『ただの1位じゃねえ 俺がとるのは完膚無きまでの1位だ…!!』
『俺はオールマイトが勝つ姿に憧れた 誰が何言ってこようがそこァもう曲がらねえ』
『半端な結果は要らねえ!』
『…変わってねェよ 昔も今も俺の目標はオールマイトをも超えるNo.1ヒーローだ』
『雄英全員 音で殺るぞ!!』
プロフィール
天才肌の不良少年 その力 爆裂豪快!!
No.1に憧れる豪腕は誰が為に振るわれる!?
―――僕のヒーローアカデミア 公式キャラクターブック2 Ultra Analysisより
ヒーロー名 | 大・爆・殺・神 ダイナマイト |
---|---|
個性 | 爆破 |
学校・学年 | 雄英高校ヒーロー科1年A組17番 |
出身校 | 折寺(おるでら)中学校 |
誕生日 | 4月20日 |
身長 | 172cm |
血液型 | A型 |
出身地 | 静岡県あたり |
好きなもの | 辛い食べ物全般、登山 |
嫌いなもの | 雨 |
性格 | 暴言自信家 |
入試実技 | 1位 |
個性把握テスト | 3位 |
一年一学期中間学力テスト | 3位 |
CV | 岡本信彦(TVアニメ) / 梅原裕一郎(VOMIC)、國立幸(幼少期・TVアニメ) / 高橋李依(幼少期・VOMIC) |
概要
雄英高校ヒーロー科1年A組の男子生徒。主人公出久の幼馴染であり、クラスメート。
人物
良く言えばストイック 悪く言えば自分本位
薄い金髪に赤目の三白眼が特徴的な少年。主人公である緑谷出久とは幼馴染みで彼からの呼称は「かっちゃん」。
将来の夢は本人曰く「オールマイトをも超えるトップヒーローとなり、高額納税者ランキングに名を刻むこと」
言動は粗暴な不良そのもの。口癖に「クソが!」「くたばれ!」「〇ね!」などかなり粗暴な言葉が多いのはもちろん、「お前どこ中だ?」や「妙な動きをしたら爆破するぞ」などの定番台詞もおさえている。
一見ではとてもヒーロー志望とは思えないため、作品内外問わず「敵(ヴィラン)っぽい」とよく言われる。自身の粗暴な言動が原因でトラブルに巻き込まれるなどの痛い目に遭うこともしばしば。
とてつもなく自尊心が強く攻撃的な性格で、何であろうが負けた気分になる事が大嫌い。人に救けられる事すら「その人より下」であり「見下された」と感じてしまうらしい。しかし成績は優秀(身体を動かすものだけでなく知識なども含む)なので馬鹿も浅慮でもないインテリヤクザである(「賢しいヤクザ」の意味ではなく「ヤクザっぽいインテリ」、つまりこう見えて知能派)。いろいろこじらせてはいるが、要は完璧主義者なのである。
天才にありがちな唯我独尊・俺様タイプではあるが、直接出久に手を出すようなことはせず、試験や模擬戦にかこつけて合法的?に彼をぶっ飛ばそうとする、「このまま無茶を続けたら失格になる」という忠告をイラつきながらもちゃんと聞く、「殺さない程度に」出久を痛めつけようとする、仲間の煙草は注意するが、そもそも自分の方は内申点に響くから煙草を吸わないなど、妙な部分で冷静に判断して自分が不利にならないように加減するため、他の生徒から「みみっちい」と言われる(公式曰く「爆発的みみっちさ」)。
クラスメイトからも、入学数日で付き合いが浅い内からその辺りを見透かされた上で「クソを下水で煮込んだような性格」と評され、早々にイジられキャラが定着した。
当初は「自尊心の塊」とまで言われる精神的に未熟な問題児だったが、ヒーローを目指す日々の中で、彼もまた多くの挫折や葛藤を経験し、やがては強靭な精神性を秘めた本物のヒーローへと成長していく。
早熟の天才肌
彼は幼少期から挫折を知らずに育った、いわば早熟型の天才であり、基本的に天性のセンスだけで状況を切り抜ける事が出来る。
彼の戦闘スタイルも、「相手の個性を見極め弱点を突く」という頭脳派スタイルである事もそれを如実に表していると言える。
当初は「最適な戦闘方法で確実に勝つため」というより、「相手の弱点を突くのが好き」なだけ。その短気な性格から冷静さを失いがちである事が欠点だが、相手の弱点を短時間で見抜くため、直接戦闘の技能は高い。
基礎技術も高く、入試試験:敵P77・救助P0の総合1位、つまり誰1人助けず、敵ロボットをぶちのめした量だけで主席をもぎ取った。
個性把握テスト:総合3位。雄英体育祭:障害物競争3位、騎馬戦2位チーム、決勝トーナメント1位:中間試験:3位といずれも高い成績を残しているが、完璧主義である本人は自身が認めた1位以外は意味のないゴミだと認識している。(冒頭の台詞「完膚なき一位」は「判定勝ち」「ルール上では勝ち」というようなものではない完全勝利のみを「勝ち」と定めていることの現れ)
個性無しでも50m走を5秒台、ボール投げ67mという化け物レベルの運動神経の持ち主であり、他にも、疲れ知らずのスタミナや警戒していれば後出しでも対処出来る反射神経など、とにかく高い身体能力を持つ。
さらに学力も優秀で、平凡な市立中学出身でありながら国立で最難関の雄英高校を余裕で狙える程。
ただ、そうした「何でも出来てしまい、挫折を知らないが故の危うさ」は家族にも危惧されており、そのため彼の母は雄英高校の方針を「勝己をちゃんと見てくれる」として感謝の念を持っている。彼女曰く「自分ら両親以外の大人は、才に恵まれた息子を盲目的にもてはやすばかりであり、悪い所を見ようともしてくれなかった」との事(実際彼がヘドロヴィランに捕まり、個性を利用されていた際は誰1人彼の心配をせず利用された個性ばかりを褒め称えていた)
すでに高校入学時点でプロヒーローからもすぐサイドキックに雇っても遜色ない実力と評価されるほど力を付けているが、必要性があると思えば新技を開発するなど上昇志向・潜在能力も未だ高い。
さらにはA組・B組合同戦闘訓練においては精神的成長の甲斐もあり、態度は変わらぬまま協調性やチームプレーを意識した作戦を取り、その場での咄嗟での行動も被害を最小限にとどめたものにするなど、よりヒーローらしく、全体の動きを見たものになっていく。
これは『味方が全員無事な状態での完全勝利』をおさめた方が強いという考えから来ており、出久との喧嘩後にオールマイトが示した『勝って救けるヒーロー』を体現するともいえる。
また、一年間での生活を経てクラスメートからの信頼や支持も厚くなり、急遽決まったチームアップでも相手に完封勝利を収めるなど、ヒーローとしての能力はより洗練されているものになっている。
ネーミングセンス
ネーミングセンスはイマイチで、自身で挙げた仮ヒーローネーム『爆殺王』、『爆殺卿』は、いずれもミッドナイトにより却下された。その後ヒーロー名は決まっている描写があり、出久が聞いたがある人に一番に伝えたいため教えなかった。ある人?
あまり他人の名前を覚えようとしないため、基本的に知らない相手はモブ扱いし、ちょっと覚えたら外見的特徴からあだ名を付けている。しかし、実力を認めた相手のことは名字で呼ぶようになる。
A組
人物 | あだ名 | 備考 |
---|---|---|
緑谷出久 | デク / クソナード | 名前の漢字を捩って / ヒーローオタクのため |
轟焦凍 | 半分野郎 / 舐めプ野郎 | 外見的特徴 / 本気を出さなかったため |
飯田天哉 | クソ眼鏡 | 外見的特徴 |
麗日お茶子 | 丸顔 | 外見的特徴 |
切島鋭児郎 | クソ髪 | 外見的特徴 |
芦戸三奈 | 黒目 | 外見的特徴 |
尾白猿夫 | 尻尾 | 外見的特徴 |
上鳴電気 | アホ面 | 個性多用後の外見的特徴 |
口田甲司 | 岩 | 外見的特徴 |
耳郎響香 | 耳 | 外見的特徴 |
瀬呂範太 | しょうゆ顔 | 外見的特徴 |
常闇踏陰 | 鳥頭 | 外見的特徴 |
峰田実 | 玉 | 外見的特徴 |
八百万百 | ポニーテール | 外見的特徴 |
その他
人物 | あだ名 | 備考 |
---|---|---|
ベストジーニスト | ジーパン | 外見的特徴 |
ラグドール | ねこババア | 外見的特徴(?) |
ホークス | ヘラ鳥 | 外見的特徴・ヘラヘラ笑う事から |
ミルコ | ウサギ野郎 | 外見的特徴 |
鎌切尖 | 虫 | 外見的特徴 |
夜嵐イナサ | ハゲ | 確かに坊主頭ではあるが、丸坊主ではない。 |
肉倉精児 | 肉 | 個性の特徴から |
死柄木弔 | ガンギマリ野郎 | 外見的特徴 |
オール・フォー・ワン | 敵のボスヤロー/顔金○ | (前者は)実際そうである。後者は外見的特徴(?) |
黒霧 | モヤゲート・ウッカリヤロー | 外見的特徴、黒霧の発言から |
ダークマイト | オールマイトのパチモン野郎 | 外見的特徴・オールマイトと似ても似つかない所業から |
ジュリオ・ガンディーニ | イケモブ | 外見的特徴・一般人である事から |
家族構成
コスチューム
本人の要望曰く「全身ダイナマイト」。
この籠手は個性による汗を溜めておく事で最大火力をノーリスクで撃つことができ、十分溜まった際にビルを半壊させるほどの威力を誇る。腰には汗を入れておく事で簡易的な遠隔攻撃手段になる手榴弾を装備している。
後頭部には爆発のエフェクトのような飾りが付いている。近接戦闘で膝蹴りするために、膝にも金具のような物が付いている。
冬バージョンは長袖に変更しており、発汗機能がついた耐寒仕様のため、個性に最適である。
その仕様上、着ていると非常に暑い事や発汗による水分消費が激しい事が容易に想像できるため、水分補給用の対策がされている可能性がある。
最終決戦では、事前にサポート科から提供して貰った新型サポートアイテム・面制圧重装機動ストレイフパンツァーを身に着ける。
因みに彼のコスチュームと麗日のコスチュームには共に黒い丸が二つ並んだ意匠があるが、これは二人のコスチュームを手がけたデザイナーが同じだからとのこと。
個性
個性は『爆破』。
掌の汗腺からニトロのような汗を出す事ができ、それを爆発させる。
爆発力は汗の量に比例するため、動くほどに強力になる。暑く汗腺が開きやすい夏に強いが、冬はスロースタートになる。
ちなみに汗は無臭であるとのこと。
個性の特性上、ヒット&アウェイの戦闘を得意としている。
爆破を直接敵に浴びせる、爆発のエネルギーを凝縮した火の玉を放つ攻撃の他、爆発を推進力にした高速・空中での加速・移動にも使えたり、閃光弾も放てたりと応用の幅も広い。ただ、爆破を格闘に活かせるのは個性が優れているだけでなく、本人のセンスがずば抜けている為。
動けば動くほど身体が熱くなり汗腺も開くので、戦闘が長引くほど強力な爆発を起こせるようになる。本人のタフな身体能力と合わせると長期戦ほど有利。
デメリットは、光と音が出るので隠密行動に全く向いていない事と、強く広範囲な爆破をした場合に汗腺が痛むくらい。最大規模を連発すると掌から出血し、最終的には火花程度しか出せなくなる。
林間合宿における敵襲来の際には、轟に「爆煙で視界がふさがれる」、「木に燃え移る」など指摘されており、大規模爆発はそう安易に使えない。
また、特訓する場所も限られており、本人曰く家では本気をぶっ放せないし、外でやったらすぐお巡りが職質かけてくるとのこと。
尚、片手で爆破を起こして調理をしたり、極小規模爆発で焜炉に発火する事もできる(アニメ版ではカマドが吹き飛んでしまった)。
もっとも、日常生活でこの個性を活かそうという気はあまりないらしく、本編でも番外編でも自分から披露しようとはしない。ただし感情が昂るとすぐに暴発してしまうため、度々ツッコまれている。
個性伸ばし訓練では、『手の汗腺を広げて爆破の規模の強化』ために、ドラム缶風呂に手を浸けながら個性を使用し続けた。
必殺技
- 爆速ターボ
両方の掌を自身の後方に向けて連続爆発させ、推進力として高速移動を行う。爆発の強さやタイミングを細かく調整することで空中を動くこともできる。
- 閃光弾(スタングレネード)
爆発で強い光を発生させる。光を苦手とする個性を持つ常闇に使用した他、目眩ましなどに使える。
- 榴弾砲着弾(ハウザーインパクト)
跳躍中に両手を左右逆方向に向けて爆発を連続発生させ、その反動で錐揉み回転しながら相手に突撃し、その勢いを乗せたまま相手に特大火力の爆発を叩き込む大技。わかりやすく言うと回転型人間ミサイル。
爆豪が持つ最大火力の技であるため、強敵を相手にした際のトドメとして使用されている。
- 徹甲弾(A・P・ショット)
必殺技習得の圧縮訓練で開発した必殺技。
掌全体ではなく一点に集中して起爆させることで爆発の範囲を狭めて貫通力を上げる。分厚いコンクリート塊を貫通するほどの威力を持つ。
- 徹甲弾 機関銃(A・P・ショット・オートカノン)
徹甲弾(A・P・ショット)の応用。連続して乱れ撃つ。
- 爆破式カタパルト(エクスカタパルト)
掴んだ相手に爆発の回転力を加えて投げ飛ばす。自分より大柄な相手も関係無しに投げ飛ばせる。
- 爆風地雷
ひとり奔走する出久を連れ戻す際に使用した。両腕の籠手を地面に接地し、爆発を起こす事で出久の放出した煙幕を吹き飛ばした。
- クラスター
エンデヴァーから学んだ「溜めて」「放つ」を昇華させた技。徹甲弾が貫通力を重視した技に対し、こちらは起爆力を重視している。汗を玉にして爆破を凝縮して同時多発させる事で、威力を段違いに高めつつも周囲への被害を抑えている。
発動には多量の汗が必要となり、前段階として激しい動作で発汗を促さなければならない。この技を使用するにはユニフォームを冬仕様にする必要があり、発熱により体力を大きく削ってしまう。
クラスター使用時は反動で掌の腺に多大な負荷を掛けてしまう。その結果副作用として、本来掌からしか出ないニトロが全身の汗腺から溢れるようになる。
こうなると全身が爆発を起こし、OFAに匹敵するほどのパワーとスピードを出すに至るが、当然自身にも意識消失に至る程の大ダメージを与えてしまう。
- ハウザーインパクトクラスター
榴弾砲着弾(ハウザーインパクト)をクラスターに応用した大技。
- デトロイトスマッシュ
映画第二作目『ヒーローズライジング』にて使用された憧れの人物の必殺技。ヴィランのナインの強さに圧倒され、万事休すとなった際に出久よりある力を受け取る。それにより髪は逆立ち、目からは火花が散っていた。そして、ナインが作り出した雷雲を吹き飛ばす為に出久と共にそれを放ち、空に風穴を開けた。
人間関係
出久との関係
幼少期
上記の通り、出久とは幼馴染みである。
幼い頃の勝己は周りを、特に出久を見下して優越感に浸り、『出久』の漢字を上記の『デク』(木偶の坊の略語)と読んだり、勝己に絡まれた少年を庇う出久に対して制裁を加えたりと、度々出久にマウントを取っていた「嫌な奴」だった。
しかしある時、浅い川に落ちた自分を『心配して』、『助けよう』と出久から手を差し伸ばされる。これを彼は『見下された』と感じ、出久が自分と張り合おうとすることに対して徐々に嫌悪感を感じ始めるようになる。
このように、幼い頃から勉学も運動も全てにおいて爆発的に優秀な天才児であり、4歳で無個性ゆえの挫折を知った出久とは対照的に、一切の挫折を知らずに育ったため、自尊心が爆発的に肥大化してしまっている。
中学時代
折寺中学時代には、出久のノートを取り上げ、焦がす程度に爆破した(消し炭にはしなかったが)上で窓の外に投げ、胸元を掴み上げて『公立中学からの唯一の合格者という自分の計画の邪魔になる』と吐いた上で雄英を受けないように脅しつけ
「来世は"個性"が宿ると信じて…」
「屋上からのワンチャンダイブ!!」
などとせせら笑い、自殺を教唆するなど、相当に問題のある発言が出ていた。
仮に出久が本気で飛び降りていれば完全に警察沙汰である。ただ、出久の性格からして決して飛び降りないと高を括った上で発言した可能性が高い。
この後、ヘドロヴィランに襲われた彼は、またしても出久から救いの手を出されることになる。
実際に彼を助けたのはオールマイトだが、出久がまた自分を助けようとしたことに腹を立て、これ以降は出久を小馬鹿にする態度が息を潜め、「喋んな」や「関わんな」といった態度になる。
後にオールマイトとの会話の中で、出久を虐めていた本当の理由が、出久が物事の考え方の根幹に自身のことを勘定に入れてない事が自身からしたらあまりにも理解出来なく不気味で、自身の弱さを棚に上げて遠ざけたいと言う理由から虐めていたとオールマイトに語った。
雄英高校入学
そんな出久が雄英高校に合格したこと、そして無個性だと思っていたら本当は強力な個性を隠していた(と勘違いした)ことが彼のプライドを大いに傷付け、異常なまでの爆発的敵意を見せていた。
高校生活の中で、自分の実力を脅かすほどにまで成長していく出久の姿を間近で目の当たりにして、彼は出久への対抗意識と共に、自分が成長していないかのような焦燥感を募らせる。
それでもなお、出久にとって勝己は目標であり、勝己にとっての出久は見下すべき存在であることには変わりない。互いに言葉では言い表せないほどのわだかまりを抱えた彼らは、雄英高校入学後も幾度となく衝突を繰り返すことになる。
屋内対人戦闘訓練では出久に背負い投げでぶん投げられまさかの完敗。
さらに特待生の八百万が指摘したその際の行動の問題点に納得してしまったことや、もう一人の特待生の轟の個性に勝てないと感じてしまったことで肥大し切っていた自尊心が折れてしまう。
だが、それらの事実全てを真っ向から受け止め、出久の前で悔し涙を流しつつ「いいか⁉︎こっからだ!ここでだ!俺はNo.1になってやる‼︎」と吐き、その上で雄英で一番に「なる」ことを決意し、改めてヒーローとしてのスタートラインを切った。
体育祭では決勝戦にて轟が直前に吹っ切ったはずの炎を出すのを躊躇ったことで不本意な形で優勝してしまい、結果に納得できず大暴れした結果、拘束された状態で表彰台に立った。
期末試験では、「仲が悪いことが課題」として出久とコンビを組まされる。
相変わらず出久の意見を聞き入れず、相手であるオールマイトを倒そうと攻撃を仕掛けるも軽くあしらわれ、彼と協力する様言われるも、「彼奴に頼るくらいなら負けた方がマシだ!」と否定する。
しかし、出久に「負けた方がマシだなんて君が言うなよ‼︎」と鉄拳を喰らい檄を飛ばされたことで、不本意ながらも出久と協力し、自身の籠手を貸してオールマイトと応戦。気絶しながらも出久に助けられ、共に試験に合格する。
しかし、夏休みの林間学校に突如として敵連合が襲撃し、連合の手によって勝己が拉致されてしまう。敵連合が彼を狙ったのは、雄英体育祭での抑圧された勝己の姿を見越してのことだった。勝己が心に秘めた闇を増幅させるような再教育を施すことで、悪堕ちさせてヴィラン側に取り込もうとしたのである。
しかし、態度こそ乱暴だが、根っからのヒーロー志望であるため全方位に喧嘩を売りながら全力拒否し連合の面々の手を余らせていた。
その後事件は解決したが、渦中の中心にいた勝己は敵連合の一連の事件によりオールマイトが引退した事の責任が自分にあると抱え込んでしまい、誰にも打ち明けられない葛藤に思い悩ませられることになる。
その後、ヒーロー仮免許の試験で出久が合格し、彼自身が不合格となった事で、ついに積もりに積もった感情が爆発する。仮免試験を終えたその日の夜、訓練場に出久を呼び出した勝己は、出久に対して真剣勝負の決闘を申し込む。
『てめェの何がオールマイトにそこまでさせたのか 確かめさせろ』
『てめェの憧れの方が正しいってンなら じゃあ俺の憧れは間違ってたのかよ』
聡明な勝己は、出久がオールマイトの個性を受け継いだことを既に察していた。そうしてこの日、幼馴染である二人は本気の殴り合いを通して、人生で初めて本音で語り合う。
幼馴染である彼らは、幼少期から同じようにオールマイトに憧れ、オールマイトのようなヒーローになることを同じように夢見てきた。しかし勝己に言わせれば、現実的でない夢を持ち続ける出久は「いつまでも夢見がちな子供」のようなものであり、自分とは何もかもが違う道端の石ころのような存在だった。"何でも出来る自分"に張り合おうとする"雑魚で出来損ないのデク"は、彼にとって理解できない不気味な存在だったのである。
一方の出久は、勝己のことを(勝己自身がそう思っていたように)、自分とは違い夢を叶えることができるステージに立った「凄い奴」として見ていた。どれだけ「嫌な奴」であっても、勝己の存在は、出久にとってオールマイト以上に身近な目標だったのである。
しかし、生まれながらの天才である勝己には、出久のそんな感情は到底理解しようもない。どれだけ勝己が出久を突き放しても、出久は勝己の背中を追い続ける。その姿を見て更に勝己は出久を拒絶する。
こうして彼ら2人の歪んだ関係は作られていった。
決闘の結果は、互いの力を出し切った上での勝己の勝利に終わった。
そして深夜に激闘を繰り広げた二人の前にオールマイトが現れる。
勝己はオールマイトに自分の感情をぶつけ、そして他の誰でもない『デク』を後継者として選んだ理由を尋ねる。オールマイトは「既にスタートを切っていた君らを後押しするよりも、スタートラインにさえ立てなかった彼を立たせるべきだと思った」と語り彼の強さと弱さ、そしてヒーローとしての素質を認めた上で、彼に対してワン・フォー・オールの真実を打ち明かした。
この事件を機に、多少なりとも互いを理解した出久と勝己の関係は、「追う者と追われる者」の段階を超えて、より真っ当なライバルらしいものに変わっていくこととなる(その後、出久共々トラブルを起こした為に2学期始業時には2人揃って数日間の停学処分となったが、クラス担任の相澤から「どっちが先にやった?」と問われた際には「自分から手を出した」と潔く答え(その分、爆豪の方は停学日数が1日多くなった)、停学中にハイツアライアンスの掃除をしていた時に出久から「自分の戦い方はどうだっただろうか」と聞かれた時には(互いに背を向けた状態ではあったが)的確なアドバイスをするなど、今までの在り方から少しずつ態度を軟化させている様子が窺えた)。
その後は、仮免補講で出会った小学生に対して「いつまでも見下したままじゃ自分の弱さに気付けねェぞ」と語るなど、これまでの態度に関しても自分なりに色々と考え初めている模様。
上記の様に殴り合いを経て以降は、幼少期から続く最悪に近い関係性も比較的落ち着いたものとなり、A組・B組合同戦闘訓練では、口の悪さは変わらずとも、お互いに発破をかけたりする姿が見られる様になった。
また、訓練中に起こった"OFA"の暴走後にはオールマイトと共に、出久と"OFA"の暴走の原因を究明したり、その暴走を抑える為の訓練に付き合ったりと、これまでの一方的な敵視や対立関係とは異なる協力的な姿勢を見せており、出久に対する敵愾心はある程度薄れている模様(自分なりに折り合いをつけたというべきか)。
轟との関係
爆豪が初めて同世代で自分より上と評価した相手であり、爆豪が一番を目指すキッカケとなった人物のひとり。戦闘訓練に於いて、凍結させる個性に驚愕させられ、彼の事もライバル視しており、「半分野郎」とあだ名を名付け、なにかといつも突っかかる。
ただこれは爆豪からの一方的な意識であり、その突っかかってくるのに対して特に爆豪を意識してない轟がスカすというのが恒例の流れである。
また、轟家の裏事情については爆豪も立ち聞きで知っているが、雄英体育祭の決勝戦で出久に対しては出した炎を自分には出さなかった事に対して「自分の事を舐めている」と感じておりずっと心残りでいる。
結果、轟のことを「舐めプ野郎」と呼び、アニメ版3期の水泳対決でも「体育祭みたいな舐めプすんじゃねぇぞ。本気で来やがれ!」と発言をしている。
共にヒーロー仮免試験の二次試験に落ちており、その後は2人で仮免補講に行っていた。
クラスメートからは体育祭や他の成績、強力で派手な個性を見てかセットで2トップとも呼ばれている。
実際、他のクラスメートより戦闘面では頭一個抜けており、たびたび共闘もしている。
劇場版では背中合わせに敵に対応、協力してことに当たる様を見た切島からは「コンビネーションが良い」と言われる。そして仮免交付後はいきなりヴィランと交戦することになる。
なお、轟の方は仮免補講で一緒にいることが多かったため爆豪とはもう友達だと認識しているらしく、テレビの取材に対して「仲は良いです」と答えていた。これに対して爆豪は「ハァ!? テキトーこいてんじゃねーぞ、いつ仲良くなったんだコラ!?」「時間と親交は比例しねェンだよ!」と猛反論している。
また、上記のような共闘や救助の際に轟から「行くぞ、爆豪!」と言われて、「俺に命令すんじゃねぇ!!」というやり取りは、今ではこの二人の定番である。
最終決戦では轟が『荼毘を倒した』という吉報を耳にした勝己は「ったりめーだよ、轟」と少なからず彼の実力を信頼しているからか、その活躍を喜んでいた。また、最終決戦前には轟が「俺は???(ネタバレ注意)が好きなモンを俺は知らねぇ」と話している際に予想として勝己なりに荼毘の正体(ネタバレ注意)を気遣ってか轟の好きな『冷たい蕎麦』とは真反対の「絶対うどんだな。煮え滾ったやつ」と答えている。その言葉を聞いて、吹っ切れたのか「ハッ… だったら、一緒に食ってやるさ」と荼毘との最終決戦により一層、意気込むことが出来た。
切島との関係
爆豪は切島の事を「クソ髪」呼ばわりしており、事あるごとに彼を散々罵倒するものの、なんだかんだ一緒にいることは多い。爆豪が切島と会話をするようになったきっかけはUSJ襲撃事件で共闘したことである。一見乱暴者に見える爆豪は実は誰よりも勝つために努力をする人間で、戦闘の際にもきちんと論理的に考えて行動をしているということを知った切島は爆豪に対して尊敬の意を示すようになる。体育祭の騎馬戦では、切島が自ら爆豪と組むことを志願。「絶対ぶれない馬だ!」「取るんだろ?一千万!」という切島の言葉の数々に、爆豪は切島と組むことを承諾する。
期末試験の筆記試験対策のために切島にファミレスで勉強を教えたこともある。ただ、その指導は丸めた本で切島の頭を散々叩いて罵倒しながらというかなりのスパルタ式で、ファミレスの店員がドン引きしていたほど。
自身が攫われた際に出久が立てた作戦で救出されるが、この作戦はプライドが高い爆豪が窮地を脱するために仲間の救いの手を取るかどうかが成功のカギを握っていた。その救いの手を差し伸べる大事な役目を担ったのが切島、奪還組の中で切島が唯一爆豪と入学当初から対等な関係を築いてきた友人だからである。爆豪が切島の救いの手を取ったことにより、作戦は無事成功した。いつどこで知ったかは不明だが、自身を助けに来た際に切島が高額な暗視鏡を買っていたことを知り、自分の口座からお金をおろして彼に返していた。決して素直ではない爆豪のことなので救出されたことにたいして「ありがとう」という感謝の言葉を口にすることは無かったもののなんだかんだ言って感謝はしている模様。
一方の爆豪も切島の事をそれなりの実力者として認めている節があり、個性のことで悩んでいた切島が爆豪の言葉をきっかけに前を向くようになったこともある。
活躍
出久や轟との関係などは上記へ。
USJ襲撃の際は、切島と共に黒霧相手に先陣を切る。しかし個性で二人そろって飛ばされ、倒壊ゾーンで共闘する。その後合流した出久、轟と共にオールマイトのサポートに動く。
雄英体育祭は、第1種目障害物競走では3位でクリアし、第2種目騎馬戦では切島、瀬呂、芦戸とチームを組み2位通過する。
最終種目ガチバトルトーナメント、1回戦では麗日と戦い勝利。2回戦では切島と戦い勝利。準決勝では常闇と戦い勝利。決勝では轟と戦い勝利し優勝するが…。詳細はこちらへ。
職場体験ではベストジーニストの元で活動し、プライドの塊と髪型を矯正されたが変わらなかった。しかも髪の毛は八二分けに一度癖づいてなかなか治らなかったためそのまま登校する羽目になり、その結果切島と瀬呂に大爆笑された。
期末試験では出久と共にオールマイトに挑み、コミュニケーション不能状態でスタート。試験クリアの為の方向性を決めるどころか協力体制すら取れなかった。しかしオールマイトに強襲されその強さを実感。逃げた路地裏で出久が爆豪を説得し、協力体制を得ることに成功。爆豪に作戦を立ててもらう。戦闘と逃走の折衷作戦は成功し、一時逃げる時間を稼ぐことができたがすぐに追いつかれる。爆豪が出久を出口に逃し、オールマイトを足止めに掛かるがそれも抑え込まれる。その様子を見て、逃げに徹していた出久がオールマイトを殴り飛ばし、その隙に気絶した爆豪を連れて出口へ。ミッションクリア。
林間合宿襲撃の際は、敵襲来の報せを受けて、肝試しで一緒にいた轟と共に臨戦態勢に入り、敵の狙いが自分と知る。出久、障子、そして個性が暴走している常闇に合流し、協力し常闇の暴走を鎮めた。
施設に向かう途中に麗日と蛙吹と合流するも、周りが気づかないうちにMr.コンプレスに常闇と共に捕われ、出久、轟、障子が追撃するも爆豪は連れて行かれる。
ヴィラン連合のアジトで死柄木に「仲間になれ」と勧誘されるが拒絶し、一瞬の隙を突いた出久たちに救助された。
ヒーロー仮免許取得試験一次試験では、スタート早々に単独行動を取るが、切島、上鳴が追いかけてきたため共に行動する。士傑高校の肉倉と対峙して肉塊にされるも、上鳴の機転で逆転勝利し無事通過。二次試験では単純に素行の悪さが響き、仮免試験に落ちてしまう。
その後は同じく落ちた轟、夜嵐、諸事情により途中参加のケミィ共に仮免補講を受けており、ギャングオルカから出された『協力して子どもらの心を掌握せよ』の課題を通して児童らとの交流を図って合格。その後ついに仮免を取得した。
雄英文化祭ではバンド隊『Aバンド』にドラムで参加し、ここでも天才ぶり(芦戸曰く「才能マン」)を発揮。「雄英全員、音で殺るぞ!!」とA組全員を煽り、練習でも好き勝手して、耳郎から「本番では変なアドリブしないで」と釘を刺されていたが、本番のステージは逆にアドリブを入れた彼女に「おめーがするンかい」とツッコミつつ、無事にバンドの要を務め切った。
A組・B組合同戦闘訓練では、第四試合に登場。出場者は、A組から爆豪・耳郎・瀬呂・砂藤、B組から鎌切・取陰・泡瀬・凡戸。
「てめェらが危ねェ時は俺が助ける 俺が危ねェ時はてめェらが俺を助けろ」
いつも通り爆豪のワンマンプレーになると思いきや、勝つだけじゃなく『完膚なきまでな勝利』の言葉通り、乱暴な口調ながら耳郎への攻撃をしっかりと防ぎ、B組生徒を次々と撃破。第四試合はA組の圧勝になった。
冬のインターンでは、出久、轟と共にエンデヴァーの元で「逆に自分に何が出来ないのか」を知るため活動した。
夏雄を襲ったエンディングとの戦いでは、エンデヴァーに提示されたヒーローの基本三項である「避難・救助・撃退」の「救助」を担い、見事三人の連係プレーで完全勝利を果たした。
僕のヒーローアカデミアすまっしゅ!!
ツッコミ役で天才肌も健在。女子より料理上手。
幼馴染の出久にはずっと前から個人情報を把握されており「モコイチのカレーは五辛にパリチキトッピング。お風呂は大抵左下から洗いシャンプーはノンシリコン。寝る前は大抵シャレにならない恐い話をまとめて観てから寝る」とのこと。更には熱血フェチのミッドナイトには泣き顔を盗撮されるなど知らない間に被害に遭い、ベストジーニストにはヒョウ柄のコスプレ+ポーズを強制された。
チャリティのクリスマス会に不本意で加わったときは園児達の人気を集め、子供に好かれる体質であることも発覚した。
解説によると、人に悪態をつき敵を作るのは自分を向上させるストイック精神からくるもので、本来は他人の気持ちがわかる繊細な心の持ち主らしい。
ファンブックでも、切島に『悪い奴では無いが、性格で損をしている』と言われている。
余談
- 安易な否定的 / アンチ発言、または全肯定的な発言はトラブルの火種にもなるため注意して下さい。
- 人気投票で第一回は3位だったものの、その後の精神的な成長が描かれたことにより第二・第三・第四・第五・第六回・第七回・第八回は1位を獲得する(脅威の7連覇)など、作中でも高い人気を得ている。
- しかし、本編序盤での出久への近年のいわゆるいじめ問題を連想させる言動(特に重大なのが自殺教唆)や、度々描かれる出久とのやり取りの描写で両者の言い分に対する賛否が分かれるなど、その複雑な人物設定により読者の間でも肯定派と否定派がはっきりと分かれてしまっている。
- 爆豪がこれまで出久に行った行為は前述した自殺教唆未遂を始め、傍目にはハラスメント行為を含むものである。これはヒーローを志す立場としてあるまじき行為と言わざるを得ない。
- 反面その高い自尊心に見合う卓越した実力の裏付けとなるような弛まぬ努力・厳しい目標を自分に課している点や、徹底した現実主義で自分にも周りにも厳しいストイックな面等、その自分本位ながらも高い上昇志向的価値観に共感・理解を示す人もおり、そこから見た当時の出久の評価もあって、現状においても彼の評価は二極化している。
- 堀越先生からもこの辺りについてコメントが出ており、上記の読者感情について把握はしているらしい。https://www.cinematoday.jp/page/A0006998
- 本編内では現在、二人の関係は少々歪ながらも落ち着いている(と言えるかどうかも個人の価値観によるが)。爆豪本人の今後の振る舞いで、読者の見方は移り行くかもしれない。
- 人気投票結果のカラーぺージで描かれてきたファンタジー世界観のデク達は、デク達が違う世界にいたらこんな感じというイメージで描いてると堀越先生が明かしている。
- 第8回人気投票結果でのジャンプ本誌巻末コメントにて『村人デクは幼馴染の盗賊団に入団しました』と明かしている。
- また、累計発行部数1億部記念の47都道府県をデク達が回るイベントにて、東京新聞上でデクが爆豪に「いつかヒーロー事務所を設立するとしたら六本木かな、かっちゃん(オールマイトと同じ)」という問いに爆豪が答えたところ、轟が「ん?お前ら一緒に立ち上げるのか?」と突っ込み、デクと爆豪が「!!!?」と、反応する内容が掲載されている。
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僕のヒーローアカデミア 雄英高校 雄英高校生徒一覧 ヒーロー科 雄英高校1年A組 火属性 どう見ても悪役 天才 ライバル
緑谷出久 麗日お茶子 轟焦凍 切島鋭児郎 上鳴電気 瀬呂範太
コンビ・トリオ・グループタグ
MHA幼馴染 倒壊組 オリジン組 爆豪派閥 仮免補講組 Aバンド
※ネタバレ注意
オール・フォー・ワンによるヒーロー社会崩壊の中、敵の狙いが自分と知った出久は、皆を巻き込まないよう雄英高校を離れた。そんな彼の身を誰よりも案じていたのは、かつていじめっ子であった爆豪だった。
出久が出ていく直前の行動から、彼がオールマイトやエンデヴァーと共に居るのを察した爆豪はクラスメイトを率いて、エンデヴァーに言い放つ。
「デクの事、わかってねぇんだ」
「デクはイカれてんだよ頭ぁ」
「自分を勘定に入れねぇ、大丈夫だって」
「オールマイトもそうやって平和の象徴になったから、今のデクを止められねぇ」
「エンデヴァー、二人にしちゃいけない奴等なんだよ!」
エンデヴァーからGPSを借り受け、クラスメイトと共に出久に相対した爆豪は、ボロボロになった出久を止めるべく彼の前に立ちふさがった。
「ンで、てめェ~は今笑えてンのかよ?」
かつて幼馴染に抱いていた畏怖はなくなっていた。出久の友として、彼を救うためのヒーローとして、爆豪たちは出久の手を掴もうとする。
「どかせてみろよ オールマイト気取りが!!!」
自分を気遣う級友たちの手を振り解けずにいながらも、オールフォーワンの、そしてワン・フォー・オール継承者としての呪縛により、1人突き進もうとする出久に対し、爆豪は今まで言えずにいた謝罪を口にする。
「言ってどうにかなるもんじゃねェけど本音だ 出久」
「「今までごめん」」
思いがけない幼馴染の謝罪に、我に返る出久。爆豪は畳み掛けるように思いの丈を伝えた。
「ワン・フォー・オールを継いだお前の歩みは理想そのもので何も間違ってねぇよ」
「けど今お前はフラフラだ 理想だけじゃ超えられねぇ壁がある」
「お前が拭えねぇもんは俺たちが拭う」
「理想を超える為にお前も雄英の避難民も街の人も もれなく救けて勝つんだ」
出久は目の前にいるのが、傍若無人な幼馴染でも、自身が追い抜いたライバルでもなく、自分の先を見据えるヒーローだと気付き、自身も彼らクラスメイトと共に闘うことを決意したのだった。
※更なるネタバレ注意
最終決戦では死柄木との交戦経験を買われ、プロヒーローや雄英TOP3と共に雄英高校で死柄木弔との戦いに挑む。
しかし緑谷はトガヒミコの妨害に遭い合流できず、「緑谷と仲が良い」という理由で死柄木(AFO状態)に目を付けられ猛攻撃を浴びてしまう。
それでも顔の右半分が潰された状態で立ち上がる。ベストジーニストの制止を振り切り、死柄木に攻撃される。しかし、爆豪はその攻撃を避けた。爆豪が編み出したクラスターの副作用で全身から爆破し、さらなるスピードをもたらしていた。「なァ出久 俺まだおまえに追いつけるかな」と考えながら死柄木に立ち向かう。
幼い頃に手に入れたオールマイトのカードをポケットから出して「俺サイン欲しかったんだよなぁ」と呟くなど、シャイな一面もあるようだ。
「あの子、雨嫌いなんだよねぇ…」
爆豪の母がそう呟く中、死柄木の攻撃で爆豪の心臓の部分にポッカリと穴が開いていた。
その後プロヒーローであるエッジショットが自らの命を懸け、爆豪の心肺蘇生を行い…
オールマイト「爆 豪 少 年…!」
「勝つぞ!!!」
憧れの存在の死の間際、遂に爆豪が復活し、オールマイトを救出する。
損傷はエッジショットの奥義「秘伝袴田流 もやい結び」なる技術で縫合したようで、患部が綻びることはまずないとのことだが、疲労やダメージが回復した訳では無いため、現在の爆豪は一息が地獄の痛みに感じるほど危険な状態であるらしい。
身体のほとんどを治療に使った影響か、エッジショットの肉体は最早ただの紐のようにか細くなっていた。
実は、エッジショットは懸命に心肺を動かし続けていたが、爆豪の意識は一向に戻らなかった。
完全な死が目前へと迫った刹那、血管を流れて来た幾つもの小さなニトロの汗粒が誘爆を起こし、その衝撃で爆豪は息を吹き返した。
爆豪が目覚めたのは、次世代の命を繋ぎ止めようとするエッジショットの尽力と、爆豪自身がたゆまず磨いてきた個性(ちから)の賜物だった。
「わーってる 生かしてくれてありがとう先輩」
爆豪はオールマイトの武装のひとつである「大・爆・殺・神ダイナマイト」を受け取り、AFOに単身挑む。
その際見せた笑顔は普段の凶悪な笑みではなく、年相応の少年らしい屈託のない笑みであった。
「俺がラスボスだ AFO!!」
「OFA(あいつ)に拭えねーもんは こっちで拭うってなぁああ!!!」
対するAFOは爆豪を先程対峙した強敵ほどの圧力は無いと判断。彼を無視して死柄木の元へ向かおうとしていた。
なぁ 出久 俺まだ おまえに 追いつけるかな
なんでだろうなあ
なんか今 追い越せる気がする
しかし治療の副作用を利用した超加速で爆豪はAFOに食らいつく。
そんな爆豪にAFOはある男の姿を重ねる。
そうだ…似ている
こいつが 手を 差し伸べなければ
僕が 最も 憎いのは
AFO「おまえのせいだ駆藤!!」
「ボケが来たかよ!!俺ァ爆豪のかっちゃんだバァアカ!」
これ以上ダメージを受けて若返る訳にはいかないAFOは早急に爆豪を討つべく、個性の全てを集約させた最終奥義「全因解放・全ては一つの目的の為に(オール・フォー・ワン)」で爆豪に襲いかかる。
AFO「押し通る」
オールマイト「避けろ少年ン!!!」
「バカがてめえ んなもん勝てるわけねーだろ」
出久 もうおめーの邪魔はしねえ
頼む 爆ぜろ
「爆ぜろ」
次の瞬間、AFOに爆撃が浴びせられ、個性因子の結合も乱れる。
その攻撃には何の予備動作もなく、突然の爆撃を食らったAFOは想定外の事態に戸惑っていた。
彼の爆発する汗粒は雨に弱いため、あらかじめ爆発しない通常の汗粒でそれをコーティングしてAFOの口内へ飛ばしていた。
両方の汗粒が混ざった後、何らかの刺激を受けた時に時間差で起爆すると踏んでおり、その予想は的中。高い戦闘センスを見せつけた。
因子の乱れに関しては、これまで奪ってきた個性の持ち主達の負の感情に精神が振り回されたことで個性の支配が弱まったのだろうとホークスは推測している。
爆豪はAFOがバランスを崩したその隙を見逃さず、「榴弾砲着弾(ハウザーインパクト)」のラッシュを浴びせ、AFOの奥義を打ち破る。
「これは俺たちの 物語だ!!!!!」
「俺一人で…勝てるワケねーンだよ」
だがこれだけの猛攻を加えられてもAFOは肉体を保っており、赤ん坊の姿ながら力を振り絞り死柄木のもとへ向かう。
しかしそれを見逃す訳もなく、爆豪が立ちはだかる。
力を出し切り倒れそうになる爆豪。だがこのまま自分が倒れてもAFOは巻き戻りで間もなく自滅するだろうと踏んでいた………
「っぶねえ……!」
「完全に勝たねーと なァ!?」
「オネンネの時間だ AFO」
爆豪は心の中に残っていた僅かな油断を振り切り、AFOに爆破の連撃を浴びせる。
これによりAFOは完全消滅。爆豪〝達〟は勝利を収めた。
出久 頑張れよ
AFOに勝利した爆豪は力尽き、出久に全てを託してその場に倒れ伏した。
が、その後黒霧のワープによって、死柄木を完全に乗っ取ったAFOとの最終決戦の場へ重傷を押して駆けつけ、ワン・フォー・オールの最後の一撃を決めるためのアシストを行った。
決戦から1週間後を描いた424話のエピローグによると、右腕が酷く損傷しているらしく、接合に接合を重ねて何とか形を保っている様で、リハビリでも動く保証はないとの事。
その為ミルコのように切断や義肢の装着を提案されたが、爆破の個性は掌が起点となるため腕の切断は却下し、リハビリによって回復させることを選んだ。
そして、同じく決戦を終えて病室にいる出久とオールマイトの見舞いに行ったのだが…。
「......残り火って」「え」
「じゃあそれ...おまえ..."無個性"に」
「えええ」
そこで出久が、最終決戦で死柄木inAFOを内部から崩壊させる為、彼らにOFAを譲渡してしまった事を知り、作中序盤のオールマイトの様に個性の残り火のみが体内に存在する状態(=再び無個性に戻りかけている)ということを耳にしてしまう。
「いや...っだァ...ええ...マジで...」
「マジで...おまえに...何しとったんだろうな俺」
「なんとなく ずっとこのまま 競い合って追っかけて いくって なんか 思ってた」
ようやく出久との関係をやり直せた矢先にこの展開はかなり効いてしまったらしく、爆豪に大きな喪失感や後悔を芽生えさせ、感情が溢れた爆豪は上手く言葉も出せずにただ涙する。
そして、2人はオールマイトから「最高のヒーロー」と讃えられ、泣きながらも笑い合ったのであった。
そして最終決戦での活躍により、轟と爆豪には大量のファンができたようで、427話ラストでは大勢の女子生徒(雄英高校の新入生)たちに追いかけられており、轟と共に困惑し、飯田の背中に2人で隠れる微笑ましい様子が見られた(そんな様子を見て苦虫を噛み潰したような顔をする一人の男の姿も確認できる)。体力の方も上記の新入生から逃げられるほどには回復している模様。
轟「なんだってんだ?」
「除籍だろ こいつら全員!!」
緑谷「一年生すげえ」
続く428話では町の復興をプロヒーロー達と共に行うが、自身は怪我の影響もあり、軽作業を行っていた。
また最終決戦で爆豪を治療したことによって身体がとても小さくなってしまっているエッジショットを気遣い、ラフな敬語で話しかけたり彼の返事にぎこちなく微笑んだりする等、珍しい光景も確認できる。
文字通り命の恩人である以上、彼でもそれなりに礼儀正しい態度を取るだけの人物ということらしい。
そして最終決戦から8年後の未来。
念願のプロヒーローとなり事件を次々と解決しているにもかかわらず、相変わらずの性格が災いして順調にチャートを落とす、マヌケ…もとい忙しない日々を送る中。
親友の破れた夢を叶えるべく、仲間達に率先して声を掛け、彼に新たな力を授けた。
誰よりも出久がヒーローになるのを否定し続けた彼が、誰よりも出久がヒーローになるのを諦められなかった。
「来い、デク」
傷だらけの2人のヒーローは、共に夢を…いつまでも人々に手を差し伸べ続ける物語を紡ぐのだった。