概要
旧労働省(現・厚生労働省)所管特殊法人の雇用促進事業団が、雇用保険法に基づいた勤労者向けの福祉施設として中野区に建設し、1973年6月1日に開業。正式名称は『全国勤労青少年会館』で、中野駅北口から至近距離で、施設運営は当初から黒字だった。
施設としてはホテル、オフィス、レストラン、式場、コンサートホール、イベントホールなど多数の施設を内包し、加えて公営施設ならではとして図書館や若者の職業相談を担当する「サンプラザ相談センター」も併設されていた。
2222人を収容できるコンサートホールは都内において日比谷野外音楽堂や日本武道館と並ぶ大規模コンサート会場としても有名であった。
この施設は公益事業であり、営利を求められてはいなかったが、利益が見込める施設として、民間への譲渡が求められ、勤労者福祉施設の廃止に伴い売却が決定された。そして2004年11月、地元の中野区と金融機関・企業等が出資して設立された所有会社「株式会社まちづくり中野21」に52億9987万円で売却された。運営は並行して設立された「株式会社中野サンプラザ」が行うこととされ、売却の翌12月より運営を開始した。なお、民営化により図書室および職業相談所「サンプラザ相談センター」は前年の2003年に閉鎖されている。
しかし老朽化は確かで、2018年に当時の中野区長・酒井直人はサンプラザを含めた中野駅周辺の再開発を明言し、再開発の準備が始まった。そして2021年にサンプラザ再開発の議定書が締結され、2023年閉鎖が発表された。
5月3日から2か月に亘って多くのアーティストが集った音楽祭が催され、7月2日に人々に惜しまれながら閉鎖された。
後継施設は「中野サンプラザシティ」であり、超高層ビルの形態こそ同じであるが、商業施設が中心となる点は大きく異なっている。完成は2029年度の予定だったが、2024年10月の中野区議会で、人件費の高騰や資源高で、工事費が900億円以上増える見込みが明らかとなり、予定されている2029年度の完成が遅れるだけでなく、計画自体を見直す可能性が発生しており、不透明な状況となっている。
関連タグ
丸井:昭和期から2000年代初頭まで、中野サンプラザにて「丸井試写会」として映画の試写会を行っていた。ちなみにサンプラザとは駅を挟んだ南口に丸井本店が、サンプラザの北側には丸井本社ビルがある。
サンプラザ中野くん:芸名の元ネタが中野サンプラザ