた? 私を絶対アイドルにするための、ごく普通で当たり前な、とびっきりの魔法』。
2022年7月時点で3巻まで刊行されている。
コミカライズ
2022年7月23日には、MFコミックスアライブシリーズから漫画版も発売。
漫画版の著者はかわせみまきこ。駱駝(原著)・ブリキ(デザイン)はライトノベル版と同様。
テレビアニメ
2022年夏アニメとして、日本テレビのAnichU枠とAT-X、BS日テレで放送。また、各種配信サイトでも配信中。
アニメーション制作はスタジオKAI。
COVID-19の影響を受け、日本テレビとAT-Xでは10月にまで最終回の放送がずれ込む事態もあったが、無事に放送し終えた。
また、BS日テレではひとまず9話まで放送したうえで、残り3話に関しては12月27日に集中放送という形で放映された。
2022年10月からはTwellVでも放送されたが、第10話以降は、BS日テレに先行して放送された。
ゲーム「シャインポスト Be your アイドル!」
コナミからリリースされる予定。2022年9月に開催された東京ゲームショウ2022のコナミブースにも出展した。
ライブイベント
作中での展開を再現するかのように、2023年3月11日には中野サンプラザでのライブ開催が決定。「シャインポストTINGS LIVE JOURNEY ep.02 “Re-Live” with HY:RAIN & HOTARU」として昼・夜の二部に分けて行われた。
あらすじ
アイドルユニット『TiNgS』のメンバーである玉城杏夏、青天国春、聖舞理王は、「世界中の人達にアイドルを大好きになってほしい!そのための輝く道標…。それが、シャインポストだよ!」という言葉から大きな夢を抱くが、小さい成果だけしか出すことができなかった。
この3人の救いの手として準備されていたのは最強マネージャーだったはずが、「僕、マネージャーはやらないよ」という言葉で現れた、やる気のないような雰囲気が見られた日生直輝だった。しかし、直輝は特別な力を一つ備えていた。
アイドルを絶対目指そうとする、光り輝く君と少女たちのストーリーが開幕する。
登場人物
アイドルとその関係者
TiNgSのマネージャー。とある能力を持っている。
ブライテストの社長で直輝の従姉。直輝の能力についても知っている。
FFF(フライ)
ブライテストの看板アイドル
FFFのリーダー。
ゆらシスの大きい方。
ゆらシスの小さい方。
絶対アイドル
巷で『絶対アイドル』と呼ばれる、人気・実力共にナンバー1の存在。『TiNgS』を含めた、全てのアイドルが彼女を目標とし、目指している。
HY:RAIN(ハイレイン)
- 黒金蓮(くろがね れん)CV:芹澤優
- 唐林青葉(からばやし あおば)CV:高瀬くるみ
- 唐林絃葉(からばやし いとは)CV:久保田未夢
- 氷海菜花(ひうみ なのか)CV:高柳知葉
- 苗川柔(なえかわ やわら)CV:香里有佐
その他
アニメ版の特徴・魅力
2022年11月現在ではやや知名度が低い事は否めないものの、ストーリー構成・作画・映像演出の全てにおいて非常に高いクオリティを誇る「隠れた名作」という意見が多々ある。
現に公式YouTubeのコメント欄には好意的な意見、細かな描写への考察が集まっている他、
- 「良い作品だからもっと知名度が上がってほしい」
- 「こんなにシナリオもライブシーンも素晴らしいのに有名じゃないのがもったいない」
- 「もっと人気になってほしい、多くの人に見てほしい」
といった応援の声が数多く見受けられ、客観的に見ても現代におけるアニメ作品として遜色のないクオリティであることは間違いないだろう。
当時のニコ生アンケでも全話平均での高評価が81.35%と、安定した数値を保っている。
特にファンの間で好評な点を挙げるとするならば、やはり「ストーリー展開」と「ライブシーン」の2点である。
魅力1:王道かつ丁寧なストーリー展開
本作は「デビューしたての新人アイドル達が解散を防ぐために奮闘し、多くの人達から注目される存在になっていく」過程を丁寧に描いた王道アイドルアニメと言えるだろう。
アイドルものを見慣れた視聴者や、独自性や変化球を求める視聴者からすれば、若干「ありきたり」に映るかもしれないが、その「ありきたり」を緻密かつ丁寧に描き、確かな感動や共感を視聴者に与える程の濃厚な人間ドラマとして完成させているのが本作の魅力である。
具体的には、
- 「各アイドル毎に抱える悩みや葛藤を、回想シーン等を交えて丁寧に描写。そして克服や成長の証としてライブシーンで魅せる」という王道展開を、しっかりとした話数をかけてじっくりと描いていく
- 時にはキャラクター同士の「すれ違い」も描かれるが、いずれも「善意によるすれ違い」であり、見ていて「心苦しい」気分にこそなれど「嫌な」気分にはならない工夫がされている
- ライブの練習だけでなく、ファンを獲得していく過程も打開策が論理的に示されており、「どのような頑張りをして知名度を上げていったか」という過程が具体的に明示されている
- 困難を解決する際にも、常に「仲間のアイドル」「マネージャー」「ファン(の皆様)」といった多面的な関わりがあるからこそ克服できたという描写が多く、「多くの人々に支えられているからこそのアイドル」をリアルに描いている
等、ストーリーを通じての説得力や整合性、清涼感がいずれも高い水準で表現されている。
魅力2:圧倒的クオリティのライブシーン
今作におけるライブシーンは(優劣をつける意味ではなく、純粋な比較として)他のアイドルアニメと比べても非常に良く動き、しかも作画の大半が手書きである。
CGも多少は使用しているが、基本的には遠目のアングルや後列で踊っているキャラにのみ使うといった違和感の無い範囲に留め、キャラがアップになるシーンの表情・ダンスは手書きで表現されている。
他にも様々な表現が用いられており、幾つか述べていくと、
- あえて観客の歓声やコーレス、クラップを曲と同程度の音量で被せ、ライブの臨場感をよりリアルに演出する
- 汗のかき具合、視線、表情、息の上がり方、動きのズレすらも細かく差を付けて描写し(しかも上記のように手書きで)、ライブシーンの演出さえも物語の伏線として取り入れる
- (ネタバレになるので詳細は伏せるが)「自身がセンターを務める曲の歌い出しにトラウマを抱えるヒロイン」がリベンジするライブでは、あえて音を外す演出にすることでリアルな緊張感を表現する
等、ライブシーンをストーリーと完全に地繋ぎの表現演出として活用し、拘りを持って仕上げているのが髄所に見て取れる。
・本作ライブシーンにおける手書きの躍動感がわかる動画(シャインポスト公式YouTubeより。いずれのライブシーンにもネタバレは含まれていないのでご安心ください)
他にも台詞の無いカットでの細かな演出、伏線の仕込み方等、一本のアニメ作品として純粋に評価できる点が数多く秘められており、「高い表現力で描かれた、実直な王道アイドル作品」に触れたい方々にこそ見てほしい名作である、という声もある。